【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

7.呪われしアルストメリー

あなたの世界では

「どういうこと？」
「私が干渉できるのは、人体もしくはそれに準ずる物質です」

その話を聞いて、もや～っと思い出したのは、高校時代に1年間だけイヤイヤ受けた化学の授業。
有機物と無機物の違いについてだった。
とはいえ、具体的にその違いが何だったかは、思い出せないのだが。

（もっと、真面目に勉強しておけばよかったのかな……）

前世の世界の学問が、この世界の学問とどれだけ共通点があるかも分からないが、何も知らない
よりは、ずっとマシだったかもしれない。

「鎖や天井は、人体とは異なったもので構成されていますからね」

確かに、触ったら肉の触感がする天井や鎖なんて、考えただけでぞっとする。

（ん、と言うことは？」

「エディ王子を鎖で繋いだのは、あなたじゃないってことですか？」
「そうですね。私ならこんな面倒なことはしなかったと思います」

（じゃあ、あなただったら何をしたのか？）

まるでツッコミ待機のような、思わせぶりのセリフ。
それが逆に、私の警戒心をより高めた。

（これ以上、この話題に触れないようにしよう）

「じゃあ、一体誰が……」

私が質問をした時だった。

「んっ……」

アザレアの目が覚めそうだった。
声は、アザレアのままだった。

「間も無く目が覚めるようですね。彼に、聞きたいことがあるのでしょう」

そう言うと、ノアはその場から立ち去ろうとした。

「ちょっと待って！」

の呼びかけに、ノアがぴたりと止まった。
どんな表情をしているのかは、一切見えない。
姿勢は、とてもいいな、と思った。

「結局、エディ王子の鎖はどうすればいいんですか！」
「その謎を解き明かしてご覧なさい」
「……え？」
「あなたの世界ではこの言葉を使いますよね。色々なところで」

そう言い残して、ノアは暗闇に支配された廊下へと消えた。