15 / 77
15 岩塩探求と並列思考会議(Rock salt exploration and parallel thinking conference)
しおりを挟む召喚した森蟹を捕まえ掲げてたコボルド達がこちらに向かってひれ伏した。
言葉が通じなくてもこれはこれで結構いけるもんだ。
安心したのも束の間。どうやら僕の分は無いらしい。
え? なんで、召喚した張本人の分が確保されてないんですけど?
神様じゃないから、霞食べるとか無理なんですけど?
仕方ないから、後で自分の分は召喚し直すか。
ヘルが仕事してくれないと言葉が通じない。うーん。
経験もないし、知らない事が多すぎる。いつでも書庫の知識が引き出せたなら最高だな。
そう考えて書庫検索抽出魔法式を急造で組んで、並列思考達に丸投げる。試しにコボルド語を書庫から捜索させてみた。
しかし、そんな言語ないと言う結果。残念だ。
悔しいがやはり、洞窟を1人で2日以内に脱出するには無理がある。水と食料の確保をしなければいけないのに、ヘルは拗ねたまま。かと言って精気を少し与える事がどれ程危険か?
インプの特性とこの先考えられる自身の成長に訪れる人の生態を考えると、そこには麻薬的な依存関係が発生し、食い潰しあう可能性が存在する。極めて高い確率で。
……仕方ない。強制力行使の執行もやむを得ないかも知れない。
その時に閃いた。そもそもヘル達悪魔族ってマトモな食事した事あるのだろうか?
精気とか味気無さそうだし。もしかしたら味の楽しみを知らないのかもしれない。
よし。食事、否、料理をさせる為に簡単な味付けから試してみよう。
そうなると塩が必要だな。岩塩の調達をコボルド達にさせるか。
『ヘル、お仕置きが残ってたね。お仕置きとして強制力使うよ。コボルド達にしてもらいたい事があるんだ』
「ちょっ! そんな使い方ずるい!」
「じゃぁ、協力してくれる?」
「……仕方ない……」
よほど、強制力の行使の方が嫌なのだろう。ともあれ良かった。
「コボルド達に岩塩を探させて」
『了解、コボルド共、岩塩を探して来い』
ヘルがコボルド達に告げる。
コボルド達が右手を拳にして右前腕を水平に応えた。
バラバラだが、誠実さが伝わった。
「ヘル、ほら、ちゃんとコボルド達が言うこと聞いてくれたでしょ」
「ふぇ? ……知るか。いつ言うこと聞かなくなるか分かったもんじゃない」
「ま、塩茹でのカニ料理を食べてから考えよう」
『え? 塩茹で? それは、何ですか?』
『何となく思ったけど、悪魔族はやはり料理はしないの?』
『料理? そんなの私ら兵民悪魔には許されてない』
『な、ナルホド。それでその味覚。魔力変換出来る消化器官の癖に食べ物よりも精気チョイスはその所為か』
『精気こそ最強の補充エネルギーです』
『マジでそこは変えていこう。コボルド達全員に伝えられる様にしてくれる?』
ヘルは、反対意見を言わなかったが顔に不満が出たまま、コルベルトに命じる。
『コルベルトよ。コボルド達で全員手を繋ぎなさい』
『イエス! マムコボ!』
まむ? 何処からそんなワードを覚えるんだか。まぁ、いい。
コボルド達全員が輪になって手を繋いだ。ヘルは発動キーワードを唱える。それを見守りながら、サーヴァントに次は何を付加させるか考える。
「“マジック・リバイバー”、“テレパス2”、“リバイバル・オン”」
ヘルは、コルベルト経由で魔法を発動させた。
かかった先でのコボルド経由で"繰返し作業魔法"が発動されて全員にテレパス2がかかっていく。
今見た魔法の発動方式を覚えて置く。さっき使ったオリジナルのリバイバル魔法そっくり。なのに魔法陣なし、魔法式のみ。こういうのは、改造したら応用が出来そうでワクワクする。魔法がかかり終えたのを確認し、コボルド達にして欲しいことを口にする。
