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休み明け、いつものように登校し席に座ろうとすると猛スピードで走ってくるジュリー・ローゼが目に入った。
「朝からか…」
「アランさまぁあああああああ!!」
椅子に座ると隣の席に座ってきた。
「一体何のようだ」
「何の用って…。そんなのあれしかないではないですか!!!!」
そう言うと写真と思われるものがジュリー・ローゼのポケットから出てきた。
「この御令嬢ですわ!!」
「ん…?…リリー・ブラッド令嬢?」
「な、名前がすんなり出てきた!!」
「この令嬢がどうにかしたのか?」
そう言い彼女の方を見ると彼女は俺との近さに気づいたのか顔を赤くした。
「そ、そんなにあざとい事なさって!!本当どれだけ私の心臓を早めるのですか…!」
「そんなことはどうでもいい。それで?リリー・ブラッド令嬢がどうかしたのか?」
「まず私からの質問です!どうしてリリー様の名前はそんなにすぐスラスラと出てくるのですか!?!私なんて何回も言ってやっと覚えてもらったと言いますのに!」
「そりゃ、リリー・ブラッド嬢は昔からの付き合いだからな」
「私よりも!?!」
「当たり前だろう。」
「ひゃー!!負けた…!完璧に負けた!!」
「それで?何故こんな写真を撮っている」
「だっ、だって!このアラン様をご覧になって!?」
「…?」
俺は写真を持ちまじまじと見た。
「……笑っているが?」
「そうなのです!!笑っているのです!!」
「…?」
「私には笑顔など見せたことも無いのに!!」
な、なるほど…………?????
俺の頭の中では数多くの?が彷徨っていた。
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