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4.王子の葛藤
殺したい男
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俺の母親のような、とってつけた繋ぎの存在ではない。
確固たる、正しい家族がいるのだと……ゴードンから聞いた。
正しい血統の女から生まれた、正しい血統の男。
その女と男を守ることが、王にとって何より重要なことなのだ……とも聞いたが、当時の俺にとっては、全くわからないし、興味もない話。
だから、俺の関心ごとに、そのことは全く含まれていなかった。
だけど、やはり実の父親ともなると話は別で……。
「父上!」
「勉強は楽しいかね?」
「うん!」
「そうかい。それならば、少し、父さんとお散歩しないかい?」
「お散歩?」
「そうだ。お散歩だ」
「いいよ!!」
俺はあの頃、久しぶりに父親に抱きしめてもらえたことが、やっぱり嬉しかった。
その後、文字通りお散歩を、城の中でしながら、父親に覚えたばかりの新たな魔法を披露して、父親から
「お前は本当に、素晴らしいな」
と褒められて、誇らしげな気持ちになっていた。
自分の父親が、あの時俺をどんな目で見ていたかも知らずに。
辿り着いたお散歩のゴールは、お城の中心にあり、ゴードンには絶対に近づくなと言われていた秘密の部屋。
「父上?ここに入ってもいいの?」
俺が尋ねた。
1度近づこうとした時に
「いけません!!何をしているんです!!」
とても怖い顔で、ゴードンに睨まれたから。
だけどその時の父親は
「ああ、お前は特別だからな」
と微笑みかけてくれた。
それがやっぱり、嬉しかった。
今思えば、ある意味1番幸せな時だったのかもしれない。
あの瞬間が。
ただ、努力したことが喜ばれるという喜びと、純粋に、誰かを笑顔にしたいという願いが叶えられたという満足感。
そんなものを、これから先も得られると信じて疑わなかった。
あの瞬間まで。
俺が父親の後に続いて中に入ると、そこには俺より先に……俺よりほんの少し身長が高く、言葉も流暢に話せる子供が、じっと立っていた。
その子供は、気持ち悪い笑みを浮かべて俺を見ていた。
父親は、その子供の頭も撫でながら
「ノア、待たせたな」
と言った。
これが、俺が唯一……本気で殺してやりたい男との最初の出会い。
この出来事の数年後。
カシーの体を造る役目をあいつが担ったと聞いた時は、俺はあの男を何度も脳内で八つ裂きにした。
確固たる、正しい家族がいるのだと……ゴードンから聞いた。
正しい血統の女から生まれた、正しい血統の男。
その女と男を守ることが、王にとって何より重要なことなのだ……とも聞いたが、当時の俺にとっては、全くわからないし、興味もない話。
だから、俺の関心ごとに、そのことは全く含まれていなかった。
だけど、やはり実の父親ともなると話は別で……。
「父上!」
「勉強は楽しいかね?」
「うん!」
「そうかい。それならば、少し、父さんとお散歩しないかい?」
「お散歩?」
「そうだ。お散歩だ」
「いいよ!!」
俺はあの頃、久しぶりに父親に抱きしめてもらえたことが、やっぱり嬉しかった。
その後、文字通りお散歩を、城の中でしながら、父親に覚えたばかりの新たな魔法を披露して、父親から
「お前は本当に、素晴らしいな」
と褒められて、誇らしげな気持ちになっていた。
自分の父親が、あの時俺をどんな目で見ていたかも知らずに。
辿り着いたお散歩のゴールは、お城の中心にあり、ゴードンには絶対に近づくなと言われていた秘密の部屋。
「父上?ここに入ってもいいの?」
俺が尋ねた。
1度近づこうとした時に
「いけません!!何をしているんです!!」
とても怖い顔で、ゴードンに睨まれたから。
だけどその時の父親は
「ああ、お前は特別だからな」
と微笑みかけてくれた。
それがやっぱり、嬉しかった。
今思えば、ある意味1番幸せな時だったのかもしれない。
あの瞬間が。
ただ、努力したことが喜ばれるという喜びと、純粋に、誰かを笑顔にしたいという願いが叶えられたという満足感。
そんなものを、これから先も得られると信じて疑わなかった。
あの瞬間まで。
俺が父親の後に続いて中に入ると、そこには俺より先に……俺よりほんの少し身長が高く、言葉も流暢に話せる子供が、じっと立っていた。
その子供は、気持ち悪い笑みを浮かべて俺を見ていた。
父親は、その子供の頭も撫でながら
「ノア、待たせたな」
と言った。
これが、俺が唯一……本気で殺してやりたい男との最初の出会い。
この出来事の数年後。
カシーの体を造る役目をあいつが担ったと聞いた時は、俺はあの男を何度も脳内で八つ裂きにした。
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