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8.神から与えられたのは、罰と……
ネット空間にも使える魔!?
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(うぉえええええ、気持ち悪い…………)
小説の中だけではなく、前世でよく見ていた旅行ガイドで憧れた馬車に乗るというシチュエーションが叶っているというのに。
現在の私はブルー一色に染まっている。
気持ちも、そして顔も。
「だ、大丈夫かランカ?」
たった数時間?数日?でここまで成長するものなのか……と、エディ王子の気遣いに心から感謝しながら
(これがフィクションの力なのか)
と夢のないことを考えてしまった。
一方で、ノアさんはと言うと、人が青ざめている様子を見ながら
「根性がないのかな?」
などと煽るようなことを言ったかと思えば
「君のために、馬車を止めてあげてもいいけど?」
と、恩着せがましく言ってくることもある。
その度に私は、込み上げてくる諸々を必死で抑えながら
「大丈夫」
「お気遣いなく」
「放っておいて」
の3つの言葉だけを、ロボットのように繰り返すことにした。
(この上司のために、余計なことなんて考えたくない)
「それよりノアさん。さっきの話の続きですけど……」
「ああ、君の犯されたいがんぼ」
「言葉にせんでください。合ってますから」
「なんだ、つまらない」
(つまらないじゃねえんだよ……!)
ここでクソジジイとでも言ってやりたいところだったが、さすが人体の魔人。うまいこと顔も操作しているのか、前世も今世もやはり顔が良い。素晴らしく。
カサブランカの肉体のおかげで、今は負けてないとは思うが、前世の地味でつまらない容姿を知られていると、容姿の面で強気に出ることもできやしない。
(って、落ち着け自分……)
「その、私の性なんちゃらについてですが」
「君は性癖なんて言葉、日常使ってたじゃないか」
「日常……」
ちなみに、自分の趣味は声に出すこともないし会社でそれらしき言動もちゃんと控えている。
だって私は分別ある大人だから。
誰かさんと違って。
とは言え、日常的に「性癖」と言う言葉は確かに使っていた。
でもそれは、言葉ではない。
スマホという電子ツール上でのこと。
顔も見えないSNSであったり、作者さんへ感想を投稿するコメント欄だったり。
そういう液晶越しの文字コミュニケーションではここぞとばかりに放送禁止用語まで並べ立てた。
もちろん、好みの小説検索をするときのワードでもたっぷり使用させてもらった。
正直言えば心当たりはそれくらい。
でも、それをここで認めるのは負けな気もした。
できれば言いたくない。
でも、ノアさんの表情は間違いなく私の考えていることはお見通しと言いたげ。
「くっ……」
ここまで考えて、また1つ疑問が生まれた
まさにインターネット上での文字情報としてしか発言していないと言うのに、ノアさんは一応「犯されたい欲」という隠れた性癖を言ってきた。
当てずっぽうかもしれないけれど、人のこと散々馬鹿にしてくるような男が、そんなことをするだろうか?
(あ……)
私は、自分の今の考察の中に、その解決の糸口になるワードがあったことに気づいた。
インターネットも、また空間だ。
「まさか……カサブランカの力って……ネット空間にも使えるとか……?」
まさかそんな、と思いたかった。
でも、そんな望みは次の瞬間露と消えた。
「カシー様曰く、ネット空間ほど楽に情報収集できる場所はないらしいですよ」
「………………」
「カシー様は隈無く探してましたよ。自分の身代わりを楽しんでくれそうな女性を……ね…………」
「………………」
「そこで、あなたがヒットしたというわけです」
(おーまいごっどー!!!!!)
小説の中だけではなく、前世でよく見ていた旅行ガイドで憧れた馬車に乗るというシチュエーションが叶っているというのに。
現在の私はブルー一色に染まっている。
気持ちも、そして顔も。
「だ、大丈夫かランカ?」
たった数時間?数日?でここまで成長するものなのか……と、エディ王子の気遣いに心から感謝しながら
(これがフィクションの力なのか)
と夢のないことを考えてしまった。
一方で、ノアさんはと言うと、人が青ざめている様子を見ながら
「根性がないのかな?」
などと煽るようなことを言ったかと思えば
「君のために、馬車を止めてあげてもいいけど?」
と、恩着せがましく言ってくることもある。
その度に私は、込み上げてくる諸々を必死で抑えながら
「大丈夫」
「お気遣いなく」
「放っておいて」
の3つの言葉だけを、ロボットのように繰り返すことにした。
(この上司のために、余計なことなんて考えたくない)
「それよりノアさん。さっきの話の続きですけど……」
「ああ、君の犯されたいがんぼ」
「言葉にせんでください。合ってますから」
「なんだ、つまらない」
(つまらないじゃねえんだよ……!)
ここでクソジジイとでも言ってやりたいところだったが、さすが人体の魔人。うまいこと顔も操作しているのか、前世も今世もやはり顔が良い。素晴らしく。
カサブランカの肉体のおかげで、今は負けてないとは思うが、前世の地味でつまらない容姿を知られていると、容姿の面で強気に出ることもできやしない。
(って、落ち着け自分……)
「その、私の性なんちゃらについてですが」
「君は性癖なんて言葉、日常使ってたじゃないか」
「日常……」
ちなみに、自分の趣味は声に出すこともないし会社でそれらしき言動もちゃんと控えている。
だって私は分別ある大人だから。
誰かさんと違って。
とは言え、日常的に「性癖」と言う言葉は確かに使っていた。
でもそれは、言葉ではない。
スマホという電子ツール上でのこと。
顔も見えないSNSであったり、作者さんへ感想を投稿するコメント欄だったり。
そういう液晶越しの文字コミュニケーションではここぞとばかりに放送禁止用語まで並べ立てた。
もちろん、好みの小説検索をするときのワードでもたっぷり使用させてもらった。
正直言えば心当たりはそれくらい。
でも、それをここで認めるのは負けな気もした。
できれば言いたくない。
でも、ノアさんの表情は間違いなく私の考えていることはお見通しと言いたげ。
「くっ……」
ここまで考えて、また1つ疑問が生まれた
まさにインターネット上での文字情報としてしか発言していないと言うのに、ノアさんは一応「犯されたい欲」という隠れた性癖を言ってきた。
当てずっぽうかもしれないけれど、人のこと散々馬鹿にしてくるような男が、そんなことをするだろうか?
(あ……)
私は、自分の今の考察の中に、その解決の糸口になるワードがあったことに気づいた。
インターネットも、また空間だ。
「まさか……カサブランカの力って……ネット空間にも使えるとか……?」
まさかそんな、と思いたかった。
でも、そんな望みは次の瞬間露と消えた。
「カシー様曰く、ネット空間ほど楽に情報収集できる場所はないらしいですよ」
「………………」
「カシー様は隈無く探してましたよ。自分の身代わりを楽しんでくれそうな女性を……ね…………」
「………………」
「そこで、あなたがヒットしたというわけです」
(おーまいごっどー!!!!!)
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