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スピンオフ「剣と精霊の章」
期末試験と真実2
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「はい! よーい、はじめ!」
ミライアの声と同時に、ダンッと地面を蹴って教師が飛び出した。それを見れば、周囲がざわめき出す。
それもそのはず。教師は後方支援型であり、戦闘を行うとしても遠距離攻撃魔術を得意とする。
その動きは完全に近距離戦に特化した動きだ。通常の魔術師がするような移動速度ではない。
「……はっ、馬鹿か」
ざわめくクラスメイトのように、リーベは笑う。目の前の愚かな暗殺者に対して。
ここまで教師に成り代わって欺いてきたというのに、こうもあっさりネタばらしをしてしまうとは。
暗殺を頼んだ人間の人選間違いなのか、それとも単純に目の前の男が愚かなだけなのか。
リーベは突進してくる教師を、羽が舞うように華麗に避ける。
勢いを殺せなかった男は、リーベの背後にあった壁へと突っ込んでいった。しかしながら壁を蹴り、その反動で再び飛び出した。
器用に魔術を練りながらリーベの元へと向かう。その魔術は、試験で使うようなぬるいものではなかった。
リーベは魔術に精通しているわけではないが、明らかに殺しにかかる時に使う魔術だというのは分かった。
(物凄い殺意じゃん。どれだけ報酬を貰ってるんだろう)
『子よ、呼んだぞ。既に待機済みじゃ。いつバラしても構わん』
(そう、ありがとう)
「避けているだけではいけませんよ!」
攻撃は、次々と繰り広げられていく。
リーベは相手に警戒心を与えないためにも、ギリギリのところで回避をしている。学生が出来る最大限の回避、といったような動きだ。
まだ〝自分が圧倒的に上〟と思わせることで、相手の油断を誘う。
本気を出せば相手が魔術を展開している最中に、背後に回り込んで首を落とせるのだが、同級生がいる手前そんなこと出来るはずがない。
一方で、生徒たちは教師の様子を見て怯えだした。
それもそうだろう。普段は温厚で優しい先生だというのに、まるで悪魔が取り憑いたかのように激しい戦闘を繰り広げている。
口調も荒々しく、確実にリーベの命を奪おうとしているのが素人目で見ても分かる。
「な、なあ、あれヤバくない?」
「怖い……」
「先生呼んでこよう!」
「う、うん!」
生徒らが教師を呼びに、廊下へ出ようとしたときだった。
リーベを襲っていたはずの教師の視線が、チラリとそちらへ向く。ここで他の人間を呼ばれるのは、彼の立場的に問題である。
この場で済むはずの任務が終わらない。下手をすれば、衛兵に連れていかれるという未来も有り得る。否が応でも、止めねばならない。
「……チッ、行かせるか!」
リーベに向けようとしていた魔術弾は、その生徒へと向けられた。リーベならば容易く回避できるものの、ただの人間である生徒にかわせるわけがない。
かといってリーベには魔術から他者を守るなどという術は、持ち合わせていない。
そしてそんな時に、補填するのがエレメアだ。彼女はそのために一緒にいる。
「は!? クソ……、おい!」
『おいとはなんじゃ! まあ分かっとるがのぉ!』
エレメアは、詠唱もせずに魔術を展開する。瞬時に発動した魔術は、魔弾と生徒の間に強固な盾を生成した。
盾は魔弾を飲み込むと、しゅわりと泡のように消える。
高度な魔術を目にした生徒たちは、現実か見紛うほどだった。
エレメアはそのままでは終わらず、リーベの隣から離れて生徒たちの前に浮遊した。もちろん、姿は見えていない。
いつなにが来ても良いように構えている。
何が起きたのか理解できなかったのは、生徒たちだけではない。自分の魔術に自身があった暗殺者の男も、目の前で自分の魔術が消えていったことに驚いている。
(みんなの前で仕留めるわけにはいかないし――しょうがない)
暗殺者が驚いている一瞬を、リーベが逃すはずがなかった。
両足に力をめいっぱい込めて、地面を蹴り上げる。弾丸のような速度で飛び出したリーベは、剣を取り、そのまま剣の柄頭で男を殴った。
激しい殴打を受けた暗殺者は、そのままぐらりと倒れる。動かなくなったものの、死亡した訳では無い。
胸部が上下し呼吸をしていると確認すれば、無事に気絶させられたことにホッとしつつも、リーベには別のことが襲った。
「いっ……」
ズキリ、と足に激痛が走る。その理由が分かっていたリーベとしては、悔しい気持ちでいっぱいだった。
咄嗟にスピードを出せたものの、それはまだリーベの体には負荷のかかる速さだった。無事に速度が達成したが、肉体が耐えきれずに悲鳴を上げた。
足が完全に駄目になり、立っていることができなくなったリーベは、そのままガクリと膝をつく。
(チッ、まだまだってことか……)
『治癒するかの?』
(急に治ったら怪しまれる。後で頼むよ)
『了解じゃ』
バタバタバタとタイミングよく、廊下が騒がしくなる。生徒が教師を連れて、戻ってきたのだ。こればかりは素早い対応で助かった。
教師が遅れて来てしまえば、生徒からの質問攻めにあっていたことだろう。ただでさえ〝同年代〟の扱いに困っているリーベだ。更に苛立ちを覚えることだろう。
教師は倒れている男を見ると、怪訝そうな目でリーベを見つめた。その視線は「まさか、お前が……」という疑いをかけていた。
その目線により、この教師は〝魔王側派閥〟ではないと察する。
リーベにベタベタとすり寄るのは嫌だったが、この場を上手く収めてくれることを少しだけ期待してしまっていた。
「はあ……。言わんとしていることは分かりますが、違います。この男と一緒に、別室で話しませんか」
「……わかった。君たちは自習をしていてくれ」
生徒たちは動揺と困惑が隠せないでいたようだが、肝心の担任がこんな事になってしまった以上、従う他なかった。
リーベとエレメア、そして気絶している男、助けにやってきた教師の四名は、別室に移動をしていた。
事情を知らず、魔王派閥ではない教師としてはとりあえず件の人間を隔離――これが精一杯の判断だった。
リーベは歩ける状態ではなかったため、教師がおぶって移動をさせた。道中で延々とエレメアに笑われていたが、リーベは全て聞こえないふりをしていた。
「説明してもらいましょうか」
「まず――エレメア。僕の足の治癒と、こいつの素性を」
『分かったのじゃ』
「エレメア? なんの話です?」
教師の質問などお構いなし。エレメアはリーベを優先し、まず彼の足を治癒した。
瞬時に足が治れば、リーベは軽く動かして具合を見る。エレメアの魔術が失敗するわけもないため、全快の状態へと戻っていた。
リーベが魔術を使えないのは、学院の教師であれば誰でも知っていることだ。
だから動けないはずのリーベが、足を再び動き出したことは異常事態でもある。――もしかして、力を隠していたのではないか。そう勘ぐってしまうのだ。
「な、なんだ!? 何が起こっている!?」
「姿は現していい。この人は学院の一番偉い人だ」
『裏切らんか?』
「裏切りかぁ……」
「よくわかりませんが、私が裏切れるとお思いで?」
「それもそうだね」
『ふむ』
アリスの派閥ではないとはいえ、その脅威はよく知っている。たとえ裏切ったところで、その後に無事に生きていられる保証がないことも。
だからこそ、教師は諦め半分でそういった。
エレメアもそれを理解している。アリスの〝異常性〟は、出会った頃から。
ゆえにエレメアは、不可視化を解除して姿を現した。
「な、こ、この子供は!?」
『誰が子供じゃ! わしからすれば貴様の方が小童じゃ、阿呆!』
「なっ……」
「彼女はエレメア。僕の護衛。あとは大精霊」
「大精霊!?」
教師の表情にははっきりと「こんな子供が大精霊だというのか?」という気持ちが貼り付けられていた。
運良く、鈍いエレメアには気付かれていないが、リーベには筒抜けだ。
エレメアを舐められたところで、リーベには痛くも痒くもない。だからその話題には触れず、淡々と説明を続ける。
「母が永久の庭から連れ帰った精霊です」
「な、なんと……。ごほん。先程のご無礼をお許しください、大精霊様」
『うむ、許すぞ』
「さ、本題だ。エレメア」
『ぬん!』
Bランク魔術では見通せないと知っていたエレメアは、手を抜くことなど無く高ランクの魔術にて変身を解除させた。
今まで見慣れた教師の姿をしていた男は、一瞬にして別人である本人へ姿が戻っていく。
まんまと騙されていた教師は、見知らぬ男が現れたことで動揺を隠せないでいた。今の今まで仕事仲間だと思って接してきた相手が、人相の悪い暗殺者へと変わったのだから当然だ。
流石にこれを見せられれば、アリス派閥ではなくてもリーベを信じざるを得ない。
彼が生徒を優先して暗殺者を止めたのは意外だったが、それは今ここで話題にすることでもないだろう。
「僕の命を狙ってきた刺客のようです。僕に直接的な恨みがある訳ではなく、ラストルグエフか母上への恨みでしょうね」
「……なるほどな」
「尋問をするなら、僕に任せてくれませんか?」
「何故ですか?」
「僕の魔眼がありますから」
「……好きにするといい……」
教師はもはや、リーベに委ねるしかなかった。リーベという一人の少年の存在で、学院はかき乱されている。
入学時点で英雄の領域に達している生徒など、勇者以外で見たことがない。勇者ならまだしも、彼は魔王の子供だ。
更には連れているのはあの〝誰も帰らぬ島〟――永久の庭の精霊だというのだ。それに魔眼まで持っている。
明らかに、オリヴァー以上の規格外だ。
『して、子よ。本物の教師は探さぬのか?』
「あぁ、そうだった。入れ替わったのならば、僕のクラスの本当の先生はどこにいるのでしょう? というか、いつから彼だったのでしょうか?」
「……それも調査しましょう。まずは――」
「ええ、尋問ですね」
ミライアの声と同時に、ダンッと地面を蹴って教師が飛び出した。それを見れば、周囲がざわめき出す。
それもそのはず。教師は後方支援型であり、戦闘を行うとしても遠距離攻撃魔術を得意とする。
その動きは完全に近距離戦に特化した動きだ。通常の魔術師がするような移動速度ではない。
「……はっ、馬鹿か」
ざわめくクラスメイトのように、リーベは笑う。目の前の愚かな暗殺者に対して。
ここまで教師に成り代わって欺いてきたというのに、こうもあっさりネタばらしをしてしまうとは。
暗殺を頼んだ人間の人選間違いなのか、それとも単純に目の前の男が愚かなだけなのか。
リーベは突進してくる教師を、羽が舞うように華麗に避ける。
勢いを殺せなかった男は、リーベの背後にあった壁へと突っ込んでいった。しかしながら壁を蹴り、その反動で再び飛び出した。
器用に魔術を練りながらリーベの元へと向かう。その魔術は、試験で使うようなぬるいものではなかった。
リーベは魔術に精通しているわけではないが、明らかに殺しにかかる時に使う魔術だというのは分かった。
(物凄い殺意じゃん。どれだけ報酬を貰ってるんだろう)
『子よ、呼んだぞ。既に待機済みじゃ。いつバラしても構わん』
(そう、ありがとう)
「避けているだけではいけませんよ!」
攻撃は、次々と繰り広げられていく。
リーベは相手に警戒心を与えないためにも、ギリギリのところで回避をしている。学生が出来る最大限の回避、といったような動きだ。
まだ〝自分が圧倒的に上〟と思わせることで、相手の油断を誘う。
本気を出せば相手が魔術を展開している最中に、背後に回り込んで首を落とせるのだが、同級生がいる手前そんなこと出来るはずがない。
一方で、生徒たちは教師の様子を見て怯えだした。
それもそうだろう。普段は温厚で優しい先生だというのに、まるで悪魔が取り憑いたかのように激しい戦闘を繰り広げている。
口調も荒々しく、確実にリーベの命を奪おうとしているのが素人目で見ても分かる。
「な、なあ、あれヤバくない?」
「怖い……」
「先生呼んでこよう!」
「う、うん!」
生徒らが教師を呼びに、廊下へ出ようとしたときだった。
リーベを襲っていたはずの教師の視線が、チラリとそちらへ向く。ここで他の人間を呼ばれるのは、彼の立場的に問題である。
この場で済むはずの任務が終わらない。下手をすれば、衛兵に連れていかれるという未来も有り得る。否が応でも、止めねばならない。
「……チッ、行かせるか!」
リーベに向けようとしていた魔術弾は、その生徒へと向けられた。リーベならば容易く回避できるものの、ただの人間である生徒にかわせるわけがない。
かといってリーベには魔術から他者を守るなどという術は、持ち合わせていない。
そしてそんな時に、補填するのがエレメアだ。彼女はそのために一緒にいる。
「は!? クソ……、おい!」
『おいとはなんじゃ! まあ分かっとるがのぉ!』
エレメアは、詠唱もせずに魔術を展開する。瞬時に発動した魔術は、魔弾と生徒の間に強固な盾を生成した。
盾は魔弾を飲み込むと、しゅわりと泡のように消える。
高度な魔術を目にした生徒たちは、現実か見紛うほどだった。
エレメアはそのままでは終わらず、リーベの隣から離れて生徒たちの前に浮遊した。もちろん、姿は見えていない。
いつなにが来ても良いように構えている。
何が起きたのか理解できなかったのは、生徒たちだけではない。自分の魔術に自身があった暗殺者の男も、目の前で自分の魔術が消えていったことに驚いている。
(みんなの前で仕留めるわけにはいかないし――しょうがない)
暗殺者が驚いている一瞬を、リーベが逃すはずがなかった。
両足に力をめいっぱい込めて、地面を蹴り上げる。弾丸のような速度で飛び出したリーベは、剣を取り、そのまま剣の柄頭で男を殴った。
激しい殴打を受けた暗殺者は、そのままぐらりと倒れる。動かなくなったものの、死亡した訳では無い。
胸部が上下し呼吸をしていると確認すれば、無事に気絶させられたことにホッとしつつも、リーベには別のことが襲った。
「いっ……」
ズキリ、と足に激痛が走る。その理由が分かっていたリーベとしては、悔しい気持ちでいっぱいだった。
咄嗟にスピードを出せたものの、それはまだリーベの体には負荷のかかる速さだった。無事に速度が達成したが、肉体が耐えきれずに悲鳴を上げた。
足が完全に駄目になり、立っていることができなくなったリーベは、そのままガクリと膝をつく。
(チッ、まだまだってことか……)
『治癒するかの?』
(急に治ったら怪しまれる。後で頼むよ)
『了解じゃ』
バタバタバタとタイミングよく、廊下が騒がしくなる。生徒が教師を連れて、戻ってきたのだ。こればかりは素早い対応で助かった。
教師が遅れて来てしまえば、生徒からの質問攻めにあっていたことだろう。ただでさえ〝同年代〟の扱いに困っているリーベだ。更に苛立ちを覚えることだろう。
教師は倒れている男を見ると、怪訝そうな目でリーベを見つめた。その視線は「まさか、お前が……」という疑いをかけていた。
その目線により、この教師は〝魔王側派閥〟ではないと察する。
リーベにベタベタとすり寄るのは嫌だったが、この場を上手く収めてくれることを少しだけ期待してしまっていた。
「はあ……。言わんとしていることは分かりますが、違います。この男と一緒に、別室で話しませんか」
「……わかった。君たちは自習をしていてくれ」
生徒たちは動揺と困惑が隠せないでいたようだが、肝心の担任がこんな事になってしまった以上、従う他なかった。
リーベとエレメア、そして気絶している男、助けにやってきた教師の四名は、別室に移動をしていた。
事情を知らず、魔王派閥ではない教師としてはとりあえず件の人間を隔離――これが精一杯の判断だった。
リーベは歩ける状態ではなかったため、教師がおぶって移動をさせた。道中で延々とエレメアに笑われていたが、リーベは全て聞こえないふりをしていた。
「説明してもらいましょうか」
「まず――エレメア。僕の足の治癒と、こいつの素性を」
『分かったのじゃ』
「エレメア? なんの話です?」
教師の質問などお構いなし。エレメアはリーベを優先し、まず彼の足を治癒した。
瞬時に足が治れば、リーベは軽く動かして具合を見る。エレメアの魔術が失敗するわけもないため、全快の状態へと戻っていた。
リーベが魔術を使えないのは、学院の教師であれば誰でも知っていることだ。
だから動けないはずのリーベが、足を再び動き出したことは異常事態でもある。――もしかして、力を隠していたのではないか。そう勘ぐってしまうのだ。
「な、なんだ!? 何が起こっている!?」
「姿は現していい。この人は学院の一番偉い人だ」
『裏切らんか?』
「裏切りかぁ……」
「よくわかりませんが、私が裏切れるとお思いで?」
「それもそうだね」
『ふむ』
アリスの派閥ではないとはいえ、その脅威はよく知っている。たとえ裏切ったところで、その後に無事に生きていられる保証がないことも。
だからこそ、教師は諦め半分でそういった。
エレメアもそれを理解している。アリスの〝異常性〟は、出会った頃から。
ゆえにエレメアは、不可視化を解除して姿を現した。
「な、こ、この子供は!?」
『誰が子供じゃ! わしからすれば貴様の方が小童じゃ、阿呆!』
「なっ……」
「彼女はエレメア。僕の護衛。あとは大精霊」
「大精霊!?」
教師の表情にははっきりと「こんな子供が大精霊だというのか?」という気持ちが貼り付けられていた。
運良く、鈍いエレメアには気付かれていないが、リーベには筒抜けだ。
エレメアを舐められたところで、リーベには痛くも痒くもない。だからその話題には触れず、淡々と説明を続ける。
「母が永久の庭から連れ帰った精霊です」
「な、なんと……。ごほん。先程のご無礼をお許しください、大精霊様」
『うむ、許すぞ』
「さ、本題だ。エレメア」
『ぬん!』
Bランク魔術では見通せないと知っていたエレメアは、手を抜くことなど無く高ランクの魔術にて変身を解除させた。
今まで見慣れた教師の姿をしていた男は、一瞬にして別人である本人へ姿が戻っていく。
まんまと騙されていた教師は、見知らぬ男が現れたことで動揺を隠せないでいた。今の今まで仕事仲間だと思って接してきた相手が、人相の悪い暗殺者へと変わったのだから当然だ。
流石にこれを見せられれば、アリス派閥ではなくてもリーベを信じざるを得ない。
彼が生徒を優先して暗殺者を止めたのは意外だったが、それは今ここで話題にすることでもないだろう。
「僕の命を狙ってきた刺客のようです。僕に直接的な恨みがある訳ではなく、ラストルグエフか母上への恨みでしょうね」
「……なるほどな」
「尋問をするなら、僕に任せてくれませんか?」
「何故ですか?」
「僕の魔眼がありますから」
「……好きにするといい……」
教師はもはや、リーベに委ねるしかなかった。リーベという一人の少年の存在で、学院はかき乱されている。
入学時点で英雄の領域に達している生徒など、勇者以外で見たことがない。勇者ならまだしも、彼は魔王の子供だ。
更には連れているのはあの〝誰も帰らぬ島〟――永久の庭の精霊だというのだ。それに魔眼まで持っている。
明らかに、オリヴァー以上の規格外だ。
『して、子よ。本物の教師は探さぬのか?』
「あぁ、そうだった。入れ替わったのならば、僕のクラスの本当の先生はどこにいるのでしょう? というか、いつから彼だったのでしょうか?」
「……それも調査しましょう。まずは――」
「ええ、尋問ですね」
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