【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

9.過去の清算

わからないし、わかりたくもないですわね

「魔人を殺すために育てられた……だと？」
「皮肉なものですわね。自分が愛するルカを守るためだけに、魔人という存在を創り上げた結果、その魔人に牙を剥かれてしまうのですから……」

カサブランカはそう言うと、球体のルカを優しく撫でた。
アルフィーにもわかるくらい、ルカがその動きに反応した。
まるで、喜んでいるかのように。

「何故、ルカはこんな反応を……」
「プルメリアの体と接触したからですわ」
「その体とルカは、どんな繋がりがあるんだ」
「カサブランカとステラの関係と同じですわ」
「つまり……その体は、ルカの一部だと言うのか」

カサブランカは、その問いには言葉では答えなかったが、表情がイエスと言っていた。

「どうなってるんだ……そもそも、神とはなんだ」
「さあ。私には、わからないし、わかりたくもないですわね。神も、ルカという存在を利用としたアルストメリーという国の存在意義も」
「アルストメリーの、存在意義？」

　話が次から次へとカサブランカから飛び出してくることで、アルフィーの脳はさらに混乱した。
　そして、カサブランカはアルフィーの混乱に気付いたのだろう。少しだけ、申し訳なさそうな表情をアルフィーに見せた。

「申し訳ないですけど、もう少しだけ我慢してくださる？」
「我慢だと？」
「ええ。この先に行けば……あなたにもきっと、私の話を理解してもらえるでしょうから」

　そう言ったカサブランカは、そっとルカから手を離すと、さらに奥の方へと進んでいった。
　アルフィーも、その悲しげな後ろ姿を追いかけた。