『お前達に命令する。捕まえた森蟹は塩茹でにする。この近くで塩は取れないか?』
『塩って、何ですコボ?』
やはりそう来たか。どう見てもナマ食しか知らない犬原人だもんな。
『えぇと、塩は塩だ!』
ヘルが言うその様子を見て、思わず目に手を当てて天井を仰ぐ。
うん。皆、味の概念、美味いか不味いしかないもんね。
ボクガワルカッタ。
岩塩とかありそうなんだけど……
『邪(よこしま)な女神様も知らんコボじゃね?』
※ぼそりニュアンス。
『誰だ! 我を侮辱するか!』
平伏する全コボルド。
耳まで真っ赤になるヘルを慌てて手で制しながら、全員に塩味のイメージを送る。
『ゴメン、皆は知らないんだね。こんな味の岩は知らない?』
ヒット感。同じイメージを返して来たコボルドが居た。左目を失ったシェパード顔だ。厳つくカッコいい。
『オレ、それ知ってるコボ』
当たりだ。父さんが、昔持ち帰って来た綺麗なクリスタルが塩の塊って驚いた事が役立った。当てずっぽうだったけど。この付近にあったんだ。
『よっし、じゃ、ヘル、探索と料理よろしく』
『料理?』
『大丈夫、レシピは鍋を作って、その鍋に水を入れて塩を入れて森蟹を入れて、鍋の下から火で炙るだけだ』
『それだけ!?……鍋は?』
『それだけ。鍋はコバルト鉱石で作ってくれれば良い。後で作るとこ見せてもらうよ。塩の量は岩塩削りながら味を調整してね。まぁ、味の染み込み具合で森蟹の味が変わるから関節に切れ目を入れておくと良い』
イメージと共に図解説明してコボルドにも分かりやすく教える。
味のイメージも添えるのを忘れない。
『マスター、コレ、我々には禁忌なんですけど』
『うん? 悪魔って人で同じようなことすんじゃないの? 蟹を茹でて美味しくいただくだけだけど?』
『だからー、下級悪魔はー』
『あー、却下。もう、お前らは僕の所有物だから悪魔族名乗るな。これ命令ね』
『『『『『『『『『『『え(コボ)』』』』』』』』』』』
『何を意外な顔してるの? 美味しい蟹の塩茹で食べたくないの? 食べたかったら、その為に働け』
『食べても怒らないコボ!?』
『僕は悪魔族のルールなんか知ったこっちゃ無いから怒らない』
「「「「ウワオオーーーッ」」」」
感極まったのか何匹かのコボルドが遠吠えを始めた。
『うるさいっ』
『ごめんなさいコボッ!』
『僕は、まだまだ読まなくちゃいけないデータの処理で忙しいんだ。敵が攻めて来るような事になるか、塩茹での準備が出来るまで話しかけるな。ヘル、コボルド達の行動を任せた』
そして並列思考から上がって来た新しく作られた書庫検索を改造することに没頭する為に、コルベルトの後ろについて半覚醒状態になって歩く。
『ご無体な』
『取り敢えず、岩塩取りに行くコボ』
『あれ、美味そうだったコボ』
『悪魔貴族様は、あんな美味いものを食べてたコボ?』
『ずるいコボ』
口々に勝手な言い草がのぼったが、岩塩採掘が開始された。
◆
コルベルトの後ろを行く視界に幻影管理紙面を展開する。
書庫検索をコピーして、それをいじくり倒す。
うーん。いじくり辛い。あぁ、そうだ、本の目次や題名みたいに整理しよう。
コメント文をコマンド群の要所に追加して行く。ただ単に後から機能追加や発見した効率の良い式に差し替え可能になる様にひたすら単なる見出し文としてコメントを追加して行く。
うん。整理しやすくなった。
一旦こちらを正として現役サーチに反映して更にバックアップコピーしてながら改良して行く。
結果、知りたい情報を直ぐに引き出せる常時起動の自動検索が出来た。
問題は書庫のデータがほとんど画像なので幻影__ミラージュ__#画像解析通さないといけない。
