【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

8.神から与えられたのは、罰と……

ルカの出産と死

その日を境に、魔人6人それぞれに予想外の不幸が訪れた。

まず、メルキオールに無残にも処女を散らされたルカについて。
たった1回のセックスで、ルカはメルキオールの子供を妊娠してしまうことになる。
体が１番華奢だったルカは、とても出産に耐えられそうになかった。
さらに、ルカはふとした時

「神様ごめんなさい、怒らないで……」

と、神に赦しを乞うようになった。
そんな姿を見ることは、アルフィーにとっても苦痛だった。

一方で。
アルフィーは、そのお腹の子供が誰の子供であろうと、ルカのことを優先して動くことにした。
危険ではあったが、堕ろすという選択肢も、必要に応じてルカに選んでもらうつもりだった。
……というのは建前で。


アルフィーは正直言えば、ルカに子供を産ませたくなかった。
メルキオールの暴力的な行為でできてしまった子供なんて。
だから、アルフィーはことあるごとにルカに提案をした。

子供を堕さないか、と。

しかしながらルカは頷かなかった。
命を奪う行為はしてはならないと、固く神から言われていたから。
だからアルフィーは、ルカの子供だけが死ぬように、毒をルカの食事にちょっとずつ混ぜるようになった。
勝手に子供だけが流れてくれる……でも……普通の人間には無害な植物を混ぜたスープを作って飲ませた。

それでも、メルキオールの遺伝子があまりに強いせいだろうか。
どんなにアルフィーが妨害しても、ルカの子供は決してルカの腹の中からいなくなってはくれなかった。

しかも。
ルカは陣痛で苦しみながら産み落とした子供は1人ではなかった。
男女の双子だった。
どちらも、メルキオールの自然を司る魔を受けついていたのか、2人の産声に自然物が反応した。


本当ならば喜ばしい生命誕生の瞬間だが、同時に衝撃的な別れも重なった。
この出産の直後、ルカは一言二言アルフィーに言葉を残し、そのまま息を引き取ってしまった。


「この子たちは神様から祝福を受けられない」
「私は、先に神様から罰を受けた」


と。


アルフィーは最愛の少女を。
そして魔人全員は……神……つまり過去も未来も知り得る唯一の存在からの教えを受け取る手段をあっさり失った。
これが1人目の悲劇。