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第69話 ジェシカ・スノーピース
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読みに来てくださりありがとうございます。このところ、長らくお待たせしています事、深くお詫び申し上げます。この物語だけは完結させたいので応援のほど、よろしくお願いします。
それでは、お楽しみください。
◆
私の名はジェシカ・スノーピース。
幼少期には、裕福だったゴルドラン家のいわゆる隠し子だ。母はゴルドラン家のメイド長。父はゴルドラン家の所有する金鉱が最盛期になるまで私の事を隠しておきたい旨を母に伝えたらしい。6歳になってようやく認知され、私の名前にゴルドランが付いた。
そのニ年後に悪夢の"世紀の大発見"がなされた。水銀から金が錬成されたのだ。遂に錬金術は、真の意味で錬金術となってしまった。しかも、この水銀由来の金は魔力を良く通す優れたもので、今まで魔道具に使われていた金にとって代わられた。
ゴルドランの資金源である金にとってたまったものではない。金鉱から排出される金は大暴落し、末席の私の名前からゴルドランが削除され、暴落初期に家を出なければならなくなった。母はそれでも働かせてもらえたので生活は苦しくなったもののスラムへ行くことは免れた。
この時から、手に職を持たなければ将来は真っ暗になる事を母から言い聞かされる。不安を煽られた私は必死になって考えた。
ところで、私は男の人に昔からそれほど興味を持てなかった。良く邸に訪れる子達は、やれどこそこの子爵と婚約したかったとか、自由な恋愛に憧れる話をこっそりと話していた。政略結婚で想い人と結ばれない事は教育されていたので他の家へ行くことがあれば、子供同士でこっそりと胸の内を吐露しあって居た。
しかし、末席の私には政略結婚にも登らない為、自由恋愛に近い存在ながら殿方と恋愛する事に心が動かなかった。それよりも、お母さんが美人でラッキーから始まり女性の美しさに惹かれる八年間だった。
庶民として暮らしてから、早、四ヶ月。ようやく掴めた奉公先に行く途中、数人の男達に誘拐され、頭を殴られた事で気を失い、前世の夢を見た。その夢で男性に興味を持てない謎が明らかになった。私の前世は和雪と言う男の子だった。家族の名前もあったのだけれど、そこは霞がかかって分からなかった。今よりは科学技術の発達のお陰かよく分からないけれどお金さえ払えば美味しい食べ物を安く買えたし、服の種類も靴の種類も豊富な家でそこそこ裕福だったんだと思う。
◆
「おい、カズユキ、ズル休みしてる絲辺にプリント持ってけってよ。お前家近くだろ」
「猿渡、ズル休みかどうかはわからないだろ」
「は? お前近くに住んでるのにあの噂、しらないのか?」
「え?」
「あいつ、学校の時間何してると思う? 公園のベンチに座ってるんだってよ。"りすとらされたりーまん"みたいだなって兄ちゃんが言ってた」
「ふぅーん」
「なんだよ、まぁ、たまに出てこられてもみんなに気持ち悪がられるだけだもんな、もう一生来なくていいっつーの」
「おい、それは流石に言い過ぎじゃね?」
「なんだよ、お前、あいつの事庇ってんじゃねーよ。まさかお前ホモだな? あいつのこと好きなんだろ」
「あいつの事好きなのはお前だろ? 幼稚園児みたいに好きな子意地悪してんのバレバレだし?」
「はぁ? はぁ!!? 好きじゃねーし! デタラメ言ってんじゃねーよ!」
「はいはい、女王様の仰せの通りにプリント渡して来るよ。一緒に行きますか?」
「ばっ! 行くか! ばーか!」
「はいはい。来るか来ないかは、即答よりも良く後悔しないか考えてから答えた方がバカっぽく見られないぞ?」
「うっせ! ばか!」
渡されたプリントをカバンへ入れて放課後忘れない様に口の中でイトベの家へ行くと5回位つぶやいた。
放課後、帰る準備をして教室を出ようとするとサルワタリがこちらを見た。目が合うとそっぽ向かれた。いつも揶揄っている側が、俺に関わると逆に揶揄われる事を学習したのだろう。
・・・
イトベの家へ自転車で向かい、近所の公園の自販機でサイダーを買った。
自転車を降りて、サイダーを取り出したところに遠くから、女の怒号が聞こえて来た。
サイダーを手に、振り向くと、車道を跨いだ向こう側、忍の家の方から母と同じ年代の女がイトベを叩きながら追いかけて来る。
「お前さえ居なければ! お前さえ!」
イトベの左側の顔には治りかけのアザがあった。そこで理解した。この女はイケナイと。イトベのそばに居ていい奴ではないと。直感してしまった。イトベに何処となく似たもっと若い頃は美人だったろうその女はイトベの母親なのだろう。いや、叔母なのかもしれない。だが、それは目の前の状況からすれば些末な事だ。
思えばイトベからは違和感が感じられて不気味だった。ハマらないピースが見つかり、合点がいった瞬間だった。
"毒親の子"「愛情を知らない」『宇宙人』いろんなクラスメイトが気軽に容易くイトベにあだ名をつけ#先生__おとな__#は訳知り顔で評価した。イトベに違和感を感じながら排他的にイトベを蔑み陥れる。その行動自体にも疑問を抱いていた。
疑問に思いつつも半年ほど前『ズル休み野郎』とクラスのみんなでイトベを粛正した。当然、俺はその粛正組に居て一言だけ注意を言った。
『親が金払ってられるんだから、来いよ。タダだと思ってんのか?』
こんな家庭の事情だとか知る由もない一言だった。イトベは教室を飛び出して行った。
それから、休みが多くなり、イジメもエスカレートして行った。
靴に画鋲を入れる奴がいた。その時はそこまですることないだろうと、直ぐにこっそり画鋲の針の根元を曲げて裏返した。
箒の先で突く奴がいた。体操着が隠され、教科書が隠され、文具が隠され、消しゴムが切り刻まれ、目立つことはない陰湿な数々の嫌がらせを目撃した。関わると標的にされる事も理解したので庇わなかった。だから今更とは思ったせいでイトベを助けなきゃいけない事に一瞬ためらった。
「イトベ!」
自転車をそのままに、名を叫びながら、幸にも通りの少ない車道を渡って駆け寄り、振り回されたサイダーを母親に向けて開ける。
「逃げろ!」
「誰よ!」
サイダーは幾らも飛ばずに地面へ撒かれる。わずかな飛沫が女のパンプスに届いた。
だが、女の勢いを止めるには十分だ。
イトベは何も言わずに走った。ツーブロック先の信号が青になったのを見て駆け出したのだ。だから、俺も後を追った。母親らしき女は何かを叫んでいた。大通りに抜けた途端、過積載の軽トラが右側から急ハンドルで進もうとした道へ停車せずに右折した。その時全力で駆けてなければ、また違った対応が出来ていたろう。ステンレスの鋼材が俺たち二人に斜め上から降り注いだ。何不自由ないが刺激の少ない人生が終わることを熱く感じる頭に手をやりながら残念に思った。
◆
夢は唐突に終わり、目を覚ます。夢の余韻が俺を縛り付ける感覚。あの時の俺にもっと力があれば。純粋なパワーがこの腕にあったなら。もっと鍛えておくべきだった。
ふと夢から覚めて現実を見ると何やら祭壇のような台に乗せられ、いかにもと言った暗めの部屋に禍々しい像を崇拝する様にレイアウトされた広間で光源は燭台。
テンプレな生贄儀式に見えた。
「おい! 目を覚ましたぞ? 薬が弱かったんじゃないのか!」
バァーン!
