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6.想定外だった彼の想い
聖なる水
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思えば、この習慣は伽の始まりから繰り返されていた。
湯浴みから出る前の水分補給として、グラス一杯の水を手渡される。
それを。さして疑問も抱かず飲み干す。
そんな毎日の習慣。
当たり前すぎて、ほとんどそれは無意識だった。
やはり湯浴みというのは、体力も使い、体の奥底にある水分をカラカラに乾かしていくから。
それを防止するための策だと聞いた。
だけど、あの日……。
カシーの妊娠の件を聞いた時期あたりに、食事や水分を摂り忘れることがあった。
その日も、湯浴み前にグラス1杯の水を、メイドに渡された。
だが俺は、それには気づかず、グラスを床に落としてしまった。
グラスは無惨に割れ、水は絨毯にシミを作っていく。
「王子……!!!なんてことを……!!!」
血相を変えたメイドは、大慌てで割れグラスを拾おうと屈んだ。
「何があった?」
「ああ……なんてことを……聖なるお水が……」
「……は?」
(一体何のことだ……?)
俺が、あまりのメイドの動揺っぷりに少々戸惑っていた時だった。
「いけませんね、王子……」
ゴードンが、扉の向こうから現れた。
美しい細工が施された、ガラスの水差しを持って。
「湯浴みの前に1杯のお水を飲むことはお忘れにならぬようにと、申し上げたはずですが」
「……たかだか1杯の水ごとき、何をそんな大袈裟な……」
「いえ、王子……この水だけは、決して忘れてはならないものなのです」
ゴードンはそう言うと、その水差しの水を俺の手に1滴垂らした。
ほんの、1滴。
「……っ!?」
その水が落ちた部分が、急に熱を持ったように熱くなった。
水自体はとても冷たいのに。
「ゴードン……これは……何だ……!?」
「水でございます」
「嘘をつくな。こんな水……あるはずないだろう」
「はい。普通の水ではございませんので」
「……?」
「……これは……聖なるお水でございます」
「聖なる水だと……?」
「はい……」
ゴードンはちらと、目線を下にやった。
俺も、釣られて目線を下にやる。
すると……。
湯浴みから出る前の水分補給として、グラス一杯の水を手渡される。
それを。さして疑問も抱かず飲み干す。
そんな毎日の習慣。
当たり前すぎて、ほとんどそれは無意識だった。
やはり湯浴みというのは、体力も使い、体の奥底にある水分をカラカラに乾かしていくから。
それを防止するための策だと聞いた。
だけど、あの日……。
カシーの妊娠の件を聞いた時期あたりに、食事や水分を摂り忘れることがあった。
その日も、湯浴み前にグラス1杯の水を、メイドに渡された。
だが俺は、それには気づかず、グラスを床に落としてしまった。
グラスは無惨に割れ、水は絨毯にシミを作っていく。
「王子……!!!なんてことを……!!!」
血相を変えたメイドは、大慌てで割れグラスを拾おうと屈んだ。
「何があった?」
「ああ……なんてことを……聖なるお水が……」
「……は?」
(一体何のことだ……?)
俺が、あまりのメイドの動揺っぷりに少々戸惑っていた時だった。
「いけませんね、王子……」
ゴードンが、扉の向こうから現れた。
美しい細工が施された、ガラスの水差しを持って。
「湯浴みの前に1杯のお水を飲むことはお忘れにならぬようにと、申し上げたはずですが」
「……たかだか1杯の水ごとき、何をそんな大袈裟な……」
「いえ、王子……この水だけは、決して忘れてはならないものなのです」
ゴードンはそう言うと、その水差しの水を俺の手に1滴垂らした。
ほんの、1滴。
「……っ!?」
その水が落ちた部分が、急に熱を持ったように熱くなった。
水自体はとても冷たいのに。
「ゴードン……これは……何だ……!?」
「水でございます」
「嘘をつくな。こんな水……あるはずないだろう」
「はい。普通の水ではございませんので」
「……?」
「……これは……聖なるお水でございます」
「聖なる水だと……?」
「はい……」
ゴードンはちらと、目線を下にやった。
俺も、釣られて目線を下にやる。
すると……。
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