上 下
157 / 455
6.想定外だった彼の想い

愛らしい乳首を、食いちぎってしまったかもしれなかった ※

しおりを挟む
それからのことは、俺自身覚えていない。
気がつけば、またいつもの伽の部屋まで来ていた。
カシーは、いつものようにベッドの側にいた。
でも、いつもと違うのは分かった。

カシーは、伽の始まるの時、決して俺の顔を見ることはしなかった。
でも、今目の前にいるカシーは……表情こそよく見えはしないものの、しっかりと、俺の方を見ている。
顔を上げて、真っ直ぐと俺を見据えている。
こんなカシーも、やはり初めてだ。
見たことがない。

「……そちらへ行く」

俺は足早にカシーの元へ行き、カシーの顔をすぐに確認したかった。
どんな顔で俺を見ているのか?
その意図は何か?
でも……炎の光に照らされてようやくわかるくらいの明るさで見たカシーの表情から、カシーの考えている事を読み取ることが出来るほど、俺はカシーのことを知らない。
知らなすぎる。
このタイミングになって……よく……分かってしまった。
きょとんと、目を丸くしているカシー。
そんな、可愛らしい仕草の裏に隠された本音を探ることに、俺は怯えてもいるのだ。
今もなお。

「あ、あの!?」

俺は、カシーをいつものように抱き上げて、ベッドに寝かせようとした。
いつもなら、カシーは特に何も言わず、されるがまま。
決して、口を開いたりしない。

「どうした?」
「え?」
「今日は……反応してくれるんだな」

俺が言うと、カシーの顔色が変わった。
この変化の意味だけは、分かる。
嫌と言うほど、見せられてきたから。
都合の悪いことを隠したがる時の特徴。

「きっと今日の伽は、君にとって忘れられないものになるはずだからね。それが僕から君への……プレゼントさ」

頭の中に、先ほど会ったノアの声が流れてきた。
目の前にいるカシーは……ノアに何かを仕込まれた……?

「あんっ……!」

俺は、カシーの服を脱がせた。
いつものようにしたはずなのに、ノアの影が頭にちらつく。

(この胸を、またノアが触れたのか?)

考えれば考えるほど沸き上がってくるノアへの怒りを、カシーにぶつけないように、慎重にカシーに触れた。
額に、頬、首筋に、あえて触れるだけのキスをする。
それから鎖骨、肩、二の腕と……力を入れないようにするので、ギリギリだった。
そうでもしなければ、カシーのサクランボのように愛らしい乳首を、食いちぎってしまったかもしれなかったから。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【R18】揉み揉みパラダイス

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:184pt お気に入り:53

【R18】突然召喚されて、たくさん吸われました。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:781pt お気に入り:446

あなたに愛や恋は求めません

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:109,974pt お気に入り:8,825

最上級超能力者~明寿~ 社会人編 ☆主人公総攻め

BL / 連載中 24h.ポイント:518pt お気に入り:233

【完結】ナルシストな僕のオナホが繋がる先は

BL / 完結 24h.ポイント:589pt お気に入り:1,587

貞操観念がバグった世界で、幼馴染のカノジョを死守する方法

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:349pt お気に入り:17

改稿版 婚約破棄の代償

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:1,483pt お気に入り:856

【※R-18】私のイケメン夫たちが、毎晩寝かせてくれません。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:653pt お気に入り:715

白銀オメガに草原で愛を

BL / 完結 24h.ポイント:702pt お気に入り:222

処理中です...