【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

7.呪われしアルストメリー

最後の砦

ノアは、私の視線を感じとるのがうまいのだろうか。
私の心に戸惑いが起きる度に、ノアは私の方を見る。

「何も言わないで」

とでも言いたいのか、人差し指を自分の唇に当てるジェスチャーを見せるノア。
私は、こくりと頷き、ノアのメッセージを受け取ったことを無言で返し、様子を見ることに徹する。

中身イケオジのアザレアが、ノアに近づき、ノアの耳たぶに触れた。
そしてふうっと息をかけている。
ノアは、微動だにしない。

（うわぁ……私があれされたら、背筋が凍りそう。無理）

とか思っていると

「お前も、こうして次々と他人の細胞をいじったのか？」

と、中身イケオジのアザレアがノアに聞く。
ノアは、涼しい顔をしながら、答えている。

「ご想像にお任せします」
「この中に、お前がいじった犠牲者はいるのか」
「ご想像にお任せします」
「私がいる娘の肉体も…………お前…………いじっているな？」

ちょっと待て。
たった数秒、されど数秒。
それだけの時間で、すごい情報が出てきた気がする……。

「肉体をいじるってどういう……」

無意識に声に出してしまった。
中身イケオジのアザレアが、私に気づいてしまい、目が合った。
そして、化け物でも見るような顔で私を見た。

「まさか……あれもいるのか……」
「はい。そうですわ」

プルメリアが瞬時に反応してくれた。

「そこにいるお方はまさに……創造と破壊のために生まれた奇跡の魔人……私たちの最後の砦……なのですわ」

……だめだ。
脳が追いついていかない。
例えて言うなら、大盛りカツ丼定食を食べた後、サービスでビフテキを食べさせられるかのような、急展開盛り盛りの情報ばかりで、私の頭はフリーズしかけた。