きみを待つ

四葉 翠花

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後日談

きみに会えた4

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 ミゼアスはアデルジェスを部屋に連れ込むことに成功し、そこから新しい関係を築いていった。
 アデルジェスは優柔不断で流されやすく、昔と変わっていなかった。自分がついていなければ駄目だとよく言っていた幼い頃を思い出す。

 しっかり初物もいただいた。いきなり駄目な部分が目立ったが、そこはじっくりと教育していけばよい。そう思っていたところ、突然アデルジェスは暴走した。勘違いからミゼアスにまるで『お仕置き』するような行動を取ったのだ。
 もし、他の者にされたとしたらミゼアスは怒っただろう。しかし、アデルジェスにされているのだと思うと、ミゼアスには甘美な痺れが走り、ぞくぞくと快感がわきあがった。

 大病を患って以来、ミゼアスは不感症といってもよいくらいの状態になった。
 それがアデルジェスに触れられると、大病を患う以前にも感じたことのなかったほどの快楽を覚えるのだ。愛撫とすら呼べないような拙い動きでさえ、何よりも甘く肌を焦がしていく。
 懐かしい思い出と快楽に縛られ、ミゼアスはアデルジェスに溺れていった。

 ――きみは、懐かしい思い出そのままだった。



 見習いたちもアデルジェスのことを気に入ったようだ。皆でお茶を飲んで楽しい時間を過ごしながら、かつてないほど満たされていた。
 可愛い見習いたちと、愛しいアデルジェス。もし、このままずっと彼らに囲まれながら、同じような時間を過ごせたらと淡い希望を抱いた。

 だからアデルジェスに本名を尋ねられたとき、島に残る気はないかと尋ねてしまった。しかしアデルジェスは断った。
 自らの思いに溺れていたミゼアスと違い、アデルジェスは冷静だったのだ。
 これほど熱を上げているのはミゼアスだけなのだろう。
 アデルジェスもミゼアスのことを『好き』だとは言ってくれた。
 エアイールから余計な話を聞かされ、自棄になって一方的な行動を取っていたが、誤解が解けてそう言ってくれたのだ。

 お互いに想い合っているとわかった。アデルジェスがミゼアスのことを好きになってくれたのだ。それで満足するべきなのかもしれない。
 ミゼアスは自らの愚かしい希望を捨てた。

 ――きみが僕のことを好きになってくれた。それだけで、幸せ。
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