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ヴァレンの決意 2
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「おや、ミゼアスも仲間に入りたいのか? すりすりしようか?」
「お断りします」
呆れるミゼアスに気づいたらしく、客が声をかけてくる。しかし、きっぱりとミゼアスは拒絶した。
「そうか、ならば仕方がない」
客の側も、あっさりと諦める。
「お……俺は、あんなに嫌だって言ってもやめてくれなかったのに……」
ところが、ミゼアスと客のやり取りに、納得できない声をあげたのはヴァレンだ。
ヴァレンのときは嫌がろうと執拗に行為をやめなかった客が、あっさりと引いたことが不満らしい。
「それは、ミゼアスは五花だからな。五花に逆らうことはできないのだよ。まあ、五花でなくとも、上級白花相手にあんなことはできないな」
客が理由を述べる。しっかりと説明するあたり、律儀だ。
「……ということは、もし俺が四花あたりの上級白花だったら、じょりじょりしないってことですか?」
「そうなるな」
唇を引き結びながら考え込んでいたヴァレンが問いかけると、客は頷く。
「……わかりました。俺、上級白花になります!」
ヴァレンはきりっと顔を上げ、決意をこめた眼差しを客に向けて宣言する。
「おお、頑張れ頑張れ!」
客は笑いながら、軽い様子ではやし立てる。
「……頑張ってね」
ミゼアスも少々の頭痛を覚えながら呟く。
ヴァレンが上を目指してやる気になってくれたのは、嬉しいことだ。それなのに、何故頭痛がするのだろうと、ミゼアスはそっと息を吐いて宙を見上げた。
「お断りします」
呆れるミゼアスに気づいたらしく、客が声をかけてくる。しかし、きっぱりとミゼアスは拒絶した。
「そうか、ならば仕方がない」
客の側も、あっさりと諦める。
「お……俺は、あんなに嫌だって言ってもやめてくれなかったのに……」
ところが、ミゼアスと客のやり取りに、納得できない声をあげたのはヴァレンだ。
ヴァレンのときは嫌がろうと執拗に行為をやめなかった客が、あっさりと引いたことが不満らしい。
「それは、ミゼアスは五花だからな。五花に逆らうことはできないのだよ。まあ、五花でなくとも、上級白花相手にあんなことはできないな」
客が理由を述べる。しっかりと説明するあたり、律儀だ。
「……ということは、もし俺が四花あたりの上級白花だったら、じょりじょりしないってことですか?」
「そうなるな」
唇を引き結びながら考え込んでいたヴァレンが問いかけると、客は頷く。
「……わかりました。俺、上級白花になります!」
ヴァレンはきりっと顔を上げ、決意をこめた眼差しを客に向けて宣言する。
「おお、頑張れ頑張れ!」
客は笑いながら、軽い様子ではやし立てる。
「……頑張ってね」
ミゼアスも少々の頭痛を覚えながら呟く。
ヴァレンが上を目指してやる気になってくれたのは、嬉しいことだ。それなのに、何故頭痛がするのだろうと、ミゼアスはそっと息を吐いて宙を見上げた。
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