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8.神から与えられたのは、罰と……
一連の出来事の謎を解く鍵の中の鍵は?
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「え、ちょっと待って……待って……」
仮にそうだったとしても、この体を出て行ってから戻ってくるまでの記憶がないのも、やはり違和感だ。
(やっぱり違うよな……)
そう考えてからふと、ここで私は思い出す。
ステラのことを。
私とステラが会話をした内容を。
「普通は、肉体と心と魂の軸……だっけ?バラバラにできるものなわけ?」
「いいえ」
「少なくとも、生きたままそれをするということは、本来はできるはずはないのです。肉体も心も魂も、全て繋がって初めて、その人として存在することができるのですから」
「でも、実際カサブランカはそれをした。いうことは、あなた達が持っている、間を司る魔はそれができるってことでしょう?」
「魂も心も、肉体の細胞に絡み付いています。私たちが持つ魔は、肉体にまで干渉することは、不可能です」
「そんなこと言われたって……!何か方法があったから、できちゃったわけでしょう?」
「そうですね……理論上は、可能な方法はあります。条件がクリアできれば」
「条件……?」
「はい。大きく関わるのは、人体を司る魔です」
「人体を司る魔人は、具体的にどうやってコントロールしていくの?」
「まず、脳細胞にアプローチをして、肉体と心の連携を遮断する。それが、当時の人体を司る魔人、トラヴィスがよく使っていた魔です」
(そうか。そうであればまだ辻褄は合うかもしれない)
霊を司る魔人のアザレアよりも、人体を司る魔人のノアと時間と空間の魔人カサブランカのペアであれば、私が考えている課題はあっさり解決してしまうのだろう。
人体から魂と心を分離させるノア。
彼は、脳すらも操る。
そして空間を操ることができれば、いろいろなことができてしまうカサブランカ。
私をこの体に入れたのもカサブランカ本人だ。
この2人が協力体制であるならば、やっぱり話は簡単だ。
カサブランカが1度この体に入り、王子の魔の暴走を止めるために簡易的な伽、つまりはセックスをする。
その後、カサブランカが別の場所に行き、代わりに私の魂を戻してから脳をいじると、その記憶のほとんどは消える。
大体こんなところ、だろうか。
(だとしたら中途半端な……)
どうせなら全部消してくれればいいのに。
私はそう考えた。
もし全てが消えていたら、疑惑すら生まれることはなかった。
(ノアは、一体私に何をさせたいの……?)
カサブランカとノアがやはり協力関係なのは間違いない。
そして、ノアは間違いなく今のカサブランカの居場所を知っている。
(じゃあ何故それを隠す……?)
隠さなくてはいけない理由があるのか。
その上で、私に、何か期待していることがあるのか?
それとも全てが偶然なのか。
「もうほんと、意味不明……!!」
ごちゃごちゃ考えすぎたので、もう1回冷静になろうと水の中にもう1度潜る。
ゆらゆらと水流に揺られながら、私は次のネクストアクションを決めた。
「ノア……あなたが知ってること、全部吐いてもらう」
この体を人質にしても。
それだけの価値がある体であることは、もう知っている。
あとは、この体をどんな形で利用すれば最適解に近づくのか、考えなくてはならない。
カサブランカがどこにいるのか。
何の目的を持っているのか。
やはり、それがわからなければ、次へは進んではいけない。
カサブランカがこの体に戻ってきた。
この仮説が果たしてイエスかノーか。
この見極めが、一連の出来事の謎を解く鍵の中の鍵ではないかと、私は直感で思いながら、水の中から顔を出した。
「あ……月……」
この世界に来て初めて、月をちゃんと眺めた気がする。
私の世界と同じ綺麗さだと思った。
仮にそうだったとしても、この体を出て行ってから戻ってくるまでの記憶がないのも、やはり違和感だ。
(やっぱり違うよな……)
そう考えてからふと、ここで私は思い出す。
ステラのことを。
私とステラが会話をした内容を。
「普通は、肉体と心と魂の軸……だっけ?バラバラにできるものなわけ?」
「いいえ」
「少なくとも、生きたままそれをするということは、本来はできるはずはないのです。肉体も心も魂も、全て繋がって初めて、その人として存在することができるのですから」
「でも、実際カサブランカはそれをした。いうことは、あなた達が持っている、間を司る魔はそれができるってことでしょう?」
「魂も心も、肉体の細胞に絡み付いています。私たちが持つ魔は、肉体にまで干渉することは、不可能です」
「そんなこと言われたって……!何か方法があったから、できちゃったわけでしょう?」
「そうですね……理論上は、可能な方法はあります。条件がクリアできれば」
「条件……?」
「はい。大きく関わるのは、人体を司る魔です」
「人体を司る魔人は、具体的にどうやってコントロールしていくの?」
「まず、脳細胞にアプローチをして、肉体と心の連携を遮断する。それが、当時の人体を司る魔人、トラヴィスがよく使っていた魔です」
(そうか。そうであればまだ辻褄は合うかもしれない)
霊を司る魔人のアザレアよりも、人体を司る魔人のノアと時間と空間の魔人カサブランカのペアであれば、私が考えている課題はあっさり解決してしまうのだろう。
人体から魂と心を分離させるノア。
彼は、脳すらも操る。
そして空間を操ることができれば、いろいろなことができてしまうカサブランカ。
私をこの体に入れたのもカサブランカ本人だ。
この2人が協力体制であるならば、やっぱり話は簡単だ。
カサブランカが1度この体に入り、王子の魔の暴走を止めるために簡易的な伽、つまりはセックスをする。
その後、カサブランカが別の場所に行き、代わりに私の魂を戻してから脳をいじると、その記憶のほとんどは消える。
大体こんなところ、だろうか。
(だとしたら中途半端な……)
どうせなら全部消してくれればいいのに。
私はそう考えた。
もし全てが消えていたら、疑惑すら生まれることはなかった。
(ノアは、一体私に何をさせたいの……?)
カサブランカとノアがやはり協力関係なのは間違いない。
そして、ノアは間違いなく今のカサブランカの居場所を知っている。
(じゃあ何故それを隠す……?)
隠さなくてはいけない理由があるのか。
その上で、私に、何か期待していることがあるのか?
それとも全てが偶然なのか。
「もうほんと、意味不明……!!」
ごちゃごちゃ考えすぎたので、もう1回冷静になろうと水の中にもう1度潜る。
ゆらゆらと水流に揺られながら、私は次のネクストアクションを決めた。
「ノア……あなたが知ってること、全部吐いてもらう」
この体を人質にしても。
それだけの価値がある体であることは、もう知っている。
あとは、この体をどんな形で利用すれば最適解に近づくのか、考えなくてはならない。
カサブランカがどこにいるのか。
何の目的を持っているのか。
やはり、それがわからなければ、次へは進んではいけない。
カサブランカがこの体に戻ってきた。
この仮説が果たしてイエスかノーか。
この見極めが、一連の出来事の謎を解く鍵の中の鍵ではないかと、私は直感で思いながら、水の中から顔を出した。
「あ……月……」
この世界に来て初めて、月をちゃんと眺めた気がする。
私の世界と同じ綺麗さだと思った。
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