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1 聖域の蹂躙、あるいは優しい毒
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大聖堂の地下深く、迷宮のように入り組んだ回廊の果てに、その場所はある。
――教会直属、星典管理室。
人魚の末裔たる星乙女を神から預かりし聖遺物として管理し、保護している特務機関。魔力の残滓が漂う冷たい空気は、ここが救済の場ではなく、生きた『器』を飼育するための檻であることを無言で告げていた。
その最深部、豪奢ながらも窓一つない一室で、不釣り合いなほど穏やかな笑い声が響く。
「……話が通じないのは困るな。僕の魔力を回復できるのはおそらく彼女だけだ」
交渉のテーブルについているのは、ルシオン・アルヴェリオ。
魔導ギルドが誇るS級魔導士であり、教会の結界術式を一人で書き換えるほどの怪物。
光を吸い込むような、青みがかった漆黒の髪。そして、感情の起伏を感じさせない、霧に閉ざされた湖のような灰色の瞳。整いすぎた容貌は、見る者に聖者のような錯覚を与えるが、その眼差しの奥には底知れない虚無と、歪んだ執着が静かに沈んでいる。
「ルシオン殿、しかしシエルカは現在、星典管理室の重要監視対象です。先日も魔力飽和による小規模な暴走を……」
「だからこそ、だよ。僕であれば仮に暴走したとしても適正な『星鎮め』が可能だ。管理室の旧式な術式では、彼女の溢れ出すオーバーフローを処理しきれない。……違うかな?」
ルシオンは、灰色の瞳を細めて管理室の職員を見つめた。
「ですが……。なにも彼女に拘る必要はないのでは? 適切な回復役をお探しなら、星典管理室には他にも……」
職員は冷や汗を拭いながら、手元の資料を広げた。
「現在、当管理室には十数名の乙女が在籍しております。魔力供給が安定している中位が六名、予備戦力としての地位を確立している下位も数名控えております。彼女たちであれば、安定した『回復』が可能です。……わざわざ、暴走のリスクを孕んだシエルカを選ぶことは――」
「ああ、あの模造品たちのこと?」
ルシオンは職員の言葉を遮り、心底つまらなそうに灰色の瞳を伏せた。
「中位や下位の『星乙女』なんて、僕にとってはまるで意味がない。魔力タンクにすらならないよ。――僕が求めているのは、本物の『奇跡』だけだ」
ルシオンは机に身を乗り出し、職員の耳元で囁くように告げた。その瞳に、一瞬だけ冥い熱が宿る。
「現在、上位の適性を持つのはシエルカただ一人。……それを知っていて、僕に不純物を勧めるんだ?」
ルシオンの問いに、職員は喉を鳴らして言葉を詰まらせた。そして、震える指先で眼鏡を押し上げると、極めて言いにくそうに、しかし管理者としての懸念を口にした。
「……しかし、ルシオン殿。差し出がましいようですが、貴方はこれまで、一度として教会に回復を依頼したことなどなかった。貴方の魔力核は、自己修復だけでギルドの全任務をこなせるほどに強大であると、誰もが……いえ、報告書にはあります。その貴方が、なぜ今になって、それも最も不安定な彼女を……」
職員の言葉は、正論だった。
ルシオン・アルヴェリオという男は、一人で一個小隊を壊滅させても、息一つ乱さず翌朝には魔力を全快させているような怪物なのだ。彼にとって『星乙女』は、本来必要のない存在のはずだった。
ルシオンは、一瞬の沈黙を置いた。
灰色の瞳が、獲物を吟味するようにゆっくりと瞬く。
「なるほど……理由、ね」
ふ、とルシオンの唇から微かな吐息が漏れた。それは笑みというにはあまりに冷たく、けれどどこか恍惚とした響きを含んでいる。
彼は椅子の背にもたれかかると、長く白い指先で、机に置かれたシエルカの鑑定記録をなぞった。
「僕が『彼女がいい』と言っている。……それでは不十分ってこと?」
