マジック サーヴァント マイスター

すあま

文字の大きさ
6 / 77

第6話 誘惑漫談(Pink Comedy Talker.)

しおりを挟む

 ◆閑話休題 プランク ターニングポイント

 エーゼルバニア・フォレスト北部
 エーゼルバニア大洞窟 深部

「進め進め! 愚鈍鬼ども!」

 地下海底コバルト鉱脈を利用した長距離トンネル。何日も旅してきたのだろう。粗末な台車は長旅でとっくに限界を越えていた。何回も壊れ、その度に修理した痛々しい姿だ。

 その粗末な台車を何十匹もの緑色の肌の小鬼ゴブリンが馬車馬の如く前から引き、後ろからも押す。後ろの貨車はもう殆ど空に近い。ゴブリン達も酷使がたたって限界が近いようだ。前の台車には椅子が設えてあり、そこにはマッチョながらもデブという表現が似合うホブゴブリンが踏ん反り返っていた。

 その頭には似付かわしくない高そうな帽子。そこで小悪魔インプがくつろいでいる。ゴブリン共を使役しているのだ。緩やかであるがそのスロープは延々と続くと錯覚するほど長かった。そしてようやく、コバルト鉱石で覆われた壁や床が終わる。

「よーし、終点ゴールが近いみたいだな。ん? 犬妖精コボルド共がいねぇな?」

 コバルト鉱脈のトンネルを抜けた先は大洞窟だった。到着の合図をホブゴブリンが出し、ゴブリン達はへたり込んだ。ホブゴブリンは、台車から降り、そこら辺の大き目の石で台車に輪留めをかける。
 ゴブリン達に気合を入れようとホブゴブリンが動こうとした時だ。

「待て、一旦休憩だ。様子がおかしい」

 ホブゴブリンは動きを止めた。ゴブリン達もインプの様子にタダならぬものを感じ取る。

「お前達は今の内に休め」
 ホブゴブリンが鎧の留め具のみを外し、座り込む。それを見てゴブリン達も思い思いの休み方で全身の力を抜く。

「チッ。使っておくか。”誘淫陶酔チャーム・トリップ”」

 ホブゴブリン、ゴブリン共にその魔法が発動した途端にだらしない表情になる。魔法の名前から効果は推して知るべし。この魔法でインプ、後のヘルはゴブリン達を意のままに使役していた。
 しかし、ゴブリン達から精力を吸い上げられる寸前でいきなり邪魔が入る。

「”ディスペル解呪!”」

 魔法の効果が消え、ゴブリン達が目を覚ます。2階半ほどはあろうかという断層の上で耳の長いローブの男が佇み見下ろしているのを見つける。

「何者だ」
「さぁな。微弱な魔コボルド共を払って置いて正解だったな」

 ゴブリン達が楽しみを取り上げられて、怒り狂い、武器を手にしていきり立つ。

「お前達、一旦引け!」
「テキ、ヒトリ! コワク、ナイホブゴブ!」

 ホブゴブリンが断層の上に立つ男を指差す。
 ゴブリン達が男を目指して崖を登り始める。弓矢を手にしたゴブリン達数匹が矢を射かけた。
 飛んできた矢は、彼に接近して後1、2mと言うところで勢いはそのままにボロボロになり分解し彼に当たる前に存在そのものが無くなったように見えた。

「チャーム・トリップを取り上げられたことが腹立たしいか? 小鬼ども。助けてやったと言っても理解はすまいな」

 そのセリフに合わせて落胆か男の耳が少し垂れた。
 しかし、同情するでなく、すぐに排除すべく彼は唱える。それは眠りへ誘う魔法の調べ。
 その言葉はインプにしか分からなかった。魔法言語の中でも特別スペシャルと呼ばれるルーン・ランゲージだ。上位古代語ハイ・エンシェントによる生態潜在命令誘発魔法だ。

 咄嗟に耳を塞ぐインプ。
 それでも一瞬眩暈を覚えて台車の椅子に降りたった。頭を振り周りを見るとホブゴブリンを筆頭に配下のゴブリン達が眠りに落ちていた。登っていたものも地面に倒れ伏している。

「さて、小悪魔よ。ここへ訪れた理由は斥候か? それとも奇襲の準備か? どのみち悪魔族であるなら、真名を吐かせるまでだがな」
「真名だと? 何のために? あたしら下っ端が名前なんか持っておらんわ!」
「それは好都合。お前には我が実験に付き合ってもらおう。“コネクト・オブ・スピリット・コンソール。対象、目の前の小悪魔”」
「うぐぁ!? あがっ! かはっ!」

 小悪魔に感じられる『体の中のどこかが引き出される』感覚。しかし、外傷は全くない。

「汝の名前は今より『プランク』とする! 認識せよ汝がマスターはヴォルフローレン・ウォーロック! ”ロック・オブ・スピリット・コンソール”」
「うぁああああ!」

 クランプと名付けられ、強制的に使い魔にされたインプは昏倒した。
 その後、魔法使いによって、コバルトトンネルは埋められる。

 統制をなくしたゴブリン達はその場に放逐された。
 数十人と居たゴブリン達は事実上全滅し、これ以上の進軍はなく、終わった。



 ◆ 第6話 その小悪魔、取扱注意。(That Imp, careful handling.)