広間の扉が吹き飛ぶ勢いで開かれメイスで武装した神殿騎士が雪崩れ込んできた。
「全員動くな! 抵抗する者は多少痛め付けても構わん! 捕らえろ!」
騒然となる広間。目が覚めたばかりで置いてけぼり感のまま、あまりのスピード展開に俺は何が何やらで裸に貫頭衣のみだったが、特に怪我もなく無事帰宅できた。どうやら教会の邪教徒炙り出し囮捜査の囮とされていたらしい事を後で知った。
母様は激怒し、教会と一悶着あったが、ハンマー類を扱わせると発揮されるスキルが偶然教会により発覚した為教会所属の勇者候補となったので結果オーライとなり有耶無耶になった。
所属登録時にはジェシカ・スノーピースと前世の名前を文字って入れたのは気まぐれでやった。それがまさか、キャシーと組む事になるとは夢にも思ってなかったが。
____
いつもお読みいただきありがとうございます。
それでは、お楽しみください。
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私の名はジェシカ・スノーピース。
幼少期には、裕福だったゴルドラン家のいわゆる隠し子だ。母はゴルドラン家のメイド長。父はゴルドラン家の所有する金鉱が最盛期になるまで私の事を隠しておきたい旨を母に伝えたらしい。6歳になってようやく認知され、私の名前にゴルドランが付いた。
そのニ年後に悪夢の"世紀の大発見"がなされた。水銀から金が錬成されたのだ。遂に錬金術は、真の意味で錬金術となってしまった。しかも、この水銀由来の金は魔力を良く通す優れたもので、今まで魔道具に使われていた金にとって代わられた。
ゴルドランの資金源である金にとってたまったものではない。金鉱から排出される金は大暴落し、末席の私の名前からゴルドランが削除され、暴落初期に家を出なければならなくなった。母はそれでも働かせてもらえたので生活は苦しくなったもののスラムへ行くことは免れた。
この時から、手に職を持たなければ将来は真っ暗になる事を母から言い聞かされる。不安を煽られた私は必死になって考えた。
ところで、私は男の人に昔からそれほど興味を持てなかった。良く邸に訪れる子達は、やれどこそこの子爵と婚約したかったとか、自由な恋愛に憧れる話をこっそりと話していた。政略結婚で想い人と結ばれない事は教育されていたので他の家へ行くことがあれば、子供同士でこっそりと胸の内を吐露しあって居た。
しかし、末席の私には政略結婚にも登らない為、自由恋愛に近い存在ながら殿方と恋愛する事に心が動かなかった。それよりも、お母さんが美人でラッキーから始まり女性の美しさに惹かれる八年間だった。
庶民として暮らしてから、早、四ヶ月。ようやく掴めた奉公先に行く途中、数人の男達に誘拐され、頭を殴られた事で気を失い、前世の夢を見た。その夢で男性に興味を持てない謎が明らかになった。私の前世は和雪と言う男の子だった。家族の名前もあったのだけれど、そこは霞がかかって分からなかった。今よりは科学技術の発達のお陰かよく分からないけれどお金さえ払えば美味しい食べ物を安く買えたし、服の種類も靴の種類も豊富な家でそこそこ裕福だったんだと思う。
◆
「おい、カズユキ、ズル休みしてる絲辺にプリント持ってけってよ。お前家近くだろ」
「猿渡、ズル休みかどうかはわからないだろ」
「は? お前近くに住んでるのにあの噂、しらないのか?」
「え?」
「あいつ、学校の時間何してると思う? 公園のベンチに座ってるんだってよ。"りすとらされたりーまん"みたいだなって兄ちゃんが言ってた」
「ふぅーん」
「なんだよ、まぁ、たまに出てこられてもみんなに気持ち悪がられるだけだもんな、もう一生来なくていいっつーの」
「おい、それは流石に言い過ぎじゃね?」
「なんだよ、お前、あいつの事庇ってんじゃねーよ。まさかお前ホモだな? あいつのこと好きなんだろ」
「あいつの事好きなのはお前だろ? 幼稚園児みたいに好きな子意地悪してんのバレバレだし?」
「はぁ? はぁ!!? 好きじゃねーし! デタラメ言ってんじゃねーよ!」
「はいはい、女王様の仰せの通りにプリント渡して来るよ。一緒に行きますか?」
「ばっ! 行くか! ばーか!」
「はいはい。来るか来ないかは、即答よりも良く後悔しないか考えてから答えた方がバカっぽく見られないぞ?」
「うっせ! ばか!」
渡されたプリントをカバンへ入れて放課後忘れない様に口の中でイトベの家へ行くと5回位つぶやいた。
放課後、帰る準備をして教室を出ようとするとサルワタリがこちらを見た。目が合うとそっぽ向かれた。いつも揶揄っている側が、俺に関わると逆に揶揄われる事を学習したのだろう。
