15 / 102
第2章:学園生活と仲間との絆
第15話:学園祭!メイド喫茶と筋肉の輝き
しおりを挟む
俺とアンナの夜明け前の秘密特訓、そして理論の壁を打ち破り、新たな魔法の可能性に目覚めたレオ。
俺たち三人は、それぞれの秘密と成長を共有し、仲間としての絆をより一層、深く、強く結びつけていた。
季節は、騒がしかった年末年始を過ぎ、寒さが最もその牙を剥く、一月の終わり。
朝の空気は、肌を刺すように痛く、鋭い。寮の窓ガラスは、毎朝、分厚い氷の結晶で覆われ、外の世界を白く閉ざしている。学園の庭には、降り積もった雪が根雪となって残り、木々の黒々とした枝には、氷柱(つらら)がシャンデリアのようにぶら下がっていた。
そんな、全てが凍てつき、静まり返った極寒の季節の中で、唯一、マグマのような熱気に満ち溢れている場所があった。
国立アステリア魔法学園。
そう、この学園の創立を記念する年に一度の祭典――「創星祭」が、間近に迫っていたのだ。
学園全体が、どこか浮き足立ち、そわそわとした空気に包まれている。放課後の廊下では、生徒たちが資材を運んだり、衣装を縫ったり、魔法で看板を描いたりと、準備に余念がない。凍てつくような外気とは裏腹に、校舎内は生徒たちの熱気と、塗料の匂いと、時折聞こえる小さな爆発音(大抵は魔法薬学部の仕業だ)が混じり合い、独特の、混沌とした祝祭前夜の雰囲気を醸し出していた。
そして、俺たち一年A組の教室もまた、その混沌の渦中にあった。
「――というわけで、多数決の結果、我が一年A組の出し物は、『メイド喫茶・癒しのマンドラゴラ亭』に決定しましたー!」
クラス委員長の、明るく、しかしどこか諦観を滲ませた声が、教室に響き渡る。
その瞬間、教室の女子生徒たちから、「きゃああああ!」という、黄色い歓声が上がった。
「メイド服! あの、フリフリの、可愛いメイド服が着れるのね!」
「私、絶対似合うと思う!」
一方、男子生徒たちは、微妙な表情で顔を見合わせている。
「メイド喫茶ってことは、俺たちは、執事の格好か?」
「まあ、女子が喜ぶなら、それでいいんじゃないか」
そんな、甘酸っぱい青春の空気の中、二つの不協和音が、高らかに鳴り響いた。
まず、一つ目。
「断固、拒否するわッ!!」
ガタァン! と、椅子を蹴り倒す勢いで立ち上がったのは、もちろん、アンナ・フォン・シュバルツだった。
「な、なによ、その、悪魔の拘束具みたいな名前の店は! ていうか、メイド服!? あんな、ひらひら、ふりふりした、戦闘にも訓練にも全く適さない非合理的な布切れを、この私が、着れるわけないでしょ!」
彼女は、燃えるような赤い髪を逆立て、クラス委員長に詰め寄っている。その剣幕は、もはや出し物のボイコットというより、革命前夜の闘士のそれだった。
そして、二つ目の不協和音。
「全くもって、非合理的だ」
腕を組み、深々とため息をついたのは、もちろん、レオナルド・ヘーゼンバーグだった。
「そもそも、メイド喫茶という業態そのものが、飲食サービスの提供という本来の目的から逸脱し、『萌え』という、極めて曖昧で数値化不可能な付加価値に依存している。その上、男子生徒が執事服を着ることによる接客効率の向上は、統計的に証明されていない。これは、単なるお祭り気分に浮かされた、集団的ヒステリーに他ならない」
彼はいつも通り、小難しい理屈をこねくり回して、この決定を学術的な見地から批判している。
クラスの、ほんわかとした青春の空気は、この二人によって見事にぶち壊された。
俺はといえば、そんな二人を眺めながら、ただただ頭を抱えていた。
(なんで、よりにもよって、メイド喫茶なんだよ……)
俺の前世の記憶が、警鐘を鳴らす。
メイド喫茶。それは、客に「萌え」を提供する聖域。そこには、完璧に計算された所作と、寸分の狂いもない笑顔、そして客を「ご主人様」として崇め奉る、徹底したプロ意識が求められる。
果たして、この脳筋戦闘狂と、理屈屋のインテリオタクに、それが可能なのだろうか。
いや、無理だ。断じて無理だ。
俺の脳裏には、メイド服を着て仁王立ちで客を睨みつけるアンナと、執事服を着て客に「あなたのご注文はカロリー過多で、栄養バランスの観点から著しく非合理的です」などと説教を垂れるレオの姿が、ありありと浮かんでいた。
地獄絵図だ。
俺は、この、俺たちのクラスの未来に、深く、深く絶望したのだった。
***
準備期間は、まさに混沌と波乱の連続だった。
まず、最初の議題となったのは、アンナのメイド服問題だ。
「だから、嫌なものは嫌なの! こんな、敵に捕まってくださいって言ってるような、無防備な服、着れるもんですか!」
試着用の、黒と白の実に可愛らしいメイド服を前に、アンナはまるで魔王でも召喚されたかのように後ずさっている。
「そんなこと言わないで、アンナ! 絶対似合うから!」
「そうよ! アンナのその赤い髪に、黒いメイド服、絶対可愛いって!」
クラスの女子たちが、あの手この手でアンナを説得しようとするが、彼女は頑として首を縦に振らない。
「うるさいうるさい! こんなリボンとかレースとか、私の筋肉が拒否反応を示してるのよ!」
業を煮やした女子数人が、「こうなったら、力づくよ!」と、アンナにメイド服を着せようと試みるが、結果は火に油を注いだだけだった。
「離しなさい! この、悪魔の使いどもめが!」
アンナは、軽々と女子生徒たちを振りほどき、あろうことか、試着用のメイド服を、びりびりと音を立てて引き裂いてしまったのだ。
「あーーーーっ! クラスの大事な備品が!」
女子生徒たちの悲痛な叫び声。教室はまさに、阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
結局、この問題は、クラス委員長が名案(?)を思いついたことで、一応の解決を見た。
「わ、わかりました! アンナさんは、メイド服を着なくてもいいです! その代わり、その有り余るパワーを、クラスのために別の形で役立てていただきたいのです!」
クラス委員長が、アンナに差し出したのは、一枚のポスターだった。
そこには、筋肉隆々の男たちが腕を組む、いかにも暑苦しいイラストと共に、こう書かれていた。
『創星祭特別企画! 第一回・チキチキ! アームレスリング最強王座決定戦! 男女参加者、求む! 優勝賞品は、学園食堂一年間無料パス!』
「……!」
アンナの目が、きらりと輝いた。
「腕相撲、大会……」
「はい! アンナさんの、その王国最強クラスの腕力があれば、優勝も夢ではありません! そして優勝すれば、クラスの名誉もぐんと上がります! どうでしょう!」
「……乗ったわ」
アンナは、にやりと肉食獣の笑みを浮かべた。
こうして、アンナはメイド服の呪縛から解放され、代わりにクラスの代表として、「筋肉の祭典」へとその闘志を燃やすことになったのである。めでたし、めでたし(?)。
一方、レオはといえば、あっさりと執事服を着ることを承諾した。
「ふん。非合理的であることに変わりはないが、クラスの一員として課せられた義務を放棄するのは、僕の主義に反する」
などともっともらしい理由をつけていたが、本当はアンナの暴走を見て、「ここで自分が逆らったら、さらに面倒なことになる」と、冷静に判断しただけだろう。実に彼らしい。
だが、彼にも試練が待っていた。
「まあ、レオ様! なんてお似合いなのでしょう!」
「素敵! まるで本物の貴族の執事みたい!」
仕立てられた完璧なサイズの執事服に身を包んだレオの姿に、クラスの女子たちが黄色い声を上げたのだ。
確かに、ひょろりとしているが手足の長いレオに、細身の執事服は驚くほど似合っていた。いつもはどこか浮世離れした学者のような彼が、途端にミステリアスで影のある美形の執事に見えるのだから、不思議なものだ。
「なっ」
レオは女子生徒たちに囲まれ、どうしていいか分からず顔を真っ赤にしていた。
「ひ、非合理的だ! 僕の容姿を褒めたところで、君たちの内申点には何一つ影響はないぞ!」
そんな彼の的外れな反論が、さらに女子たちの心をくすぐったのは言うまでもない。