 半透明の青色の蠢めく液体がリルナッツに近付く。ヘルプラスの言う通りスライムとか言う有名なモンスターだろう。鈍間のろまと思ってすぐに行動させなかった。それが良くなかった。
 意外な早さに驚き、リルナッツを急いでダッシュで戻らせる。

 しかし、一瞬早く『蠢めく液体』が動いた。体の一部をリルナッツの足にビチャッと触手の様に飛ばして来た。するとリルナッツから送られてくる情報が途切れがちになり、走りかけていた体制から転んで小さな土煙を上げた。

 もがいて振り払おうとするが次から次へと液体は追いすがりまとわりついて来た。そして、情報共有が強制解除され、リルナッツは動かなくなった。

「くそっ、何だあいつ弱そうなのに!」
「あー。プロテクトとかしてなかったんだ?」
「プロテクト?」
「魔力で構築してある物ってのは、魔力を糧にしてるヤツにとっちゃぁ、綺麗に飾り立てたデザートみたいに見えるのさ。ちゃんとプロテクトなりシーリングして、守らなきゃ、あのサーヴァントみたいに魔力を食い尽くされる。まぁ、材質まで捕食できるものじゃなきゃ回収して再詠唱すれば使えるだろうさ」

 油断した。スライムって化け物モンスターは物理攻撃無効なだけの『鈍間な種』だとしか思ってなかった。

「あ! あの弱そうなのこっちに向かってきてる」
「コッチも、あのちっこい人形に比べれば、多少でかいとはいえ、2人とも見た目は小さいしな。驚異と感じなかったんだろ? 呑気なやつだよな」
「魔力って食べられるモノなのか。取られた分は取り返したいな。ヘルプラスお手本見せてよ」
「え~、タリィなあ……」

 と言いつつ、チラッとヘルプラスがこちらを見た。

「まだ、初心者だから、ヘルに教えてもらいたいな。あ、名前相性でヘルって呼ぶね」

 母さんにねだるように上目遣いでお願いしてみた。

「お、おう。……ちっ、仕方ねぇなぁ。特別に隠蔽サプレッションしないで見せてやるよ。良く見とけよ。クソジジィにも滅多に見せないヤツだからな」

 『タリィ』と言った割にすごく嬉しそうに魔法を披露しようとする。力を誇示するのが嬉しいのだろう。しかし、基本の魔法を一通りを知らなければこの先困りそうだ。なので、

「あ、そう言うのは、ヘルの奥の手として取っておいて。初歩的なので良いよ」

 相手の心をくすぐりそうな単語を選んでから初歩を教えてもらえる様に主張した。

「え? そんなんで良いのか?」
「だから、まだ魔法を覚えて一月なんだってば。よろしく頼むよヘル先生」
「よっしゃ、よぉ~、見とけよ~♪」

 ヘルは左掌の上で言ってから、物凄く得意気に解説し始めた。ヘルの前に魔法陣のみが浮かび上がり、直ぐに小さな火の精霊が召喚され、魔力で出来たガイドビームみたいなものが2本、火の精霊の両手を出発点として伸びて行き、スライムの這い寄る直ぐ先で交わる。

「“発火イグナイション”」

 スライムが交点に触れると小さな火が灯る。火はスライムをじゅっと少し焼いて消えた。それに驚いたのかスライムは、焼けた箇所から退しりぞき、飛んできた魔力線上からも退く。

「基本的に魔素や魔力を主食とする生物は魔法が飛んでくる方向も分かる。わざと見えるようにガイドビーム出してるが魔法は万能じゃない。対象の座標も自動で割り出せるがそれは悪魔族側での体系化してから出来た事だ」

 ヘルが振り向き、身振り手振りをしながら解説してくれる。

「大昔はこんな風に手動での座標割り出すのが主流だったんだ。でもこれじゃ、いざって時にあんなスライムみたいに避けられちまう」

 ヘルは、魔力線場から退き、こちらへ近づくスライムを親指で指差しながらこちらに振り向く。いちいち仕草が可愛い。コレ魅了か?

「だから、せめてガイドビームをサプレッションするか視点同期による目標設定が主流になった訳だ。サプレッションの基礎はもう出来るみたいだから、その完全版を見える様にして使って見せてやる」

 魔法陣とその上に立つ火の精霊が中途半端に切り取られた。その様にこちらからは見えるらしい。

「“ファイア2nd”」

 突如発生するファイアにしては、熱過ぎる熱量の青い炎にスライムが跡形も無く1秒以下で蒸発した。それは一瞬の出来事で、水蒸気爆発の如く。後には黒く焦げた土しか見当たらない。

「昔からの悪魔族の実力者の使う魔法は殆どが隠蔽されている。見せびらかせるのは力を誇示したい阿保か、人間に驚異としての印象を与えるどちらかだろう。少なくともあのクソジジィの先代達にこき使われる前、実力のある悪魔はそれが普通だった。魔法式はこうだ」

 近くの小石に予定動作込みの念動魔法サイコキネシスがかけられたらしい。複数の小石がすごい勢いで魔法式を地面に書き付け出す。恐ろしく長い魔法式だった。その小石が書きつけてる間もヘルの講義は続けられた。

「そんで、さっきのファイア2ndは単に魔力を2倍注いで持続時間を通常の半分にして4倍の熱量に調整しただけのものだ。魔導王国の広めたって言うパッケージのファイアは、元々は精霊魔法の模倣だ。出回ってしまってるから覚えるのは簡単だ。ココとココが調整の肝だ。書き換えられるよな?」

