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第1章 王家と公爵家
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しおりを挟む反対側の階段下にいた王太子は
あのもう一度会いたかったレオに似ていた
でもあの時のような女の子みたいな雰囲気は
一切なくこの国の王子としての佇まいがあり
とても凛とした綺麗な男の人いた。
そんな事を思っていると反対側にいる王太子が
少しずつ、ホールの真ん中に近づいているのに
気がついた。それを見た私もリハーサル通り
ホールの真ん中に行き、差し出された手に
自分の手を合わせ、ドレスの片側を持ち、一礼
王太子の腕にそっと自分の腕をまわし
そして皇太子のご両親である国王陛下夫妻のいる
王座に2人で歩みを進めた
国王陛下の側には側近であり、自分の父親である
ロイド・ベルナール公爵がいた
「ロイド
私の息子もお前の娘に負けておらんだろ」
「それは‥レオン皇太子がお生まれになった時
からずっと聞いております。」
「あなた達、2人のお式ですよ。」
王妃によって話は止められた
(お父様、国王様と何をお話になられているのだろう)
「マリア」
ふと、名前を呼ばれた気がした
「そのまま前を向いたまま聞いて」
頭の上から少し大人びた声がし
王太子様だと気づいた
「また会えてよかった。
君が僕の婚約者で嬉しいよ、ありがとう」
その言葉を言い終える時には
国王陛下夫妻の前にいた
返事をする間もなく、2人の前には婚約を証明する
証明書が置かれた台があった
「レオン・D・フィシャール王太子と
マリア・ベルナール公爵令嬢の婚約式を
始めたいと思います。」
進行係がそう案内すると
国王陛下が席を立ち、2人の前に立った
「レオン・D・フィシャール」
「はい」
国王の目線が私に向かう
「マリア・ベルナール」
「はい」
「ここにいる皆の前で2人が婚約をする事に
異議申し立てはあるまいな」
「「ございません」」
静寂に包まれた広いホールに国王の声が響く
「ではこちらの婚約証明書に2人の名を書きなさい
まずはレオンから」
「はい」
さらさらっと紙にサインをしていく
レオの横顔を見つめた
(横顔も綺麗なんて‥)
「マリア」
と呼ばれた先に先程までサインをしていた筈の
レオの手が私の手にペンと共に触れていた
「あ、はい」
そう返事をし、レオンの名が書かれた下に
マリア・ベルナールと記入した。
「これにてレオン・D・フィシャールと
マリア・ベルナールの婚約を宣言する」
記入した婚約証明書を国王が大きく持ち上げ
より大きな声で宣言をした瞬間
大きな歓声と拍手がホールに響く
「マリア、右手を貸して」
歓声の中、耳打ちをするレオの言葉に
素直に右手を差し出した
にこっと笑って自分の手でマリアの手を
レオの顔の近くにまで持ち上げ
そっと右手の薬指に唇を落とした
「え、、」
「まだ本物はあげられないけど、
これはその代わりとして」
あまりにも一瞬の出来事に
私とレオ、そして後ろにいたお父様と国王陛下夫妻
しか見ていなかった
「レオンもなかなかやりおるぞ、ロイド」
「あなたに似たのではありませんか」
それから宴が始まり
主役の2人から招待客にお礼のダンスを披露し
各々とダンスをする中に国王夫妻も披露したり
お父様とお母様もいたりと賑やかに行われた
マリアもレオンも色んな貴族達から
ダンスの申し込みがありそれぞれに相手をしていく
やっとダンスから離れられ
近くにいたお父様とお母様に
「少しバルコニーで涼んできてもいいですか?」
と尋ねた
「そうだな、疲れただろう
レオン様と一緒に行ったらどうだ」
そう言われまだ人の輪の中心にいる
婚約者のレオンを見つめた
「レオン様はまだダンスのお相手が
いらっしゃるようなので私だけ先に涼んできます」
父も母もそうだな、と笑って見送ってくれた
先程まで色んな男性からダンスを申し込まれていた
マリアがホールにいない
周りを見渡しているとバルコニーに出て行く
マリアを見つけた
「レオン様、次は私と踊りましょう!」
「その次は私ともお願いします!」
次々と申し込まれてマリアに近づく事も出来ない
「少し休ませてもらってもいいですか?
喉が渇いてしまって。」
そう言うとあれだけ騒がしかった女性達が
素直に引いてくれた
「また戻ってきたらお相手お願いしますね」
そう言って早足で配給をしているメイドから
2人分のお水をもらい、バルコニーへ向かった
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