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3 恥ずかしい!
しおりを挟む馬車が王宮に近づくにつれ、パーティー参加者を送り終わった馬車とすれ違う。
王宮の門をくぐり抜けると、華やかのドレスを着た人で溢れかえっていた。
宮殿は、パーティーを華やかに感じさせるため、七色にライトアップされ、城の入り口に繋がっているとてつもなく長い階段の両サイドにはきらびやかな花とリボン。
感動している私にポンっと背中を叩かれた。
「ん?。。。エディトリス?だよな。。。?
いや、こんな美しくないと思うけど。」
「別人ぶりに驚くのはいいけど、長い間会ってるのに、それは酷くない?ルーク。」
「いや。冗談だよ」と苦笑いするルーク。
隣の私は背中の視線が痛い。
そりゃあ、ルクレティウスはこういう性格だけど顔は整ってるからな~。。。
だらしなさを感じさせないボサついた赤い髪にブルーの瞳。
ルカエル侯爵様を覗いたら、一番に匹敵するかもしれない。
痛い視線を感じながら、入り口まで登り、ついてすぐにご令嬢に捕まったヤツのことはほっといて先に進んだ。
大広間つまりパーティー会場に着いた途端に、急な吐き気がした。
なぜなら、シェリー・ガラトリエがいたからだ。
吐き気を押さえながら、シェリー・ガラトリエから一番離れているテラスに行った。
侯爵様が来るまでここにいよう。
確か、前も今まで誘われたことがない私はここでずっと侯爵様を眺めていた。
なので、いくら侯爵様ファンでもこんなにダンスを観察しているご令嬢はいないはず!
「・・・・・」
なんだか、そう思っているうちに悲しくなってきた。。。。
別にモテなくても悲しくない。。。!
ボーーっとテラスから眺めていると、キャーッと黄色い声。
よし!侯爵様の登場か!
エディトリスは騒がしい方に人をかき分けどんどん進んでいった。
やっと着いたと侯爵様を囲むご令嬢の間から顔を出す。
「ふわぁぁぁぁ!」
背が高く、この国では珍しい黒髪に黒い目。
シュッと整った美しい顔。
そして、何より性格 もクールでカッコいい。
また、声も低音ボイスで世の中でいうイケメンボイス!!
シェリー・ガラトリエが侯爵様の方に突き進んでいく。
ドクンドクンと鳴らす心臓を押さえ、侯爵様に声をかけようとするが、シェリー・ガラトリエを見て頭が真っ白になり何て言おうが忘れてしまった。
早く言わないと。。。。!
「こ、こ、侯爵様!!私が一番最初のお相手をお願いしてもよろしいでしょうか!!!」
うわぁぁぁ!言ってしまった!!!!
周りの視線が痛い!トゲというか槍が刺さったよう。
もう、あと戻りは出来ない。
「何故だ?」
何故?何故とは?!?!
まってどう答えよう?!?!
えっとー。。。。えっとー。。。。
「じゃないと。。。じゃないと私!泣いてしまいます!!!!!」
シーンと冷たく周りが静かになる。
違う!こんなはずじゃなかったのに!!!
侯爵様はとても驚いているようで目を大きく見開いた。
本当の意味で泣きそう。
「。。。。。失礼します」
と元の表情に戻り、クルリと背中を向ける。
追いかけようとするが、周りの令嬢が侯爵様の後を追い、エディトリスの行く手を阻んでしまった。
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