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第八章 救い
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家についた時にはすっかり日も暮れていた。
三人で家に入ると、まずリゼオンを食堂のソファに座らせた。
「兄さん、寝ていなくて大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
頷いたリゼオンの顔色が診療所にいたときよりも良くなってきているのを見て、グレティアはほっとした。
「シャルヴァ、ありがとう。あなたがいなかったら今頃どうなっていたか……」
「いや、間に合ってよかった」
グレティアはもう一度礼を言うと、近くにあった椅子を引き寄せてシャルヴァに座るよう促した。それから自分も腰を下ろす。
「兄さん、それで、思い出したことって……」
グレティアの言葉にリゼオンは顔を曇らせて頷いた。それからグレティアとシャルヴァに向き直ると、トマスとの出来事を話し始めた。
「ことの発端はうちに泊まった商人から聞いた話だったんだ。彼は少し飲みすぎたようで、上機嫌で話したんだ。診療所の先生に赤拷の死体と毒を売ったって――」
商人から話を聞いた翌日、リゼオンは真偽を確かめるために診療所を訪れたという。
◆
「――それで、その商人の話を信じたのかい? リゼオン」
人払いをした診察室でトマスが笑った。
リゼオンはそんなトマスの顔をじっと見つめたままゆっくりと頷く。
「赤拷の被害が多すぎる。この辺りにはもともと赤拷はいなかったんだ」
「そうだねえ。商人の荷物に紛れ込んできて増えたのかな」
「赤拷被害の件で補助金もたくさんもらってると聞きました……」
リゼオンが続けると、トマスはしばし思案するように眉を寄せてから口を開いた。
「たしかに補助金は出ているが だからってどうして私が赤拷の死体と毒を買ったことになるんだい? そんな話はでまかせだろう。私は薬草しか買っていないよ」
「…………」
トマスの言葉にリゼオンは無言を貫いた。
そんなリゼオンの様子にもトマスはにこにこと笑っていた。
「商人にからかわれたんだろう? ――さて、そろそろ診察を始める時間だ。話は終わりでいいかな?」
そう言ってトマスが立ち上がる。
納得いかないもののリゼオンも腰を上げた。
「次に――。次に赤拷の被害が出たときは村長に言って細かく調査してもらいます」
「……そうだね。それで君の気が済むのならいいんじゃないかな。そこまで送ろう」
「…………」
トマスに背中を押されて、リゼオンは渋々診療所を出ることにした。
中央広場まで来たところで井戸のそばにイーライがいるのが見えた。
イーライの方もリゼオンとトマスの存在に気づいたのだろう、片手を上げて振ってきた。
「おはよう、リゼオンさん。どこか具合が悪かったの?」
「いや……。少しトマス先生と話があって」
「そうだったんだ」
「それじゃあ、リゼオン。グレティアにもよろしく」
ぽん、と肩を叩かれるのと同時、膝の裏辺りにチクリと痛みを感じた。
はっとして後ろを振り返ったリゼオンの目に、にっこりと笑ったトマスの姿が映った。
「っう……」
直後、右足に火をつけられたような痛みが走る。
リゼオンは痛みに耐えられなくなって、その場にしゃがみこんだ。
「赤拷だっ!」
痛みが激しくなっていく中、トマスの叫び声が聞こえた。
「イーライ! そっちにいったぞ」
「えっ⁉ このっ! 父さん、やったよ!」
「リゼオン、大丈夫か⁉」
トマスとイーライが騒ぐ声を耳にしながら、リゼオンは痛みの中、少しずつ意識を失っていった。
◆
「おそらくそのときに毒を刺されたんだと思う」
「ひどい……」
グレティアは話を聞いて思わず言葉を漏らした。
「よほどリゼオンのことが邪魔だったんだろうな」
シャルヴァがぽつりと呟き、グレティアはそっと頷いた。
「これからどうしよう……」
診療所で拘束したはずのトマスは姿を消していた。トマスの動向も気にはなるが、リゼオンの身体の具合も心配だった。
「そういえば――」
グレティアはふと気になることを思い出し、シャルヴァを見た。
「さっき、今は魔力がないって言ってたけどあれってどういう意味なの?」
シャルヴァの力があればリゼオンを治してもらえるかと期待したのだ。
言って――思ってしまってからグレティアの胸はずしりと重くなった。
また都合よくシャルヴァに頼ろうとしている、と。
しかしそんなグレティアの葛藤をよそにシャルヴァは淡々と答えた。
「俺の魔力は無限ではないんだ。底を突けば補給しなければならない。人間が腹をすかせるのと同じようにな」
「補給はどうやってするの?」
「…………」
グレティアの問いにシャルヴァはつかの間考えるように視線を巡らせて、それからちらりとリゼオンを見た。それから彼は軽く手を上げてリゼオンの顔の前にかざした。
「なにを……?」
グレティアが驚いて目を丸くするのと、リゼオンがふっと意識を失うのはほぼ同時だった。
