マジック サーヴァント マイスター

すあま

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第30話 奴隷商に拾われて勝手に奴隷にされてた。

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 ……ルス!……

 母さん? 何処かな? もうずっと会ってないな。会いたいな。

 …………ス!……

 父さん……? 母さん、父さんや皆は?
 母さんの顔がボヤけ、違う顔になる。

 ヘル?

 剣士になるのが夢だった。でも、師匠に教わった魔導で得たあの力さえあれば、父さんを超える偉大な人に慣れる。でも人格者にもちゃんとならなきゃ……。

 それからみんなの為に、力になる為にもっとこの力を磨かなきゃ……。あれ? みんなの為って何がみんなの幸せなんだろう?

「アイルス!」
「……ヘル?」
「良かった、まだ、アイルスだ。眷属化が完了したらしい。お前の人格まで変わらないかヒヤヒヤしたぞ」
「……眷属化?」

 急に意識がはっきりしだす。ガタゴトと馬車の荷台に乗せられた時の音と硬い木の床にボロ切れのみを着せられ、転がされてたらしい。匂いも酷くて清潔さとは無縁な環境だ。

 あまりに汚くて、自身に付着する汚れに向けて、魔素化洗浄マナ・コンバート・ウォッシュを思考詠唱をしようとした。しかし、マナが動かなかった。すぐに首輪に邪魔された事に気付く。

「奴隷の魔法封じの首輪だ。喋るなよ。オレの声はアイルスにしか聞こえない」

 疑問に対し、直ぐにヘルが応えてくれる。身体中、無視出来る程度に鈍痛があって動かすのが億劫だった。

 何人かの若い男が視界に居た。年の頃は成人(15)前の様だ。項垂れて絶望してるのか床を見つめてたり、グッタリと横になっている。そして全員頭の上に三角の耳があったり、尻尾が生えていたりと所謂獣人だった。

「ヘル、テレパス……」
「ん? あぁ、そうだな。“テレパス”」
『状況を詳しく』

 現状を兎に角早く掴まなければと思い説明を求める。

『あいつから解放された後、どこかの地上に放り出された。多分元いた場所から東の端。出たすぐ後にこの馬車に拾われたが運悪く奴隷商人の馬車だったらしい。身ぐるみ剥がされ、問答無用でその首輪をつけられてここに放り込まれた。オレは一旦幻影で姿を隠してお前の意識が戻るのを待った。あんなトコに居たんじゃ食料の確保が難しそうだからな、そんな首輪、時を見計らって外してやるさ。だから、安心しろよ』

『ここの人達は奴隷か?』
『そうだ。身体は大丈夫か?』
『鈍い痛みが全身にある。無視はできそうだけど動くのが億劫だ』
『眷属化とか言ってたからな。作り変えられたんだろう。アイルス。お前、もう人間とは違う存在になったんだと思う』

『背中のシンボルは?』
『すまん。消せなかった。何もかも手遅れで……創造主には逆らえなかった』
『じゃぁ、監視下か。仕方ないよ。さて、並列思考達はどうしてるかな……』

 呼び掛けてみたが、何も返ってこない。やはりか。

『オレみたいに凍結されたらしい。身ぐるみ剥がされた時にただの石だった』
『凍結?』
『時間が進まなくなるんだ』
『当面は、首輪と凍結の解除か』

『いや、子供の持つ石だぞ。投げ捨てられてたよ』
『どこら辺に投げられてた?』
『あ、すまん……あんまり覚えてない。ただ拾われたトコがココだった。ココのすぐ近くだ』

 風景のイメージがヘルから送られて来た。

『上出来。仕方ない。新しく作るしか無い。魔法式と設計書を公開するからヘルが作ってくれる?』
『マジか。作ってやるけどよ、鍵を盗んで来れば余裕だろ』
『もし、僕が相手を隷属するアイテムを作るなら鍵なんかじゃなく、着けたら絶対外せない物にする』

『オ マ エ ホ ン ト に 七 歳 か ?』

『身体は確実に七歳だよ。頭ん中は並列思考使ってからはあいつら魔力の続く限り知識欲満たしてるから分かんないな』
『魔力の続く限りって補給し続けられる状況で無限じゃねーかよ』
『ごめん脱線した。そうだなぁ。対象はこの首輪についてるフックパーツで良いやお手頃に金属だし』

 そう思考で伝えながら首輪についてる鎖の一部の様な長方形型の輪を作る単なる錆の浮く金属に触れてみせる。

『マジか。で、其奴の制御魂はどう作るんだ?』
『もちろん僕にスピリット・スキャンして作る。自由意志は持たせよう。記憶も全て同じモノで作る』
『待て待て、裏切る可能性とか無いのか?』

『まぁ、それはほぼ無いよ』
『ホントかなぁ。自由意志持たせるのは、オレは反対だ』
『判った。一先ずそれでいいから、このパーツの何処かに窪みや傷は無いか?』
『窪み?』

『そこを視覚確保に使う』
『金属だぞ。浅い傷とも呼べないもんしかねーよ』
『なら、何でもいいから十字に傷をつけて』
『注文の多い客だなぁ。ほらよ』

 ギャリッ

 思いの外、大きな音と火花が散った。

『静かにやって欲しいな。まだ反撃とか出来る状況下じゃないんだから。奴隷商人達に見つかったら面倒だ』
『へいへい。もし、アイルスを傷つける奴らが居たら、どうせオレが皆殺しにしてやるから安心しろよ』
『そういう問題じゃないだろ』

「おい、新入り」

 ギクリとした。白と黒の縞模様の三角を丸くした耳を頭の上に乗せたちょっと年上の男の子が声をかけて来た。

『ほら、御覧なさい。煩くするから目をつけられたじゃないですか』
『その口調ふざけてんのか? 余裕あるじゃねーか』
『兎に角スキャン後は、これ見てちゃんとキチンと実行してよ。ちと、してくるわ』

 思考での一瞬のやり取りの後、魔法式と設計書を送り付け、ホワイトタイガー柄の耳をつけた男の子に返事する。

「僕ですか?」
「お前以外に最近入って来たのは居ねーよ。新入り。それより今、魔法使ったか?」
「使いましたけど、失敗しました」
「今のは失敗した音かよ。っておい、なんか光ってんぞ」
「え? 何がですか?」
「お前の体の輪郭が下からなんか光が上がって来てるぞ」
「え? 気の所為じゃないですか?」

 そう言えば、マナの流れさえ感じられない。この首輪凄いな。完全に魔法使い廃業じゃないか。

『スキャンで光なんか出てたっけ?』
『光? 微細な光じゃない奴なら出るな』
『つまり可視光域外をあの目は捉えてるのか。僕と同じ首輪してないな。魔法使えないのか……』

「今度は首輪あたりが光ってんぞ。お前、やっぱりなんかしてんじゃねーのか!?」
「イマイチお兄さんが、何を言ってるのか分かりません」

 その時、進行方向側と思われる仕切りカーテンが開かれて、如何にも悪党ですと言わんばかりの男の顔がぬっとこちらに向きながらがなりたてて来た。

「うるせぇ! 何くっちゃべってんだ! 次の休憩で降ろさねえぞ!」

『おお、怖い。ヘル、出来た?』
『後、少しだ』

 僕はわざと口を抑えて見せた。話しかけて来た奴を見たら眠ったフリをしていた。マジか。裏切られた気分だ。怖いおじちゃんはこちらを睨みつけカーテンを閉めた。

『よし、出来たぞ』
『あぁ、大急ぎで僕にマナ・アドプションを頼む。ヤバそうだ』

 ヘルに返事する直前、凄い喉の渇きと空腹感が襲って来て蹲るしかなかった。気怠さと痛みが薄れて来たけれど、まだまだ取り切れそうにない。眷属ってまさかアンデッド系じゃないよな……脈を見るため首輪の下の頚動脈に触れた。

 ◆

 呼び覚まされた。

 状況を確認。身動きは取れない。視界は良好。やや薄暗いが牢屋の中の様な、馬車で護送中の様な……視界の隅には命令待機中の文字。

 何人かの男の子が同じ様な格好でぐったりした感じで居る。ロクな状況では無い。気分は爽快の筈なのに何か嫌な強迫観念を感じる。絶望感。妙だ。景色の所為か?

 すると近くで魔法の発動反応。その魔法は僕のオリジナルだった。

 そうか、近くにヘルが居るな。すると此方は並列思考か。十字の視界をグリグリと変えて周りを見る。オリジナルは見えない。対面して話す事は無理か。まぁ、必要無いけど。

 ん? 自由意志はヘルに未発設定にされた筈じゃなかったっけ? ははぁ。ヘルの奴、魂の中の魔法式設定の変更を面倒臭がったのか。まぁお陰でやりやすいからいいけれど……面白いから命令待機中のフリしてみようか。

 あぁ、どうせだからサンド・グレインのデザイン・リニューアルでも作るか。

『ケン・アイルス、オリジナル・アイルスにテレパス・リンクを』
『了解』

 クリエイト・サーヴァントで生まれた僕は感覚共有が強制的にかかりヘルに思考とは別に視界や蝕覚などの情報を渡してしまっている。支持も自動的にテレパスがかけられてるのと同じ状況だからヘルから指示が飛んで来るのは不思議じゃ無いけど使い魔に使われる感は不思議な違和感だった。これ生体脳の時の本能の記憶からか?

 とか思いつつも返事をしてオリジナルを想ってテレパスをかけた。視界に見えなくてもオリジナルの生体の持つオーラは解ってる。

『“テレパス・リンク”』

 既に、オリジナルとヘルで結ばれてるテレパスに同調させるテレパスをかける。

『やっと、話せるね。初めまして六番目の並列思考、ケン』
『初めての気はしませんが、初めまして』
『うん……ありがと、ヘル。自由意志を外さないでくれたんだね』

 なぜ今のでバレたし。

『お、おぅ。まぁな』
『早速、負んぶに抱っこで申し訳ないけど、サンド・グレインを10体作成して。それと修練洞窟で最後に作ったモデル、ソード・アームズの生産ラインをお願い』
『みなまで言うな、オリジナル。最初のソード・アームズ20体は石の捜索に向かわせるぞ』
『キャリアー・サンド・グレインの実験も頼めるかな?』

『なら、助手を作るけど構わない?』
『勿論だ。ソード・アームズは最後のデータから仕様変更を考えてたんだ。今思い出した。肘先からは変更ね。普通の腕にショートソード付き上腕カバー、足はリルナッツ式で足首先をロングソードで、背中から肩にかけて収納可能な作業用大型マニピュレータ、サイズは1/50mm比率で。本体サイズは1/10mmから1/100mmに変更でよろしく』

 なんと言う無茶振り。まぁ、サンド・グレインにお互いに1/10小さい手を付け合えば1/100位こなせるか……

『サンド・グレインにはキャリアー装備も作らせて。リング・エア・ジェットを背部コンテナの左右と両足にも着けてみよう。今回は飛行形態は考えてる暇ないからいいや。今度考えとく』
『どうせ移動中は結界張るんだろ。飛行形態とか要るのか? 風にも左右されないのに』

 ヘルから恒例のツッコミが来る。

『そりゃ、カッコいいからに決まってるだろ。変身したらいいじゃん。ドラゴンとかワシとかさ……変身より、変形……かな?』

 細部がハッキリしていないイメージがオリジナルから送られて来た。

『そりゃ、出来たらカッコいいけど役に立つのか?』
『立つ! 絶対に!』

 夫婦漫才が始まりそうだ。もう無視していいだろう。

『あー、じゃぁ、僕は作業に入るよー』

 さっさと木の床に落ちてる砂に向けて素体を作り、記憶にあるデミルアをダウンロードしてサンド・グレインを簡易ロールアウトさせる。火器管制やらの方は後で並行実施させる。作業は順調だった。何せのんびりした移動だったから。



____________________
 キャラ紹介
 アドニス
 種族:ハーフ・ウェアホワイトタイガー(12♂)
  聖デコグリフ教会の奴隷罪により奴隷にされた
 戦災孤児の一人。気のいい奴だったが……前回の
 話では病んでしまっているが、まだそれほど病ん
 では居ない。

 奴隷商人達
  男女分けての馬車があり、数人で管理されてい
 る。管理している者も、実は奴隷で商品を勝手に
 襲う事はない。

 ケン・アイルス
 種別:並列思考兼魔造召作業管理用複製魂
  6のルーンを名付けられたアイルス自身の複製
 で今まで同様のノイズの影響を受けている。

 サンド・グレイン(リファインモデル)
  未加工の砂つぶで人型を造るのが主だった。現
 在はソード・アームズを短時間で作った製造法が
 ある為成形可能になった。リルナッツの様な足で
 なく初期の足を引き継いでいる為鈍足。その代わ
 り、キャリアー装備の実験が行われる。膝から下
 脹脛はコンテナパーツを仕込め、背中にもコンテナを背負
 う。中身は0.01mmソード・アームズが3体ずつ
 乗り込める。

 ソード・アームズ
  400体程、修練洞窟で作成されたモデル。その
 時のサイズは0.1mm。肘、膝関節から先がソード
 状の薄い板で構成されている。素材は鉱石だが、
 サイズが小さいのと物理強化の為、余程無茶な使
 い方をしない限り折れない。マイナーチェンジで
 0.01mmサイズが主になった。肘から剣状でなく
 普通の腕とショートソード付き上腕カバーが着き
 新装備大型作業用マニピュレータが試験的に装備
 された。結果的に大小の作業用マニピュレータを
 持っている。

 装備紹介
 コンテナ
  サイズが下のサーヴァントを搭載する為の物で
 これを装備しているサーヴァントをキャリアーと
 呼んでいる。コンテナは単なる凹みとサーヴァン
 トが掴める取手がある。

 リング・ジェット
  簡素な輪状の風の精霊魔術を魔法式で利用した
 装備。後方気圧を下げて空気を前方から引き込む
 仕組みで無限に推進出来る出力を得られる調整が
 してある。無限に運用出来る為に最大瞬間出力や
 継続出力に上限がある。が、連結すれば出力を上
 げられることが可能。その場合の上限は現状不明。

 マニピュレータ
  精密作業用の手。基本は3本指でマジック・オ
 ブジェクトで薬指と小指を補完する。小指を親指
 の様に変更作成できる利点がある。通常サイズが
 本体サイズに合わせた比率で小型は、本体に対し
 1/10サイズ、大型が5倍サイズとしている。



_____
お読みいただき、ありがとうございました。
 気に入られましたら、お気に入り登録よろしくお願いします。また感想を頂けましたら、とても頑張れます。
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