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並列思考会議2と風の精霊指揮士(Parallel thinking conference 2 and Silpheed conductor)
『みんな、ちょっと、作業中断して。アーティファクト・デバイスの設計ファイルがコッチにあったんだけど、見つけてないよね?』
『え? あ、そんな所に!?』
『あー、そっちの棚は、コッチのパッケージ終わらせようと思って後回しにしてたんだよね』
『師匠の無差別ファイル棚って、基礎知識まだ足りなくない?』
『これは大丈夫だったよ。でもやっぱり総合整理必要か……』
『どうする? 増やす?』
『この際だし、他のエーテルフィルム体のパターンが欲しいよね』
『きっと違う視点を持つはずだから、取り入れたいよね』
……さすが僕達、考えるベクトルが見事に一致。これ、有事にイレギュラー対応辛いんじゃね?
『! 居るじゃない。打って付けの暇してるのが』
『え?』
『あ、なるほど』
言語化する前のイメージが一致した。
◆
『クフィーリア!』
風の精霊に呼びかけて見ると、契約してるシルフがディティールのないあっさりした裸体で出て来た。
『はい。お呼びですか? マスター』
『うお! 何故、裸!』
"大変だな。本体脳持ちは"とかなんとか並列思考がリンクした思考からわいわい騒いでる。シルフは本体魂と契約しているから並列思考には反応しない。
『マスターのイメージで再現されるんですよ。マスターはエッチですねぇ』
『そうか。ちゃんとヒラヒラとした緑の淡いグラデーションの長いドレスを重ね着してる風にイメージ! コレでディテールの無い裸ではない』
……だがまだ、刺激が強すぎる。が、僕、子供だからわからない! と斬って捨てる。"ふーん、えっちじゃん"とかなんとか聞こえるがこの際だ。気にしない。
『そんなことより! 早速だけど手伝って欲しい事がある』
『代償は忘れないでくださいね』
『分かってるって、はい前払い! 魔力をクフィーリアに送る』
ヘルが見たら拗ねそうだ。塩でも見つけた機会があったら魔力でも送ってみよう。
『ちょっとこの並列思考の作業統制を頼みたい。それとクフィーリアには、コバルト鉱石の文献あったらまとめて置いて。それから魔法のインデックスの整理もお願い』
『シルフに、魔法使い見習いみたいな事させるなんて、そんな人は初めてですよ。後でハズんでくださいね』
『はいよ。はずむ分は何がいい? 考えておいてね。並列思考は僕のコピーだから、クフィーリアに紹介しておくよ。名前はまぁ、全部僕だから適当でも構わないかな』
テレパス・リンクを応用してクフィーリアの意思と思考並列を繋げる。
『いや、ちゃんと分けて欲しいな』
『だけど、個性があまり出てしまうのは不味いよね』
『名前が欲しいと感じてるのだけ付ければ?』
『まぁ、こんな感じだけど元は僕のコピーだから気軽でいいよ。作業効率が落ちてる場合のリソース支援の監視とコントロールをお願いしたいんだ。あぁ、最後に』
一拍呼吸を置いてクフィーリアを見る。
『クフィーリア、君は何処から来たのかな?』
『それ、聞いちゃいますか?』
『隠すような事?』
『一応、自立の為がかかってるので……』
『いや、隠すならそれ言っちゃダメでしょ』
『あ』
クフィーリアが口に手を当てる。いや、遅いから。
『なんだ、やっぱり』
『なんだかんだ言って心配してるんだね』
『まぁ、当たり前だよね』
『『『『母さんも、見てるの? これ?』』』』
『いえ! 見てませんよ! いざと言う時の為につけられてただけですから!』
『なるほど。それで精霊契約をこれ幸いと利用して来たわけだ?』
そう言えば小さき時から目の端に見えてたなぁ女の人の幻。あれクフィーリアだったのか。
『精霊契約は一番近くの精霊を呼び出しますから、独断と言うより仕様です』
『母さんは知ってるの?』
『命令されたのは7年前で解除も変更もしてませんし報告さえしてませんから』
『母さんらしいと言えばらしいけど、報告とかさせろよ』
『あれだけの子供がいちゃあね』
『特に末っ子がなぁ。手がかかるし』
『あ、そうか……』
ちょっと母さんに腹が立った僕を諌める並列思考達。冷静すぎ。
『そんなことより、追加報酬のことですが』
『追加? あぁ、はずむ分ね』
『マスターと空を飛びたいです』
『……そんなんでいい? フライング系の魔法覚えて、ココも出られて自由になったらいいよ』
『約束ですよ』
『はいよー。あ、サーヴァントの新しい開発にもう一人か二人追加するからよろしく』
『『『まだ増やすのか!?』』』
『いや、むしろやること多くなって増えるのは分かっていたコトだよ』
コボルド達を使ってと考えたら交渉サポートも欲しいところだと言うのに。そのためにもクフィーリアやヘルのエーテルフィルムパターンコピーは欲しいところだし。
『ま、作業中断よりかはマシかな?』
一番個性が強まり出してるフェオが言う。個性を伸ばすか悩ましいとこだ……伸ばすかコピーはいくらでも出来るし。
『それなら、各関節をアーティファクトとして開発し直しといてくれ』
『フェイスマスクの与える影響も考慮したいな』
『わかったよ。それも盛り込める様考えとくよ。じゃ、みんなクフィーリアの言うこと聞いて効率よく記憶してってくれよ。並列化ローテーションは1時間後に僕は受けるから。クフィーリアも記憶にアクセス出来るようにしとくよ』
一気に指示出ししてる最中の後半辺りでヘルから呼出がかかった。
※今回、ステータスに変更はありません。
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