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師弟編
第3話 あれ?俺、弱くね?
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3歳になった。
相変わらず俺は孤児院で生活している。
ここでの生活もだいぶ慣れてきた。
朝は前世でいう鶏に似た動物の鳴き声で起床し、そこから孤児院内の清掃を行う。
その後、孤児院の資金ともなるパン作り。これは俺達孤児の朝食にもなる。
朝食が終わると7歳~10歳くらいの子供は街にパンを売りに行く。
残った俺達のような幼子は、彼らが帰ってくるまで読み書きといった生活に必要な教育を受けるのだ。
彼らが帰ってくると今度は皆でこの世界の歴史等の教育を受ける。
そして昼食が終わると皆で街の掃除にでかけ、夕方頃に帰宅し夕食後明日のパン作りの仕込みを行い、日の入りと共に就寝となる。
前世の記憶があるため、俺は理解が非常に早く、孤児院のシスター達、また勉強を教えてくれる先生達からは神童と呼ばれる一方……微妙に気味悪がられている。
かといって子供っぽく振舞うとあざとさがでるのかそれはそれで気味悪がられる。
どうすればいいんでしょうか、教えてくれる先生はいません。
あ、そうそう、先生から聞いた話なのだが魔力は大体平均して3歳ごろから発現するらしい。
ここにいる孤児は全員併せて20人程。そのうち俺と同じく3歳の子が3人いるのだが、俺以外の全員が既に魔力を発現している。
発現すると1週間程高熱が出た後に全身に魔力が薄く張り巡らされる。
これは目に見えるものではなく、高位の魔術師なんか感知できるものらしい。
この孤児院のシスターが昔は中々高名な魔術師だったらしく、感知ができるみたいで発現の有無を確かめてくれる。
今ではでっぷりとしたオカンスタイルだが昔はスタイルもよく、なにより美人だったらしい。
あくまで本人談なので信じてはいないのだが……もし本当なら時の流れは残酷だ。
だが魔術師だったというのは本当らしく、何度か魔法を見せてもらった。
それは夜の闇を照らす光の球を宙に浮かせるといった、シスターに言わせれば初歩的な魔法であったのだが、転生した俺にとっては強く憧憬の念を抱かせるほどのものであった。
少し話がそれたね。
俺も一度長い間高熱が出たときに発現したかどうかをシスターに見てもらったことがあるんたが……ただの風邪だったみたいです。
余りにもショックでそこから更に3日程寝込んでしまった。女神様仕事してください。
厄介なことに全身に薄く張り巡らされた魔力というものは、身体能力向上の効果があるらしい。
この間まで俺より明らかにひ弱だったゴボー君が、魔力を発現してからというもの俺より多くのパンを運べている。
上の歳の孤児からみれば、貧弱でない見た目の俺がゴボー君より働けていないことからサボっているように見えるらしい。
おかげで3歳にして孤児院の中でのカーストが最下位なのですが。
3歳という年齢もあり、まだいじめられることはないのだが……もし、万が一これからも魔力が発現しなかったらどうなるのだろう。
俺はその時に備えて夜な夜な寝所を抜け出してトレーニングをする。
魔力がなければ魔力持ちに負けないくらいの身体能力をつければいい。
そんな、バカなことを考えていた。
7歳になった。
相変わらず魔力の発現はない。
シスターに相談しても、7歳になって魔力を発現していない子供は見たことがないそうだ。
不憫に思ったシスターは知り合いの薬師に相談してくれるらしい。
……無駄だ。
俺はそう、確信していた。
元魔術師であるシスターの言葉、そして俺が転生者であるということ、そして転生時のあの出来事。
きっと全てに関係があるのだ。
転生時、やはり俺は加護を与えられずこの世界に転生した。そして異世界から来た俺の魂ともいうべきものは、この世界の理に影響されず、魔力の発現をすることはないのだろう。
女神からのコンタクトもない。
俺は見捨てられたのだ。
そして俺は今日も街掃除に出かける。魔力が発現してから攻撃的になったゴボーと共に。
俺の心模様を映し出したかのような曇天であった。
俺達はいつもの様に街へ出かけ……るふりをして孤児院から街へと続く道のわきにある小さな森へ連れていかれる。
そこで一方的に殴られた。
彼曰くサボる俺への『教育』らしい。
3歳から毎日このような状況を見越してトレーニングを続けてきた。
……だが無駄だった。
魔力により強化された身体は、毎日豆がつぶれる程鍛えてきた俺の身体を簡単に凌駕する。
あぁ……。
ゴボーの笑う声が聞こえる。
7歳児らしからぬ醜悪な声だ。
どのくらいの時間が経ったのだろう。
ゴボーの気が納まったのか開放される。
「シスターにチクったら次は殺すからな!」
ゴボーはそう言い残すと逃げるように去っていく。
俺は仰向けのまま空を見上げる。
雨が降ってきた。
最初は小降りであったが、徐々に勢いを増し、大雨となる。
俺の目に貯まるのは雨だろうか……それとも涙?
惨めだった。
この世界で人生をやり直せる。
そう思ってこれまで7年という期間を生きてきた。
だが結果は同じだった。
本気で生きようと思ったところで俺の人生は俺の力の及ばぬところで捻じ曲げられ、歪んでいく。
俺という存在はたとえ世界が変わって転生したとしても同じ道を辿る運命なのかもしれない。
雨の音に紛れて誰かが近づいてくる足音がする。
ゴボーが俺の生死を確かめに戻ってきたか?
その足音の主は雨によってできた泥の中倒れている俺の前に立ち、俺を見下ろす。
……誰だ?