「そ、それは……しかし、手続き上、ギルドのS級の貴方が何故わざわざ足を運んでまで回復を望むのか、理由を記さねばならず……。シエルカが唯一の上位個体だからこそ色々と厳しくてですね……」
「――……君には、深淵の底に沈む星を、わざわざ泥を啜ってまで拾い上げる理由が理解できると?」
ルシオンの灰色の瞳が、職員を射抜いた。
その瞳には、合理性も、慈悲も、実務的な必要性も存在しない。ただ、他者を寄せ付けないほどの純度の高い渇望だけが、冷ややかに燃えている。
「僕の魔力がなにを求め、なにに乾いているのか。……それをわかっているのは僕だけだ」
職員は、自身の喉がヒュッとなるのを感じた。
口の中が急速に干上がり、粘膜が張り付くような焦燥感が走る。
まるで麻薬のように脳を侵食してくるのは、『それ以上踏み込んではいけない』という本能的な危機感だった。
ルシオンは机に肘をつき、顎を支えながら、あくまで穏やかに続ける。
「まさか管理室が、希少種に対する保護とは名ばかりの、人権無視の『所有』を公然と行っているとは思ってないよね?」
その言葉には、一切の容赦も配慮もない。
しかし、職員はもはや動けなかった。喉元に刃を突きつけられているような緊張感が、室内の空気を支配していく。
「僕は彼女にただ会いに来たんじゃない。もうすでに、彼女を選んだんだ。……あとは君たちが、僕の選択を『承認』すればいいだけの話」
「…………」
そのとき、絶望的な沈黙を切り裂いたのは、重厚な扉を叩きつけるような音だった。
「――相変わらず、傲慢なことだ。魔導士ルシオン」
扉を開けて踏み込んできたのは、星典管理室直属、執行騎士団の長――ロウル・クラファスだった。
革鎧の擦れる鈍い音と共に現れた彼は、ルシオンの優雅さとは対照的な、戦場の泥と規律を象徴するような威圧感を纏っている。
ルシオンよりさらに頭一つ分ほど高い、岩のように頑強で逞しい体躯。鍛え抜かれた胸筋が革鎧を内側から押し広げ、一歩踏み出すごとに床を震わせるような重圧を放つ。
さらりとした色素の薄い金髪は、地下室の淡い光を弾き、冷徹に光る。そして、深い森を思わせる鋭い緑の瞳は、ルシオンを射抜くような敵意を剥き出しにしていた。
「ああ、なんだ、ロウル殿か。……盗み聞きとは、執行騎士団もずいぶんと暇になったものだね」
ルシオンが灰色の瞳をわずかに細めて応じる。しかし、ロウルはその軽口を歯牙にもかけず、ルシオンの前に立ちはだかった。
「貴様の御託を聞きに来たわけではない。……理由なんてどうでもいい。シエルカは星典管理室の、ひいては教会の所有物だ。貴様のような『外敵』に、無防備なまま明け渡すわけにはいかん」
ロウルは腰の長剣の柄に、太く節くれ立った指をかけた。その瞳は、シエルカを聖遺物として『守護』しようとする騎士の義務感以上に、部外者に大切な獲物を触れさせまいとする剥き出しの独占欲を孕んでいる。
「執行騎士団の規律に基づき、俺が『監視役』として同席させてもらう。……貴様がその歪な渇望で彼女を汚さぬよう、俺がこの目で全工程を検分し、記録する。……異論はないな」
ルシオンは、見上げるような体格のロウルの威圧を真っ向から受け止めると、この日初めて、楽しげに肩を揺らした。
「……かまわないよ。君の目の前で、彼女を甘く、深く、暴いてあげる。……星乙女が僕の魔力に触れてどんな声を上げるのか。存分にその目に焼き付けたらいい」
ルシオンは唇の両端を吊り上げ、愉悦を隠そうともせずに言った。
ロウルは忌々しげに鼻を鳴らす。色素の薄いサラサラとした金髪が、激しい動きに伴って揺れ、鋭い緑の瞳を縁取った。
「……話が決まったなら、さっさと案内しろ。これ以上、あの部屋の主を待たせるな」
ロウルの冷徹な催促に、職員は弾かれたように立ち上がった。
「は、はい! では、こちらへ……」
石造りの長い回廊を、二人の男が歩む。
先導する職員の背中は、恐怖で小さく震えていた。後ろに続くのは、国を揺るがすほどの力を持つ二人だ。
一人は底の知れない執着を隠さない魔導士。
もう一人は規律を盾に独占を狙う騎士。
やがて一行は、重厚な銀の装飾が施された扉の前で足を止める。
――最上位個体専用、特別回復室。
扉の隙間からは、冷たい廊下の空気を一変させるような、濃密で甘い魔力の熱が漏れ出していた。
――教会直属、星典管理室。
人魚の末裔たる星乙女を神から預かりし聖遺物として管理し、保護している特務機関。魔力の残滓が漂う冷たい空気は、ここが救済の場ではなく、生きた『器』を飼育するための檻であることを無言で告げていた。
その最深部、豪奢ながらも窓一つない一室で、不釣り合いなほど穏やかな笑い声が響く。
「……話が通じないのは困るな。僕の魔力を回復できるのはおそらく彼女だけだ」
交渉のテーブルについているのは、ルシオン・アルヴェリオ。
魔導ギルドが誇るS級魔導士であり、教会の結界術式を一人で書き換えるほどの怪物。
光を吸い込むような、青みがかった漆黒の髪。そして、感情の起伏を感じさせない、霧に閉ざされた湖のような灰色の瞳。整いすぎた容貌は、見る者に聖者のような錯覚を与えるが、その眼差しの奥には底知れない虚無と、歪んだ執着が静かに沈んでいる。
「ルシオン殿、しかしシエルカは現在、星典管理室の重要監視対象です。先日も魔力飽和による小規模な暴走を……」
「だからこそ、だよ。僕であれば仮に暴走したとしても適正な『星鎮め』が可能だ。管理室の旧式な術式では、彼女の溢れ出すオーバーフローを処理しきれない。……違うかな?」
ルシオンは、灰色の瞳を細めて管理室の職員を見つめた。
「ですが……。なにも彼女に拘る必要はないのでは? 適切な回復役をお探しなら、星典管理室には他にも……」
職員は冷や汗を拭いながら、手元の資料を広げた。
「現在、当管理室には十数名の乙女が在籍しております。魔力供給が安定している中位が六名、予備戦力としての地位を確立している下位も数名控えております。彼女たちであれば、安定した『回復』が可能です。……わざわざ、暴走のリスクを孕んだシエルカを選ぶことは――」
「ああ、あの模造品たちのこと?」
ルシオンは職員の言葉を遮り、心底つまらなそうに灰色の瞳を伏せた。
「中位や下位の『星乙女』なんて、僕にとってはまるで意味がない。魔力タンクにすらならないよ。――僕が求めているのは、本物の『奇跡』だけだ」
ルシオンは机に身を乗り出し、職員の耳元で囁くように告げた。その瞳に、一瞬だけ冥い熱が宿る。
「現在、上位の適性を持つのはシエルカただ一人。……それを知っていて、僕に不純物を勧めるんだ?」
ルシオンの問いに、職員は喉を鳴らして言葉を詰まらせた。そして、震える指先で眼鏡を押し上げると、極めて言いにくそうに、しかし管理者としての懸念を口にした。
「……しかし、ルシオン殿。差し出がましいようですが、貴方はこれまで、一度として教会に回復を依頼したことなどなかった。貴方の魔力核は、自己修復だけでギルドの全任務をこなせるほどに強大であると、誰もが……いえ、報告書にはあります。その貴方が、なぜ今になって、それも最も不安定な彼女を……」
職員の言葉は、正論だった。
ルシオン・アルヴェリオという男は、一人で一個小隊を壊滅させても、息一つ乱さず翌朝には魔力を全快させているような怪物なのだ。彼にとって『星乙女』は、本来必要のない存在のはずだった。
ルシオンは、一瞬の沈黙を置いた。
灰色の瞳が、獲物を吟味するようにゆっくりと瞬く。
「なるほど……理由、ね」
ふ、とルシオンの唇から微かな吐息が漏れた。それは笑みというにはあまりに冷たく、けれどどこか恍惚とした響きを含んでいる。
彼は椅子の背にもたれかかると、長く白い指先で、机に置かれたシエルカの鑑定記録をなぞった。
「僕が『彼女がいい』と言っている。……それでは不十分ってこと?」
「そ、それは……しかし、手続き上、ギルドのS級の貴方が何故わざわざ足を運んでまで回復を望むのか、理由を記さねばならず……。シエルカが唯一の上位個体だからこそ色々と厳しくてですね……」
「――……君には、深淵の底に沈む星を、わざわざ泥を啜ってまで拾い上げる理由が理解できると?」
ルシオンの灰色の瞳が、職員を射抜いた。
その瞳には、合理性も、慈悲も、実務的な必要性も存在しない。ただ、他者を寄せ付けないほどの純度の高い渇望だけが、冷ややかに燃えている。
「僕の魔力がなにを求め、なにに乾いているのか。……それをわかっているのは僕だけだ」
職員は、自身の喉がヒュッとなるのを感じた。
口の中が急速に干上がり、粘膜が張り付くような焦燥感が走る。
まるで麻薬のように脳を侵食してくるのは、『それ以上踏み込んではいけない』という本能的な危機感だった。
ルシオンは机に肘をつき、顎を支えながら、あくまで穏やかに続ける。
「まさか管理室が、希少種に対する保護とは名ばかりの、人権無視の『所有』を公然と行っているとは思ってないよね?」
その言葉には、一切の容赦も配慮もない。
しかし、職員はもはや動けなかった。喉元に刃を突きつけられているような緊張感が、室内の空気を支配していく。
「僕は彼女にただ会いに来たんじゃない。もうすでに、彼女を選んだんだ。……あとは君たちが、僕の選択を『承認』すればいいだけの話」
「…………」
そのとき、絶望的な沈黙を切り裂いたのは、重厚な扉を叩きつけるような音だった。
「――相変わらず、傲慢なことだ。魔導士ルシオン」
扉を開けて踏み込んできたのは、星典管理室直属、執行騎士団の長――ロウル・クラファスだった。
革鎧の擦れる鈍い音と共に現れた彼は、ルシオンの優雅さとは対照的な、戦場の泥と規律を象徴するような威圧感を纏っている。
ルシオンよりさらに頭一つ分ほど高い、岩のように頑強で逞しい体躯。鍛え抜かれた胸筋が革鎧を内側から押し広げ、一歩踏み出すごとに床を震わせるような重圧を放つ。
さらりとした色素の薄い金髪は、地下室の淡い光を弾き、冷徹に光る。そして、深い森を思わせる鋭い緑の瞳は、ルシオンを射抜くような敵意を剥き出しにしていた。
「ああ、なんだ、ロウル殿か。……盗み聞きとは、執行騎士団もずいぶんと暇になったものだね」
ルシオンが灰色の瞳をわずかに細めて応じる。しかし、ロウルはその軽口を歯牙にもかけず、ルシオンの前に立ちはだかった。
「貴様の御託を聞きに来たわけではない。……理由なんてどうでもいい。シエルカは星典管理室の、ひいては教会の所有物だ。貴様のような『外敵』に、無防備なまま明け渡すわけにはいかん」
ロウルは腰の長剣の柄に、太く節くれ立った指をかけた。その瞳は、シエルカを聖遺物として『守護』しようとする騎士の義務感以上に、部外者に大切な獲物を触れさせまいとする剥き出しの独占欲を孕んでいる。
「執行騎士団の規律に基づき、俺が『監視役』として同席させてもらう。……貴様がその歪な渇望で彼女を汚さぬよう、俺がこの目で全工程を検分し、記録する。……異論はないな」
ルシオンは、見上げるような体格のロウルの威圧を真っ向から受け止めると、この日初めて、楽しげに肩を揺らした。
「……かまわないよ。君の目の前で、彼女を甘く、深く、暴いてあげる。……星乙女が僕の魔力に触れてどんな声を上げるのか。存分にその目に焼き付けたらいい」
ルシオンは唇の両端を吊り上げ、愉悦を隠そうともせずに言った。
ロウルは忌々しげに鼻を鳴らす。色素の薄いサラサラとした金髪が、激しい動きに伴って揺れ、鋭い緑の瞳を縁取った。
「……話が決まったなら、さっさと案内しろ。これ以上、あの部屋の主を待たせるな」
ロウルの冷徹な催促に、職員は弾かれたように立ち上がった。
「は、はい! では、こちらへ……」
石造りの長い回廊を、二人の男が歩む。
先導する職員の背中は、恐怖で小さく震えていた。後ろに続くのは、国を揺るがすほどの力を持つ二人だ。
一人は底の知れない執着を隠さない魔導士。
もう一人は規律を盾に独占を狙う騎士。
やがて一行は、重厚な銀の装飾が施された扉の前で足を止める。
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