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第五章 嫉妬
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「ん……♡」
緊張と羞恥で心臓がバクバクいっているのがわかる。
(柔らかくて、気持ちいい……)
薄い皮膚と皮膚が触れ合うだけなのにどうしてこんなに心地良いのだろう?
シャルヴァの唇は薄くて、でもふにふにと柔らかくていつまでも口づけていられそうだ。
グレティアは夢中になってシャルヴァの唇に吸いついた。
昨夜彼がしてくれたように、唇の隙間に舌先を差し入れ、ちろちろと舐めるとすぐに絡め取られる。
「んむ……っ♡」
ぬちぬち、と音を立てて、舌と舌が擦り合わされると、なんともいえないぞくぞくとした感覚が背筋を走り抜けた。
「ん、ふっ……♡ ちゅむ♡ んんっ♡」
口づけを交わしながら、腰から背筋を撫でられると、昨夜の激しい交わりを身体が思い出す。
身体の力が抜けていくのとともに頭の中もぼんやりとしてくる。もはや抵抗する気も起こらずシャルヴァにしがみついていると、彼の手が上着の裾から潜り込んできてグレティアの胸を直接撫でた。
「んんぅ……っ♡」
胸全体を手のひらで包まれてやわやわと揉まれる。それだけでも気持ちよくてグレティアは膝から崩れ落ちそうになった。
(だめ……)
もう立っていられない――そう思った瞬間、ふわりと身体が浮いた。
「えっ⁉」
グレティアは驚いて瞳をしばたかせた。
気がつけばカウンターの上に座らされていた。
「ちょ、ちょっと、まっ――」
慌てるグレティアを無視して、シャルヴァがグレティアの両足首を掴んで持ち上げる。
カウンターの上で大きく脚を開かされて、グレティアはさらに悲鳴を上げた。
「やっ、ぇっ、まさか、ここ、でっ……?」
「問題でも?」
にやりと笑ったシャルヴァを見て、グレティアはぞくりと戦慄めいたものを感じた。
「だめ……。へっ、部屋に……っ」
「残念。それはきいてやれないな」
シャルヴァがわざとそうしているみたいに、ゆっくりとした動作でグレティアの膝にかかっていたスカートをまくり上げた。こうなると足の間を隠すものは下穿きだけだ。
カウンターはシャルヴァのちょうど腰くらいの高さで、長身の彼からは剥き出しの足も下穿きも丸見えだろう。
「やだ、これ、はずかし、いっ……」
無言のままこちらを見つめるシャルヴァの視線に羞恥心が煽られる。
グレティアはたまらず両手で顔を覆った。
「隠すな。おまえのそういう表情はそそられる」
そう言ったシャルヴァが下穿きの上から秘裂を指でなぞった。そして、指先はそのままに布地を食い込ませるようにして上下に擦り始める。
「ひ、あっ♡ んんっ♡ あっ♡」
直接ではないとはいえシャルヴァの指の動きひとつひとつが腰が抜けそうになるほど気持ちがいい。
「やっ、あっ♡ あ、あっ、あっ♡」
長い指先が陰核を掠めるたびに目の前で星が散った。
「ひんっ♡ んっ、あっ、あっ、あぅっ♡ あぁッ♡」
時折、陰核にぐっと指先が押し込まれる。指の腹ですり潰すようにぐりぐりといじめられて、グレティアはカウンターの上で身体をしならせた。
「ん、あっ♡ あっ、あっ、あぁっ♡」
擦られるたびに下穿きの布と肌との間のぬめりが増していく。
それが恥ずかしくて、なのに気持ちがよくて、グレティアは無意識に腰を揺らしていた。
やがてシャルヴァはグレティアの腰から下穿きを抜き取った。
