31 / 36
第30話 旅立ちと実践
しおりを挟む
「...前回のような手を焼きそうなメンバーが少なくて助かるよ」
「アモンはまだしも他のものと比べられるのは心外だぜ?」と、グシオンが苦言を呈す。
「シャシャシャッ!それはそうだねぇ?けど、私は外に出れるだけで感謝してるますよ?セバス様w」と、バティンが笑う。
「...」と、無口なファラス。
「にゃはははっ!ウケるにゃw」と、ガープも笑う。
「はぁ、君たちは相変わらずだなぁ」と、マルコシアスは呆れる。
「あらぁ~みんなぁ~相変わらず元気だねえ~」と、マイペースにサブナクが呟く。
そんな6匹の悪魔を連れて私たちセバス班はボヘミア国に向かうのだった。
◇
「凍てつく氷の石礫をその身に受けよ!【氷魔法:氷点一撃】」
「おぉ、素晴らしいですな、アイン様」
「本当ですか...?えへへ...これで少しはラン様のお役に立てるかな...」
「もちろんでございます。はて、そろそろ私の教えることもなくなってきたのじゃがな...」
「い、いえ!マッドさんにはまだまだ教えてもらいたいことばかりです...。実践形式で...教えてもらえたりしますか...?」
「実践形式...うむ...多少のお怪我は承知の上ということですか?」
「...はい」
「それは流石に許可をもらわないと私には判断できかねすな」
「...分かりました」
というやりとりがあったらしく、アインちゃんとマッドさんが俺の部屋を訪れていたのであった。
「...うーん」と、流石の俺も考え込んでしまう。
アインちゃんが必死なのはマッドからの報告からも分かっている。
けど、俺は戦場に連れていく気はさらさらないのだ。
あくまで自衛のため程度に考えていたが...。
「自衛の...防御訓練だけならダメなのか?その、怪我しない程度に」
「そ、それじゃあ...実際に襲われた時には使えないって言うか...なんていうか...」
「...そうか。マッドの意見も聞かせてくれ」
「...うむ。既に多くの魔法...得意な回復魔法に関しては教えることがないほどに完璧じゃと思う。ワシのパーティに加えたいほどにな。支援魔法ももう少しで基礎的なものは終わり、攻撃魔法や防御魔法は系統的に習うのは難しい。一番身になるのは実践じゃと思う。じゃが、生半可な練習ならあまりやる意味はないじゃろう。もちろん、怪我をしない程度に努力をするつもりじゃが...。最終的な判断についてはワシではできかねる」
「...分かった。ここからは俺も練習に参加する」
「で、でも!それじゃあ...」
「あくまでお手本を見せるだけだ。マッドさんは攻撃魔法もいけるのか?」
「まぁ、少しはな。威力もコントロールもいまいちじゃから、むしろワシよりワシの仲間のウィッドに頼むのがいいじゃろう。攻撃魔法が得意じゃからな」
「おっけー、了解、領海、両界、りょーかい。んじゃ、早速始めようか」
◇
そうして、マッドさんとアインちゃんとウィッドさんに俺...それと野次馬のリベルが集まった。
「ちなみにラン様は得意魔法は何なんじゃ?」
「そういうのはない。オールラウンダーだからね」
「...規格外じゃな」
「そんで、リベルは見学か?」
「まぁね。あんたが強いのは知ってるけど、実際に戦ってるところ見たことなかったし、実に楽しみだわ」
「...俺の戦い見て濡れるなよ?」
「濡れるわけないでしょ?バカなの?」
「うっせ!」
やや怯えている様子のウィッドさん。
まぁ、あの人は俺の強さを知ってるからな。万が一、攻撃が当たってしまうようなことがあれば、殺されるとか思ってるのかもな。
「...手加減はしなくていいよ?全力でどうぞ」
「...はい」
「【風魔法:ウィンド】」
詠唱破棄の初級魔法か。
避けるのじゃ芸がないよな。
「【防御魔法:断砂利】」
砂利が固まり壁となりウィンドを防ぐ。
すると、「天空から降り注ぐ光の雨【雷魔法:ライトニング】」と中級魔法を唱える声が聞こえると、上空がピカピカと光始める。
このままだと直撃するな。
さて、どうしようかな?
