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8.神から与えられたのは、罰と……
たった一言だけど、私は気づいた
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そういえば、ここに来た当初も、ノアに伽を見られていた……。
その時は、儀式として他にも大勢の人間がいたが。
今は、その時とは状況は似ているようで全然違う。
言ってしまえば、さっきのセックスは私主導だ。
緊急事態だったとはいえ、こちらとしても清水の舞台を飛び降りるような心境だと言っても過言ではないわけで。 (一体、どこから見ていたのだろう?)
もし、私が戸惑っている様子をひっくるめて全部を見ているとしたら。
エディ王子とアルフィーに賛同するわけではないが、それでも相当な性格だ……。
「ど、どうしたランカ?顔色が悪いぞ」
「いや……あの……」
(こんなん、顔色が悪くなっても仕方がないじゃん)
とか思っていると
「へえ……ランカ……」
すかさず、ノアが口を挟んできた。
どうも、王子が、私を呼ぶ名前に変化がある事に気づいたらしい。
「不思議ですね。王子。あなたはカサブランカ様のことをカシーと、呼んでいたではありませんか」
「……お前も、俺の真似をしてそう呼んでいたな」
「僕は、王子よりもずっと、カシー様と親しくしていますから、当然ですよね」
「てめえ……」
「待って王子!」
私はこの言葉を、聞き逃さなかった。
王子の、今にもノアに殴りかかりそうな腕を掴んでから、じっと私はノアを見た。
ノアは、ふっと息だけで微笑みながら
「どうやら、今のカサブランカ様はランカ様と、別の名前で呼んでいるみたいだけど……」
「私の正体をエディ王子に話しただけ……だけど」
「ほう」
ノアは、目を丸くした。
本当に驚いているのだろうか。
それとも、わざとそう見せているのだろうか。
(人体を司ると言うことは、自分の体をも操れるはず……)
大体、人の感情は体の反応で推測できることも多い。
エディ王子はまさに、それが分かりやすいタイプ。
汗や皮膚の色などでも、言葉以上に彼の本心馬鹿正直に伝えてくる。
でも、ノアは違う。
彼はそれすらもコントロールできる。
だから、ノアの出す体の信号は、ちっとも当てにならない……。
「そうですか。……それで、そこの愚弟はよく落ち着いていられますね。あなたにカサブランカだと騙されたと言うのに」
「それは」
違う、と私が言いかけたら
「違う!」
と、エディ王子が叫んだ。
「ランカは、別に俺を騙そうとしたわけじゃない……!」
「エディ……王子……?」
「確かに最初は、カシーじゃないって知ってショックだった。でも……ランカは……俺とカシーを…………心配してくれて……」
「……………王子…………」
(今までのあれやこれやを全部、心配、という言葉で片付けるのは、さすがにいかがなものかと思いますが……)
そんなことを、この数時間で起きた出来事を思い出しながら、私は首を横にぶんぶん振った。
そう。こんなことで感動などしている場合じゃない。
「ノア。聞きたいことがあるんだけど」
「なんでしょう……ランカ様と、今はお呼びすればよいのでしょうか?」
「んーもうどっちでもいい!今さっき、あなた私たちに何て言ったか覚えてる?」
「さて、何のことでしょう……?」
(とぼけようとしても無駄……!)
「こう言ったのよ。カシー様と親しくしている、と現在系で。本物のカサブランカは、私がこの体に入ってからどこかへ行った、私に見つけ出して欲しいとあなた自身言っていたけど……本当は、違うんじゃない?」
「どう言う意味だ、ランカ」
エディ王子の声色に焦りが混じる。
ノアの表情は、ただニコニコと微笑んでるだけ。
「もしかしてあなた……カサブランカの心の居場所……知ってるんじゃない?」
その時は、儀式として他にも大勢の人間がいたが。
今は、その時とは状況は似ているようで全然違う。
言ってしまえば、さっきのセックスは私主導だ。
緊急事態だったとはいえ、こちらとしても清水の舞台を飛び降りるような心境だと言っても過言ではないわけで。 (一体、どこから見ていたのだろう?)
もし、私が戸惑っている様子をひっくるめて全部を見ているとしたら。
エディ王子とアルフィーに賛同するわけではないが、それでも相当な性格だ……。
「ど、どうしたランカ?顔色が悪いぞ」
「いや……あの……」
(こんなん、顔色が悪くなっても仕方がないじゃん)
とか思っていると
「へえ……ランカ……」
すかさず、ノアが口を挟んできた。
どうも、王子が、私を呼ぶ名前に変化がある事に気づいたらしい。
「不思議ですね。王子。あなたはカサブランカ様のことをカシーと、呼んでいたではありませんか」
「……お前も、俺の真似をしてそう呼んでいたな」
「僕は、王子よりもずっと、カシー様と親しくしていますから、当然ですよね」
「てめえ……」
「待って王子!」
私はこの言葉を、聞き逃さなかった。
王子の、今にもノアに殴りかかりそうな腕を掴んでから、じっと私はノアを見た。
ノアは、ふっと息だけで微笑みながら
「どうやら、今のカサブランカ様はランカ様と、別の名前で呼んでいるみたいだけど……」
「私の正体をエディ王子に話しただけ……だけど」
「ほう」
ノアは、目を丸くした。
本当に驚いているのだろうか。
それとも、わざとそう見せているのだろうか。
(人体を司ると言うことは、自分の体をも操れるはず……)
大体、人の感情は体の反応で推測できることも多い。
エディ王子はまさに、それが分かりやすいタイプ。
汗や皮膚の色などでも、言葉以上に彼の本心馬鹿正直に伝えてくる。
でも、ノアは違う。
彼はそれすらもコントロールできる。
だから、ノアの出す体の信号は、ちっとも当てにならない……。
「そうですか。……それで、そこの愚弟はよく落ち着いていられますね。あなたにカサブランカだと騙されたと言うのに」
「それは」
違う、と私が言いかけたら
「違う!」
と、エディ王子が叫んだ。
「ランカは、別に俺を騙そうとしたわけじゃない……!」
「エディ……王子……?」
「確かに最初は、カシーじゃないって知ってショックだった。でも……ランカは……俺とカシーを…………心配してくれて……」
「……………王子…………」
(今までのあれやこれやを全部、心配、という言葉で片付けるのは、さすがにいかがなものかと思いますが……)
そんなことを、この数時間で起きた出来事を思い出しながら、私は首を横にぶんぶん振った。
そう。こんなことで感動などしている場合じゃない。
「ノア。聞きたいことがあるんだけど」
「なんでしょう……ランカ様と、今はお呼びすればよいのでしょうか?」
「んーもうどっちでもいい!今さっき、あなた私たちに何て言ったか覚えてる?」
「さて、何のことでしょう……?」
(とぼけようとしても無駄……!)
「こう言ったのよ。カシー様と親しくしている、と現在系で。本物のカサブランカは、私がこの体に入ってからどこかへ行った、私に見つけ出して欲しいとあなた自身言っていたけど……本当は、違うんじゃない?」
「どう言う意味だ、ランカ」
エディ王子の声色に焦りが混じる。
ノアの表情は、ただニコニコと微笑んでるだけ。
「もしかしてあなた……カサブランカの心の居場所……知ってるんじゃない?」
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