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五花をめざして12
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「僕は異常な童顔だし身体も小さい。おまけに声変わりもしていない。でも、もしかしたら突然激しい成長が始まって、むさくるしい毛むくじゃらの髭親父になっちゃうかもしれないだろう。そうなったら、もう五花でなんかいられないよ。隠居して、のんびり暮らすんだ」
「……ありえないと思います……」
むさくるしくなったミゼアスなど、アルンの頭が思い描くことを拒否してしまった。
「え? 隠居くらいできるよ。老後の資金はもう貯まっている」
「いえ、そちらではなく……というか、もう老後の資金があるんですか?」
「うん、結構貯まっているはず。借金はずいぶん昔に返し終わっているし」
「借金返し終わっているんですか……?」
驚いてアルンはミゼアスを見る。
「これだけ長く五花やっているんだ、当然だよ」
しかし、ミゼアスはさらりと答えた。
「……それなのに、この島にいるんですか?」
「もう帰る場所なんてないからね。何か出て行く理由があれば、出て行っていたかもしれないけれど。できればさっさと隠居したいけれど、この顔と身体のせいで稼げるから離してもくれない」
ミゼアスはゆっくりと、重い息を吐き出す。
「それでも僕はかなり好き勝手やらせてもらっているから、まだ耐えられるよ。気に入らない客は相手をしなくてもいいし、基本的な規則さえ守れば何をやってもいい。それは僕が五花だからだよ。きみも五花になって、好き勝手やりながら老後の資金を貯めるといい」
「は……はあ……」
これだけ若いうちから老後の資金を考えるのか……と、アルンにはそちらのほうが印象的だった。
「そうだねぇ……これから一週間、夜は完全に空くわけだし、きみたちに特別授業でもしようか」
「特別授業?」
「うん、そういえばきみたちの勉強をみたり、花月琴を教えたりといったことはしていたけれど、肝心なことを忘れていたよ」
「え? 肝心なことって何ですか?」
必要とされる教養については叩き込まれているはずだ。教師としてのミゼアスはなかなか厳しく、アルン達はしっかり躾けられていた。
「いやらしい方面のこと」
あっさりと放たれた言葉に、アルンは絶句する。
「本来、そっちが第一の仕事だからね。僕があまりにひどいから実感がないだろうけれど。今日のような上役と見習いの絡みだって、別に珍しいことじゃないんだよ。そういうのが見たいっていう客も意外といるからね。考えてみたら、きみにもブラムにもコリンにも、そういうことは教えていなかったなと思って」
ミゼアスの言葉に、アルンは顔を赤くして俯いた。そういえば今はお互いに裸だったということを思い出し、さらに羞恥心が高まってくる。
「ああ……そんなに心配しなくても、いきなり凄いことはしないよ。ゆっくりと慣れていこうね。笑い方や態度、仕草も僕の手管を教えてあげるよ。客との接し方、きみたちにしっかり叩き込んであげるから、頑張ろうね」
「……ありえないと思います……」
むさくるしくなったミゼアスなど、アルンの頭が思い描くことを拒否してしまった。
「え? 隠居くらいできるよ。老後の資金はもう貯まっている」
「いえ、そちらではなく……というか、もう老後の資金があるんですか?」
「うん、結構貯まっているはず。借金はずいぶん昔に返し終わっているし」
「借金返し終わっているんですか……?」
驚いてアルンはミゼアスを見る。
「これだけ長く五花やっているんだ、当然だよ」
しかし、ミゼアスはさらりと答えた。
「……それなのに、この島にいるんですか?」
「もう帰る場所なんてないからね。何か出て行く理由があれば、出て行っていたかもしれないけれど。できればさっさと隠居したいけれど、この顔と身体のせいで稼げるから離してもくれない」
ミゼアスはゆっくりと、重い息を吐き出す。
「それでも僕はかなり好き勝手やらせてもらっているから、まだ耐えられるよ。気に入らない客は相手をしなくてもいいし、基本的な規則さえ守れば何をやってもいい。それは僕が五花だからだよ。きみも五花になって、好き勝手やりながら老後の資金を貯めるといい」
「は……はあ……」
これだけ若いうちから老後の資金を考えるのか……と、アルンにはそちらのほうが印象的だった。
「そうだねぇ……これから一週間、夜は完全に空くわけだし、きみたちに特別授業でもしようか」
「特別授業?」
「うん、そういえばきみたちの勉強をみたり、花月琴を教えたりといったことはしていたけれど、肝心なことを忘れていたよ」
「え? 肝心なことって何ですか?」
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「いやらしい方面のこと」
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「本来、そっちが第一の仕事だからね。僕があまりにひどいから実感がないだろうけれど。今日のような上役と見習いの絡みだって、別に珍しいことじゃないんだよ。そういうのが見たいっていう客も意外といるからね。考えてみたら、きみにもブラムにもコリンにも、そういうことは教えていなかったなと思って」
ミゼアスの言葉に、アルンは顔を赤くして俯いた。そういえば今はお互いに裸だったということを思い出し、さらに羞恥心が高まってくる。
「ああ……そんなに心配しなくても、いきなり凄いことはしないよ。ゆっくりと慣れていこうね。笑い方や態度、仕草も僕の手管を教えてあげるよ。客との接し方、きみたちにしっかり叩き込んであげるから、頑張ろうね」
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