秘所を覆うものが完全に失われ、グレティアはあまりの羞恥から手で隠そうとした。けれど、その手もすぐにシャルヴァに絡め取られてしまう。
「見ちゃ、だめっ……」
熱い吐息が内腿にかかり、ぴくりと腰が小さく跳ねた。
「んぅっ……♡ んっ……♡」
そのまま内腿をちゅっちゅっと吸い上げられお腹の奥の疼きが強くなる。
シャルヴァは膝裏に手を滑らせてぐいっと左右にひらくようにしてきた。まるで幼児に用を足させるような格好に羞恥を覚えたものの、力での抵抗は敵うはずもない。
大きく開かされた脚のあいだにシャルヴァが顔を寄せてくる。その位置から彼がなにをしようとしているのかわかってしまって、グレティアは泣きそうになった。
「だめっ、やだっ! それはっ……」
慌てて抵抗したがすでに遅い。シャルヴァが秘所に唇を寄せたのだ。
「ひんっ♡ あぅうっ♡」
最も敏感な突起がちょんちょん♡ と舌でつつかれ、グレティアは背を反らせた。
間をあけず、熱い舌が敏感な芽をぬるぬると舐り、そうかと思えばちゅっと音を立てて吸い上げられる。
「だ、めぇっ♡ やぁっ♡ ああぁんん♡」
「――すごく濡れてるな。溢れてくる」
口に含まれたまま舌先で弄ばれると、鋭い快感に頭の中が真っ白になった。そのまま何度も繰り返し責められて、勝手にがくがくと腰が揺れてしまう。
「あっ♡ あぅ♡ やっ……そこばっかり……ッ♡」
シャルヴァは無言のまま舌を動かし続けている。何度も往復するようにして割れ目を舐めていく。
「や、やらっ♡ シャルヴァっ、やっ♡」
恥ずかしさといたたまれなさで頭がいっぱいになる。まるで子犬がするみたいに、ぺろぺろと舐められる度にグレティアの秘部はとろりと蜜をあふれさせる。
時折思い出したように唇で食まれ、身体中に電流が流れたかのような感覚に陥った。
「やぁっ、あっ♡ ああっ、んっ♡ ひぅんっ♡」
そんなに広くもない食堂に自分のはしたない喘ぎとシャルヴァが媚肉をしゃぶる音が響いている。
(きちゃう……ッ)
それはすぐそこまでやってきていた。
昨夜、散々に刻み込まれた生まれて初めての感覚。
「っふ、ふぅっ……♡」
シャルヴァが肉芽を強く吸い上げ、剥かれた先端がざりざりと舌で擦り上げられる。
「あっ、あぁっ♡ シャルっ……も、う……ッ♡」
磨き込むような動きにたまらず喉を反らした。
快楽と共に踊るような感覚が身体の奥底からせり上がってくる。しかし、その至福の境地に身を任せようとしたその瞬間――。
『ドンドンドン!』
現実が強引に目の前に現れた。
食堂の出入り口を兼ねた玄関扉が、不意に強く叩かれたのだ。
その不穏な音にグレティアはびくんと震え、扉の方を振り返った。そして、次いで聞こえてきた声はよく知っている人物のものだった。
「イーライだけど、少し話せるかな?」
その声に、心臓は急速に鼓動し、血の気が引く思いが胸に迫る。
「シャル――……」
はっとしてシャルヴァを見ると、彼はイーライの出現をむしろ面白がっているようにその口元にゆるい笑みを浮かべていた。
止める間などなかった。
彼はまるでそれをグレティアに見せつけるみたいに、長い舌を突き出し割れ目の間に沈めていく。
「っひ♡ や、ちょ、だめっ……♡ んんっ♡」
平たい舌にべろべろと舐め回されてグレティアは喉を引きつらせた。
「グレティア? いるんだろう?」
玄関扉をもう一度叩かれる中、グレティアは必死に声を抑えるのに必死だった。
もしこんな姿を見られたらどうすればいい?