そして、最大の、そして最も絶望的な問題が発生した。
料理だ。
メイド喫茶の生命線とも言える、料理。
クラスで料理が得意だと名乗り出たのは、リリアーナという、おっとりとした雰囲気の貴族のお嬢様だった。
「わたくし、お菓子作りには少しだけ自信がありますの。皆様の舌を楽しませてみせますわ。おーっほっほっほ」
彼女はそう言って、自信満々で試作品のクッキーを俺たちの前に並べた。
そのクッキーは、見た目は完璧だった。綺麗なキツネ色に焼き上がり、形も星やハートなど実に可愛らしい。
だが。
俺たちがそのクッキーを一口、口に入れた瞬間。
教室は静まり返った。そして次の瞬間、あちこちから呻き声と悲鳴が上がった。
「か、かかか、固い! なんだ、このダイヤモンド並の硬度は!」
「し、しょっぱい! なんでクッキーが、岩塩を直接かじったみたいにしょっぱいんだ!」
「さ、砂の味がする!」
そう、リリアーナ嬢の作る料理は、「見た目は天国、味は地獄」という世にも恐ろしい代物だったのである。
このままでは、俺たちの『癒しのマンドラゴラ亭』は、『恐怖のポイズン食堂』として学園史に悪名を轟かせることになる。
クラス中が重苦しい沈黙に包まれた、その時だった。
俺は、静かに立ち上がった。
俺の脳裏には、前世の記憶が鮮やかに蘇っていた。高校時代、ファミレスの厨房で三年間のバイトに明け暮れた、あの戦場のような日々が。
「――貸してみろ」
俺は、リリアーナ嬢から泡立て器とボールを無言で受け取った。
そして、エプロンを締めながら、クラスメイトたちに宣言した。
「厨房は戦場だ。お前ら、俺の指示に寸分の狂いもなく従え。いいな?」
その時の俺の目は、きっとファミレスの鬼店長と全く同じ目をしていたに違いない。
***
そこからの俺は、まさに水を得た魚、いや、厨房を得た鬼店長だった。
「リリアーナ! 砂糖と塩を間違えるな、アホ! 白い方が砂糖だ、覚えとけ!」
「そこの男子! ジャガイモの皮はそんなに厚く剥くんじゃない! 食うとこがなくなるだろうが!」
「卵を割る時は片手でやれ、片手で! 時間は有限なんだぞ!」
俺の的確で、しかし容赦のない指示が、厨房(と化した教室)に響き渡る。
最初は俺の豹変ぶりに戸惑っていたクラスメイトたちも、俺の作り出す未知の美味を前にして、次々とその瞳に尊敬の光を宿し始めた。
俺は次々と、前世の料理知識をこの世界に解き放っていった。
見た目も華やかなフルーツパフェ。チーズがとろける熱々のグラタン。外はサクサク、中はジューシーなフライドチキン。
教室はいつしか、幸せな匂いと、クラスメイトたちの恍惚としたため息で満たされていた。
そして、運命の創星祭当日。
俺たちの『癒しのマンドラゴラ亭』は、開場と同時に伝説を作った。
ガクという謎の天才シェフがいるらしいという噂がどこからともなく広まり、極寒の屋外で待つことすら厭わない客たちによって、店の前には瞬く間に長蛇の列ができたのだ。
レオは、慣れない執事服でぎこちなく、しかし完璧な所作で客を席へと案内している。
厨房では、俺が戦場の指揮官のように指示を飛ばし続けている。
「オーダー! オムライススリー、グラタンツー、入りました!」
「ウィ、シェフ!」
クラスメイトたちの連携も完璧だ。
そんな戦場のような厨房の片隅、食材の入った木箱の陰に、俺の相棒――黒犬のクロが、誰にも見つからないように小さくなって潜んでいた。
「……よし、よく我慢してるな、クロ」
俺は調理の合間、誰にも見えない一瞬の隙をついて、焼きあがったばかりの最高級ローストビーフの端切れを、そっとクロの口元へ放った。
ぱくっ。
クロは見事な反射神経でそれを空中でキャッチし、音もなく咀嚼すると、至福の表情で「くぅん」と小さく喉を鳴らした。
(お前も、俺たちのチームの一員だからな。しっかり食って、英気を養っとけよ)
俺は相棒の頭を撫でる代わりに、ウインクを一つ飛ばすと、再びフライパンを振るった。
その、喧騒の真っ只中で。