「少し眠ってもらっただけだ」
短くそう言ったシャルヴァの言葉にほっと安堵しつつも、グレティアは不思議に思って小首をかしげた。
「なんで? 兄さんを……」
「見られたくないかと思ってな」
「え……?」
そう言ったシャルヴァが立ち上がって、グレティアの方へと身を乗り出してきた。
その手がグレティアの頬を撫でる。
「魔力の補給とは――つまりこういうことだ」
ゆっくりと顔が近づく。
シャルヴァの唇がグレティアの唇を塞いだ。
グレティアは驚きのあまり目を見開くが、すぐに彼の舌が唇の隙間から侵入してきたので、思わず目を閉じた。
口内に侵入してきた舌はまるで別の生き物のようにうごめいて、彼女の舌を引きずり出すと絡みついてくる。
「ふっ……んっ……んんっ……」
舌が動くたびにゾクゾクとした感覚が背筋に走り、体から力が抜けていくのがわかった。
そのまま椅子から落ちそうになったところでシャルヴァの顔が離れた。
「はぁ……っ」
息が上がっているグレティアの耳元でシャルヴァが囁く。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫じゃな……い……」
グレティアは熱い吐息を漏らしてシャルヴァに寄りかかった。
もう身体に力が入らない。
そんなグレティアの身体をシャルヴァが両腕で優しく抱きしめた。
「精気を取り込んで魔力に変換している。――この続きはまた今度だな」
シャルヴァの言葉にグレティアはぴくりと肩を震わせた。それから恥ずかしくなって顔を俯けた。
そんなグレティアにシャルヴァは目を細めたあと、リゼオンの近くへと移動した。それから、眠っているリゼオンに両手をかざす。
途端、どこからともなく緑色の光がふわりと湧き上がり、リゼオンの体全体を包み込んだ。
「すごい……」
グレティアはその様子を見て思わず感嘆の息をもらした。
シャルヴァの回復魔法がここまでの威力を発揮するとは思ってもみなかった。その圧倒的な力にグレティアは目を輝かせて、食い入るように彼を見つめた。
そんな視線に気づいたのか、シャルヴァがちらとグレティアの方を振り返ったので慌てて視線をそらす。
「これでひとまずは大丈夫だろう」
しばらくしてシャルヴァが言った。その言葉を受けて、グレティアはリゼオンの顔を覗き込んだ。心なしか先程よりも血色がよくなっているような気がする。
「ありがとう……」
グレティアはそっとお礼を言った。
「あとは、トマスの件だな。――そっちもまあ、ツテがないわけじゃない」
「え……?」
腕を組んだシャルヴァの言葉にグレティアはさらに不可解な気持ちになった。
三人で家に入ると、まずリゼオンを食堂のソファに座らせた。
「兄さん、寝ていなくて大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
頷いたリゼオンの顔色が診療所にいたときよりも良くなってきているのを見て、グレティアはほっとした。
「シャルヴァ、ありがとう。あなたがいなかったら今頃どうなっていたか……」
「いや、間に合ってよかった」
グレティアはもう一度礼を言うと、近くにあった椅子を引き寄せてシャルヴァに座るよう促した。それから自分も腰を下ろす。
「兄さん、それで、思い出したことって……」
グレティアの言葉にリゼオンは顔を曇らせて頷いた。それからグレティアとシャルヴァに向き直ると、トマスとの出来事を話し始めた。
「ことの発端はうちに泊まった商人から聞いた話だったんだ。彼は少し飲みすぎたようで、上機嫌で話したんだ。診療所の先生に赤拷の死体と毒を売ったって――」
商人から話を聞いた翌日、リゼオンは真偽を確かめるために診療所を訪れたという。
◆
「――それで、その商人の話を信じたのかい? リゼオン」
人払いをした診察室でトマスが笑った。
リゼオンはそんなトマスの顔をじっと見つめたままゆっくりと頷く。
「赤拷の被害が多すぎる。この辺りにはもともと赤拷はいなかったんだ」
「そうだねえ。商人の荷物に紛れ込んできて増えたのかな」
「赤拷被害の件で補助金もたくさんもらってると聞きました……」
リゼオンが続けると、トマスはしばし思案するように眉を寄せてから口を開いた。
「たしかに補助金は出ているが だからってどうして私が赤拷の死体と毒を買ったことになるんだい? そんな話はでまかせだろう。私は薬草しか買っていないよ」
「…………」
トマスの言葉にリゼオンは無言を貫いた。
そんなリゼオンの様子にもトマスはにこにこと笑っていた。
「商人にからかわれたんだろう? ――さて、そろそろ診察を始める時間だ。話は終わりでいいかな?」
そう言ってトマスが立ち上がる。
納得いかないもののリゼオンも腰を上げた。
「次に――。次に赤拷の被害が出たときは村長に言って細かく調査してもらいます」
「……そうだね。それで君の気が済むのならいいんじゃないかな。そこまで送ろう」
「…………」
トマスに背中を押されて、リゼオンは渋々診療所を出ることにした。
