無詠唱? キャンピングカーで大冒険。虐げられた少女を拾った俺は、規格外の力と文明の利器で彼女を全力で救う件

Gaku

文字の大きさ
43 / 105
第9章:システムという名の檻

第43話:噂のバグ・キャラクター ~砂漠の真ん中で、幻のオアシスを見つけた旅人のように~

しおりを挟む
 時は流れ、季節は巡る。  王都グランドルの中心、ローゼンバーグ侯爵邸の執務室は、今日も静寂に包まれていた。

 窓の外は、初夏の陽気が溢れている。手入れされた庭園の緑は目に痛いほど鮮やかで、噴水の水しぶきが太陽の光を浴びて虹を作っている。  世界は、残酷なほど美しく、そして平和だった。

 アリス・ローゼンバーグ(十七歳)は、マホガニーの重厚な机に向かい、羽ペンを走らせていた。  彼女の周りには、書類の山が築かれている。領地の収穫報告、商会との取引契約書、魔道具の特許申請書類。  それらを処理する彼女の手つきは、機械のように正確で、無駄がなかった。

「……前月比、一二〇パーセント増。利益率は二五パーセントを維持。……ふん、チョロいもんね」

 彼女は独りごちて、書類にサインをした。  完璧だ。  この数年で、傾きかけていたローゼンバーグ家は、王都随一の資産家へと返り咲いた。  親戚たちは平伏し、貴族たちは彼女のご機嫌を伺い、商売敵は彼女の名前を聞いただけで震え上がる。  「鉄の女」「氷の令嬢」「商売の悪魔」。  数々の二つ名と共に、彼女は「この世界」というゲームの勝者となりつつあった。

 だが。

「……つまんない」

 アリスはペンを置き、天井を仰いだ。  口から出たのは、この世界の共通語ではなく、懐かしい日本語だった。

「あーあ。コンビニ行きたい。ポテチ食べたい。YouTube見ながらダラダラしたい」

 誰もいない部屋で、彼女は「素」に戻る。  いくら富を築いても、いくら他人から崇められても、心の中にある巨大な空洞は埋まらなかった。  なぜなら、周りにいる人間はすべて「NPC」だからだ。  彼らは設定されたプログラム通りに反応し、アリスが望む通りの答え(セリフ)を返す。  『さようでございますか』『素晴らしいです』『畏まりました』。  そこには「意志」の衝突もなければ、「魂」の共鳴もない。ただのデータ処理の応酬。

 言葉は通じているはずなのに、言葉が通じない。  この広大な世界で、アリスはたった一人、宇宙船の中に閉じ込められた異星人のようだった。

「……誰か、いないの? 私の言葉がわかる人。私のジョークで笑ってくれる人」

 アリスは机の引き出しを開けた。  そこには、幼い頃に作った「防御結界のブローチ」の残骸――砕けた青い石の欠片が入った小箱がしまってある。  彼女はそれに触れることなく、ただじっと見つめた。

 期待してはいけない。  探してはいけない。  どうせ、この世界はバグだらけの欠陥プログラムなのだから。

 ***

 その日の午後。  いつものように退屈な報告会が行われていた。  アリスが雇っている情報屋――影のように目立たない男が、王都の動向を報告している。

「――東区画の治安は安定。物価指数は微増。それから、最近ギルドで奇妙な噂が流れています」

「奇妙な噂?」  アリスは紅茶(小指を立てて持つのが癖になっている)を啜りながら、興味なさげに聞き返した。

「はい。新人の冒険者らしいのですが……少々、常識外れな行動が目立つ男がいまして」

 情報屋は、困惑したようにメモを読み上げた。

「報告その一。『北の森に出現した巨大熊(グリズリー)を、素手で、しかもデコピン一発で空の彼方へ吹き飛ばした』」

「……は?」  アリスの手が止まった。

「報告その二。『冒険者ギルドの魔力測定用の水晶玉――最高級品ですが――を、軽く触れただけで粉々に爆発させた』。さらにその衝撃で、ギルドの屋根を吹き飛ばしたとのことです」

「……」

「報告その三。『伝説のロック鳥を鳩扱いし、生きたまま引きずって帰ってきた』。……などなど、枚挙にいとまがありません。目撃者は多数。誇張表現かと思いますが、物理法則を無視したような現象が多発しております」

 情報屋は「まあ、よくある英雄願望の法螺話(ほらばなし)でしょう」と締めくくろうとした。  だが、アリスの反応は違った。

 カチャン。  ソーサーにカップを置く音が、震えていた。

「……名前は?」  アリスの声が上ずっていた。

「は? ああ、その男の名前ですか? 確か……『シュン』と名乗っているそうです」

 シュン。  瞬。  この世界特有の、長く仰々しい名前ではない。短く、聞き覚えのある響き。

 アリスの心臓が、ドクンと跳ねた。  デコピンで熊を吹き飛ばす?  水晶玉を爆破?  ロック鳥を引きずり回す?

 (ありえない)

 アリスの脳内コンピューターが、高速で計算を始める。  この世界の魔法体系や物理法則において、そんな芸当が可能なスキルや魔法は存在しない。  どんなにレベルを上げても、熊を「星にする」物理演算は発生しないはずだ。  それはつまり――。

「バグ……?」

 アリスの瞳に、数年ぶりの光が宿った。  それは、砂漠の真ん中で一滴の水を見つけた遭難者のような、切実で、飢えた光だった。

 もし、彼が。  この世界の理(ルール)に縛られない存在だとしたら?  私と同じように、外の世界からやってきた「プレイヤー」だとしたら?  あるいは、運営が送り込んだ「デバッグ用キャラクター(チーター)」だとしたら?

 ――話せるかもしれない。  「ここ、クソゲーだよね」って。  「ステータス画面、見づらくない?」って。  本当の言葉で、本当の会話ができるかもしれない。

「……会いたい」

 アリスは立ち上がった。  椅子が倒れるのも構わず、情報屋に詰め寄る。

「その男! 今どこにいるの!?」 「え、あ、はぁ……現在は王都の宿屋を転々としているようですが……」 「探しなさい! 今すぐ! 居場所を特定して!」

 アリスはドレスの裾を翻し、部屋を飛び出した。  心臓が早鐘を打つ。  期待するな、と理性が警告する。また裏切られるぞ、と過去の傷が疼く。  でも、足が止まらない。  もし、彼が本当に「同郷人」なら。  私はもう、一人じゃなくなる。

 ***

 しかし。  運命の神様というのは、つくづく性格が悪いらしい。

 アリスは、その日から「シュン」という男を追いかけた。  完璧な淑女の仮面を被りつつ、裏では情報網を駆使し、時には自らお忍びで街へ繰り出した。

 だが、会えない。  まるで磁石の同極同士が反発し合うように、決定的なタイミングですれ違うのだ。

 ある日、ギルドの前。  アリスが馬車を止め、様子を伺っていると、中から金髪の受付嬢(リナ)が出てきた。 「あらぁ、ローゼンバーグ様? どうされましたぁ?」 「……いえ、少し人を探してまして。シュンという方は?」 「ああん、残念ですぅ! たった今、クエストに出発しちゃいましたよぉ! ロケットみたいな速度で飛んでいきました!」  空を見上げると、白い飛行機雲のような筋が、遥か彼方へ伸びていた。  ……飛んでいった? 人間が?

 またある日、市場にて。  アリスが変装して買い物をしていると、向こうの通りから「すごい勢いでリンゴを食べている黒髪の男」が歩いてくるのを目撃した。  (あいつだ!)  アリスは人混みをかき分けて走った。  ドレスの裾が汚れ、ヒールが痛み、息が切れる。  なりふり構わず追いかけた。  けれど、角を曲がった先には、もう誰もいなかった。  ただ、リンゴの芯だけが転がっていた。

「……なんなのよ、あいつ!!」

 路地裏で、アリスは地団駄を踏んだ。  完璧な令嬢にあるまじき行動だが、誰も見ていないから構わない。

「物理演算だけじゃなくて、イベントフラグの管理もバグってんの!?」

 まるで、ゲームのシステムが「まだ会うレベルに達していない」と判断して、エンカウントを阻害しているかのようだ。  近づけば離れる。手を伸ばせば消える。  蜃気楼のような男。

 アリスは焦っていた。  もし、彼が気まぐれに他の国へ行ってしまったら?  もし、彼がただの幻だったら?  そうしたら私は、またこの広い世界で、言葉の通じない人形たちに囲まれて死ぬまで過ごすことになる。

 (嫌だ。もう一人は嫌だ)

 夜、自室のベッドの中で、アリスは枕を抱きしめて震えた。  「シュン」という存在を知ってしまったせいで、麻痺させていたはずの「寂しさ」が、倍になって襲いかかってくる。  渇きを自覚してしまった旅人は、水を見るまで狂いそうになるのと同じだ。

 彼に会いたい。  彼が何者なのか確かめたい。  そしてもし、彼が本当に「こっち側」の人間なら……。

 「一緒に攻略しようよ」って言いたい。  「私、すごいお金持ちだし、役に立つよ」って売り込みたい。  「だから、私を仲間にいれて」って。

 それは、幼い子供が公園で「混ぜて」と言うのと同じ、純粋で切実な願いだった。

 ***

 そして、数週間が過ぎた頃。  焦れるアリスの元に、一枚の報告書が届いた。

 『義賊団「黒猫」、ローゼンバーグ家への襲撃を計画中』

 普段のアリスなら、鼻で笑って私兵に処理させる案件だ。  だが、彼女の目は、報告書の隅に書かれた備考欄に釘付けになった。

 『彼らは、病気の妹を救うために、当家の宝物庫にあるとされる秘薬を狙っている模様』

 ふと、昔の記憶がよぎる。  まだ幸せだった頃。  両親を守るために、必死で魔道具を作っていた自分。  「大切な人を守りたい」という、痛いほどの想い。

 (……ふん。甘いな、私も)

 アリスは首を振り、感傷を振り払った。  NPCの事情なんてどうでもいい。  けれど、その時、彼女の脳裏に閃くものがあった。

 「待てよ……」

 彼女は立ち上がり、部屋の中を歩き回った。  襲撃予告。  高難易度クエスト。  そして、正義感の強そうな(と噂される)英雄。

 「もし、これを『ギルドへの正式依頼』として出せば……?」

 アリスの口元が歪んだ。  それは悪役令嬢の笑みであり、同時に、必死に知恵を絞る少女の顔でもあった。

 指名依頼。  それなら、システム(運命)の邪魔が入る余地はない。  強制イベントとして、彼をこの屋敷に呼びつけることができる。

 「……使える」

 アリスは震える手で、便箋を取り出した。  盗賊たちを「餌」にして、シュンをおびき寄せる。  自分の目的(彼に会うこと)のために、他人の運命を駒として利用する。  それは、かつて自分が軽蔑していた「強欲な叔父」たちと同じやり方かもしれない。

 罪悪感が、チクリと胸を刺す。  でも、アリスはそれを飲み込んだ。

 (ごめんね、盗賊さんたち)  (でも、私には必要なの。彼という『希望』が)

 彼女はペンを走らせた。  『求む、宝物庫の警備。英雄シュン様をご指名いたします』  その文字は、彼女からの招待状であり、そして孤独からのSOS(救難信号)だった。

 こうして、舞台は整えられた。  黄金の招待状が、バグ・キャラクターの元へと運ばれていく。  アリスの長い長い孤独な夜が、まもなく明けようとしていた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

『ゴミ掃除』が役立たずと追放されたが、実は『存在抹消』級のチートだった。勇者一行がゴミで溺れているが、俺は辺境で美少女と温泉宿を経営中なので

eringi
ファンタジー
「悪いが、お前のスキル『ゴミ掃除』は魔王討伐の役には立たない。クビだ」 勇者パーティの雑用係だったアレクは、戦闘の役に立たないという理由で、ダンジョンの最深部手前で追放されてしまう。 しかし、勇者たちは気づいていなかった。 彼らの装備が常に新品同様だったのも、野営地が快適だったのも、襲い来る高レベルモンスターの死体が跡形もなく消えていたのも、すべてアレクが『掃除』していたからだということに。 アレクのスキルは単なる掃除ではない。対象を空間ごと削り取る『存在抹消』レベルの規格外チートだったのだ。 一人になったアレクは、気ままに生こうと辺境の廃村にたどり着く。 そこでボロボロになっていた伝説のフェンリル(美少女化)を『洗浄』して懐かれたり、呪われたエルフの姫君を『シミ抜き』して救ったりしているうちに、いつの間にかそこは世界最高峰の温泉宿になっていて……? 一方、アレクを失った勇者パーティは、武器は錆びつき、悪臭にまみれ、雑魚モンスターの処理すら追いつかず破滅の一途をたどっていた。 「今さら戻ってきてくれと言われても、俺はお客さん(美少女)の背中を流すのに忙しいんで」 これは、掃除屋の少年が無自覚に最強の座に君臨し、幸せなスローライフを送る物語。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

無自覚に世界最強だった俺、追放後にチートがバレて全員ざまぁされる件

fuwamofu
ファンタジー
冒険者団から「役立たず」と追放された青年リオ。 実は彼のスキル《創造》は、世界の理を作り替える最強の能力だった。 追放後、孤独な旅に出るリオは、自身の無自覚な力で人々を救い、国を救い、やがて世界の中心に立つ。 そんな彼の元には、かつて彼を見下していた美少女たちが次々と跪いていく──。 これは、無自覚に世界を変えてしまう青年の、ざまぁと覇道の物語。

無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!

飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。 貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。 だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。 なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。 その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。

ゲームの悪役貴族に転生した俺、断罪されて処刑される未来を回避するため死ぬ気で努力したら、いつの間にか“救国の聖人”と呼ばれてたんだが

夏見ナイ
ファンタジー
過労死した俺が転生したのは、大好きな乙女ゲームの悪役貴族アレン。待つのはヒロインたちからの断罪と処刑エンド!?冗談じゃない! 絶対に生き延びて平穏な老後を送るため、俺はゲーム知識を総動員して破滅フラグ回避に奔走する。領地を改革し、民を救い、来るべき災厄に備えて血の滲むような努力を重ねた。 ただ死にたくない一心だったのに、その行動はなぜか周囲に「深謀遠慮の聖人」と勘違いされ、評価はうなぎ登り。 おまけに、俺を断罪するはずの聖女や王女、天才魔導師といったヒロインたちが「運命の人だわ!」「結婚してください!」と次々に迫ってきて……!? これは、破滅を回避したいだけの悪役貴族が、いつの間にか国を救う英雄に祭り上げられ、ヒロインたちに溺愛される勘違い救国ファンタジー!

処理中です...