◯と△

くろ

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ウイルス

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百匹のウイルスの群れがありました。
彼等は昔、人間を苦しめるほどの脅威とみなされており、その数も、今とは比べ物にならないほど多かったのですが、流石に人間の力には及ばず、今では、ここまで数が減ってしまいました。

ウイルスはA、B、C、の三つの層に分かれていました。
Aは、優秀な層で、そこには三十匹のウイルスが存在しました。
Bは、普通の層で、そこには六十匹のウイルスが存在しました。
Cは、動けない層で、そこには十匹のウイルスが存在しました。
主に、AとBが生産的な働きをすることで、群れは成り立っていました。動けないCに対しては、必要に応じて支援を提供していました。
B層の中にはこのシステムを利用して、動けるのに動けないフリをしてC層に行き、不正に支援を受けようとする、質の悪いB層もいました。
これを阻止するために、Aの中でも特に優秀な個体が集まり、ある対策が取られました。それは、「C層に行くことは死ぬより恥ずかしいことだ」という『呪い』をB層に掛けることでした。
この呪いにより、B層からC層に行く不正を完全に防ぐことができました。死ななければならないとなると、質の悪いB層でも必死にならなければなりません。

ある時、全体の生産能力向上を図り、A層、B層に滞在するための最低基準の引き上げがされました。
このことによって、A層の基準に満たなくなってしまった十匹が、B層へと脱落してきました。
B層でも同じようなことがありました。
呪いは解かれていませんでした。
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