中央広場まで来たところで井戸のそばにイーライがいるのが見えた。
イーライの方もリゼオンとトマスの存在に気づいたのだろう、片手を上げて振ってきた。
「おはよう、リゼオンさん。どこか具合が悪かったの?」
「いや……。少しトマス先生と話があって」
「そうだったんだ」
「それじゃあ、リゼオン。グレティアにもよろしく」
ぽん、と肩を叩かれるのと同時、膝の裏辺りにチクリと痛みを感じた。
はっとして後ろを振り返ったリゼオンの目に、にっこりと笑ったトマスの姿が映った。
「っう……」
直後、右足に火をつけられたような痛みが走る。
リゼオンは痛みに耐えられなくなって、その場にしゃがみこんだ。
「赤拷だっ!」
痛みが激しくなっていく中、トマスの叫び声が聞こえた。
「イーライ! そっちにいったぞ」
「えっ⁉ このっ! 父さん、やったよ!」
「リゼオン、大丈夫か⁉」
トマスとイーライが騒ぐ声を耳にしながら、リゼオンは痛みの中、少しずつ意識を失っていった。
◆
「おそらくそのときに毒を刺されたんだと思う」
「ひどい……」
グレティアは話を聞いて思わず言葉を漏らした。
「よほどリゼオンのことが邪魔だったんだろうな」
シャルヴァがぽつりと呟き、グレティアはそっと頷いた。
「これからどうしよう……」
診療所で拘束したはずのトマスは姿を消していた。トマスの動向も気にはなるが、リゼオンの身体の具合も心配だった。
「そういえば――」
グレティアはふと気になることを思い出し、シャルヴァを見た。
「さっき、今は魔力がないって言ってたけどあれってどういう意味なの?」
シャルヴァの力があればリゼオンを治してもらえるかと期待したのだ。
言って――思ってしまってからグレティアの胸はずしりと重くなった。
また都合よくシャルヴァに頼ろうとしている、と。
しかしそんなグレティアの葛藤をよそにシャルヴァは淡々と答えた。
「俺の魔力は無限ではないんだ。底を突けば補給しなければならない。人間が腹をすかせるのと同じようにな」
「補給はどうやってするの?」
「…………」
グレティアの問いにシャルヴァはつかの間考えるように視線を巡らせて、それからちらりとリゼオンを見た。それから彼は軽く手を上げてリゼオンの顔の前にかざした。
「なにを……?」
グレティアが驚いて目を丸くするのと、リゼオンがふっと意識を失うのはほぼ同時だった。
「少し眠ってもらっただけだ」
短くそう言ったシャルヴァの言葉にほっと安堵しつつも、グレティアは不思議に思って小首をかしげた。
「なんで? 兄さんを……」
「見られたくないかと思ってな」
「え……?」
そう言ったシャルヴァが立ち上がって、グレティアの方へと身を乗り出してきた。
その手がグレティアの頬を撫でる。
「魔力の補給とは――つまりこういうことだ」
ゆっくりと顔が近づく。
シャルヴァの唇がグレティアの唇を塞いだ。
グレティアは驚きのあまり目を見開くが、すぐに彼の舌が唇の隙間から侵入してきたので、思わず目を閉じた。
口内に侵入してきた舌はまるで別の生き物のようにうごめいて、彼女の舌を引きずり出すと絡みついてくる。
「ふっ……んっ……んんっ……」
舌が動くたびにゾクゾクとした感覚が背筋に走り、体から力が抜けていくのがわかった。
そのまま椅子から落ちそうになったところでシャルヴァの顔が離れた。
「はぁ……っ」
息が上がっているグレティアの耳元でシャルヴァが囁く。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫じゃな……い……」
グレティアは熱い吐息を漏らしてシャルヴァに寄りかかった。
もう身体に力が入らない。
そんなグレティアの身体をシャルヴァが両腕で優しく抱きしめた。
「精気を取り込んで魔力に変換している。――この続きはまた今度だな」
シャルヴァの言葉にグレティアはぴくりと肩を震わせた。それから恥ずかしくなって顔を俯けた。
そんなグレティアにシャルヴァは目を細めたあと、リゼオンの近くへと移動した。それから、眠っているリゼオンに両手をかざす。
途端、どこからともなく緑色の光がふわりと湧き上がり、リゼオンの体全体を包み込んだ。
「すごい……」
グレティアはその様子を見て思わず感嘆の息をもらした。
シャルヴァの回復魔法がここまでの威力を発揮するとは思ってもみなかった。その圧倒的な力にグレティアは目を輝かせて、食い入るように彼を見つめた。
そんな視線に気づいたのか、シャルヴァがちらとグレティアの方を振り返ったので慌てて視線をそらす。
「これでひとまずは大丈夫だろう」
しばらくしてシャルヴァが言った。その言葉を受けて、グレティアはリゼオンの顔を覗き込んだ。心なしか先程よりも血色がよくなっているような気がする。
「ありがとう……」
グレティアはそっとお礼を言った。
「あとは、トマスの件だな。――そっちもまあ、ツテがないわけじゃない」
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