『本体__ウル__#、何してんの』
『そう言うのはこっちに割振れば良いだろ』
『楽しそうなモノ作ってるなよ、そんな暇あるなら差分記憶並列化して貰うぞ』
『差分記憶並列化?』
自分のコピーが説教して来た。
『今までは全記憶を焼き直ししてたけど全部する事ないじゃん?』
『だから、差分記憶をそれぞれピックアップしてみんなでローテーション組んでそれぞれの記憶を共有させます』
『バックアップも兼ねてね』
『バックアップ? 記憶を?』
『実は、僕らコピーエーテルフィルムは人格に若干の差異がある事が判明してる』
『!? なんで同じ魂からコピーしたフィルムに差異が出来るんだ?』
『まぁ、聞いてよ。魔素に意思__エーテル__#を与える事で様々なベクトルエネルギーが生じるコトが関係してるのか、野良魔力拾ってコピーすると前に使った存在の意思が混じって劣化コピーが生じるみたいなんだよ』
『それが統合時の失敗に繋がってた?』
『僕ら、大脳を持ってない。だから、生存本能による感情が抜け落ちてて、混ぜ物だろうと純粋なコピーであろうと何とも思わないけどね』
『もし、人体や生態で再現すると存在本能が強くなる可能性がある』
『なるべく自分の完全複写体は作らない方がいいと思うよ。下らない喧嘩になる可能性がある』
『肝に命じて置くよ。でローテーションの差分記憶並列とどう繋がる?』
複製した自分に襲われる物語りは古くからあるが……なるほど。
『あぁ、差分記憶だけなら1、2分で並列が終わるんだよ』
『短い時間なら差分も少ない。所要時間も短く済むから、ローテーションが組める』
『記憶差異が少ないお陰で得た知識から効率化も計れた。お陰で第三階梯がもう直ぐ終了するよ』
『……本気で?』
速読術か? 速読術による成果か?
『冗談言わないの分かってるだろ? そろそろ冗談の一つや二つ言えるよう覚えた方が良いとも思うけど』
『ま、そんな訳で、第二、三階梯は差分が長いから分割して統合してく』『ちょっと本体をこのフェオに貸して一分だけ、統合に全リソース回してよ』
『分かった。じゃ、よろしく』
自分の分身思考達が優秀すぎる件。さっさと第二、三階梯のパッケージを覚えてしまおう。フェオに任せた途端誰かに勝手に体を動かされてる変な感覚にとらわれる。並列処理の為意識を手放した。
◆
復帰した。自分の並列思考に起こされるの変な気分だ。
『どうだ。第二階梯のパッケージは?』
『なんか思ったより呆気なくて実感無いな。その癖読んだ記憶もあるし』
大変便利だが、コレに慣れるべきか一瞬悩む。まぁ、考えようによっては不老不死を手に入れたも同然なのだが、それをやると多分、生き物として生殖能力が無くなる。一応、子供は作れるようにしておきたい。残して来たあいつらも気になるし。後8年の間に、ちゃんと一人前になって迎えに行きたいとも考えてる。って、いやいやいや、違う違う今はそれどころじゃ無い!
『いや、僕だから分かるけどさプライベート環境筒抜けにするのだけは避けた方が良い』
『ヘルに知られたら面倒なことになりそうなコトだしね』
『ま、早いとこやるべきコト済ませる為の並列環境って思えばいいだけでしょ』
『確かに』
自分に説得された……。まぁ、いい。サッサと魔導を極めて剣士になる! 生き残る為にそのいち。サーヴァントの改良だ。
折角、コルベルトとの戦闘データが手に入ったのだから。先ずはマナ・アドプションを……え?
マナ・アドプションのファイルを出そうと意識した途端、書庫検索が結果に出して来た一覧を見てびっくりした。
テキストファイルになってるそれを開いて見る。
中身は師匠が魔法化したアーティファクト・デバイスの術式! やった! 凄いです、師匠!