・・・
イトベの家へ自転車で向かい、近所の公園の自販機でサイダーを買った。
自転車を降りて、サイダーを取り出したところに遠くから、女の怒号が聞こえて来た。
サイダーを手に、振り向くと、車道を跨いだ向こう側、忍の家の方から母と同じ年代の女がイトベを叩きながら追いかけて来る。
「お前さえ居なければ! お前さえ!」
イトベの左側の顔には治りかけのアザがあった。そこで理解した。この女はイケナイと。イトベのそばに居ていい奴ではないと。直感してしまった。イトベに何処となく似たもっと若い頃は美人だったろうその女はイトベの母親なのだろう。いや、叔母なのかもしれない。だが、それは目の前の状況からすれば些末な事だ。
思えばイトベからは違和感が感じられて不気味だった。ハマらないピースが見つかり、合点がいった瞬間だった。
"毒親の子"「愛情を知らない」『宇宙人』いろんなクラスメイトが気軽に容易くイトベにあだ名をつけ#先生__おとな__#は訳知り顔で評価した。イトベに違和感を感じながら排他的にイトベを蔑み陥れる。その行動自体にも疑問を抱いていた。
疑問に思いつつも半年ほど前『ズル休み野郎』とクラスのみんなでイトベを粛正した。当然、俺はその粛正組に居て一言だけ注意を言った。
『親が金払ってられるんだから、来いよ。タダだと思ってんのか?』
こんな家庭の事情だとか知る由もない一言だった。イトベは教室を飛び出して行った。
それから、休みが多くなり、イジメもエスカレートして行った。
靴に画鋲を入れる奴がいた。その時はそこまですることないだろうと、直ぐにこっそり画鋲の針の根元を曲げて裏返した。
箒の先で突く奴がいた。体操着が隠され、教科書が隠され、文具が隠され、消しゴムが切り刻まれ、目立つことはない陰湿な数々の嫌がらせを目撃した。関わると標的にされる事も理解したので庇わなかった。だから今更とは思ったせいでイトベを助けなきゃいけない事に一瞬ためらった。
「イトベ!」
自転車をそのままに、名を叫びながら、幸にも通りの少ない車道を渡って駆け寄り、振り回されたサイダーを母親に向けて開ける。
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「誰よ!」
サイダーは幾らも飛ばずに地面へ撒かれる。わずかな飛沫が女のパンプスに届いた。
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イトベは何も言わずに走った。ツーブロック先の信号が青になったのを見て駆け出したのだ。だから、俺も後を追った。母親らしき女は何かを叫んでいた。大通りに抜けた途端、過積載の軽トラが右側から急ハンドルで進もうとした道へ停車せずに右折した。その時全力で駆けてなければ、また違った対応が出来ていたろう。ステンレスの鋼材が俺たち二人に斜め上から降り注いだ。何不自由ないが刺激の少ない人生が終わることを熱く感じる頭に手をやりながら残念に思った。
◆
夢は唐突に終わり、目を覚ます。夢の余韻が俺を縛り付ける感覚。あの時の俺にもっと力があれば。純粋なパワーがこの腕にあったなら。もっと鍛えておくべきだった。
ふと夢から覚めて現実を見ると何やら祭壇のような台に乗せられ、いかにもと言った暗めの部屋に禍々しい像を崇拝する様にレイアウトされた広間で光源は燭台。
テンプレな生贄儀式に見えた。
「おい! 目を覚ましたぞ? 薬が弱かったんじゃないのか!」
バァーン!
広間の扉が吹き飛ぶ勢いで開かれメイスで武装した神殿騎士が雪崩れ込んできた。
「全員動くな! 抵抗する者は多少痛め付けても構わん! 捕らえろ!」
騒然となる広間。目が覚めたばかりで置いてけぼり感のまま、あまりのスピード展開に俺は何が何やらで裸に貫頭衣のみだったが、特に怪我もなく無事帰宅できた。どうやら教会の邪教徒炙り出し囮捜査の囮とされていたらしい事を後で知った。
母様は激怒し、教会と一悶着あったが、ハンマー類を扱わせると発揮されるスキルが偶然教会により発覚した為教会所属の勇者候補となったので結果オーライとなり有耶無耶になった。
所属登録時にはジェシカ・スノーピースと前世の名前を文字って入れたのは気まぐれでやった。それがまさか、キャシーと組む事になるとは夢にも思ってなかったが。
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いつもお読みいただきありがとうございます。
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