グレティアの不安を余所にシャルヴァの口淫はどんどん激しさを増していく。彼の口内で強く吸われた陰核の先端が、舌でちろちろとくすぐられた。
「っひゃ♡ んんっ……♡ ん、んっ♡ やめてぇ……♡」
グレティアは咄嗟に両手で口元を覆った。
その間もシャルヴァは構わず舌を這わす。ぬめりを帯びた熱い舌が何度も赤く腫れた突起を往復した。時折舌の裏側でねっとりと舐られるのがたまらなく気持ちいい。
「んっ、ふっ、ふぅっ……♡」
強い快楽にじっとしていられず、グレティアはカウンターの上で腰をくねらせた。しかしそれは逆効果で秘裂をシャルヴァの顔に押しつける形になってしまう。
シャルヴァが唇で肉芽を挟み込み、ちゅうぅ……♡ ときつく吸い上げた。
「〰〰〰〰〰〰っ♡♡♡」
先ほど一度達しそうになったせいか、あっけなく高みに持っていかれてしまう。
扉一枚隔てた向こうにはイーライがいるというのに――。
頭の中が真っ白になり、身体ががくがくと揺れる。つま先をぐうっと伸ばし切ったまま、グレティアは絶頂感に打ち震えた。
「はぁっ……♡ シャル、ヴァ……まっ、て……イーライが……っ、んんっ♡ 兄さんになにかあったのかも……っ」
さらに追い打ちをかけるように愛撫を続けてくるシャルヴァにグレティアは懇願した。
絶頂の余韻で身体に力が入らないなりにも、なんとかシャルヴァの肩を押すと、ようやく彼は顔を上げてくれた。
「――まったくつくづく邪魔な男だな」
愛液と唾液に濡れた唇を舌で拭いながらシャルヴァが笑った。それから彼はグレティアの脇の下あたりに手を差し入れて、カウンターから降ろした。
「グレティア? 大丈夫? 返事をしてくれないか?」
時刻はまだ宵の口をすぎたくらいだ。寝ているとは思ってくれないだろう。
なおも聞こえてくるイーライの声にグレティアは必死で返事をした。
「い、いるわ……っ、今、行くから……っ」
なんとか声を出すと、扉の向こうからほっとしたような気配が伝わってきた。
緊張と羞恥で心臓がバクバクいっているのがわかる。
(柔らかくて、気持ちいい……)
薄い皮膚と皮膚が触れ合うだけなのにどうしてこんなに心地良いのだろう?
シャルヴァの唇は薄くて、でもふにふにと柔らかくていつまでも口づけていられそうだ。
グレティアは夢中になってシャルヴァの唇に吸いついた。
昨夜彼がしてくれたように、唇の隙間に舌先を差し入れ、ちろちろと舐めるとすぐに絡め取られる。
「んむ……っ♡」
ぬちぬち、と音を立てて、舌と舌が擦り合わされると、なんともいえないぞくぞくとした感覚が背筋を走り抜けた。
「ん、ふっ……♡ ちゅむ♡ んんっ♡」
口づけを交わしながら、腰から背筋を撫でられると、昨夜の激しい交わりを身体が思い出す。
身体の力が抜けていくのとともに頭の中もぼんやりとしてくる。もはや抵抗する気も起こらずシャルヴァにしがみついていると、彼の手が上着の裾から潜り込んできてグレティアの胸を直接撫でた。
「んんぅ……っ♡」
胸全体を手のひらで包まれてやわやわと揉まれる。それだけでも気持ちよくてグレティアは膝から崩れ落ちそうになった。
(だめ……)
もう立っていられない――そう思った瞬間、ふわりと身体が浮いた。
「えっ⁉」
グレティアは驚いて瞳をしばたかせた。
気がつけばカウンターの上に座らされていた。
「ちょ、ちょっと、まっ――」
慌てるグレティアを無視して、シャルヴァがグレティアの両足首を掴んで持ち上げる。
カウンターの上で大きく脚を開かされて、グレティアはさらに悲鳴を上げた。
「やっ、ぇっ、まさか、ここ、でっ……?」
「問題でも?」