学園のもう一方の会場でもまた、もう一つの伝説が生まれようとしていた。
「さあ、出ました! 本日の決勝戦! 連戦連勝、向かうところ敵なし! その右腕はオリハルコンでできているとの噂も! 一年A組、『紅の猛獣』アンナ・フォン・シュバルツ選手の登場だーっ!」
実況の絶叫に近い声が、特設リングに響き渡る。
観客席は、アンナの人間離れした強さを見ようと集まった野次馬で超満員だ。
「対するは! この男! 我が校が誇る、歩く城壁! ラグビー部主将にして、三年連続『ミスター・マッスル』の栄冠に輝く、ゴーレム・マッスル先輩だーっ!」
アンナの前に座る男は、もはや人間というより、小型のトロールに近かった。
ゴングが鳴り響く。二つの腕が、がっしりと組まれた。
「レディー、ゴーッ!」
マッスル先輩の腕に、青筋がみしみしと浮かび上がる。
だが。
アンナの表情は、涼しいままだった。
そして、彼女はぽつりと呟いた。
「――遅い」
次の瞬間。
バキイイイイイイイイイイイインッッ!!!!
マッスル先輩の丸太のような腕が、いとも簡単に台に叩きつけられた。あまりの衝撃に、頑丈なはずの鉄製の台がひしゃげている。
しーん。
会場が静まり返る。そしてワンテンポ遅れて、割れんばかりの大歓声が巻き起こった。
「うおおおおおおおおおおっ! 勝った! アンナが、勝ったぞおおおっ!」
こうして、アンナ・フォン・シュバルツは「筋肉の頂点」に立ち、その武勇を学園史に永遠に刻みつけたのだった。
***
その日の夜。
俺たちのクラスは、打ち上げのパーティーを開いていた。
メイド喫茶の売上は、ぶっちぎりの学年トップ。クラスは見事、総合優勝を果たしたのだ。
教室では、クラスメイトたちが俺とアンナを「英雄」と讃え、胴上げしてくれた。
一人は「料理の英雄」。もう一人は「筋肉の英雄」。実に奇妙な二人の英雄だった。
レオはといえば、完璧な会計報告書をクラス委員長に提出した後、「合理的で、素晴らしい結果だった」と満足げに呟き、そのまま机に突っ伏して眠ってしまった。その安らかな寝顔は、まるで全てをやり遂げた勇者のようだった。
俺は自分のコートを、そっと彼の肩にかけてやった。
アンナがそれを見て、にっと笑う。
窓の外では、創星祭の終わりを告げる、真冬の打ち上げ花火が、凍てつく夜空を美しく彩り始めていた。
ヒュルルルル、と空に昇っていく光。
そして、ドーン! と夜空に咲く、色とりどりの大輪の花。
澄み切った冬の空気の中で、花火の光は夏よりも一層鮮やかに、そして鋭く輝いて見えた。
俺たちは三人で窓際に並び、その幻想的な光景をただ黙って見上げていた。
足元には、いつの間にか厨房から出てきたクロが、満腹で満足そうに俺の足に寄りかかって座っている。
やかましくて、
ドタバタで、
トラブル続きで、
でも、どうしようもなく楽しくて、
そして、かけがえのない一日だった。
この幸せな時間が、ずっと、ずっと続けばいい。
俺は、夜空に咲いては消える儚い光の花を見上げながら、心の底からそう願っていた。
この平和な日常のすぐ裏側に、新たなシリアスな事件の影が忍び寄っていることなど、まだ知る由もなかった。
今はただ、この最高の仲間たちと過ごす、最高の思い出を胸に刻むだけだった。
俺たち三人は、それぞれの秘密と成長を共有し、仲間としての絆をより一層、深く、強く結びつけていた。
季節は、騒がしかった年末年始を過ぎ、寒さが最もその牙を剥く、一月の終わり。
朝の空気は、肌を刺すように痛く、鋭い。寮の窓ガラスは、毎朝、分厚い氷の結晶で覆われ、外の世界を白く閉ざしている。学園の庭には、降り積もった雪が根雪となって残り、木々の黒々とした枝には、氷柱(つらら)がシャンデリアのようにぶら下がっていた。
そんな、全てが凍てつき、静まり返った極寒の季節の中で、唯一、マグマのような熱気に満ち溢れている場所があった。
国立アステリア魔法学園。
そう、この学園の創立を記念する年に一度の祭典――「創星祭」が、間近に迫っていたのだ。
