PrettyGirls(可愛い少女達)ーレディースバンドの物語ー【学生時代とセミプロ時代】

本庄 太鳳

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第25回夏の祭典2日目

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昼前に現地集合だったので、サマーコートを羽織って10時に家を出ていた。

「お母さん、麗奈ったら、今日は過激格好よ。お父さんも悩殺されちゃうかもね。」

「あの大人しい麗奈が、あんなだなんて知らなかったわよ。」

「そりゃ、お父さんだってびっくりしたさ。歌も上手いしな。ギター借り物か?」

「実はね、内緒って約束だったけど。中1の夏、朝早くから夜遅くまで遊んでるって怒ってたでしょ? あれ、バイトしてたのね。麗奈2本自分で買ったみたいよ。まぁ、小遣いは今は0みたいだけどね。あれって2本で50万するからね。」

「なんで、俺達に相談しなかったんだ? 少しは出したのに。」

「お父さんもお母さんも反対してたでしょ? 麗奈が吹部辞めたって怒ってね。あれは聞いたら、前の学年がやる気なくて辞めちゃって。吹部自体も週一の1時間しか練習してなかったみたいよ。麗奈は辞めて出てなかったけど、大会ではブーイング起きてたからね。珍しいわよ。吹部でブーイングなんてね。聞いてたけど、チューニングも出来てなかったし、演奏じゃなかったから、辞めたんじゃないのかしらね。お父さんたちもそろそろ許してあげたら?」

「なにも知らなかったしな。ギターなんてあいつやったことないだろに。」

「多分、去年のバイト終わってから9月からだから、ちょうど1年くらいね。元々音楽のセンスは私よりもあるから、すっごく努力はしてたわよ。隣からガチャガチャとうるさかったもの。毎日6時間以上はやってるしね。こっちは耳栓して勉強してたわよ。」

「1年でそんなに上手くなるのか? ありゃ、凄かったぞ。あの歌聞いたこと無いし。」

「多分、自分達で作ったのね。アマチュアは完全オリジナルかコピーかどっちかになるからね。あの中にも多少音楽できる人がいるんでしょうね。特にシンセは上手かったから。うちの先輩も、みんな上手いって褒めてたしね。鼻高々だったわよ。ちょっと麗奈狂ってたけどね。」

「なんで、あんなに大人しい麗奈がするのかわからないわよ。お母さんの子供じゃないんじゃないのかしらね?」

「熱中すると、多分見えなくなってると思うわよ。今日の衣装も凄いからね。最初は恥ずかしいと思っても、ステージに上がれば関係ないわね。麗奈にはね。」

「それで茉莉子。何を着せたんだ? 今日も親子で見に行くけどね。」

「白のノースリブのタンクトプに、青のミニショーパンで下着は全部ピンクにしちゃったわよ。さっき、嫌がったから、全部脱がせちゃったしね。」

「今日も暑いから、白のタンクトップなんてすぐ透けちゃうでしょ?」

「元々少し透けてるけどね。麗奈にはちょうどいいのよ。」

「幸平は今日、お母さんとお父さんとお姉ちゃんと一緒に、麗奈お姉ちゃん見に行く?」

「面白いの? つまらなきゃ行かないし、麗奈姉ちゃん遊んでくれないからいいや。」

「まぁ、お姉ちゃんを応援するのもいいんじゃないの?遊べないのはそれだけ夢中になることがあるからよ。幸平もわかってあげてね。」

「わかった。何時からなの?」

「確か、今日はトリだって言ってたから。1番最後ね。5時くらいじゃないかしらね。」

「じゃ、その前にお祭り連れてってよ。昨日も留守番だったから。」

「昨日はどんなものか、3人で見学してたのよ。麗奈達の演奏で、あの狭い会場がいっぱいになったものね。それまでは20人くらいしかいなかったのに。」

田中家は、4人で昼食を済ませると。祭りに出かけていた。

麗奈達は、昼食を13人で食べてのんびり木陰で寛いでいた。

「おい、麗奈。その格好なんだよ。笑えるな。」

「仕方ないでしょ?昨日知らない間に汚れちゃってて、出かけようとしたら。お姉ちゃんに脱がされて、これ着せられて・・・・・・」

「麗奈の全裸か。麗奈の姉ちゃんもやるな。あんたさぁ、昨日、ステージに寝転んだり、膝つけて滑ったりしてたから汚れたに決まってるじゃないの。他の3人は昨日の衣装だけどね。ボーカルだから、特別ね。」

「その、特別いらない・・・・・・・・・」

「普段、こんな小さな声で。しかも静かで引込み思案なのにね。ステージとは別人だね。昨日も良く寝れた?」

「夕飯食べて、お風呂入ってすぐ寝ちゃいましたね。」

「ほらね、どうせ前日もグーグー寝てたんでしょ。肝のすわったいいボーカルだね。」

5~6時にスタートなので、まだ時間があり、木に寄りかかって寝てしまっていた。

「お~い 麗奈。起きろよ  朝だよ~~~」

「あ 寝ちゃいました。」

「今、実行委員会の人が来て。演奏場所変わったってさ。メインステージのトリだよ。」

「緊張しちゃいます」

「あんたに、緊張って言葉ないわよ。器材をあっちに運搬しないとね。ちょっと手配してくるわね。」

午後5時と6時の会場のアナウンスで。

「今回小会場で演奏することになってた Joiful Prittygirlsの演奏は急遽、みなさんの要望により、メインステージでトリにて演奏してもらいます。小会場はすでに閉幕してますので、みなさん来てください。午後7時からのステージとなります」

現在、時刻は5時半だった。  
器材を運んで貰っていた。
水と飴を舐めたりしていた。  
緊張するかと思ったが、いつもと4人は一緒だった。
しかし、中学生の部門でもトリで凄いのに。
なんで、メインステージのトリかわからなかった。 
理解不能だった。
メインだから、昨日と同じでいいとみんなに言われ麗奈が最後に登場することになった。

セッティングも終わり、ここはスポットもあった。

ドラムのあすかが袖から出てくると、スポットを浴びて軽快にドラムを叩いていた。
昨日よりも、少し遅めに右手から彩香が出てきてベースを取ると、ドラムに合わせてベースを奏でていた。
葉月は、案外早く左手から出てきてシンセを合わせて弾いていた。

3人にスポットが浴びて感動して、自分が出るのを忘れて見ていると。
後ろから押されて、慌てて走って中央を駆け抜けてステージに上がりストラトを肩に掛けると弾き始めていた。
茉莉子が、背中を押したのだった。
大歓声の中、延々とイントロが続き。
ようやく麗奈の合図で1曲目がスタートしていた。
7時になると、少し空も暗くなり。
いい雰囲気で、麗奈は興奮していた。

一曲が終わり、フーっと息をすると、マイクを持って。

「みなさん こんばんわーーーーーーーーーーーーーー   
たのしんでますかーーーーーーーーーーーーーーーー
私達は、まだ結成して1年弱なので未熟な演奏でメインステージで歌えると思ってなかったでーーーーーーーーす   とってもしあわせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
ありがとうーーーーーーーーーーーーーーーーー
感謝しまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーす   
とっても、とっても、感謝してまーーーーーーーーーーーーーーーーす」

2曲目を演奏し始め、少し落ち着いた曲だった。
4オクターブのこの曲は、麗奈の声を全て出しきった良い曲だった。
透き通った声と、そして声量。
マイクは、口から30センチ以上は離れていた。
高音付近では、大歓声が湧き上がっていた。

3曲終わると、麗奈はメンバー紹介をしていた。

「はーーーい メンバー紹介    いつもニコニコリズミカルなドラム 加藤あすかーー
ベーシストの兄を持つベース兄弟  早見彩香ーーーーーーーーーーーーー
幼稚園からピアニスト、でもペットも得意  シンセ 浅井葉月ーーーーーーーーーーー
そして、ギターとボーカル担当の私  田中麗奈でーーーーす  よろしくね。
次は、こんな夜の2人にぴったりの歌【恋人たちのキス】」

あすかのスティックから、始まる甘いメロディーだった。
ここは、麗奈はレスポールに変えて弾いていた。
まぁ、いつもの事だが、サビは弾き始めると長かった。

続けて【星に祈りを】【浜辺の少女】を3曲連続で演奏していた。
間奏の時は、ステージの端から端まで駆け回っていた。
まぁ、麗奈が戻るまではメロはできなかった。
汗だくで、白のタンクトップからはピンクのブラがもう露出していた。

「こんなお祭りはじめてでーーーーーーーーーーーーーす  
やっぱりみんなに聞いてもらうと最高ですよねーーーーーーーーーーーーーーー
感謝 感謝 そして、紹介できなかった、部員のスタッフさん、商店街の人達。
勿論、家族にも感謝してまーーーーーーーーーーーーーーーーす
こんな素晴らしい仲間に出会えて、楽しい中学生活でーーーーーーーーーーーす  
来年も、もっと素晴らしい演奏できるように、努力してきますねーーーーーーーーー  
11月には学祭もあるので来てくださいね まってまーーーーーーーーーーす
お話しながくなっちゃって、怒られるのでそろそろ次の曲に行きますねーーーーーーーーーーー
夏祭りなので、最後の2曲は花火をテーマでーーーーーーーーーす
【2人で花火を見よう】【打ち上げ花火】です きいてくださいねーーーーーーーーーーー」

この曲が演奏されてすぐ、夜空に花火が上がっていた。
メインスタジオの後ろで打ち上げられた花火は、観客は花火を見ながら演奏を聞いていた。

全ての演奏を終了すると、惜しみない拍手と歓声が巻き起こっていた。
4人はいつものように、横一列で手を握ってお辞儀し挨拶をして別れを告げていた。

アンコールの声と手拍子は止まず、再びライトが付き、4人がステージに上がっていた。
2回のアンコールが終わり無事、コンサートは終了した。

「おい、麗奈。ブラ丸見えだし。あははは」

「もう、恥ずかしい。」

「みんなに見られたわよ。その貧乳をね。 あはは」

最後の2回目の挨拶の時は、部員全員をステージにあげて頭を下げていた。
総勢13人の軽音部だった。

 
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