20xx年の地下アイドル業界がすごかった。

くろ

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『にくこんらぶ』

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『競争』という手段を使って、我々人間は発展してきたと言っても過言ではない。しかし、使い方を誤れば、この競争も害になりうる。
とある国は、この競争の使い方が下手な人間が多い。彼らは、すぐに価格で競争をしたがる。もっとも簡単に思いつく競争優位の獲得方法ではあるが、これは危険なやり方でもある。彼らは価格を安くすることに固執するあまり、品質まで落としてしまうのだ。自分たちが競争に勝ちたいという理由で、客の不利益になるようなことを、平気でやれてしまうような人種なのだ。暫くすると、品質を維持しながらの価格競争について行けずに、撤退を余儀なくされる同業他社が出てくる。
価格競争に伴う品質低下の流れは更に拍車が掛かり、やがてクレームが入るレベルの粗悪品が市場に出回るようになる。彼らは愚かなことに、そのクレームに対応するための力をも、価格競争のためにそぎ落としてしまっている。そうなると、もう手の施しようがない。彼らは結局自滅して消えていく。彼らのやったことと言えば、ただただ市場を荒らしただけだ。彼らが市場に参入することで、誰も得をしないし、みんなが不幸になる。なぜそうなるのか?彼らが自分の都合だけを優先して行動しているからだ。例えば、隣国の水域を汚せば、自国の水域に魚が集まってくるからといって、周囲の海を汚し続け、最後には魚が住めない海にしてしまい、結果として自分自身も魚が取れなくなってしまうという、誰もが損をしてしまうだけの迷惑行為を、彼らはやっているのだ。全体を見ず、後先も考えず、目先の自分の利益だけで行動してしまう、まだ未成熟な子供のような連中なのだ。とても世界市場に参加するべき人間ではない。恐ろしいことに、この知性の低いサバクトビバッタのような連中が、世界の至る所で同じ過ちを繰り返し続けている。
彼らには、すぐにモラルの壁をぶち壊してしまうという問題点もある。マネトラやハニトラ、脅しを競争の中に平気で持ち込む。世界市場で健全な競争をして行ける、最低限のモラルや知性を欠いている人間が紛れ込んでしまう原因は、そこにもあるだろう。これでは健全な競争はできない。汚いことをやった者の勝ちという世の中が成立し、市場は競争で成長するどころか衰退していくことになる。
更に危惧する点は、彼らの人口が我が国の10倍ほどあるということだ。そのうちの数パーセントでも我が国の市場に参入なんかしてきたら、大変なことになるだろう。正しいと思われる行動を取った人間が、一時的に苦しまねばならない流れがやってくるかもしれない。彼らが成長して、学習するまでの間……
このレベルの人間が増えてしまえば、競争という手段を用いることで、多くの不利益が生じるだろう。

最近、地下アイドル業界の競争が激化していることを肌で感じた。そのとき、「もしかすると、その矛先がこの市場にも迫っているのではないか」と思った。しかし、これは私が最近になって地下アイドル業界に目を向けたから、たまたま目に付いただけかもしれない。もしかしたら、何年も前からこの危機は迫っていたのかもしれない。


——————————


地下アイドルのライブに足を運んだのは、その時が人生で初めてだった。知人に「凄いから!絶対元気になれるから!」と、半ば強引に私は近くのライブハウスに連れて行かれた。その日行われるのは『にくこんらぶ』という、5人組のアイドルユニットのライブだった。
500人は入れそうなハコは満席で埋まっていて、私とその知人は最前列に立っていた。柵はあったが、手を伸ばせばそこまで高さの無いステージに手が届いた。
照明はまだ暗く、ステージが静かにスタンバイしている様子はまさにライブの始まりを予感させた。BGMには、にくこんらぶの過去のヒット曲が流れ、ファン同士で「この曲好きなんだよね!」と盛り上がる姿も見られた。初めて来たファンも、常連のファンたちが和やかなムードを作っているので、会場全体が一体感で満ちていた。
ライブが始まる数分前、スタッフが「まもなく開演いたします」とアナウンスすると、ファンの間にざわめきが広がり、ペンライトを持つ手が自然に上がっていった。メンバーの名前が書かれたボードを掲げるファンや、カメラを構える準備をする人など、皆がそれぞれのスタイルでライブに臨む体勢を整えていた。
会場が暗転し、ファンが一瞬息を呑む静寂の中、重低音が響くイントロが会場を揺らし始めた。突如、ステージ後方のスクリーンがカラフルに点滅し、リズミカルなビートが鳴り始める。そして、メンバーの一人がマイクを握り、ラップ調で自己紹介しながら、ステージに飛び出してきた。彼女は赤を基調とした、男ウケしそうなロリータ衣装を身に纏っていた。スカートの中に白いパニエがギュウギュウに詰め込まれ、まるで白いバラの花束を逆さまにしたように見えた。太ももに、薄い生地の白いドロワーズがチラ見した。

「私がリーダー『小鳥遊もえか』!
 アイドル会のフェラチオマスター!
 どんな男でも即尺即イキ!
 喉奥喉射で脳天アクメ!
 咥え込まれたらその場で終わり!
 赤玉売り切れ種無し必至!」

ファンが一斉に歓声を上げると、次のメンバーがまたビートに合わせて登場した。彼女は黄色い衣装だ。割と身長が大き目の印象を受けた。

「二の腕担当『手コキのマリナ』!
 握力調整一億段階!
 全てのチンコにベストな締め付け!
 何回してもベストな快感!
 コキ過ぎヌキ過ぎ射し過ぎ注意!
 あなたの金玉ソールドアウト!」

ペンライトの色が変わり、場内の興奮がさらに増す。3人目は少しおしとやかな感じで、女の子らしくぶりっ子で登場。ピンク色の衣装を身に纏った彼女は、色白で美脚だった。

「太もも担当『スマタのももりん』!
 肉感ムッチリ天使の太もも!
 揉んでも舐めても吸っても極上!
 挟めば天国極楽浄土!
 擦れば宇宙に精子が飛び立つ!
 今度は私の宇宙に射して♡」

観客の声援はさらに大きくなる。今度は緑色の衣装の巨乳が現れ、個性を活かしたラップで自己紹介を続ける。

「おっぱい担当『パイズリめろん』!
 ラウンド型のGカップ!
 挟んで揺らせば快楽シェイクでチンコも頭も精子も真っ白!
 どれだけ射しても飽きない刺激であなたのチンコはと・り・こ♡」

5人目が負けじとステージに飛び出し、個性全開のラップで挨拶を始める。彼女は青い衣装の小柄のロリっ子だ。

「腰振り担当『乙姫みずりん』!
 上でも下でも高速ピストン!
 前後左右でも怪しく蠢き気付けばドクドク中出し絶頂!
 まさか一回じゃ終わらないよね?
 私がイクまで勃っててね!」

最後のメンバーがラップを終えると、メンバー全員がステージ中央に集まり、ポーズを決めた。

「みなさん!今日は最高の夜にしましょう!『にくこんらぶ』行くぞー!」

ビートがさらに強まり、メンバーが音楽に合わせて全力のパフォーマンスを始め、照明が勢いよくフラッシュしながら舞台を照らす。観客は大歓声を上げ、ステージと会場がひとつに燃え上がる中、ライブが幕を開ける。
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