63 / 101
第20章 三年次・11月(2)
しおりを挟む
翌日、2限の授業が始まる前、高志と茂は大教室のいつもの定位置に座って授業の開始を待っていた。隣の席では茂が専門学校のテキストを広げ、一文を読んでは暗唱することを繰り返している。
最近は茂が忙しくて、伊藤達とはしばらく会っていなかった。だから昨日伊藤に会ったのは久し振りだった。
……そう思っていた。
『藤代くん、この前のぷよぷよ会来なかったけど、もしかしてまた彼女でもできた?』
昨日、伊藤は笑いながらそう言った。
高志は頬杖をついて茂の横顔を見つめる。
茂は、笑顔を見せながら心の中では一線を引けるやつだ。それは知っていた。
ただ、自分が一線を引かれる立場になるとは思っていなかっただけだ。
――本当に、相手に何も悟られないようにできるんだな。
普通に毎日笑いながら他愛もないことを話して、お昼も一緒に食べて、前と同じように隣の席で授業を受けて。だから全く気付かなかった。
自分は違うと思っていたから、最近あまり遊べていないのは忙しいからだとばかり思っていた。でも違ったんだな。茂が自分と遊びたいと思わなくなっただけだ。自分だって、この前みたいに茂を怒らせてしまえば距離を置かれるのも当然で、何も特別じゃない。
そんなことを考えながら茂の横顔を見ていると、テキストから顔を上げて暗唱しようとしていた茂がふと高志を見、その視線に気付いた。
「ん?」
「……いや、別に」
高志は頬杖をついたまま薄く笑うと、視線を逸らした。
最近は茂が忙しくて、伊藤達とはしばらく会っていなかった。だから昨日伊藤に会ったのは久し振りだった。
……そう思っていた。
『藤代くん、この前のぷよぷよ会来なかったけど、もしかしてまた彼女でもできた?』
昨日、伊藤は笑いながらそう言った。
高志は頬杖をついて茂の横顔を見つめる。
茂は、笑顔を見せながら心の中では一線を引けるやつだ。それは知っていた。
ただ、自分が一線を引かれる立場になるとは思っていなかっただけだ。
――本当に、相手に何も悟られないようにできるんだな。
普通に毎日笑いながら他愛もないことを話して、お昼も一緒に食べて、前と同じように隣の席で授業を受けて。だから全く気付かなかった。
自分は違うと思っていたから、最近あまり遊べていないのは忙しいからだとばかり思っていた。でも違ったんだな。茂が自分と遊びたいと思わなくなっただけだ。自分だって、この前みたいに茂を怒らせてしまえば距離を置かれるのも当然で、何も特別じゃない。
そんなことを考えながら茂の横顔を見ていると、テキストから顔を上げて暗唱しようとしていた茂がふと高志を見、その視線に気付いた。
「ん?」
「……いや、別に」
高志は頬杖をついたまま薄く笑うと、視線を逸らした。
0
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
貢がせて、ハニー!
わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。
隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。
社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。
※この物語はフィクションです。
※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8)
■2025.12.14 285話のタイトルを「おみやげ何にする? Ⅲ」から変更しました。
■2025.11.29 294話のタイトルを「赤い川」から変更しました。
■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました!
■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。
■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる