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師弟編
第21話 俺が強くなる方程式は・・・決まった!
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俺はティアドラが淹れてくれた茶を啜る。
どこか緑茶に似ている。
「ふむ・・・原液を飲むことで身体能力が飛躍的に上がった、か。」
ティアドラはこめかみに指を当てて考える。
「正直な話、考えていなかったわけではない。お主は魔力に影響されない体を持っておる、つまりそれは薬の効果をノーリスクで享受できるということ・・・魔力の多寡に関わらず、な。」
俺はあの遺跡で起こったことの全てを説明した。
薬の純度が高ければ効果も高くなるという俺の予想も。
「お主の考え、恐らく正しい。薄めるのに必要な水にも魔力は含まれる。強力な魔力を秘めた薬に別の魔力が混じるのじゃ・・・効果が薄くなっても不思議なことではない。」
そう言いながらティアドラはチョークを手に取り、黒板に向かう。
縦横に上方向、右方向の矢印を引き、右矢印の端に『魔力濃度』、上矢印の端に『効果量』と記載する。
そして2つの矢印の交点を原点とする右肩上がりの線を引いた。
元の世界でよく見た、数学の比例のグラフだ。
「おそらくじゃが・・・本来薬の魔力濃度と薬としての効果量は比例関係にある、このようにな。水によって魔力の濃度が下がるに従い、効果量も下がっていく。じゃが・・・実際には水が持つ魔力が混ざることによる阻害効果も加わる。」
先ほどのグラフ内の比例の直線を指でこすって消し、今度は2つの矢印を原点とする右肩上がりの放物線を書く。
「・・・こんな感じかの。水を混ぜることで濃度が薄まると共に魔力の阻害効果により、相乗的に効果が下がっていく・・・という感じじゃな。」
カツカツとチョークを走らせ、先ほど書いた曲線の勾配を大きくした曲線を書いた。
そして下側の曲線に星1つ、上側の曲線に星2つの印を書く。
「そしてこれが星1つの薬と星2つの薬の関係性じゃな。星の数に関わらず水を混ぜると同じように効果も薄まる、じゃが本来の持つ素材の効果量が高いから同じ濃度まで薄めたとしても星の数が多いほうが効果量は高い、というわけじゃな。」
書き終えると彼女は自分の出した結論に納得したのか、満足気にうんうんと頷く。
「つまり・・・俺が強くなるためには・・・。」
「効果の高い薬の材料を見つけること、そして薬の純度を最大限まで高めること、じゃな。」
ティアドラ曰く、効果量の高い薬の材料はこの山にはあまり無いそうだ。当面は薬の純度を上げる方法を模索することになりそうだ。
「ま、あくまでもまだこれは机上の空論な訳じゃから実際の実験もしてみんとな。」
そう締めくくる。
なんだか・・・すごく、楽しそうだ。
薬師としての血が騒ぐのだろう。
って・・・実験?なんか嫌な予感が・・・。
「・・・実験ってどんなことするんだ?」
すると彼女は俺が言ったことが意外だったらしく驚いたような顔になる。
「そんな分かりきったことを言うでない。これからお主に薬を飲ませ続けて、人体実験じゃ!!」
「・・・・・・えーーーー!?」
まぁ確かに俺には魔力濃度の影響は受けないようだが・・・。本当に大丈夫なのかな?
「お主にもいつかは試す必要があると考えていた。お主が強くなれる可能性を秘めておったしな。・・・だが危険性が0とは言えなかった。じゃから・・・二の足を踏んでしまっていたのじゃ。」
ティアドラ・・・俺のことを思って・・・。
そう言おうとしたが彼女は言葉を続けた。
「じゃが、お主が大丈夫なことが分かった今!やらねば損ということじゃ!大丈夫、もし毒に当たっても解毒魔法をかけてやるから!」
大興奮といった様子だ。
恐らく前から試したくて仕方がなかったのだろう。
俺はガクッと肩の力が抜けた。
彼女はそんな俺に気づいたのかどうかはわからないが俺に向き直り、真面目な顔つきになる。
「よくぞ・・・よくぞ死中に活を求めた。その生き残りたいというお主の確固たる意志が、お主に生きる道、強くなる道をつかみ取ったのじゃ。これは誰にでも出来ることではない。」
・・・なんだかむず痒い。
ベネラの時もそうだが、前の世界から俺は人に褒められ慣れていない。
こんな時どんな顔をすればいいのか、どんなことを言えばいいかわからないのだ。
「そんなお主を弟子に持ったこと、ワシは誇りに思うよ。」
・・・俺も、ティアドラが師匠でいることが誇らしいです。
そう言おうと思うのだが、恥ずかしさから声が出てこない。
彼女はそんな俺を見るとニヤリと笑う。
「フフフフフ・・・。さて、それでは・・・早速実験を始めるとするかの!」
彼女はスキップをしながら家のいろんなところから薬をかき集めてくる。
よっぽど楽しみなのだろう。
ってかお菓子以外にもいろいろと隠し物をしていたんですね。
あ・・・そんなところにも薬隠してたんですね。盲点でした。
え?そんなところから薬?大丈夫なのか・・・それ。
ん?・・・その薬、色おかしくないですか?
