【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

桜葉詩織

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8.神から与えられたのは、罰と……

今から言うのが本題だ

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「なあ、アルフィー。そろそろ良いんじゃないか?」
「ああ……そう……だな……」

数日かけて遠くまで来れたおかげで、どうにか周辺の地理関係は理解できた……と、思う。
何度も

「早く帰りたいー」

と駄々を捏ねるメルキオールを宥めるのが、結構精神的には大変だった。
普段だったら

「わがまま言うなら置いて行く」

と言うこともできたのだが、メルキオールが使う魔を利用ししなければ、ここまでの冒険はできなかった。
例えば風を生かして浮かびながら移動してみたり、岩を動かして橋を作ったりなどなど……。
そういう事情と、今行われているであろうステラの件も鑑みた時、自分がどうにか我慢をして、あと数日だけメルキオールの機嫌を取らなくては……と、アルフィーは胃の痛みを覚えながら必死で耐えた。

アルフィーのそんな白鳥の水掻きのような努力もあり、城に戻り始める予定の日の直前まではなんの問題もなかった……はずだった。

その時、アルフィーとメルキオールは近くの川で取れた魚をメルキオールの魔で出した炎を使いながら、これから先のことを語り合っていた時だった。


「なあ、アルフィー……ちょっとさ、真面目な話してもいいか……」
「なんだよ、改まって」
「俺さ……前の国ではさ……この魔のこともあって、化け物扱いされることも多くて……生きるのやだなーって思うことも多かったんだ」
「お前にも、そう言うことを思う感性はあるんだな」
「お前、ほんとに俺のことどう思ってんだよ。動物か何かだとでも思ってたのか?」
「…………」
「否定しろ」
「否定できる根拠が見つからない」
「ははっ」

いつもと同じように、白い歯を見せながら魚を頬張るメルキオールだった。
だが、語られている内容にどれだけの重みがあったかを、アルフィーは少しは理解しているつもりでいた。

「なあ、アルフィー。俺らの魔のこと、どう思う?」
「どう思うって?」
「俺らみたいな……誰かに理解されない力を持つやつって、きっとこの世界たくさんいるんじゃないかって俺は思うんだけど……アルフィーなら頭もいいから、わかるんじゃないか?」

確かに、いないと言える可能性は0ではない……とアルフィーは考えた。
でも、確実にいるとも言えない。

「分からないな。少なくとも、俺が読んだ文献の中に、魔のことは何一つ載っていなかった」
「それは、お前が読んだ本が少なかったんじゃないのか?」
「お前は国で1番大きい図書館の本を全て読んだ人間に、それを言うのか」
「じゃあ、もっと読む必要があったってことだな」
「ご忠告どうも。…………喧嘩を売りたいだけなら、俺はもう寝るけど」
「ああ、待て待て。今から言うのが本題だ」
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