マジック サーヴァント マイスター

すあま

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第72話 ビリから始める真っ当冒険者への㊙︎特訓術①

読みに来てくださりありがとうございます。私事で長らくお待たせしています事、深くお詫び申し上げます。この物語だけは完結させたいので応援のほど、よろしくお願いします。
それでは、お楽しみください。


 ◆

 ジェシカの譲らない意志により、交渉のテーブルに付けさせられたどこにでもいる風情の三人の冒険者。

 中でも戦士は一際撫然としていた。突きつけたかった交渉のカード夜のお酌その他を理論的に無効であると否定されたからだ。

「まず、確認しておこうか。私たちとパーティーを組むメリットはお前たちの名声が上がることは間違いないだろう。お前たちの好きなアウトロー風に言うならのファミリーになる。今までの様な新人イビリは私が舐められないための行為ではなく、私の顔に泥を塗る行為になる。そんなことを聞いたなら私は容赦なくお前たちをどんな手を使ってでも二度と冒険者をやれない様にする。無論、盗賊落ちなら喜んでその命を刈り取る」

 三人は、それを聴いて無意識にゴクリと喉を鳴らした。

「それを踏まえて品行方正に不正なく金を稼げる方法をお前たちに授けるつもりだ」
「今更、俺達に?」
「何を腐ってるのか知らんが基本的には普通にやっていれば多少の我慢は強いられるが普通に生活出来る程度の稼ぎは出るはずだ。お前達はどこかで歪んでいる為そんな生活を送るしかなくなってるだけだ」
「話を聞いといて何だけどさ姐さん。具体的にはどうすりゃ良いんだ?」
「そうだな、先ずは適正テストだここにガテマラス・シーソー騙しの天秤と言う木札遊びがある」
「酒もなしにか?」
「適性を見る為のテストに過ぎん。力を抜いて気軽にやれ」
「馬鹿馬鹿しい、俺ぁ」
「降りるのは、勝手だが、弱肉強食は世の常だ。ずるい奴がすっトロイ奴の上前をハネる。
その癖、市民を守る騎士に袖の下を通せば何も無かったことになる。
弱者に無理やり落とされる側には優しくない世の中だ。それが世界。個人の自己責任。素晴らしきかな世界。勧善懲悪など夢物語。ようこそ地獄へ、そして良きコウカイを。ボンボヤージュ」

 ジェシカが外連味ケレンミたっぷりに席を立とうとした戦士に彼女なりの門出を祝う言葉を贈った。
憮然としたまま、戦士は席に着いた。

「志願者は歓迎する。さぁ、3枚ずつ木札を選べ」
「あんたは参加しないのかぃ?」
「何だ、参加して欲しいのか? テストとは言え、容赦はしないぞ?」
「まぁ、何にも賭けないなんて味気ないがな」
「全員木札を持ったな? では、誓いを」

『全ての意志と運命を貴方(木札)に委ねる』

 ここでキャシーだけは日本語でキフダと言った。この瞬間に、このガテマラス・シーソーに参加した者がキャシーのデータ・スレイブ・デバイス・ユニットとして登録された。
このゲームは、冒険者で流行っている酒の肴に使われるゲームで、テーブルに一組置かれている店の備品だ。架空のキャラクター、ゴブリンの商人ガテマラスがキングを目指す骨肉の争いを描いた物語を元に考案され、貴族を揶揄ったお遊びだ。木札はガテマラスの所持品で山札は参加人数から引いた残りの札で一周を一年とし、配られた木札を必ず一枚出す。一枚出した、その際に下卑た嘲笑と難癖をつけると場が盛り上がる。木札は、村の情報(献1P)×3枚、奴隷(献1P)×3枚、猪肉(献2P)×3枚、奴隷女(献3P)×2枚、奴隷女上玉(献4P)×2枚、暗殺者、冒険者戦士、などが献上側にある。献上ポイント=信頼ポイントを貯めてゲーム終了時に持っている信頼ポイントで基本的には順位が決まる。暗殺者と冒険者戦士はガテマラスを殺すのでジョーカー扱いで場がリセットされ、兵力木札を一枚山札へ返し、反対回りになる。その際、二代目のガテマラスに引き継がれる為それまでの信頼ポイントが半分になる。献上ポイントは、また同じ数値で稼がなければならない。
 通常は、献上木札を一つ出したら二つの山札から1枚ずつ取る事ができる。
山札の一つは先に紹介した木札の山札で、もう一つは兵力山札と呼ばれる。ゴブリン×10、ボブゴブリン、ゴブリンソーサラー、ゴブリンキング、ゴブリナの木札が3枚ずつ、計15枚
ガテマラスが持つ兵力山札が無くなった時点で持っている木札で兵力点を計算する。ゴブリン×10が3点、ボブゴブリンが5点、ゴブリンソーサラーが6点、ゴブリンキングが8点これらの木札を揃えると木札重複効果で+枚数分点ずつ、最終時奴隷女を持っていたら、兵力に2倍、上玉なら3倍。効果は重複する。
気をつけなければいけないのはゴブリナの存在だ。ゴブリンの敵である暗殺者と冒険者戦士は、終了時持っていると通常は兵力を半減する。がゴブリナを持っていると暗殺者が10点、冒険者戦士が15点と兵力点に加算出来る。ゴブリナ効果は重複する。
総合的に兵力×(信頼ポイント÷10)で順位を決める。