にやりと笑ったシャルヴァを見て、グレティアはぞくりと戦慄めいたものを感じた。
「だめ……。へっ、部屋に……っ」
「残念。それはきいてやれないな」
シャルヴァがわざとそうしているみたいに、ゆっくりとした動作でグレティアの膝にかかっていたスカートをまくり上げた。こうなると足の間を隠すものは下穿きだけだ。
カウンターはシャルヴァのちょうど腰くらいの高さで、長身の彼からは剥き出しの足も下穿きも丸見えだろう。
「やだ、これ、はずかし、いっ……」
無言のままこちらを見つめるシャルヴァの視線に羞恥心が煽られる。
グレティアはたまらず両手で顔を覆った。
「隠すな。おまえのそういう表情はそそられる」
そう言ったシャルヴァが下穿きの上から秘裂を指でなぞった。そして、指先はそのままに布地を食い込ませるようにして上下に擦り始める。
「ひ、あっ♡ んんっ♡ あっ♡」
直接ではないとはいえシャルヴァの指の動きひとつひとつが腰が抜けそうになるほど気持ちがいい。
「やっ、あっ♡ あ、あっ、あっ♡」
長い指先が陰核を掠めるたびに目の前で星が散った。
「ひんっ♡ んっ、あっ、あっ、あぅっ♡ あぁッ♡」
時折、陰核にぐっと指先が押し込まれる。指の腹ですり潰すようにぐりぐりといじめられて、グレティアはカウンターの上で身体をしならせた。
「ん、あっ♡ あっ、あっ、あぁっ♡」
擦られるたびに下穿きの布と肌との間のぬめりが増していく。
それが恥ずかしくて、なのに気持ちがよくて、グレティアは無意識に腰を揺らしていた。
やがてシャルヴァはグレティアの腰から下穿きを抜き取った。
秘所を覆うものが完全に失われ、グレティアはあまりの羞恥から手で隠そうとした。けれど、その手もすぐにシャルヴァに絡め取られてしまう。
「見ちゃ、だめっ……」
熱い吐息が内腿にかかり、ぴくりと腰が小さく跳ねた。
「んぅっ……♡ んっ……♡」
そのまま内腿をちゅっちゅっと吸い上げられお腹の奥の疼きが強くなる。
シャルヴァは膝裏に手を滑らせてぐいっと左右にひらくようにしてきた。まるで幼児に用を足させるような格好に羞恥を覚えたものの、力での抵抗は敵うはずもない。
大きく開かされた脚のあいだにシャルヴァが顔を寄せてくる。その位置から彼がなにをしようとしているのかわかってしまって、グレティアは泣きそうになった。
「だめっ、やだっ! それはっ……」
慌てて抵抗したがすでに遅い。シャルヴァが秘所に唇を寄せたのだ。
「ひんっ♡ あぅうっ♡」
最も敏感な突起がちょんちょん♡ と舌でつつかれ、グレティアは背を反らせた。
間をあけず、熱い舌が敏感な芽をぬるぬると舐り、そうかと思えばちゅっと音を立てて吸い上げられる。
「だ、めぇっ♡ やぁっ♡ ああぁんん♡」
「――すごく濡れてるな。溢れてくる」
口に含まれたまま舌先で弄ばれると、鋭い快感に頭の中が真っ白になった。そのまま何度も繰り返し責められて、勝手にがくがくと腰が揺れてしまう。
「あっ♡ あぅ♡ やっ……そこばっかり……ッ♡」
シャルヴァは無言のまま舌を動かし続けている。何度も往復するようにして割れ目を舐めていく。
「や、やらっ♡ シャルヴァっ、やっ♡」
恥ずかしさといたたまれなさで頭がいっぱいになる。まるで子犬がするみたいに、ぺろぺろと舐められる度にグレティアの秘部はとろりと蜜をあふれさせる。
時折思い出したように唇で食まれ、身体中に電流が流れたかのような感覚に陥った。
「やぁっ、あっ♡ ああっ、んっ♡ ひぅんっ♡」
そんなに広くもない食堂に自分のはしたない喘ぎとシャルヴァが媚肉をしゃぶる音が響いている。
(きちゃう……ッ)
それはすぐそこまでやってきていた。
昨夜、散々に刻み込まれた生まれて初めての感覚。
「っふ、ふぅっ……♡」
シャルヴァが肉芽を強く吸い上げ、剥かれた先端がざりざりと舌で擦り上げられる。
「あっ、あぁっ♡ シャルっ……も、う……ッ♡」
磨き込むような動きにたまらず喉を反らした。
快楽と共に踊るような感覚が身体の奥底からせり上がってくる。しかし、その至福の境地に身を任せようとしたその瞬間――。
『ドンドンドン!』
現実が強引に目の前に現れた。
食堂の出入り口を兼ねた玄関扉が、不意に強く叩かれたのだ。
その不穏な音にグレティアはびくんと震え、扉の方を振り返った。そして、次いで聞こえてきた声はよく知っている人物のものだった。
「イーライだけど、少し話せるかな?」
その声に、心臓は急速に鼓動し、血の気が引く思いが胸に迫る。
「シャル――……」
はっとしてシャルヴァを見ると、彼はイーライの出現をむしろ面白がっているようにその口元にゆるい笑みを浮かべていた。
止める間などなかった。
彼はまるでそれをグレティアに見せつけるみたいに、長い舌を突き出し割れ目の間に沈めていく。
「っひ♡ や、ちょ、だめっ……♡ んんっ♡」
平たい舌にべろべろと舐め回されてグレティアは喉を引きつらせた。
「グレティア? いるんだろう?」
玄関扉をもう一度叩かれる中、グレティアは必死に声を抑えるのに必死だった。
もしこんな姿を見られたらどうすればいい?
グレティアの不安を余所にシャルヴァの口淫はどんどん激しさを増していく。彼の口内で強く吸われた陰核の先端が、舌でちろちろとくすぐられた。
「っひゃ♡ んんっ……♡ ん、んっ♡ やめてぇ……♡」
グレティアは咄嗟に両手で口元を覆った。
その間もシャルヴァは構わず舌を這わす。ぬめりを帯びた熱い舌が何度も赤く腫れた突起を往復した。時折舌の裏側でねっとりと舐られるのがたまらなく気持ちいい。
「んっ、ふっ、ふぅっ……♡」
強い快楽にじっとしていられず、グレティアはカウンターの上で腰をくねらせた。しかしそれは逆効果で秘裂をシャルヴァの顔に押しつける形になってしまう。
シャルヴァが唇で肉芽を挟み込み、ちゅうぅ……♡ ときつく吸い上げた。
「〰〰〰〰〰〰っ♡♡♡」
先ほど一度達しそうになったせいか、あっけなく高みに持っていかれてしまう。
扉一枚隔てた向こうにはイーライがいるというのに――。
頭の中が真っ白になり、身体ががくがくと揺れる。つま先をぐうっと伸ばし切ったまま、グレティアは絶頂感に打ち震えた。
「はぁっ……♡ シャル、ヴァ……まっ、て……イーライが……っ、んんっ♡ 兄さんになにかあったのかも……っ」
さらに追い打ちをかけるように愛撫を続けてくるシャルヴァにグレティアは懇願した。
絶頂の余韻で身体に力が入らないなりにも、なんとかシャルヴァの肩を押すと、ようやく彼は顔を上げてくれた。
「――まったくつくづく邪魔な男だな」
愛液と唾液に濡れた唇を舌で拭いながらシャルヴァが笑った。それから彼はグレティアの脇の下あたりに手を差し入れて、カウンターから降ろした。
「グレティア? 大丈夫? 返事をしてくれないか?」
時刻はまだ宵の口をすぎたくらいだ。寝ているとは思ってくれないだろう。
なおも聞こえてくるイーライの声にグレティアは必死で返事をした。
「い、いるわ……っ、今、行くから……っ」
なんとか声を出すと、扉の向こうからほっとしたような気配が伝わってきた。
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