「【支援魔法:身体能力向上】」と、詠唱破棄でバックステップで3連の雷をかわす。
「【生活魔法:揮発油】」を地面に撃つ。
ウィッドの足元にガソリンが浸されるが、すぐ「【氷魔法:凍結】」と唱えて足元のガソリンを固める。
思ったよりやるな。
これで後方支援部隊にいるなんて勿体無いな。
「【炎魔法:炎上】」と唱えると先ほど氷になったガソリンが溶けて、一気に燃え上がるのであった。
「うわあああぁ!!」と叫ぶウィッド。
あっ、やべやり過ぎたと無詠唱で鎮火を行いウィッドに近づく。
「ごめん、ついやり過ぎた」
「い、いや...大丈夫です。軽い火傷なので」
「アインちゃん。治してあげて」
「はい!」
実践方式となればこういうことも起こりうる。というか、これぐらいになるのが実践なのだから。やっぱり...やるべきじゃないよな。
「...私、やります!これぐらい...やらないとだめだから...」
「...マッド。なるべく危険がないように。何かあれば即座に俺に連絡をしてくれ」
「...分かりました」
「アモンはまだしも他のものと比べられるのは心外だぜ?」と、グシオンが苦言を呈す。
「シャシャシャッ!それはそうだねぇ?けど、私は外に出れるだけで感謝してるますよ?セバス様w」と、バティンが笑う。
「...」と、無口なファラス。
「にゃはははっ!ウケるにゃw」と、ガープも笑う。
「はぁ、君たちは相変わらずだなぁ」と、マルコシアスは呆れる。
「あらぁ~みんなぁ~相変わらず元気だねえ~」と、マイペースにサブナクが呟く。
そんな6匹の悪魔を連れて私たちセバス班はボヘミア国に向かうのだった。
◇
「凍てつく氷の石礫をその身に受けよ!【氷魔法:氷点一撃】」
「おぉ、素晴らしいですな、アイン様」
「本当ですか...?えへへ...これで少しはラン様のお役に立てるかな...」
「もちろんでございます。はて、そろそろ私の教えることもなくなってきたのじゃがな...」
「い、いえ!マッドさんにはまだまだ教えてもらいたいことばかりです...。実践形式で...教えてもらえたりしますか...?」
「実践形式...うむ...多少のお怪我は承知の上ということですか?」
「...はい」
「それは流石に許可をもらわないと私には判断できかねすな」
「...分かりました」
というやりとりがあったらしく、アインちゃんとマッドさんが俺の部屋を訪れていたのであった。
「...うーん」と、流石の俺も考え込んでしまう。
アインちゃんが必死なのはマッドからの報告からも分かっている。
けど、俺は戦場に連れていく気はさらさらないのだ。
あくまで自衛のため程度に考えていたが...。
「自衛の...防御訓練だけならダメなのか?その、怪我しない程度に」
「そ、それじゃあ...実際に襲われた時には使えないって言うか...なんていうか...」
「...そうか。マッドの意見も聞かせてくれ」
「...うむ。既に多くの魔法...得意な回復魔法に関しては教えることがないほどに完璧じゃと思う。ワシのパーティに加えたいほどにな。支援魔法ももう少しで基礎的なものは終わり、攻撃魔法や防御魔法は系統的に習うのは難しい。一番身になるのは実践じゃと思う。じゃが、生半可な練習ならあまりやる意味はないじゃろう。もちろん、怪我をしない程度に努力をするつもりじゃが...。最終的な判断についてはワシではできかねる」
「...分かった。ここからは俺も練習に参加する」
「で、でも!それじゃあ...」
「あくまでお手本を見せるだけだ。マッドさんは攻撃魔法もいけるのか?」
「まぁ、少しはな。威力もコントロールもいまいちじゃから、むしろワシよりワシの仲間のウィッドに頼むのがいいじゃろう。攻撃魔法が得意じゃからな」
「おっけー、了解、領海、両界、りょーかい。んじゃ、早速始めようか」
◇
そうして、マッドさんとアインちゃんとウィッドさんに俺...それと野次馬のリベルが集まった。
「ちなみにラン様は得意魔法は何なんじゃ?」
「そういうのはない。オールラウンダーだからね」
「...規格外じゃな」
「そんで、リベルは見学か?」
「まぁね。あんたが強いのは知ってるけど、実際に戦ってるところ見たことなかったし、実に楽しみだわ」
「...俺の戦い見て濡れるなよ?」
「濡れるわけないでしょ?バカなの?」
「うっせ!」
やや怯えている様子のウィッドさん。
まぁ、あの人は俺の強さを知ってるからな。万が一、攻撃が当たってしまうようなことがあれば、殺されるとか思ってるのかもな。
「...手加減はしなくていいよ?全力でどうぞ」
「...はい」
「【風魔法:ウィンド】」
詠唱破棄の初級魔法か。
避けるのじゃ芸がないよな。
「【防御魔法:断砂利】」
砂利が固まり壁となりウィンドを防ぐ。
すると、「天空から降り注ぐ光の雨【雷魔法:ライトニング】」と中級魔法を唱える声が聞こえると、上空がピカピカと光始める。
このままだと直撃するな。
さて、どうしようかな?
「【支援魔法:身体能力向上】」と、詠唱破棄でバックステップで3連の雷をかわす。
「【生活魔法:揮発油】」を地面に撃つ。
ウィッドの足元にガソリンが浸されるが、すぐ「【氷魔法:凍結】」と唱えて足元のガソリンを固める。
思ったよりやるな。
これで後方支援部隊にいるなんて勿体無いな。
「【炎魔法:炎上】」と唱えると先ほど氷になったガソリンが溶けて、一気に燃え上がるのであった。
「うわあああぁ!!」と叫ぶウィッド。
あっ、やべやり過ぎたと無詠唱で鎮火を行いウィッドに近づく。
「ごめん、ついやり過ぎた」
「い、いや...大丈夫です。軽い火傷なので」
「アインちゃん。治してあげて」
「はい!」
実践方式となればこういうことも起こりうる。というか、これぐらいになるのが実践なのだから。やっぱり...やるべきじゃないよな。
「...私、やります!これぐらい...やらないとだめだから...」
「...マッド。なるべく危険がないように。何かあれば即座に俺に連絡をしてくれ」
「...分かりました」
134
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
Gランク冒険者のレベル無双〜好き勝手に生きていたら各方面から敵認定されました〜
2nd kanta
ファンタジー
愛する可愛い奥様達の為、俺は理不尽と戦います。
人違いで刺された俺は死ぬ間際に、得体の知れない何者かに異世界に飛ばされた。
そこは、テンプレの勇者召喚の場だった。
しかし召喚された俺の腹にはドスが刺さったままだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる


