それでも今日も生きている。

UELI (ユーリ)

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私なら...

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 ○○死と、死のつく言葉はたくさんある。

 溺死ー非常に苦しそうだ。それに、発見されたときの様相を想像しただけで気分が悪くなる。うちの父は仕事がら、川で水死体がみつかると呼ばれ、警察への通報や死体の引き上げなどを手伝う。どざちゃんをみたあとは食事できないねといったら、なんで?と言われた。こういう人に見つけてもらえるなら、さほど気にすることでもないのかもしれない。

 縊死ー一般的には首吊りのことを言う。正直、私はこれを試したことがある。非常に苦しくて断念した。やり遂げられる人は、相当な強い意思と精神力を持った人に違いない。私の知り合いで、元彼に付きまとわれ迷惑してる人がいた。ある日家に帰ったら、元彼が彼女の家の中で首を吊って死んでいたそうだ。彼女を恨む思い、彼女が死ぬまで忘れられない記憶を植え付けたいという、強い信念で成し遂げたのだろう。まさに強い意思と精神力のなせる技だ。

 餓死ー私は食べるのが好きだ。そんな人にとっては、餓死はまず選びたくない方法だろう。それに、なんといっても時間がかかりすぎる。体力がある人なら、何日かかるかわからない。ゾウのはな子という戦時中のお話を知っている人も多いと思うが、人から強要されたときにのみ可能な方法で、自分の意思ではまず選ばない方法だろう。即身仏になるときくらいか?

 凍死ー私は寒いのが大嫌いだ。たぶん、眠りと同時に穏やかに死ねるのだろうが、その前行程の寒いという時間が自分にとっては耐えがたい行為だ。

 滑落死ー私は、バンジージャンプは試したことがないが、プールの飛び込み台からジャンプしたことがある。たぶん、5メートルくらいだったと思うが、あっという間のようで意外と長い時間だった。それに、水面に叩きつけられたときの衝撃は想像以上だった。滑落死といえば、事故を想像するが、自殺なら飛び降り自殺だろう。しかし、プールの飛び込みですら、あれだけ飛び込む勇気が必要だったのだから、本当に飛び降りるには、想像を絶する勇気が必要だろう。

 と、いくつか書いてみたが、基本的に自殺はだめだ。私は死後の世界や、霊界の存在を信じている。私にとっての「死」とは「解放」だ。今生きていることで捕らわれた自分を解放に導く手段だ。だから、自殺して地縛霊になってその場に縛り付けられたのでは、死ぬ意味がない。

 私は、「愛の流刑地」が好きだ。あれこそ理想の死ではないか。冬香に重くのし掛かる、逃れられない現実と、自由に生きたい真実の愛の狭間で、彼女は愛する人の腕の中で絶頂を迎えたときに生から解放される。しかし、これは同時に彼女の復讐ともとれる。憧れる死ではあるが、やはりどこかネガティブ感はぬぐいされない。

 では、どんな死ならポジティブなのか。

 私は、成人してから一人になったことがない。よく言えば恋多き女、悪く言えば多情か。そして、許容範囲が広い。必要とされれば、オッケーという軽いところがある。これは自己肯定感の低さからくるものだろう。人から必要とされることで自分の存在価値を確認できるという悲しい性だ。そうはいっても、いろんな人と付き合ったが、自分が本当に好きになったのは、数人だけだ。

 私は、今、恋をしている。心が震えるような、本物の恋だ。でも、この恋は叶わない。なにも望まない。ただ好きでいたいだけだ。

 先日、彼が弱っていた。病気ではなく、精神的に参っていた。弱っている男の人とは、どうしてこんなにも美しいのだろう。1週間会わなかっただけなのに、痩せてやつれていた。そして、今にも崩れ落ちそうな儚さで微笑む顔をみたら、心臓が止まるかと思った。

 そう、私が理想とするポジティブデスは、キュン死だ。

 ただ、残念ながらキュン死で本当に死んだという話は聞いたことがない。私は、キュン死で死ぬ、初めての人になりたい。
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