6 / 6
エピローグ
しおりを挟む
海斗がなんだかどんどんやつれていく。
私はお色気作戦を実行中だ。
私の憧れのデパートコンシェルジュである美里さんには、絶対に彼から告白をさせてからにしなさいって言われてる。
私から体を差し出しちゃいけないって。
安い女になってしまうわよって。
っていうか、私、女になりたての元男、いや戸籍上は未だに男だけど、そもそも高く売りつけられるような代物でもないんだけどなー。
でも、一度は私の方から告白しているし、海斗からは酔って言われた時だけで、しかも本人忘れちゃってるし、普通に好きだとも言われたことないから、私は海斗の本当の気持ちを知りたいだけ。
海斗が私の事を大切に思ってくれているのは疑いようがないし、手を出したいのに我慢してるのも分かってる。
いい加減、私ももう限界。
もう、なんで言ってくれないのかなー?
眠れない。当然だ。
ここで眠れたら、この一ヶ月のクリニックへの通院はなんだったのかということになる。
今日は酒を飲んだから、睡眠導入剤を飲むのをやめたが、飲むか?
いや、駄目だ。飲んだらせっかくの寝ぼけましたシチュが作れない。
真実の無意識下においてなら、なんのうま味もない。
せっかくのこのチャンスを逃すわけにはいかない。
俺はそうっと光に腕をまわして、柔らかーく抱きしめてみた。
うん、大丈夫そうだ。
しばらく、ふんわりと抱きしめた光の匂いを嗅いだり、柔らかさを堪能。
着ている服が俺のトレーナーじゃなきゃ良かったのにな。
光はここに来てからずっと俺が貸してやったトレーナーで寝ている。
光が俺の服を着て寝るのは、これはこれで、俺のもののような気がして満足ではある。
ただ今は邪魔だ。
ちょっと唇をはむっとするくらいはいいかな?
はむはむしてみた。起きない。
ちょびっとなら舌を入れても大丈夫かな?
唇の隙間に舌を差し込んで舐めたけど、起きなかった。
よしよし。
ほんのちょっとなら胸にスリスリしてもばれないかな?
ゴソゴソともぐり込んで、胸に顔を埋めようとしたら、上から声がかけられた。
「海斗?」
俺はギョッとして光から飛び退るように離れた。
心臓がドッキンドッキンしている。
どうしよう、どうしよう。
寝込みを襲うなんてサイテーだ。
「ごめん! 光! 俺、サイテーな事した。ごめん!」
俺は潔くベッドの上に正座して、頭を思いっきり下げた。
「でも、俺、もう我慢出来ないんだ。俺、光が好きだ。好きで好きで堪らないんだっ」
「だから、だから、1回でいいからさせてくれ。頼むっ」
頭をベッドのシーツに擦りつけるようにして潔く懇願した。
光が大きく息を吸い込み、はあ~ため息をついた。
こんなことを言うなんて、馬鹿な男だと思っただろうか。
「1回だけでいいの?」
え?
「たった1回でいいのかって、聞いてるの」
え?
「そりゃ、させていただけるなら何回でもしたいですけど?」
「何回してもいいよ?」
えー!!!
「ほんとに? マジで?」
「ほんとに、マジで」
「じゃあさ、会社に行く時と帰ってきた時にキスしてもいい?」
「いいよ」
「じゃあさ、テレビ見てて、ふいにチューしたいなーと思った時にも、キスしていい?」
「いいよ」
「じゃあさ、光が料理してる時に後ろから抱きしめてもいい? 胸もちょっと触ったりとか?」
「いいよ」
・・・・・・
「これってさ、俺、親友から恋人に昇格って事?」
「海斗が恋人にしてくれるなら、私、すごく嬉しいよ?」
「する! する! 今日から光と俺は恋人な!!」
「じゃあさ、さっそくだけど、その、してもいいって事だよね?」
光が恥ずかしそうにコクンと頷いた。
俺が光を堪能してると、突然光が、ちょっと待ってと言う。
えー!? 嫌だよ? 俺、待たないよ、待ちたくないよ、ゼッタイやめないし! やめれないし!
「何? どうした? 何か嫌だったか?」
俺はとりあえず優しく訊いた。
「あのさー、ほら、私ってずっと男だったでしょ? だから、その、私27だけどさー、初めてっていうか、どうやったらいいのかよくわかんなくて。私、あんまり期待されても困るっていうか、期待され過ぎて、思ったほどよくなかったとか思われたら、すごく悲しい」
「そんな事、全っ然、気にしなくていいよ。俺が全部教えるから! むしろその方が嬉しいし」
「うん。じゃあ、海斗に任せる。教えてくれたら、ちゃんとするから」
もう! 俺の恋人はなんて可愛いコトを!
「光、好きだ!」
当然1回で済むはずもなく。
初めてなのに、ごめん!って言ったら、光は優しくしてもらったから痛くないよって笑ってくれた。
光は本当に俺に甘いよな。甘やかすと俺、つけ上がっちゃうぞ!
なのに、光はさらに俺がつけ上がるような事を言った。
「私こそ、マグロでごめんね。でも、海斗がいけないんだよ。私を気持ちよくさせて、ふにゃふにゃに動けなくするんだもん。なんかほら、意識が上の方に行っちゃうっていうか、幽体離脱?したみたいだったよ」
え? 今、ナンテイッタノ? 初めてなのにそんなに気持ち良かったノ?
俺ももちろんスゴく良かったヨ。でも、そんな、幽体離脱しちゃうほど?!
もう!そんな愛しい事言うと、俺、図に乗ってもう一回しちゃうよ?
私はお色気作戦を実行中だ。
私の憧れのデパートコンシェルジュである美里さんには、絶対に彼から告白をさせてからにしなさいって言われてる。
私から体を差し出しちゃいけないって。
安い女になってしまうわよって。
っていうか、私、女になりたての元男、いや戸籍上は未だに男だけど、そもそも高く売りつけられるような代物でもないんだけどなー。
でも、一度は私の方から告白しているし、海斗からは酔って言われた時だけで、しかも本人忘れちゃってるし、普通に好きだとも言われたことないから、私は海斗の本当の気持ちを知りたいだけ。
海斗が私の事を大切に思ってくれているのは疑いようがないし、手を出したいのに我慢してるのも分かってる。
いい加減、私ももう限界。
もう、なんで言ってくれないのかなー?
眠れない。当然だ。
ここで眠れたら、この一ヶ月のクリニックへの通院はなんだったのかということになる。
今日は酒を飲んだから、睡眠導入剤を飲むのをやめたが、飲むか?
いや、駄目だ。飲んだらせっかくの寝ぼけましたシチュが作れない。
真実の無意識下においてなら、なんのうま味もない。
せっかくのこのチャンスを逃すわけにはいかない。
俺はそうっと光に腕をまわして、柔らかーく抱きしめてみた。
うん、大丈夫そうだ。
しばらく、ふんわりと抱きしめた光の匂いを嗅いだり、柔らかさを堪能。
着ている服が俺のトレーナーじゃなきゃ良かったのにな。
光はここに来てからずっと俺が貸してやったトレーナーで寝ている。
光が俺の服を着て寝るのは、これはこれで、俺のもののような気がして満足ではある。
ただ今は邪魔だ。
ちょっと唇をはむっとするくらいはいいかな?
はむはむしてみた。起きない。
ちょびっとなら舌を入れても大丈夫かな?
唇の隙間に舌を差し込んで舐めたけど、起きなかった。
よしよし。
ほんのちょっとなら胸にスリスリしてもばれないかな?