今度からそのあたりも掃除することにしよう。
俺はその日、ティアドラから片っ端から薬を飲まされる。
おかげでその日からしばらく俺は頻尿に悩まされることになる。
どこか緑茶に似ている。
「ふむ・・・原液を飲むことで身体能力が飛躍的に上がった、か。」
ティアドラはこめかみに指を当てて考える。
「正直な話、考えていなかったわけではない。お主は魔力に影響されない体を持っておる、つまりそれは薬の効果をノーリスクで享受できるということ・・・魔力の多寡に関わらず、な。」
俺はあの遺跡で起こったことの全てを説明した。
薬の純度が高ければ効果も高くなるという俺の予想も。
「お主の考え、恐らく正しい。薄めるのに必要な水にも魔力は含まれる。強力な魔力を秘めた薬に別の魔力が混じるのじゃ・・・効果が薄くなっても不思議なことではない。」
そう言いながらティアドラはチョークを手に取り、黒板に向かう。
縦横に上方向、右方向の矢印を引き、右矢印の端に『魔力濃度』、上矢印の端に『効果量』と記載する。
そして2つの矢印の交点を原点とする右肩上がりの線を引いた。
元の世界でよく見た、数学の比例のグラフだ。
「おそらくじゃが・・・本来薬の魔力濃度と薬としての効果量は比例関係にある、このようにな。水によって魔力の濃度が下がるに従い、効果量も下がっていく。じゃが・・・実際には水が持つ魔力が混ざることによる阻害効果も加わる。」
先ほどのグラフ内の比例の直線を指でこすって消し、今度は2つの矢印を原点とする右肩上がりの放物線を書く。
「・・・こんな感じかの。水を混ぜることで濃度が薄まると共に魔力の阻害効果により、相乗的に効果が下がっていく・・・という感じじゃな。」
カツカツとチョークを走らせ、先ほど書いた曲線の勾配を大きくした曲線を書いた。
そして下側の曲線に星1つ、上側の曲線に星2つの印を書く。
「そしてこれが星1つの薬と星2つの薬の関係性じゃな。星の数に関わらず水を混ぜると同じように効果も薄まる、じゃが本来の持つ素材の効果量が高いから同じ濃度まで薄めたとしても星の数が多いほうが効果量は高い、というわけじゃな。」
書き終えると彼女は自分の出した結論に納得したのか、満足気にうんうんと頷く。
「つまり・・・俺が強くなるためには・・・。」
「効果の高い薬の材料を見つけること、そして薬の純度を最大限まで高めること、じゃな。」
ティアドラ曰く、効果量の高い薬の材料はこの山にはあまり無いそうだ。当面は薬の純度を上げる方法を模索することになりそうだ。
「ま、あくまでもまだこれは机上の空論な訳じゃから実際の実験もしてみんとな。」
そう締めくくる。
なんだか・・・すごく、楽しそうだ。
薬師としての血が騒ぐのだろう。
って・・・実験?なんか嫌な予感が・・・。
「・・・実験ってどんなことするんだ?」
すると彼女は俺が言ったことが意外だったらしく驚いたような顔になる。
「そんな分かりきったことを言うでない。これからお主に薬を飲ませ続けて、人体実験じゃ!!」
「・・・・・・えーーーー!?」
まぁ確かに俺には魔力濃度の影響は受けないようだが・・・。本当に大丈夫なのかな?
「お主にもいつかは試す必要があると考えていた。お主が強くなれる可能性を秘めておったしな。・・・だが危険性が0とは言えなかった。じゃから・・・二の足を踏んでしまっていたのじゃ。」
ティアドラ・・・俺のことを思って・・・。
そう言おうとしたが彼女は言葉を続けた。
「じゃが、お主が大丈夫なことが分かった今!やらねば損ということじゃ!大丈夫、もし毒に当たっても解毒魔法をかけてやるから!」
大興奮といった様子だ。
恐らく前から試したくて仕方がなかったのだろう。
俺はガクッと肩の力が抜けた。
彼女はそんな俺に気づいたのかどうかはわからないが俺に向き直り、真面目な顔つきになる。
「よくぞ・・・よくぞ死中に活を求めた。その生き残りたいというお主の確固たる意志が、お主に生きる道、強くなる道をつかみ取ったのじゃ。これは誰にでも出来ることではない。」
・・・なんだかむず痒い。
ベネラの時もそうだが、前の世界から俺は人に褒められ慣れていない。
こんな時どんな顔をすればいいのか、どんなことを言えばいいかわからないのだ。
「そんなお主を弟子に持ったこと、ワシは誇りに思うよ。」
・・・俺も、ティアドラが師匠でいることが誇らしいです。
そう言おうと思うのだが、恥ずかしさから声が出てこない。
彼女はそんな俺を見るとニヤリと笑う。
「フフフフフ・・・。さて、それでは・・・早速実験を始めるとするかの!」
彼女はスキップをしながら家のいろんなところから薬をかき集めてくる。
よっぽど楽しみなのだろう。
ってかお菓子以外にもいろいろと隠し物をしていたんですね。
あ・・・そんなところにも薬隠してたんですね。盲点でした。
え?そんなところから薬?大丈夫なのか・・・それ。
ん?・・・その薬、色おかしくないですか?
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