 パッケージ魔法のカスタマイズは僕もすでに出来る。
 簡単に言ってくれてるけど、魔法に抱いていたモノが覆されていく毎日だ。魔法による魔法のサプレッションとか。……まさか魔力の節約目的の操作がサプレッションに共通することとは思いも寄らない事だった。

「ヘルは、なんでそんなに詳しく教えてくれるの?」
「そうだなぁ。……あんまり言っちゃいけないんだろうけど、オレ様もう捕まっちまってる身だしなぁ。ま、いっか」
「?」

 ヘルの言ってる意味がわからない。

「お前が好きだからだよ」
「ぇえ?」

 思わぬ告白にビビる。魅了を使ってゴブリンを使役する。そんな悪魔族で美系。ビビる要素しかない。

「そんで、もう直ぐ悪魔族は戦争を仕掛ける。だから、そん時に死んでほしくない」
「え? ちょっと待って話についていけない。え?」
「とにかく、2年後か5年後かそう遠くない未来。もう直ぐ戦争が始まるんだ。その時に死んでほしくないと思ったから教えたんだ。それ以上この件は聞くなよ」
「え? あ、あ~っと、とにかく分かったよ」

 好きと言われて冷静な気持ちで居られなかった。よく分からない言い回しも理解する事なく分かったとしか返事出来なかった。

「なんだ? 悪魔に好きとか言われて顔が赤くなってやがるな?」

 ヘルがニヤニヤ笑いながらからかってくる。実際、悪魔に好きだとか死んでほしくないとか言われるなんて思っても見ない事だし、まずあり得ない経験だろう。

「お前、本当に可愛いのな」
「だってヘル女の子じゃん」
「……女に好きって言われた事ないのか?」
「ないよ。幼馴染だって何かと子供扱いして来てさ。バカにしてくるんだ」
「あー。その子の気持ち分かるなー」

 __アイルスになるべく聞かれない様に小さく呟いたヘルプラス__

「何か言った?」
「いや、何も?」
「そう? とにかく明後日に備えて早くここから出なきゃ」
「明後日に何かあるのか?」
「父さんが来るんだ」
「ふぅーん」
「取り敢えず教えてくれた事、やってみるよ。ありがと、ヘルプラス」

 ミラージュ・コンソールを手の平で開く。

「アイルス、なんだそれ?」
「師匠が作ってくれたサーヴァントの命令実行管理する為の魔導器具。を使った管理用幻影」
「あのクソジジィは何を作ったんだ? オレ様にも見せろよ」
「いいよ~。“テレパス”」

 ヘルは、僕が立てた人差指を捕まえたと思った瞬間、指に触れずに肩に座り首にもたれかかって来た。立てた指の意味もなく、接触発動する魔法。それとは関係なく首にもたれたことを意識してしまう。冷めたばかりの顔が、再び熱くなってくる。異種族だが、好きと言われたのだ。意識せざるを得ないと自分に納得させ、人差し指を引っ込める。

 『悪魔は人を堕落させ、生活を脅かす忌むべき存在』と、たまに来る教会の司祭様が説いて居たが、実際本物の悪魔族を見たのはヘルが初めてである。それを見て先入観と大分かけ離れた存在だとしか感じられない。

 しかも師匠の先代が捕まえて使い魔として使役されている。この#悪魔_ヘル__#に関して今は、純粋に光の民の敵とは言えない存在だ。こうなっては教会の教えの方が捻じ曲がっている様に見えた。
 頭の隅で先入観とのギャップを感じながら、ミラージュ・コンソールにヘルの描いた地面に書かれた魔法式を書き写していく。

「ま、一回で覚えられるもんでも無いから、実験と実践を繰り返しな。分からなきゃ教えてやっからよ」
「うん。これを正確に写しておけば、後で何回でも見られるからね。この風景を切り取れたら良いのになぁ……光の魔法でないかな……」

「失敗してもいいから、実際三回以上発動させた方が覚えも早いぞ」
「でも、ここは安全とは言い難いから、早く安全地帯を構築して、サーヴァントを量産したいんだ」
「あのちみっこいのをか? 役に立つのかよ」
「あれが一番大量制御し易いんだよ」
「はん?」

「まぁ、見ててよ。とは言ったものの。魔力供給が当面の問題なんだよね。ヘルちょっと見張り頼んでも良い?」
「おぅ。それくらいお安い御用だぜ。で、何をくれる?」
「え? ご褒美? 何が欲しいの?」
「アイルスの心とか弄びたいなぁ~♪」

 即、小さな額をデコピンした。

「いった~い! 女に手を挙げた~!」
「黙れ悪魔。あんまりおイタするとお仕置きするぞ」
「お仕置き! してして~♪」

 いきなり尻を此方に向け謎の行動を取るヘルに戸惑う。

「……何なの?」
「ほらほら~♥」

 ごっつい手足と対照的な異種族ゴブリン達を魅了する魅惑炸裂ボディ。その柔らかそうな細い毛に包まれた尻が目の前で振りまわされる。これには流石に顔が真っ赤になった。

「あっははははは! アイルスの美味しい顔戴きました~♪」
「お前! からかったのか!」
「今気付いたの? でも満更でもないでしょ? 何ならホントにお触りしても良いんだぜ? それどころか男の夢をお仕置きと称してヤっても♥」