学園全体が、どこか浮き足立ち、そわそわとした空気に包まれている。放課後の廊下では、生徒たちが資材を運んだり、衣装を縫ったり、魔法で看板を描いたりと、準備に余念がない。凍てつくような外気とは裏腹に、校舎内は生徒たちの熱気と、塗料の匂いと、時折聞こえる小さな爆発音(大抵は魔法薬学部の仕業だ)が混じり合い、独特の、混沌とした祝祭前夜の雰囲気を醸し出していた。
そして、俺たち一年A組の教室もまた、その混沌の渦中にあった。
「――というわけで、多数決の結果、我が一年A組の出し物は、『メイド喫茶・癒しのマンドラゴラ亭』に決定しましたー!」
クラス委員長の、明るく、しかしどこか諦観を滲ませた声が、教室に響き渡る。
その瞬間、教室の女子生徒たちから、「きゃああああ!」という、黄色い歓声が上がった。
「メイド服! あの、フリフリの、可愛いメイド服が着れるのね!」
「私、絶対似合うと思う!」
一方、男子生徒たちは、微妙な表情で顔を見合わせている。
「メイド喫茶ってことは、俺たちは、執事の格好か?」
「まあ、女子が喜ぶなら、それでいいんじゃないか」
そんな、甘酸っぱい青春の空気の中、二つの不協和音が、高らかに鳴り響いた。
まず、一つ目。
「断固、拒否するわッ!!」
ガタァン! と、椅子を蹴り倒す勢いで立ち上がったのは、もちろん、アンナ・フォン・シュバルツだった。
「な、なによ、その、悪魔の拘束具みたいな名前の店は! ていうか、メイド服!? あんな、ひらひら、ふりふりした、戦闘にも訓練にも全く適さない非合理的な布切れを、この私が、着れるわけないでしょ!」
彼女は、燃えるような赤い髪を逆立て、クラス委員長に詰め寄っている。その剣幕は、もはや出し物のボイコットというより、革命前夜の闘士のそれだった。
そして、二つ目の不協和音。
「全くもって、非合理的だ」
腕を組み、深々とため息をついたのは、もちろん、レオナルド・ヘーゼンバーグだった。
「そもそも、メイド喫茶という業態そのものが、飲食サービスの提供という本来の目的から逸脱し、『萌え』という、極めて曖昧で数値化不可能な付加価値に依存している。その上、男子生徒が執事服を着ることによる接客効率の向上は、統計的に証明されていない。これは、単なるお祭り気分に浮かされた、集団的ヒステリーに他ならない」
彼はいつも通り、小難しい理屈をこねくり回して、この決定を学術的な見地から批判している。
クラスの、ほんわかとした青春の空気は、この二人によって見事にぶち壊された。
俺はといえば、そんな二人を眺めながら、ただただ頭を抱えていた。
(なんで、よりにもよって、メイド喫茶なんだよ……)
俺の前世の記憶が、警鐘を鳴らす。
メイド喫茶。それは、客に「萌え」を提供する聖域。そこには、完璧に計算された所作と、寸分の狂いもない笑顔、そして客を「ご主人様」として崇め奉る、徹底したプロ意識が求められる。
果たして、この脳筋戦闘狂と、理屈屋のインテリオタクに、それが可能なのだろうか。
いや、無理だ。断じて無理だ。
俺の脳裏には、メイド服を着て仁王立ちで客を睨みつけるアンナと、執事服を着て客に「あなたのご注文はカロリー過多で、栄養バランスの観点から著しく非合理的です」などと説教を垂れるレオの姿が、ありありと浮かんでいた。
地獄絵図だ。
俺は、この、俺たちのクラスの未来に、深く、深く絶望したのだった。
***
準備期間は、まさに混沌と波乱の連続だった。
まず、最初の議題となったのは、アンナのメイド服問題だ。
「だから、嫌なものは嫌なの! こんな、敵に捕まってくださいって言ってるような、無防備な服、着れるもんですか!」
試着用の、黒と白の実に可愛らしいメイド服を前に、アンナはまるで魔王でも召喚されたかのように後ずさっている。
「そんなこと言わないで、アンナ! 絶対似合うから!」
「そうよ! アンナのその赤い髪に、黒いメイド服、絶対可愛いって!」
クラスの女子たちが、あの手この手でアンナを説得しようとするが、彼女は頑として首を縦に振らない。