マナ・アドプションより数段上を行く出来です。持続魔法ではなく、瞬間発動と瞬間効果で持続し続ける魔法を実現し、しかも体外でのエーテルタンクも構築する為のプロセスが丁寧に書かれた設計書だった。
まさに芸術品と言わざるを得ない出来とか素敵過ぎる。
意思、魂のカケラ。生命の根源たるモノをエーテル。
周辺のあらゆる低級霊をサモン系コマンドで引寄せ、エーテルフィルムを中和、吸収、エーテルタンクに保存。そこらに飛んでるマナからエーテルを抽出するのではなくゴーストが再構築したエーテルフィルムそのものを分解吸収するのだからマナより省スペース且つ運用効率がいい。
生前魔法を使う為の余剰の魂源……MPに乗った意思は、死後に体に残る。本来の魂が何処かへ消え後に何らかの未練があると余剰意思に引き継がれ、まるっと余剰分MPがゴースト化する。それが低級霊。
迷惑の元凶に成り果てたエーテルなら再利用してもいいよね? 流石、師匠。目の付け所が違い過ぎです。
サモン・ゴーストを覚えさせた理由がやっと理解出来た。
マナ・アドプションは枯渇した状況下では、少しのマナで低級霊を召喚し、エーテルを補充出来る魔法でもあった。
魂は時空をも超越し、分裂さえ出来ると結論付けられている。しかし教会では輪廻転生と時空も超越することは受け入れられても魂の分裂や残留思念は信じられていない。
この魔法は教会に知られたらヤバい代物だ。
だからと言って使わないことはないのだが。
ターンアンデットは、その実エーテルを浄化と言って霧散させるだけの代物だったのだ。
さまよえる魂を天へ返す? その意義を盲信するのが目に見える。
魔法も奇跡も技術だ。道具と変わらない。善悪など使う側の心次第が真実なのだと僕は思う。が、そんな概念は彼ら信奉者には通用しないだろう。理屈が通用しないのだから。
さて、脱線はココまでにしよう。
取り敢えずリルナッツのマイナーチェンジを行う。中央胸部背面側首の真下に2mmのアーティファクトデバイスを構築。左右の胸部と両足大腿部のパーツにマナ・アドプションを構築。アーティファクト・デバイスの前面にマナ・プールを構築。マナ・プールを介してエーテルを抽出しデバイス内のエーテルタンクへ蓄積させるように配置。
作動させてみて上手く行くことを確認。一体でも最大四つの魔法の並行発動が可能になった。五体で頑張れば、ファイアブリットを毎秒十発三〇秒叩き込める事も出来そうだな。……そんな無駄撃ちする場面にならないと思うけど。
アーティファクト・デバイスの構築で新しくアーティファクトの作成の概念が変わった。コレを並列思考に共有しよう……。
____________________
アイルス手記
※パッケージ等は割愛します。
・ヘルの魔法メモ
マジック・リバイバー
所謂、魔法の繰り返し発動用魔法。こんなもの使った
ら大抵はオド枯渇で卒倒するので広く使われることはな
いと思われる。
____________________
【ステータス】
アイルス・プリムヘッツ(7歳)
弟子32日
◆才能:※並列思考には脳が無いので更新なし
アカシック・リーディング(無自覚)
最適設計演算
魔力補助精密動作筋肉制御
失敗検証
検証データ予測演算
◆才能→技術化(ユニークスキル→ユニーク複合スキル)
魔力制御法+魔法最適化→
マジカル・オプティマイザ→
マジカル・コンビネーション・オプティマイザ:Lv 3 New
頭脳使用法:Lv 30(並列処理により上限解除)
記憶向上+関連記憶→フラッシュ・デフラグ・フロー
動的空間把握処理能力+予測演算+
動体視力処理速度連動加速→フラッシュ・シミュレータ
夢想実現化演算→ブレイク・ダウン・マイル・ストーン
※頭脳使用法で纏められているのでLv 表示なし
※並列思考に脳は無くともアイルス自身のリソースは使えるので
パワーレベリングが出来る。
◆技能:
見稽古(分析、考察)Lv 1
標準語(会話、読み書き)
遺跡語(読み書き)
精霊語(読心会話)
高速切替思考処理
並列意識連携処理Lv 1→5
魔力察知 Lv 3
魔法式改造 Lv 4→6
魔法上級改造(並列連動式等)Lv 4→6
混成魔法 Lv 5→6
物理造形設計技術(木材、石材)Lv 3
研磨整形技術Lv 5
※関節部分の精密さを追求した結果。
スキルカスタム Lv1→3
以下魔法複合技術 New
短時間睡眠術 New
記憶整理処理 New
共有記憶同期 New
_____
いつもお読みいただき、ありがとうございました。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中に呆然と佇んでいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出したのだ。前世、日本伝統が子供の頃から大好きで、小中高大共に伝統に関わるクラブや学部に入り、卒業後はお世話になった大学教授の秘書となり、伝統のために毎日走り回っていたが、旅先の講演の合間、教授と2人で歩道を歩いていると、暴走車が突っ込んできたので、彼女は教授を助けるも、そのまま跳ね飛ばされてしまい、死を迎えてしまう。
享年は25歳。
周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。
25歳の精神だからこそ、これが何を意味しているのかに気づき、ショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる