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9.過去の清算
だって、この世界に来るには
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「つまりお前は、家族のことを憎んでいたのか?」
最初に話したのは、この世界に来る直前のこと。
それを聞いたエディ王子が、私の長い話をたった一言でまとめたのが、ちょっと悔しかった。
「まあ、そうかもね」
私より優秀だったから、私よりも両親が注力していた弟。
そして、壊れてしまった弟。
それでも、壊れていない私より、壊れた弟を優先した家族。
私のことは、誰も見てなどくれなかった。
「ついでに言うと、私、王子のこと、弟みたいだと思ってた」
「何?」
「ああ、勘違いしないで。性格が、とかじゃないから」
私は、一瞬説明するか躊躇った。
でも、あの日のことは今、話した方がいい気がした。
「王子、覚えてる?私を殺しかけた時」
「……は?」
「あ。違うか。ノアに唆されたんだろうって言って……」
めちゃくちゃに私を、と言うよりカシーを犯した日。
「ああ……あれは……その……」
「いいよ、別に謝らなくて。ただ、後であの日に何があったかは教えてくれる?」
「分かった。でも、もう1度謝らせてくれ。あの日は……酷いことして、悪かった」
「私で良かったね。もし中身がカシーだったら……」
「…………いや、何度でも謝らせてくれ。本当に申し訳なかった」
(調子が狂うよ、本当に……)
私は、照れ隠しにポリポリと頭をかいてから、本題に入ることにした。
「あの時にさ、王子泣いてたよね」
「…………そうだったか」
「そうだったの。で、その時の泣き方が、弟に似てるなって思ったの」
「…………何?」
エディ王子は、すごく嫌そうな顔をした。
「悪く思わないで。変な意味じゃないの。たださ、王子もほら……こうあるべきっていう、王子としての役目を押し付けられてきたじゃない?」
「どうしてそれを……っていうのは、今更だな」
「そうだね」
まあ、最初の情報は小説からだったが。
でも、カサブランカの脳経由で見える記憶からも、察することはできる。
日々、強いストレスにさらされていたことを。
「たぶん、弟と王子は、生かされ方が似てるのよ」
「生かされ方、だと?」
「弟も、親の理想を押し付けられて、生かされていた。一方で私は親の理想からかけ離れた存在だった。だから私は…………弟のことを憎んでもいたし、私が弟じゃなくて良かったとも思ってた」
自分でも何を言っているんだろうと、声に出せば出すほど情けなくなったが、それが心からの本音なのだから仕方がない。
「だからね、弟がこの世界に自殺で来たって知った時は、どうしようもないくらい腹が立ったし、何度も弟を殴りつけても抑えられないくらい……憎くなった」
でも憎いのは、弟ではない。
もっと別の……弟を自殺に追い込んだ存在を、だ。
最初に話したのは、この世界に来る直前のこと。
それを聞いたエディ王子が、私の長い話をたった一言でまとめたのが、ちょっと悔しかった。
「まあ、そうかもね」
私より優秀だったから、私よりも両親が注力していた弟。
そして、壊れてしまった弟。
それでも、壊れていない私より、壊れた弟を優先した家族。
私のことは、誰も見てなどくれなかった。
「ついでに言うと、私、王子のこと、弟みたいだと思ってた」
「何?」
「ああ、勘違いしないで。性格が、とかじゃないから」
私は、一瞬説明するか躊躇った。
でも、あの日のことは今、話した方がいい気がした。
「王子、覚えてる?私を殺しかけた時」
「……は?」
「あ。違うか。ノアに唆されたんだろうって言って……」
めちゃくちゃに私を、と言うよりカシーを犯した日。
「ああ……あれは……その……」
「いいよ、別に謝らなくて。ただ、後であの日に何があったかは教えてくれる?」
「分かった。でも、もう1度謝らせてくれ。あの日は……酷いことして、悪かった」
「私で良かったね。もし中身がカシーだったら……」
「…………いや、何度でも謝らせてくれ。本当に申し訳なかった」
(調子が狂うよ、本当に……)
私は、照れ隠しにポリポリと頭をかいてから、本題に入ることにした。
「あの時にさ、王子泣いてたよね」
「…………そうだったか」
「そうだったの。で、その時の泣き方が、弟に似てるなって思ったの」
「…………何?」
エディ王子は、すごく嫌そうな顔をした。
「悪く思わないで。変な意味じゃないの。たださ、王子もほら……こうあるべきっていう、王子としての役目を押し付けられてきたじゃない?」
「どうしてそれを……っていうのは、今更だな」
「そうだね」
まあ、最初の情報は小説からだったが。
でも、カサブランカの脳経由で見える記憶からも、察することはできる。
日々、強いストレスにさらされていたことを。
「たぶん、弟と王子は、生かされ方が似てるのよ」
「生かされ方、だと?」
「弟も、親の理想を押し付けられて、生かされていた。一方で私は親の理想からかけ離れた存在だった。だから私は…………弟のことを憎んでもいたし、私が弟じゃなくて良かったとも思ってた」
自分でも何を言っているんだろうと、声に出せば出すほど情けなくなったが、それが心からの本音なのだから仕方がない。
「だからね、弟がこの世界に自殺で来たって知った時は、どうしようもないくらい腹が立ったし、何度も弟を殴りつけても抑えられないくらい……憎くなった」
でも憎いのは、弟ではない。
もっと別の……弟を自殺に追い込んだ存在を、だ。
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