「うるさいうるさい! こんなリボンとかレースとか、私の筋肉が拒否反応を示してるのよ!」
業を煮やした女子数人が、「こうなったら、力づくよ!」と、アンナにメイド服を着せようと試みるが、結果は火に油を注いだだけだった。
「離しなさい! この、悪魔の使いどもめが!」
アンナは、軽々と女子生徒たちを振りほどき、あろうことか、試着用のメイド服を、びりびりと音を立てて引き裂いてしまったのだ。
「あーーーーっ! クラスの大事な備品が!」
女子生徒たちの悲痛な叫び声。教室はまさに、阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
結局、この問題は、クラス委員長が名案(?)を思いついたことで、一応の解決を見た。
「わ、わかりました! アンナさんは、メイド服を着なくてもいいです! その代わり、その有り余るパワーを、クラスのために別の形で役立てていただきたいのです!」
クラス委員長が、アンナに差し出したのは、一枚のポスターだった。
そこには、筋肉隆々の男たちが腕を組む、いかにも暑苦しいイラストと共に、こう書かれていた。
『創星祭特別企画! 第一回・チキチキ! アームレスリング最強王座決定戦! 男女参加者、求む! 優勝賞品は、学園食堂一年間無料パス!』
「……!」
アンナの目が、きらりと輝いた。
「腕相撲、大会……」
「はい! アンナさんの、その王国最強クラスの腕力があれば、優勝も夢ではありません! そして優勝すれば、クラスの名誉もぐんと上がります! どうでしょう!」
「……乗ったわ」
アンナは、にやりと肉食獣の笑みを浮かべた。
こうして、アンナはメイド服の呪縛から解放され、代わりにクラスの代表として、「筋肉の祭典」へとその闘志を燃やすことになったのである。めでたし、めでたし(?)。
一方、レオはといえば、あっさりと執事服を着ることを承諾した。
「ふん。非合理的であることに変わりはないが、クラスの一員として課せられた義務を放棄するのは、僕の主義に反する」
などともっともらしい理由をつけていたが、本当はアンナの暴走を見て、「ここで自分が逆らったら、さらに面倒なことになる」と、冷静に判断しただけだろう。実に彼らしい。
だが、彼にも試練が待っていた。
「まあ、レオ様! なんてお似合いなのでしょう!」
「素敵! まるで本物の貴族の執事みたい!」
仕立てられた完璧なサイズの執事服に身を包んだレオの姿に、クラスの女子たちが黄色い声を上げたのだ。
確かに、ひょろりとしているが手足の長いレオに、細身の執事服は驚くほど似合っていた。いつもはどこか浮世離れした学者のような彼が、途端にミステリアスで影のある美形の執事に見えるのだから、不思議なものだ。
「なっ」
レオは女子生徒たちに囲まれ、どうしていいか分からず顔を真っ赤にしていた。
「ひ、非合理的だ! 僕の容姿を褒めたところで、君たちの内申点には何一つ影響はないぞ!」
そんな彼の的外れな反論が、さらに女子たちの心をくすぐったのは言うまでもない。
そして、最大の、そして最も絶望的な問題が発生した。
料理だ。
メイド喫茶の生命線とも言える、料理。
クラスで料理が得意だと名乗り出たのは、リリアーナという、おっとりとした雰囲気の貴族のお嬢様だった。
「わたくし、お菓子作りには少しだけ自信がありますの。皆様の舌を楽しませてみせますわ。おーっほっほっほ」
彼女はそう言って、自信満々で試作品のクッキーを俺たちの前に並べた。
そのクッキーは、見た目は完璧だった。綺麗なキツネ色に焼き上がり、形も星やハートなど実に可愛らしい。
だが。
俺たちがそのクッキーを一口、口に入れた瞬間。
教室は静まり返った。そして次の瞬間、あちこちから呻き声と悲鳴が上がった。
「か、かかか、固い! なんだ、このダイヤモンド並の硬度は!」
「し、しょっぱい! なんでクッキーが、岩塩を直接かじったみたいにしょっぱいんだ!」
「さ、砂の味がする!」
そう、リリアーナ嬢の作る料理は、「見た目は天国、味は地獄」という世にも恐ろしい代物だったのである。
