Someday small seeds will bloom‥〜幼き恋〜

櫻井 優

文字の大きさ
18 / 19
第2章     学舎と友

18 ーレオンside 2ー

しおりを挟む


「マリアはまだ熱が下がらないのか‥」

執務室のソファに腰をかけるレオン

「あぁ、医者が言うには疲れとは別にストレスも
 あるんじゃないかって言ってた、1週間は安静だと」

アレンは入れてもらった紅茶を飲みながら
そうレオンに話す


「ストレス‥か、あの時はあの事が原因で
 泣いていたのかと思ってたけど」

「たぶん違うね、確かにレオンがサエルシアの令嬢と
 事にも少なからず原因はある
 けど、マリアもベルナール公爵家の令嬢だ
 そこがわかってたからお前の背中を押したんだ」

「僕はマリアが行くなと止めたら行かなかっただろうな」

レオンははぁとため息をしてソファの背に持たれた

「マリアに感謝しろよ、本当に。
 まぁマリアは無自覚にしたんだと思うけどさ」

アレンはそう言って笑う

「で、誰の差し金かわかったのか?」

アレンは一つ声のトーンを落として
レオンの目を見た

「あぁ、ベン・チャーリー男爵だ」

アレンは目を開いて驚いた

「男爵だと?その爵位で王家と公爵家に
 喧嘩を売るのか?あり得ないだろ
 相当なバカだとしか思えん」

と言った後、アレンは静かに

「サエルシアか、そいつを動かしたのは」

そう呟いた

レオンは頷いた

「やり方がきったねーな」

とソファの背にもられ天井をみた

「あの時マイクで喋っていた男が
 チャーリー男爵の息子だったのも
 ナイルが調べた。」

アレンは指でパチンっと音を鳴らし

「なるほど!そりゃやり放題だわ
 バレないと思ったのかね‥」

鼻で笑うアレン

「で、どうすんの?」

「男爵の爵位を取り上げる
 国王陛下にも許可を得ている」

「あーぁせっかく男爵になれたのに‥残念
 どんな奴か知らねーけど」

「王家の使者達が行っているだろう
 こんな早くバレるとは思っていないはずだよ」

「さすがナイルだわ‥大公家は違うね」

「王家の分家だからね、それなりに自由に動ける」

ですよねーと笑うアレン

「今回は俺の出番なしでちょっと暇」

お皿にあるクッキーを食べる

「そんな事いいながらもサエルシア家の事
 知ってたじゃないか」

「そりゃ知ってるだろ、何かとベルナールに
 ちょっかい出しては父上の機嫌悪くしてんだから」

「ちょっかいって‥」

「今回みたいに自分の手は汚さないから
 今の今まで公爵でいられてる」

「チャーリー男爵も爵位がなくなっても
 家業はやれるだろうね」

「それなりの保証はしないと余計な事話されるだろしね
 ま、公爵と男爵のどっちの話を信じるかは目に見えてるけどさ」


レオンは、そうだな と笑った

アレンはそのレオンの顔を見て
ゆっくりと立ち上がり

「今回はそれだけで終わったからいいけど
 マリアがもし、これ以上泣く事があったら
 俺は何するか、わからないよ」

レオンはアレンの真剣な顔を見上げた

「それは僕もだ。」

「‥‥マリアはベルナールにとって命よりも大切な女の子だ。
 本当はずっと外に出さず時が来るまで閉じ込めておいても
 いいくらいなんだ。」

レオンはアレンの目をじっと見た

「でもマリアの自由を奪ってまで彼女を守るのは違う。
 もし‥もしもマリアがお前の意思とは違う事を願うなら
 ベルナールはそっちを優先する」

その言葉が何を意味するのかレオンはわかっていた

「あぁ‥」

「レオン、お前は変わらないかもしれないがマリアは‥
 
 いや、これ以上はマリアしかわからない事だから
 何も言えないけど、離したら終わりだ。それだけは言える」


レオン首元辺りにある何かを触るように

「‥僕は何があろうと離す気はないよ、絶対に」

と言った


アレンはフッと笑って歩き出し
レオンの肩をポンポンと叩いてドアに向かった


「俺もそれを願うよ」

執務室から出て行くアレン


レオンはドアが閉まり切る音を聞いて
額に手を当てた


「カイル」

「はい」

「サエルシア家の行動をできる限り見張っといてくれ」

「はい、かしこまりました」

「あと、ローズ嬢の周りにいる御令嬢の情報も。
 カレッジの事はナイルとアレンの方が動ける」

レオンはそうカイルに言い
仕事をする机の方へ行き椅子に座った


「あと‥マリアに僕の名で花を贈っといてくれ
 本当は自分から渡したいが無理はさせたくはない」

「わかりました」

「(早く良くなって欲しい‥)」


そう思いながら、いつもの様に公務に取り掛かるレオン





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

籠の鳥〜見えない鎖に囚われて✿❦二人の愛から…逃れられない。

クラゲ散歩
恋愛
私。ユリアナ=オリーブ(17)は、自然豊かなオータム国にあるグローパー学院に在籍している。 3年生になって一ヶ月が経ったある日。学院長に呼ばれた。技術と魔術の発展しているフォール国にある。姉妹校のカイト学院に。同じクラスで3年生の男子3名と女子3名(私を含め)。計6名で、半年の交換留学をする事になった。 ユリアナは、気楽な気持ちで留学をしたのだが…まさか学院で…あの二人に会うなんて。これは…仕組まれていたの?幼い頃の記憶。 「早く。早く。逃げなきゃ。誰か〜私を…ここから…。」

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

皇宮女官小蘭(シャオラン)は溺愛され過ぎて頭を抱えているようです!?

akechi
恋愛
建国して三百年の歴史がある陽蘭(ヤンラン)国。 今年16歳になる小蘭(シャオラン)はとある目的の為、皇宮の女官になる事を決めた。 家族に置き手紙を残して、いざ魑魅魍魎の世界へ足を踏み入れた。 だが、この小蘭という少女には信じられない秘密が隠されていた!?

ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!

タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。 姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。 しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──? 全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!

処理中です...