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俺は放課後になっても探し続けていた。
けれどさすがの俺もジュリー・ローゼ探しに疲れベンチで休んでいると誰かが隣に座った。
「すまかい…1人になりたいんだ…が…」
隣の令嬢に声をかけようと顔を上げるとそこにはリリー・ブラッド嬢が座っていた。
「リリー・ブラッド嬢…」
「あらあら…。昔のようにリリーで良いのよ?それとベンチは貴方のためにあるわけじゃなくてよ」
ふふふとにこやかに笑う彼女は俺の幼馴染であり強敵だ。ジュリー・ローゼは俺がリリーにしか笑わない…などと言っていたが…。。あんなのは上辺だけだ。リリーは恐ろしい女性だ…
「そ、、、それはすまなかった……。その…な、何のようだ?」
「ふふ…貴方が探しているって言う御令嬢…たしか…ジュリー様でした?あの方見つけましたので教えてあげようかなって」
「何!?」
「何故か隠れているようだったから…」
俺が勢い良く立ち上がるとリリーが驚いた顔をした。
「あら…まだ追いかけるの?珍しいわね。貴方がそんなに必死になって追いかけるのって」
「そうか…?俺はただ…その…プレゼントを渡したいだけ…だ」
俺は適当に言い訳を作るとリリーに教えてもらった場所に向かおうとした。
「…あ、ランスには内緒だからな」
俺がそう言うとリリーは国一番と言われるその美貌で笑った。
「えぇ…2人だけの秘密ね」
その秘密が可愛らしく感じないのは俺だけだろうか
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