このままでは、俺たちの『癒しのマンドラゴラ亭』は、『恐怖のポイズン食堂』として学園史に悪名を轟かせることになる。
クラス中が重苦しい沈黙に包まれた、その時だった。
俺は、静かに立ち上がった。
俺の脳裏には、前世の記憶が鮮やかに蘇っていた。高校時代、ファミレスの厨房で三年間のバイトに明け暮れた、あの戦場のような日々が。
「――貸してみろ」
俺は、リリアーナ嬢から泡立て器とボールを無言で受け取った。
そして、エプロンを締めながら、クラスメイトたちに宣言した。
「厨房は戦場だ。お前ら、俺の指示に寸分の狂いもなく従え。いいな?」
その時の俺の目は、きっとファミレスの鬼店長と全く同じ目をしていたに違いない。
***
そこからの俺は、まさに水を得た魚、いや、厨房を得た鬼店長だった。
「リリアーナ! 砂糖と塩を間違えるな、アホ! 白い方が砂糖だ、覚えとけ!」
「そこの男子! ジャガイモの皮はそんなに厚く剥くんじゃない! 食うとこがなくなるだろうが!」
「卵を割る時は片手でやれ、片手で! 時間は有限なんだぞ!」
俺の的確で、しかし容赦のない指示が、厨房(と化した教室)に響き渡る。
最初は俺の豹変ぶりに戸惑っていたクラスメイトたちも、俺の作り出す未知の美味を前にして、次々とその瞳に尊敬の光を宿し始めた。
俺は次々と、前世の料理知識をこの世界に解き放っていった。
見た目も華やかなフルーツパフェ。チーズがとろける熱々のグラタン。外はサクサク、中はジューシーなフライドチキン。
教室はいつしか、幸せな匂いと、クラスメイトたちの恍惚としたため息で満たされていた。
そして、運命の創星祭当日。
俺たちの『癒しのマンドラゴラ亭』は、開場と同時に伝説を作った。
ガクという謎の天才シェフがいるらしいという噂がどこからともなく広まり、極寒の屋外で待つことすら厭わない客たちによって、店の前には瞬く間に長蛇の列ができたのだ。
レオは、慣れない執事服でぎこちなく、しかし完璧な所作で客を席へと案内している。
厨房では、俺が戦場の指揮官のように指示を飛ばし続けている。
「オーダー! オムライススリー、グラタンツー、入りました!」
「ウィ、シェフ!」
クラスメイトたちの連携も完璧だ。
そんな戦場のような厨房の片隅、食材の入った木箱の陰に、俺の相棒――黒犬のクロが、誰にも見つからないように小さくなって潜んでいた。
「……よし、よく我慢してるな、クロ」
俺は調理の合間、誰にも見えない一瞬の隙をついて、焼きあがったばかりの最高級ローストビーフの端切れを、そっとクロの口元へ放った。
ぱくっ。
クロは見事な反射神経でそれを空中でキャッチし、音もなく咀嚼すると、至福の表情で「くぅん」と小さく喉を鳴らした。
(お前も、俺たちのチームの一員だからな。しっかり食って、英気を養っとけよ)
俺は相棒の頭を撫でる代わりに、ウインクを一つ飛ばすと、再びフライパンを振るった。
その、喧騒の真っ只中で。
学園のもう一方の会場でもまた、もう一つの伝説が生まれようとしていた。
「さあ、出ました! 本日の決勝戦! 連戦連勝、向かうところ敵なし! その右腕はオリハルコンでできているとの噂も! 一年A組、『紅の猛獣』アンナ・フォン・シュバルツ選手の登場だーっ!」
実況の絶叫に近い声が、特設リングに響き渡る。
観客席は、アンナの人間離れした強さを見ようと集まった野次馬で超満員だ。
「対するは! この男! 我が校が誇る、歩く城壁! ラグビー部主将にして、三年連続『ミスター・マッスル』の栄冠に輝く、ゴーレム・マッスル先輩だーっ!」
アンナの前に座る男は、もはや人間というより、小型のトロールに近かった。
ゴングが鳴り響く。二つの腕が、がっしりと組まれた。
「レディー、ゴーッ!」
マッスル先輩の腕に、青筋がみしみしと浮かび上がる。
だが。
アンナの表情は、涼しいままだった。
そして、彼女はぽつりと呟いた。
「――遅い」
次の瞬間。
バキイイイイイイイイイイイインッッ!!!!
マッスル先輩の丸太のような腕が、いとも簡単に台に叩きつけられた。あまりの衝撃に、頑丈なはずの鉄製の台がひしゃげている。
しーん。
会場が静まり返る。そしてワンテンポ遅れて、割れんばかりの大歓声が巻き起こった。
「うおおおおおおおおおおっ! 勝った! アンナが、勝ったぞおおおっ!」
こうして、アンナ・フォン・シュバルツは「筋肉の頂点」に立ち、その武勇を学園史に永遠に刻みつけたのだった。
***
その日の夜。
俺たちのクラスは、打ち上げのパーティーを開いていた。
メイド喫茶の売上は、ぶっちぎりの学年トップ。クラスは見事、総合優勝を果たしたのだ。
教室では、クラスメイトたちが俺とアンナを「英雄」と讃え、胴上げしてくれた。
一人は「料理の英雄」。もう一人は「筋肉の英雄」。実に奇妙な二人の英雄だった。
レオはといえば、完璧な会計報告書をクラス委員長に提出した後、「合理的で、素晴らしい結果だった」と満足げに呟き、そのまま机に突っ伏して眠ってしまった。その安らかな寝顔は、まるで全てをやり遂げた勇者のようだった。
俺は自分のコートを、そっと彼の肩にかけてやった。
アンナがそれを見て、にっと笑う。
窓の外では、創星祭の終わりを告げる、真冬の打ち上げ花火が、凍てつく夜空を美しく彩り始めていた。
ヒュルルルル、と空に昇っていく光。
そして、ドーン! と夜空に咲く、色とりどりの大輪の花。
澄み切った冬の空気の中で、花火の光は夏よりも一層鮮やかに、そして鋭く輝いて見えた。
俺たちは三人で窓際に並び、その幻想的な光景をただ黙って見上げていた。
足元には、いつの間にか厨房から出てきたクロが、満腹で満足そうに俺の足に寄りかかって座っている。
やかましくて、
ドタバタで、
トラブル続きで、
でも、どうしようもなく楽しくて、
そして、かけがえのない一日だった。
この幸せな時間が、ずっと、ずっと続けばいい。
俺は、夜空に咲いては消える儚い光の花を見上げながら、心の底からそう願っていた。
この平和な日常のすぐ裏側に、新たなシリアスな事件の影が忍び寄っていることなど、まだ知る由もなかった。
今はただ、この最高の仲間たちと過ごす、最高の思い出を胸に刻むだけだった。
223
あなたにおすすめの小説
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。
神様、ありがとう! 2度目の人生は破滅経験者として
たぬきち25番
ファンタジー
流されるままに生きたノルン伯爵家の領主レオナルドは貢いだ女性に捨てられ、領政に失敗、全てを失い26年の生涯を自らの手で終えたはずだった。
だが――気が付くと時間が巻き戻っていた。
一度目では騙されて振られた。
さらに自分の力不足で全てを失った。
だが過去を知っている今、もうみじめな思いはしたくない。
※他サイト様にも公開しております。
※※皆様、ありがとう! HOTランキング1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※
※※皆様、ありがとう! 完結ランキング(ファンタジー・SF部門)1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる