Someday small seeds will bloom‥〜幼き恋〜

櫻井 優

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第2章     学舎と友

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レオン・D・フィシャール王太子との婚約から
約2年の歳月が経ち、マリアは13歳になっていた


この2年、公爵邸での勉学・妃教育など
より忙しい日々を過ごしていた

時折、王室にも行き実際のマナーを学んでいた
その合間にレオンともダンスの練習や食事などを
できる限り一緒に過ごした







ーーーーーーーーー


王室内にあるレオン専用の執務室で
お菓子や紅茶を用意されて、レオンとマリアは
対面で談笑をしていた




「マリア、もうすぐ
 ユース・カレッジに入学するんだよね」


「はい、公爵邸ではどうしても
 学べない事があるからとお父様に勧められて
 それに他の御子息や御令嬢がいるから将来の為に
 交流を持ちなさいと言われました」


「僕も君の兄であるアレンも通っているから
 ベルナール公爵はユースにしたんだと思うよ」


「お父様は御令嬢だけのカレッジもあるけど
 お兄様がそれだと公爵邸から通えないと‥」


「‥‥アレンが言いそうな事だ‥」



レオンはフッと笑った




「私も離れて暮らすのは少し不安もありましたし
 お父様がレオン様もいるカレッジだからと
 許可してくださいました」



そう言って嬉しそうにレオンに笑いかけたマリア



「僕もマリアと同じ場所で嬉しいよ」



にこっと笑うレオンに少し頬を染めるマリア



「(今日も綺麗なレオン様‥)」


「あそこは色んな貴族の人達が集まるから
 友達を作るいい機会かもしれないね」


「はい、私もお話できるお友達が欲しいです‥
 
 あ、レオン様とお話しするのも
 すごく楽しいですよ!私の知らない事
 たくさん知ってますし!」


そう慌てるマリアにレオンはハハハと笑う



「マリア、いい友達がたくさんできるといいね」



「は‥い‥(恥ずかしい‥)」








ーーーーーーー








「じゃあマリア、気をつけて帰るんだよ
 次に会うのは‥カレッジの入学の時だね」



「はい、これから街でお母様と合流して
 制服を仕立てに行くんです」


「そうなんだ!入学の時に制服姿のマリアに
 会うのがより楽しみになってきたよ」


「もうレオン様、恥ずかしいからやめてください」



レオンの言葉に恥ずかしがるマリアを見た



「まだ全然慣れてくれないね、もう婚約して
 2年経つのに、マリアは恥ずかしがり屋だ」


そうレオンはマリアの手を持ち
手の甲に唇を落とした



「慣れません、、これからも‥多分」


レオンのその動作だけで顔が赤くなってしまう



顔を赤くしたマリアが俯いてしまうのを見て




「(僕は慣れてもらわないと困るんだけどなぁ‥
  手だけにキスをするのはちょっと足らないよ
  もう少し大きくなったらお願いしてみようかな)」








ーーーーーーーーーー



マリアを見送ったあと執務室に戻ったレオンは




「カイル、明日にでも宝石商を呼んでほしい」


「はい、かしこまりました。
 連絡をしておきます」



マリアに出会って婚約してから初めての贈り物は
彼女が13歳になってからと決めていた






どんな顔をするのか楽しみで
早く当日が来てほしいと願うレオン









ーーーーーーーー










「奥様、マリア様お帰りなさいませ」






母と一緒に仕立て屋から帰宅した




「マリア!会いたかったよ!」


階段の上から大きな声がした
振り返ると勢いよく階段から降りてくる兄がいた


そしてその勢いのままマリアに抱きつく



「きゃっ‥!」


ぎゅっと抱きしめたアレン


「アレン、マリアが苦しそうですよ」


母がそうアレンに言うと


「母上もお帰りなさい」


そう言ってマリアを片手に抱きしめながら
母の頬にキスをした



「マリアにも」


再びマリアに向き直り
マリアの両頬と額にキスをした



「お兄様、朝一緒に朝食とりましたよ」


「俺は半日以上会えなくて寂しかったんだよ
 それにレオンの匂いがする」


少しムスッとしたアレンにマリアは



「今日はレオン様とお部屋でお話をしてたから‥」


「俺も王室にいたのに~、用事終わってレオンの
 執務室行ったらもうマリア帰った後だった」


「お父様とご一緒だったんでしょ?
 お仕事の邪魔はできませんよ‥」


「マリアはいつでも可愛いよ!
 俺の可愛いマリア」



マリアの話は聞こえないアレンに
マリアはじっと身を任せたままにしていた













"えー!マリアもう帰ったの⁉︎"

"カレッジの制服を母親と仕立てに
 行くって言っていたよ"


執務室で父の公務の手伝いで資料を作成していた
レオンにアレンが驚いた声でそう言った



"アレン入ってくるのはいいけど
 ノックぐらいしてくれ"

"この部屋ほとんどレオンとカイルしか
 いないじゃん"

"それでもだ"

"そんな事より今日のマリアはどうだった?"

レオンが仕事している机の前にあるソファに座り
足を組んで顎に手を添え、にこにことしながら
レオンの方を見た


"なんでそんな事聞く"

"あんな可愛いくて綺麗な令嬢はマリアだけだろ?"

"‥相変わらず妹贔屓だな"

"え、お前自分の婚約者が可愛いくないの?"

"‥そんな事一言も言っていない"

"あぁあんなにレオン様レオン様って言ってる
 マリアが可哀想になってきた"

"変な事言うな"

"レオン様が自分の事可愛いと言ってくれないって
 知ったらマリア泣いちゃうかもね~"



レオンは目を大きく見開いて
スッと横に顔を向け口元を手で隠した



"可愛いくないわけないだろ‥
 こっちは耐えるのに必死なんだぞ‥"



耳が赤くなるレオンを見たアレンは
にやにやしながら


"へ~‥まぁまだ純粋無垢なマリアのままで
 置いといてくれよ、レオン"



さっ帰ろ!と立ち上がり
また明日カレッジでな~と言いながら
出て行ったアレン









絶対に遊ばれてると大きな溜息を吐くレオン









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