 ◆

 キャシーは、ゲームの動向を俯瞰して観察した。戦士は早くからゴブリナと冒険者戦士を手に入れた。主導権を取りたいタイプで基より分かり易いタイプそのままだった。魔法使いは献上し、このゲームの本質のガテマラスからの信頼ポイントを得ていた。この献上による信頼ポイントは疎かにされがちでと言うのも参加人数が三人を越えた時点で29を中々を超えるのは兵力バランスからかなり難しい話になる為だ。そうなると2倍以上を拾いに行くか女奴隷シリーズを手元に置いておくか悩む事になる。オマケに人数が増えればランダム性が増し、木札の数も少ない為イカサマもし難い。
この点から簡単にランダムランキングが作れる為酒の席で流行っていた。
にも関わらず信頼ポイントを得て行く魔法使いのプランは恐らく暗殺者、冒険者戦士とゴブリナが手元に揃うプランを狙ったギャンブルをしている事になる。一見計画性があるようで不確かな計画のまま動く癖があるかもしれないので、彼には"導く者"が必要だったのだろうと伺えた。盗賊は暗殺者が来た途端場へ出した。常に驚かして注目を浴びたがる癖に力に対しては臆病な姿勢でまさに裏の仕事向けな行動原理とも言える性格だった。
 この三人がどうにか食い繋いでいけるのは盗賊がいるからで、戦士が先に魔法使いが目指すものを取ってしまい生かせず、魔法使いは大器晩成型で戦士に既にチャンスを取られ、盗賊はチャンスを回してくるが最終的に取り分が最低に陥るを繰り返している縮図が浮かび上がった。

二巡したところでキャシーは右手ジェシーへ向け、口を開かずに合図した。
「よし、テストはここまでだ。お前たちの傾向は理解した。木札は元に戻していい」
「おいおい、ゲームは始まったばかりだぜ?」

 盗賊が既に手の内に最低兵力の札しか無いにも関わらず、茶々を入れた。

「適正を見ると言ったろう? キャシー教えてやれ」
「あなた達は互いが噛み合っているようで噛み合っていないから次に進む為の結果を得られない。だから、私が調
[はぁ?]

ベテランかませ犬三人組が唱和した。
その直後、木札を場に捨てる前のこの瞬間に三人の持ってる木札が

「なんだ……」
「お、おぃ」
「こ、これ……」

「信用していただくために、少し情報を与えましたが、今体験している事を口に出すことを禁じます」
「うそ、だ、ろ……いかさまし放題じゃねーか」

キャシーの台詞に盗賊が無視して口にする。

「冒険者資格を剥奪されたいのか? これ以降他言無用だ」

盗賊は口に両手を当てて激しく首を左右に振り縦に振った。

「そんなくだらないことをしても何れ粛清されて自滅するだけです。戦闘で使えるメリットから連携の訓練をいたします」

「こんなに凄いことをたかが連携訓練にしか使わないのか?」

魔法使いはこの本質に気付いたのか訓練にしか使わない宣言に反論する。

「そんなに便利なものでも無いのですよ。このギフトは。私自身鍛えられなければあなた方と変わはず腐って行くだけでしょうから」
「『腐って行く』、か、腹立たしい言種だが現実だけに言い返せねぇ。いいぜ、嬢ちゃんの話に乗ってやる」

戦士がリーダーらしいことを漸く口にした。


____
いつもお読みいただきありがとうございます。

感想 4

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