風貌からしてゴボーと一致しない。……大人だ。
「お主が魔力無しのシリウスか?」
この日、俺は俺の人生を変える最高の師と邂逅する。
相変わらず俺は孤児院で生活している。
ここでの生活もだいぶ慣れてきた。
朝は前世でいう鶏に似た動物の鳴き声で起床し、そこから孤児院内の清掃を行う。
その後、孤児院の資金ともなるパン作り。これは俺達孤児の朝食にもなる。
朝食が終わると7歳~10歳くらいの子供は街にパンを売りに行く。
残った俺達のような幼子は、彼らが帰ってくるまで読み書きといった生活に必要な教育を受けるのだ。
彼らが帰ってくると今度は皆でこの世界の歴史等の教育を受ける。
そして昼食が終わると皆で街の掃除にでかけ、夕方頃に帰宅し夕食後明日のパン作りの仕込みを行い、日の入りと共に就寝となる。
前世の記憶があるため、俺は理解が非常に早く、孤児院のシスター達、また勉強を教えてくれる先生達からは神童と呼ばれる一方……微妙に気味悪がられている。
かといって子供っぽく振舞うとあざとさがでるのかそれはそれで気味悪がられる。
どうすればいいんでしょうか、教えてくれる先生はいません。
あ、そうそう、先生から聞いた話なのだが魔力は大体平均して3歳ごろから発現するらしい。
ここにいる孤児は全員併せて20人程。そのうち俺と同じく3歳の子が3人いるのだが、俺以外の全員が既に魔力を発現している。
発現すると1週間程高熱が出た後に全身に魔力が薄く張り巡らされる。
これは目に見えるものではなく、高位の魔術師なんか感知できるものらしい。
この孤児院のシスターが昔は中々高名な魔術師だったらしく、感知ができるみたいで発現の有無を確かめてくれる。
今ではでっぷりとしたオカンスタイルだが昔はスタイルもよく、なにより美人だったらしい。
あくまで本人談なので信じてはいないのだが……もし本当なら時の流れは残酷だ。
だが魔術師だったというのは本当らしく、何度か魔法を見せてもらった。
それは夜の闇を照らす光の球を宙に浮かせるといった、シスターに言わせれば初歩的な魔法であったのだが、転生した俺にとっては強く憧憬の念を抱かせるほどのものであった。
少し話がそれたね。
俺も一度長い間高熱が出たときに発現したかどうかをシスターに見てもらったことがあるんたが……ただの風邪だったみたいです。
余りにもショックでそこから更に3日程寝込んでしまった。女神様仕事してください。
厄介なことに全身に薄く張り巡らされた魔力というものは、身体能力向上の効果があるらしい。
この間まで俺より明らかにひ弱だったゴボー君が、魔力を発現してからというもの俺より多くのパンを運べている。
上の歳の孤児からみれば、貧弱でない見た目の俺がゴボー君より働けていないことからサボっているように見えるらしい。
おかげで3歳にして孤児院の中でのカーストが最下位なのですが。
3歳という年齢もあり、まだいじめられることはないのだが……もし、万が一これからも魔力が発現しなかったらどうなるのだろう。
俺はその時に備えて夜な夜な寝所を抜け出してトレーニングをする。
魔力がなければ魔力持ちに負けないくらいの身体能力をつければいい。
そんな、バカなことを考えていた。
7歳になった。
相変わらず魔力の発現はない。
シスターに相談しても、7歳になって魔力を発現していない子供は見たことがないそうだ。
不憫に思ったシスターは知り合いの薬師に相談してくれるらしい。
……無駄だ。
俺はそう、確信していた。
元魔術師であるシスターの言葉、そして俺が転生者であるということ、そして転生時のあの出来事。
きっと全てに関係があるのだ。
転生時、やはり俺は加護を与えられずこの世界に転生した。そして異世界から来た俺の魂ともいうべきものは、この世界の理に影響されず、魔力の発現をすることはないのだろう。
女神からのコンタクトもない。
俺は見捨てられたのだ。
そして俺は今日も街掃除に出かける。魔力が発現してから攻撃的になったゴボーと共に。
俺の心模様を映し出したかのような曇天であった。
俺達はいつもの様に街へ出かけ……るふりをして孤児院から街へと続く道のわきにある小さな森へ連れていかれる。
そこで一方的に殴られた。
彼曰くサボる俺への『教育』らしい。
3歳から毎日このような状況を見越してトレーニングを続けてきた。
……だが無駄だった。
魔力により強化された身体は、毎日豆がつぶれる程鍛えてきた俺の身体を簡単に凌駕する。
あぁ……。
ゴボーの笑う声が聞こえる。
7歳児らしからぬ醜悪な声だ。
どのくらいの時間が経ったのだろう。
ゴボーの気が納まったのか開放される。
「シスターにチクったら次は殺すからな!」
ゴボーはそう言い残すと逃げるように去っていく。
俺は仰向けのまま空を見上げる。
雨が降ってきた。
最初は小降りであったが、徐々に勢いを増し、大雨となる。
俺の目に貯まるのは雨だろうか……それとも涙?
惨めだった。
この世界で人生をやり直せる。
そう思ってこれまで7年という期間を生きてきた。
だが結果は同じだった。
本気で生きようと思ったところで俺の人生は俺の力の及ばぬところで捻じ曲げられ、歪んでいく。
俺という存在はたとえ世界が変わって転生したとしても同じ道を辿る運命なのかもしれない。
雨の音に紛れて誰かが近づいてくる足音がする。
ゴボーが俺の生死を確かめに戻ってきたか?
その足音の主は雨によってできた泥の中倒れている俺の前に立ち、俺を見下ろす。
……誰だ?
風貌からしてゴボーと一致しない。……大人だ。
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この日、俺は俺の人生を変える最高の師と邂逅する。
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