 そう言いながらヘルは胸を鷲掴みして両側から押し上げて谷間を強調して見せてくる。

「バッ! バッカじゃねーの! 色ボケ悪魔! 見張りしろよ!」

 と精一杯の罵詈雑言をヘルにぶつけながら命令する。しかし、耳まで熱くなってるのを感じた。

「とか言いながら期待してるだろ。アイルスのエッチー」

 思わず、腕を振り上げた。

「キャー♡ ホントにお仕置きされちゃ~う♡」

 一目散に動かなくなったサーヴァントがある辺りまで飛んで行くヘルプラス。

 悪魔族と言うのは普段から、あんな巫山戯フザケた事をしているのだろうか?
 とにかくリルナッツを再起動して見張りを強化しつつ、使える魔法のバリエーションをとっとと魔導器具に記入しなければ。魔法式を書き終えて、後発のリルナッツに先発の再起動を実行させた。それからヘルのところまで移動する。

「あれ? お仕置きしに来てくれたの? それとも見張りのご褒美?」
「そんな、『されたいお仕置き』なんて、もうご褒美だろ」
「じゃぁ、もうどっちも頂戴♡」
「お前、なんか、性格が壊れてないか? 言ってる事もメチャクチャだぞ。ちゃんと見張りしてくれてるんだろうな?」
「ご褒美くれなきゃ、見張ってあげない」

 使い魔って見返りとかなく願いを叶えてくれるもんじゃないのか?

「ハイハイ。なんか考えとくよ。だから頼んだ」
「やりぃ! 絶対だぞ?」

 そう喜ぶヘルを横目に再起動したばかりのリルナッツを確認してサード・アーティファクト・デバイスにサプレッションの魔法式を再現する。
 そしてそれをクリエイト・サーヴァントのプロセスの先頭に組み込み易くコマンド化した。
 それを左肩に陣取り、眺めてるヘルプラス。

「そんなのがあったら、今までの魔導師たちの苦労がクダラなくなるな」
「先人達の進歩をどんどん吸収して形にしてくから発展していけるんじゃないか」

 ヘルがサード・アーティファクト・デバイスの感想を漏らし。それに答える。魔法式を予めイメージし魔法陣の展開位置をリルナッツの下にする為、再確認。人差し指をリルナッツに触れる瞬間、思考詠唱する。

『“サプレッサ”』

 発音と違い、僅かだが詠唱時間が短くて済むのも思考詠唱の特徴だ。発動はある程度隠蔽に成功した。が、微かにほころびを見つける。魔法式を見直した。ぱっと見どこがわるいのか分からない。

 それを横から覗き込んでいたヘルが指摘してくる。

「魔素はほっとくと勝手に動く。純粋なエネルギーだからだ。制御し流れを与えるイメージが必要なんだよ。だから魔法陣はどれもベクトルを持ってるのが基本なんだが、積極的に流れの方向を与える小さな印を各所に設置して循環させる。流れをデザインして構築するんだ。でもって始端と終端は漏れない様に封印コンシールを二重にすれば、効率良く魔力をリサイクルしてサプレッション出来る。ここまで言えば後は魔法式のどこが悪いか分かるだろ?」

 確かに流れに淀みができていた。

「あぁ、なるほど。ループ終端に分岐漏れがあったのか。永遠ループ式にすれば良いんだね……ヘルってホントはエロバカなのかと思ったけど、凄いんだね」
「一言多いぞ。エロいと思ったんならお前がむっつりスケベの証拠だ。異種族のケツ振りダンス位であんな真っ赤になって、カカカカカ」

 ヘルと口喧嘩はやめよう。勝てる気がしない。まぁ、悪魔だし。心奪われること自体ナンセンスなのだろうと肝に銘じる。
 サプレッサの結界範囲の形を改めて組み直す。今度は上手くリルナッツを包み込めた。
 リルナッツに感覚共有させようとすると情報がピックアップ出来なかった。

「あれ? サーヴァントと感覚共有が出来ない」
「え? 今時、感覚共有してんのか? 覗きでもすんのか? アイルス君のえっちぃ~」

 ニヤけた笑いを向けてくる。エッチ呼ばわりに対しては反応するすべを持たないし、できない。スルーすることに決めた。顔が熱いけど。

「え? 悪魔はそれより凄い技術あるの?」
「なんだ、スルーかよ。なんで似非魂えせこん使ってんだ。自律魂構築してないのか?」
「師匠に教わったものだから知るわけないじゃん」
「あのクソジジィ、意思ある人形系は嫌いなのか? あ、ずっと呼出しもしなかったのも、そういう事か」

「どういう事?」
「反抗されるのを恐れたんだろ。小さな意見も聞きたくないんだろ」
「ええ? それが煩わしいなら、僕を引き取って教えてくれたりしないでしょ?」
「んん? ん~。解せねえな。ま、本人にそこは、今度聞いてみるか」

 ヘルは、一旦、その話題を終わらせる。

「感覚共有出来ないなら、悪魔族はどうやってサーヴァントの状況を監視モニターしてるの?」
「そんなの後で結果だけ報告なりで情報を取りゃいいだろ」

「途中で壊されたりしたらどうすんのさ」
「こう言うのは使い捨てなんだよ。壊れてなかったら、ラッキーって思うだけなんだよ」
「思想から違うのか……」
「あん? 使い捨ての足止めや見張り程度しかこなせない低脳即席簡易道具に何入れ込んでんだ?」

 ちょっとカチンと来た。突然師匠に洞窟に落とされた時は、がっかりしたけれど、師匠はこの僕が作ったサーヴァントを褒めてくれた。だから、考えてる事を実行してその魅力をヘルに見せることにした。

「“ディスペル”」

 サプレッションが解かれた。感覚共有の情報が蘇る。

「アイルス?」

 ヘルプラスの呼びかけを無視して、感覚共有を通してサーヴァント自身に思考詠唱を行わせる。

『“発動告光パイロット・ランプ”』

 ヘルに取って、遊ぶにはちょうどいいサイズのサーヴァントの目の部分がギョイーンだかブォーンだかの擬音が似合いそうな大して周りを照らさない程度に鈍い緑色に発光をする。

「ぬぉぉぉお! なんだ! それ! カッケェーな! ちっせーけど」

 とても長寿の凄い魔法が使える悪魔と思えない幼稚な反応を見て、僕は我が意を得たりとドヤ顔をした。

「分かってくれて、嬉しいよ」
「これ、大きかったらもっと良いな!」
「分かってないな、ヘルヘルは。大きかったらすぐに魔力が空っぽになるじゃぁないか?」

 セリフを聞いて笑いながら彼女は答えた。

「クフフフ、ヘルヘルってなんだよ。ハハハッ、魔力なんて周りの敵とか部下から奪えば良いだろ?」
「簡単に言ってくれるな。悪魔族は魔力を他の生物から精力吸収出来るって聞いたけど、普通の人間にはできないんだよ。一応吸収は生物からじゃない物からは出来たけど魔力消費は大きな課題なんだよ。永遠の課題といっても良い」

「でもこれ、魔法使えるんだよな? クリエイト・サーヴァントじゃなくて、ゴーレムかゴースト憑依で出来るようにすればいいじゃねぇーか?」
「僕が欲しいのは、一人二人じゃ賄えない労働力なんだよ。魔力消費の高いゴーレムやコスト低くても、鈍くて同じ動作をしてくれないゴースト憑依は不向きなんだ。だから、一から作ってる」
「これに何をさせようってのさ?」
「そうだね、残りの手持ちのサーヴァントも起動させて、このサーヴァントと同じ位の可動関節を持つ石人形の製作を後20体させたいかな」

「コレが大量生産だと!  こんな魔法を撃てる使い捨ての筈のサーヴァントをか!? いや、だからこそ大量生産向けか。ワクワクしてきた!」
「何事も『好き』って感情はポテンシャルを引き上げるそうだよ。師匠が言ってた」
「クソジジィがか?」

「妖精や精霊は、より容姿端麗の魔法使いに力を貸しやすいとも言ってたね」
「見てくれとか魅力とかは分かるけど、それがこのサーヴァントにどう関係するんだ?」
「うん。それを説明するね。簡潔に言うとサーヴァントの性能自体を引き上げるわけじゃなくてね。術者の能力を引き出し安くするんだ」

「コレを使う奴の能力を引き出す?」
「精霊を呼び出せるなら、美的外見や好かれる魅力は魔力だけじゃなく、ステータス持続力や様々な効力をもたらすのは知ってるでしょ?」

「まぁな。オークにはウケがいいのにゴブリンにはイマイチで操るのに手古摺ったな。美的感覚が少し違うって気付くまで、攻撃力はともかくオーク並の労働力を引き出せるまで苦労したのはいい思い出だ」

「へぇ。そんなことがあったんだ。いや、ま、だから、このサーヴァントを上手く動かす。その為にカッコ良く作ってみたけど、顔が上手く出来なくて、師匠が昔見た甲冑を真似て、格好いいデザインの仮面を作ってくれたんだ」

「それでコレは、無駄にスタイリッシュなのか……で、コイツが使い捨てにされないのもコイツに魔法を唱えさせられるのも分かった。コイツに何させたいん?」
「汎用性のある従順な道具ってトコかな」

「小さな騎兵隊の王様か?」
「そうバカにしたものじゃないと思うよ。このサーヴァントは、武器としての使い方が目的じゃない。もっと広く汎用的に作業をこなさせることだよ。ヘルが考えてるような騎兵隊なんかじゃない。それに術者のポテンシャルが上がれば、サーヴァント全体の能力底上げだしね」

「ふむん。魔力の問題は?」
「ふっふっふ。既に半分は解決済みさ」
「なん……だと……? お前、ホントに魔法使いになって一月か?」

「一月ほど前に初めて魔法使ってね。師匠の弟子入りは1ヶ月と1週間前だよ」
「あー。そっかぁ。ロクデモナイ刷り込みされたとしか思えない」
「酷い言われようだね。師匠は」

 ヘルの言動に苦笑する。

「そのうち、分かるさ。で、その解決策ってのは? さっきから駆け出しの癖にバカスカ発動してるのに魔力切れにならないのと関係してるんだな?」
「流石はヘル。ただのエロインプじゃないね」

「喧嘩売ってんのか? 買うぜ? ムッツリスケベ」
「ごめんごめん、失言。とにかく恐らく原理は解ってるコレだと思うよ」

 思ったよりも自分自身、根に持つタイプなのかも知れない。それかヘルの口の悪さが移ってしまったのか。ヘルと口喧嘩はしないと決めたばかりなのに。

「謝んなよ。マスターだろ。つまんねーな。魔導器具ソイツ、マナの気配あんまりねーけどな?
「へぇ。そう言えばそうだね。使ってて気付かなかった」
「お前、アホか……そんなことより、ソイツだ。どんな原理だ? 分解してみようぜ」
「うん。そう思って安全な場所を確保しようと考えてたんだけどね」
「オレが見張ってんだ。今、分解しようぜ」
「んー、じゃ何かあったら守ってね」
「任せろ!」

 それに頷き、師匠から貰った古めかしい冒険者サバイバルキットの小さなナイフを出す。もう一つの魔導器具を取り出す。分解しようと、モノリスの接合部にある溝にナイフを差し込みこじ開けようと試みた。ふた状の石(?)がほんの少したわんだ。蓋がパキッと音を立てるとイキナリ電気が流れ、感電に驚いた僕は魔導器具を放り投げてしまった。

「ウワッ」
「どうした!」
「なんかビリってしびれて……」

 ナイフで魔導器具を触った途端に見る見る錆びた鉄のようになっていく。

「こう言うトコだよ。あのクソジジィの意地の悪いトコは」
「うーわ。コレ、もう使い物にならないかな?」

 魔力を込めてみたが無駄だった。

 魔導器具は錆びた鉄クズに成り果てた。
 細部の改良とか何にも掴めてないまま、1つダメにしてしまった。残された方は大事に使わなくては。

「クッソジジィめ~、魔導技術を独占かよ、さぞかし気分良いだろうよ! オマケに弟子をこんなとこに放り込むとか厳し過ぎるだろ!」
「本当にそうかなぁ……ねぇ、ヘルは、コレについてどう思う?」

 魔導器具をヘルに見せながら問う。

「駆け出しがベテラン並みにバカスカ魔力残量考えずに魔法が使えるメモ帳付き人工魔力結晶石」
「またずいぶん、長い名前だね」
「それがどうして使い捨てのサーヴァントが魔法を使える様になるのか、よく分からんな」

「うん。コレであのサーヴァントを起動させてるんだ。だから、見せたコンソールは先にも言った通りサーヴァントに出す指令を管理するためのものなんだ」
「その、イマイチ、それがどう指令を出せば魔法が使える様になるんだ? 想像がつかねぇよ」

「? ……魔法を基本的に使ってたのは僕だけど?」
「へ? 分かるように説明してくれないか?」
「あぁ。えーと。あのサーヴァントは、最初に作った時に感覚共有での動作をトレースして覚えさせる指令を組み込んであるんだ」

「動作をトレース?」
「そう。単純な動作だけのつもりだったけど、魔法式も魔法陣の起動も感覚共有使ってトレースコピーできるんだよ。それで、感覚共有で乗り移った僕がサーヴァントになって、魔法式と魔法陣のメモを呼び出して魔法を使ってるんだよ」

「ああ、そういうことか」
「後は、1回目の動作をサーヴァントに真似させる。って言っても、まだ全部をコピー出来たわけじゃないけどね」

「魔法を唱えるのを真似させるのか」
「まぁ、そのお陰でコレが無いとタダのサーヴァントと変わらないけどね」

 ヒラヒラと魔導器具を振る。

「でも、一月前なんだよな? 使える魔法ってそんな無いんじゃないのか?」
「そうだね。数える程度だし、どれも支援に近いものしか教わってないから、さっきヘルが教えてくれたのが唯一の攻撃魔法かな」

「ちょっと使ってみろよ」
「でも、僕は炎の精霊とはまだ契約してないよ」
「直接、温度を高める魔法で代用すりゃ良いだろ?」

「簡単に言ってくれるね、ヒートやなんかは対象範囲と射程距離が小さすぎて攻撃には向かないんだよ。いよいよ見稽古修得が必要になるなぁ」
「なんなんだ? その、ミゲイコシュウトクっつーのは?」
「魔法を見て使える様にする……常時発動スキルを真似た……魔法?」

「は?」
「ミラージュの魔法なら説明しやすいかな。ミラージュは五感に訴える魔法だけど、取り分け光を操って幻影を作るパートは"他人の視覚へ作成した画像を送って欺く"は複雑な過程でその中にイメージから画像作成の工程がある。これを利用して見ている景色を落とし込んで保管処理しながら解析を行えば使っている魔法式、魔法陣のプロセスが手に入る」

「ゴメン、お前が何言ってるか分かんねぇ。今まで他人の上位の魔法を解析して成功したやつなんて見た事ないんだけどよ。オレはお前よりバカなのか? それともお前がとびきりの妄想バカなのか? 見るだけで魔法の行使過程保存が可能になると聞こえたんだが」
「そう言ったよ? 実現も出来そうだし。出来たら、僕は妄想バカじゃない証明になるね。これ自体はさっき思い付いたばかりだけど」

「……それが実現しない限り、周りは、お前がトンデモナイ馬鹿にしか見えないな」
「そう? 出来るまでトライアンドエラーは普通だよ。別に妄想バカと思われても構わないけど。理解が難しいから言葉なんて煩わしい道具が発明されたんだろうし、全てのパーフェクトテレパスを使えない知的生命体は、もともと分かり合えないツクリだし。理解されないなら時間をかければ良いんじゃないの?」

「お前が思ってるほど知的生命体は利口じゃないぜ……バカと何とやらは紙一重ってホントだな……その見て使える様になるヤツ、とっとと作れよ。教えるのもここを出るのも楽そうだし」

「ハイハイ。ちょい待ち……」

 お喋りをやめてミラージュ・コンソールを展開して、コマンドを拾って来ては視界複写、魔法関連画像解析、属性分類、魔法陣、魔法式、とカテゴリ保存出来るようにする。
 後でカスタマイズ出来るように細分化しておくのだ。そしてプレイインデックスをつけて順番に呼び出す仕組みにした。
 あとは実践で直してこう。コンソールへの書き込みをヘルが横から眺めていた。

「記録した光景の質とその再現率が問題だね。自動的に製図化できれば楽だけどね。こればっかりはもっと勉強して魔法体系とパターンを習得しないと改善難しいな……ま、一旦これで完了としてやっぱり少しずつ改良を重ねるしかないね。っと、出来た♪」

「マジか」
「実験してみよう」
「えー。んじゃぁ~、……雷撃サンダー使えるか?」

「使えないけど、精霊契約必要なら見ても使えないかもよ?」
「まぁ、精霊契約は楽したいだけだからな。安心しろ“サンダー”」

 ピシャーン!

 見た目も音も派手な青紫の柱が洞窟の天井から床に現れ消える。

「うん。記録完了だね。だんだん正規の組み方にも慣れてきたみたいだ」
「よし、アイルス。対岸の3つ尖った鍾乳石の並んでる真ん中辺りに落としてみろ」
「オッケー。……え? あれ? なんかいるぞ?」
 鍾乳石の後ろ何かが動いて見えた。

 ◆

 ____________________
 アイルス手記

 ◆パッケージ
 The staircase 1st.(第一階梯)
 ★1 防護プロテクション 無属性
  この魔法は、服や肉体に直接かけるタイプで本来
 の属性は雷に近い。が構築当時は判明していなかっ
 た。ので現在も無属性になっているらしい。

 ★1 誘眠暗示スリープ・ヒプノシス 闇属性(精神)
  眠る為のプロセスを解き明かし、それを魔法で相
 の中でプロセス実行させる魔法。ヒプノシスとあるが
 本能にあるプロセス実行なので強制的に眠らせる。

 ★1 麻痺暗示パラライズ・ヒプノシス 光属性(肉体)
 意識はそのままに、肉体側の『眠り』を実行する。

 ★1 魔力印マーカー 光属性
  魔法使いなら誰でも見れるマナで描く方法。教育
 用としか思えない構成式。この魔法は最初から改造カスタム
 が可能でその内容は描く物を換える。僕はライトか
 ら始めているので、後からこれを知った。パッケー
 ジの様に固定化が前提の静的魔法習得ではなかった
 為だ。マナを見られる者には誰でも見られる仕様。
 僕のは僕だけが分かる仕様に改造してある。
  デフォルトは『Hello magic world』

 ★1 #静寂_サイレンス__# 風属性
  ※シルフとの契約必須
  元々は悪魔が始めたジャマーの一つ。当然、魔法
  使いには困る魔法の筈……僕は困らないけど。

 ★1 音源遅延サウンド・ディレイ 風属性
  ※ただし、シルフとの契約必須
  音の発生自体を遅らせられる。

 ★1 発火ティンダー 火属性
  ※サラマンダーとの契約契約必須
  火起こし用。悪魔族のはイグナイション。

 ★1 純水ピュア・ウォーター 水属性
  ※ウンディーネとの契約契約必須
  純水を集める。収集系魔法。クリエイト系魔法の
 クリエイト・ウォーターはマナで擬似水素を創り出
 して空気中の酸素に結び付ける荒技。マナ・コスト
 も本来ならば高いが結合時に余剰熱が発生するので
 それを魔力変換させている為マナ・コストは意外に
 低い。持続時間は約二日。それ以降は、ゆっくりと
 酸素に戻っていく。

 ★1 静電気スタティック・エレクトリシティ 雷属性
  ※シルフ、ウィル・オ・ウィスプとの契約必須
  雷の元を知る為の魔法。殆ど唱える者はいない。

 ★1 |土壁(グランド・ウォール) 土属性
  ※ノームとの契約必須
  1m程隆起させる。但し、10分と保たずに戻る。
  土属性の魔法を知る為の魔法。

 ★1 |鉱脈探知(メタル・ダウジング) 金属性
  ※ノーム、メタルノームとの契約必須
  金属の鉱脈を探し当てる。精霊契約にもう一手間
  あるらしく中々実現し難い厄介な代物。

 パッケージ漏れ? 未完のパッケージ魔法。
 ★0 有機物特定 無属性
  基本の書の巻末に挟んだ切れ端に走り書きして
 あった。酸素迄の物質を特定出来る魔法。原子で八
 種までのみ。
  製作者はこの世界に【ヴィッセンシャフト】を広
 めなかった謎だ。この魔法は実験用と推測される。
  使い方は一つの分子を限定し範囲内にどれだけ分
 布してるか特定する。使い熟せば色々と出来そうな
 魔法ではあるが、これが世に出てない、その可能性
 はやはり魔法で出来る事をワザワザ逐一構築してい
 かなければならない点かと思われる。

 ◆ヘルの魔法メモ
  透明化インビジビリティ
  念動力サイコキネシス
  敵意検知ホスティリティ・ディテクション
  危険予測リスク・プリディクション
  隠蔽サプレッサ
  魔力印マジック・マーキング
   ※僕のカスタムしたものと根本的に違うらしい。
  物体引寄マテリアル・アポーツ
  自動追尾オートマチック・ホーミング
  魅了チャーム
  精霊魔法全般

____________________
 【ステータス】
 アイルス・プリムヘッツ(7歳)
 弟子32日
 ◆才能:※更新なし
 アカシック・リーディング(無自覚)
 最適設計演算
 魔力補助精密動作筋肉制御
 失敗検証
 検証データ予測演算

 ◆才能→技術化(ユニークスキル)※更新なし
 魔力制御法+魔法最適化→
 マジカル・オプティマイザ:Lv 3/??
 頭脳使用法:Lv 27(並列処理により上限解除)
  記憶向上+関連記憶→
  フラッシュ・デフラグ・フロー
  動的空間把握処理能力+予測演算+
  動体視力処理速度連動加速→
  フラッシュ・シミュレータ
  夢想実現化演算→
  ブレイク・ダウン・マイル・ストーン
  ※頭脳使用法で纏められているのでLv 表示なし

 ◆技能:
 見稽古(分析、考察)Lv 1
 標準語(会話、読み書き)
 遺跡語(読み書き)
 精霊語(読心会話)
 高速切替思考処理
 並列意識連携処理グリッド・シンク Lv1
 魔力察知マナ・センシズ Lv 3
 魔法式改造マジック・カスタム Lv 4
 魔法上級改造マジック・ハイ・カスタム(並列連動式等)Lv 4
 混成魔法ミクスドLv 5
 物理造形設計技術(木材、石材)Lv 3
 研磨整形技術Lv 5
 ※関節部分の精密さを追求した結果。
 スキルカスタム Lv0 New
 

 魔術:
 クリエイト・オブ・サモン・マナ・サークル
 風の精霊召喚サモン・シルフ

 魔法:
 ★1(第一階梯)パッケージ精霊関連以外習得完了
 ライト 光属性
  周囲を明るく照らす魔法。蝋燭の4倍の明度10分。
 マーカー(ライト派生)
  明度なし。反射発光リフレクティブ・エミッション
 インフラ・レッド・ビジョン(ライト派生) New
  遺跡の知識を取り入れた光の魔法の応用。可視光
 域外の光を知覚、視界に反映させる。熱源知覚も可
 能とする優れもの。赤外線が届くなら、ほぼ気付か
 れることなく知覚可。

 幻影生成クリエイト・ミラージュ (ライト派生)
  ドル師匠がやっていたのを真似たもの。遺跡の書
 より得た知識由来の魔法

 物質強化サブストラクト・ストレンクスニング

 分子補強モレキュラー・リインフォースメント
 ※劇中未登場:パッケージを最適化した強化魔法。
  いろんなとこでも見かけますが使います。


 ★外 体系外魔法
 思い込み魔法ボイフ・マジック
 記憶圧縮メモリ・コンプレッション
 再監者顕現リ・スーパーバイザー・マニフェステーション
 並列人格顕現パラレル・パーソナリティ・マニフェステーション
 記憶複写メモリ・コピー
 主記憶管理処理メイン・メモリ・マネージメント・プロセッシング
 複記憶保管処理サブ・メモリ・ストレージ・プロセッシング


 ※劇中未登場
 運動能力限定解除エクササイズ・キャパシティ・リミット・オフ

 ドルイド・マジック:
 ※劇中未登場
 植物取込共生プラント・アップテイク・フォー・シムビオシス


 ■登場キャラクター紹介■
 ◆モンスター
 ブルースライム
  オーソドックスなアメーバ系モンスター。実は単
 細胞ではないアメーバの進化体。

 ◆アイルス製サーヴァント達
 サイズ10cmクラス
  初代ミニ・サーヴァント(仮) 無関節型
  シュラッチャ 回転関節と球体関節
 サイズ1cmクラス
  アーベイト 回転関節
  リルナッツ 回転関節と球体関節と摩耗対策

_____
 お読みいただきありがとうございます。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

さようなら、たったひとつの

あんど もあ
ファンタジー
メアリは、10年間婚約したディーゴから婚約解消される。 大人しく身を引いたメアリだが、ディーゴは翌日から寝込んでしまい…。

魅了の対価

しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。 彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。 ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。 アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。 淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中に呆然と佇んでいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出したのだ。前世、日本伝統が子供の頃から大好きで、小中高大共に伝統に関わるクラブや学部に入り、卒業後はお世話になった大学教授の秘書となり、伝統のために毎日走り回っていたが、旅先の講演の合間、教授と2人で歩道を歩いていると、暴走車が突っ込んできたので、彼女は教授を助けるも、そのまま跳ね飛ばされてしまい、死を迎えてしまう。 享年は25歳。 周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。 25歳の精神だからこそ、これが何を意味しているのかに気づき、ショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

1人生活なので自由な生き方を謳歌する

さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。 出来損ないと家族から追い出された。 唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。 これからはひとりで生きていかなくては。 そんな少女も実は、、、 1人の方が気楽に出来るしラッキー これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

処理中です...