ゴソゴソともぐり込んで、胸に顔を埋めようとしたら、上から声がかけられた。
「海斗?」
俺はギョッとして光から飛び退るように離れた。
心臓がドッキンドッキンしている。
どうしよう、どうしよう。
寝込みを襲うなんてサイテーだ。
「ごめん! 光! 俺、サイテーな事した。ごめん!」
俺は潔くベッドの上に正座して、頭を思いっきり下げた。
「でも、俺、もう我慢出来ないんだ。俺、光が好きだ。好きで好きで堪らないんだっ」
「だから、だから、1回でいいからさせてくれ。頼むっ」
頭をベッドのシーツに擦りつけるようにして潔く懇願した。
光が大きく息を吸い込み、はあ~ため息をついた。
こんなことを言うなんて、馬鹿な男だと思っただろうか。
「1回だけでいいの?」
え?
「たった1回でいいのかって、聞いてるの」
え?
「そりゃ、させていただけるなら何回でもしたいですけど?」
「何回してもいいよ?」
えー!!!
「ほんとに? マジで?」
「ほんとに、マジで」
「じゃあさ、会社に行く時と帰ってきた時にキスしてもいい?」
「いいよ」
「じゃあさ、テレビ見てて、ふいにチューしたいなーと思った時にも、キスしていい?」
「いいよ」
「じゃあさ、光が料理してる時に後ろから抱きしめてもいい? 胸もちょっと触ったりとか?」
「いいよ」
・・・・・・
「これってさ、俺、親友から恋人に昇格って事?」
「海斗が恋人にしてくれるなら、私、すごく嬉しいよ?」
「する! する! 今日から光と俺は恋人な!!」
「じゃあさ、さっそくだけど、その、してもいいって事だよね?」
光が恥ずかしそうにコクンと頷いた。
俺が光を堪能してると、突然光が、ちょっと待ってと言う。
えー!? 嫌だよ? 俺、待たないよ、待ちたくないよ、ゼッタイやめないし! やめれないし!
「何? どうした? 何か嫌だったか?」
俺はとりあえず優しく訊いた。
「あのさー、ほら、私ってずっと男だったでしょ? だから、その、私27だけどさー、初めてっていうか、どうやったらいいのかよくわかんなくて。私、あんまり期待されても困るっていうか、期待され過ぎて、思ったほどよくなかったとか思われたら、すごく悲しい」
「そんな事、全っ然、気にしなくていいよ。俺が全部教えるから! むしろその方が嬉しいし」
「うん。じゃあ、海斗に任せる。教えてくれたら、ちゃんとするから」
もう! 俺の恋人はなんて可愛いコトを!
「光、好きだ!」
当然1回で済むはずもなく。
初めてなのに、ごめん!って言ったら、光は優しくしてもらったから痛くないよって笑ってくれた。
光は本当に俺に甘いよな。甘やかすと俺、つけ上がっちゃうぞ!
なのに、光はさらに俺がつけ上がるような事を言った。
「私こそ、マグロでごめんね。でも、海斗がいけないんだよ。私を気持ちよくさせて、ふにゃふにゃに動けなくするんだもん。なんかほら、意識が上の方に行っちゃうっていうか、幽体離脱?したみたいだったよ」
え? 今、ナンテイッタノ? 初めてなのにそんなに気持ち良かったノ?
俺ももちろんスゴく良かったヨ。でも、そんな、幽体離脱しちゃうほど?!
もう!そんな愛しい事言うと、俺、図に乗ってもう一回しちゃうよ?
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
数年振りに再会した幼馴染のお兄ちゃんが、お兄ちゃんじゃなくなった日
プリオネ
恋愛
田舎町から上京したこの春、5歳年上の近所の幼馴染「さわ兄」と再会した新社会人の伊織。同じく昔一緒に遊んだ友達の家に遊びに行くため東京から千葉へ2人で移動する事になるが、その道中で今まで意識した事の無かったさわ兄の言動に初めて違和感を覚える。そしてその夜、ハプニングが起きて………。
春にぴったりの、さらっと読める短編ラブストーリー。※Rシーンは無いに等しいです※スマホがまだない時代設定です。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる