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1章魔法使いの成長
第8話 世界のほんの少しの異常
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「ロベルさんは私の顔、名前、なぜあそこにいたのかわかりますか。」
それは知りたい。だったわからないのだから。だからこそ答えた。
「わからない。言えることは眠る直前に視界が乱れて、それから突然あなたが現れた。いや、声が聞こえただけだったか。でも、たったそれだけだ。」
「そうなんですね。」
「そういえば、ここってどこだ。少しは移動したのか。」
土魔法で自分の立っている場所を盛り上げて見渡せば、帰る方向もわかるだろ。」
「いいえ。してませんよ。」
「は!?」
え、あの魔物の群れがいて移動してないってどう言うことだよ。
「〈結界〉を貼ってますからね。」
「〈結界〉で?」
〈結界〉にこんな強力な効果は...。
あっ。聖魔法か。
「聖職者だったのか。」
「そうですよ。よく分かりましたね。」
「気づきますよ。〈結界〉はこんなに大きく出来ないですからね。」
「?大きく出来ないのはそうですけど、普通はこんなに強力に出来ないはずですが。」
「そう?このくらいならできる気がするけど。んー。やっぱ微妙かも。」
「?」
「?」
そんなに変なこと言ったかな。できるか微妙だったから素直に言っただけだけど。
「そういえば、魔物はどうなってるの。結界の周りに大量にいるってことはないよね。」
「それは分かりません。勇者様ならできるかもしれませんが。」
「勇者ね。」
そういえば、そんなのもいたな。虹属性の魔法は特に気になるな。とか思ってたっけ。
「じゃあ、なるべく逃げながら帰るしかないのか。」
「そうなりますね。」
「君のいた教会までは流石に送れないと思うけど。まあ、機会があれば訪れるよ。」
「そうですか。では、結界を解除しますよ。」
「わかった。」
また、あの地獄があるのか。あれ?ウルフとかと戦ってたときかなり全力で走ってたよな。
「じゃあ、俺に捕まっとけよ。」
「は、はい!?」
「行くぞ!」
「!? キャー!」
流石に速すぎたか。まあ、魔物との距離を離すにはこうするしかないから。
~~~~~
「よし、取り敢えず森から出たぞ。」
「うぅ。えぇ。そうですかぁ。」
「大丈夫?」
「気持ち悪いですぅ。」
気持ち悪い?ああ、乗り物酔いみたいな感じになっているのか。
「あ、いや。配慮が足りなくてごめんね。」
「?」
「まあ、この後は自分で帰れそうか?」
「うぅん?無理な気がする。」
「じゃあ、1番近くの街までは連れてってやるよ。」
流石にもう夕焼けだからな。帰るか宿に泊まるかどちらかはしないと洒落にならない。
「ありがとう。」
~~~~~
もうすっかり夜になった。まあ、森から距離があったのだから仕方がない。
「もう夜だけど街に着いたぞ。」
「住んでた街じゃない。ここはどこなの。」
「ここはメルヘイル。クライエット公爵領だよ。」
「そう。じゃあ、馬車で移動しないと。」
「いやいや。今は無理だからね。お金はあげるから。」
ん~。どんくらいあげればいいかな。
「じゃあ、はい。」
「小銀貨10枚!?」
んー。多すぎるかな?まあ、わざとだけど。どうせ小銀貨5枚くらいは残るくらい渡してるからね。
「こんなに貰えないですよ!」
「まあまあ。自分で稼いだ金だし、全然余ってるからいいよ。」
「それでも。」
「何かあった時のために少し多めには渡してるけどね。」
「そ、それなら。」
よし。うまく言いくるめた。
~~~~~
「いや~。昨日突然馬がいなくなったものでな。ちょっと運行ができねえんだよ。嬢ちゃんも知っとるだろ、いろんな人や物が突然現れたり、いなくなったりしたの。本当は仕事したいもんだけどね。」
それは知りたい。だったわからないのだから。だからこそ答えた。
「わからない。言えることは眠る直前に視界が乱れて、それから突然あなたが現れた。いや、声が聞こえただけだったか。でも、たったそれだけだ。」
「そうなんですね。」
「そういえば、ここってどこだ。少しは移動したのか。」
土魔法で自分の立っている場所を盛り上げて見渡せば、帰る方向もわかるだろ。」
「いいえ。してませんよ。」
「は!?」
え、あの魔物の群れがいて移動してないってどう言うことだよ。
「〈結界〉を貼ってますからね。」
「〈結界〉で?」
〈結界〉にこんな強力な効果は...。
あっ。聖魔法か。
「聖職者だったのか。」
「そうですよ。よく分かりましたね。」
「気づきますよ。〈結界〉はこんなに大きく出来ないですからね。」
「?大きく出来ないのはそうですけど、普通はこんなに強力に出来ないはずですが。」
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「?」
「?」
そんなに変なこと言ったかな。できるか微妙だったから素直に言っただけだけど。
「そういえば、魔物はどうなってるの。結界の周りに大量にいるってことはないよね。」
「それは分かりません。勇者様ならできるかもしれませんが。」
「勇者ね。」
そういえば、そんなのもいたな。虹属性の魔法は特に気になるな。とか思ってたっけ。
「じゃあ、なるべく逃げながら帰るしかないのか。」
「そうなりますね。」
「君のいた教会までは流石に送れないと思うけど。まあ、機会があれば訪れるよ。」
「そうですか。では、結界を解除しますよ。」
「わかった。」
また、あの地獄があるのか。あれ?ウルフとかと戦ってたときかなり全力で走ってたよな。
「じゃあ、俺に捕まっとけよ。」
「は、はい!?」
「行くぞ!」
「!? キャー!」
流石に速すぎたか。まあ、魔物との距離を離すにはこうするしかないから。
~~~~~
「よし、取り敢えず森から出たぞ。」
「うぅ。えぇ。そうですかぁ。」
「大丈夫?」
「気持ち悪いですぅ。」
気持ち悪い?ああ、乗り物酔いみたいな感じになっているのか。
「あ、いや。配慮が足りなくてごめんね。」
「?」
「まあ、この後は自分で帰れそうか?」
「うぅん?無理な気がする。」
「じゃあ、1番近くの街までは連れてってやるよ。」
流石にもう夕焼けだからな。帰るか宿に泊まるかどちらかはしないと洒落にならない。
「ありがとう。」
~~~~~
もうすっかり夜になった。まあ、森から距離があったのだから仕方がない。
「もう夜だけど街に着いたぞ。」
「住んでた街じゃない。ここはどこなの。」
「ここはメルヘイル。クライエット公爵領だよ。」
「そう。じゃあ、馬車で移動しないと。」
「いやいや。今は無理だからね。お金はあげるから。」
ん~。どんくらいあげればいいかな。
「じゃあ、はい。」
「小銀貨10枚!?」
んー。多すぎるかな?まあ、わざとだけど。どうせ小銀貨5枚くらいは残るくらい渡してるからね。
「こんなに貰えないですよ!」
「まあまあ。自分で稼いだ金だし、全然余ってるからいいよ。」
「それでも。」
「何かあった時のために少し多めには渡してるけどね。」
「そ、それなら。」
よし。うまく言いくるめた。
~~~~~
「いや~。昨日突然馬がいなくなったものでな。ちょっと運行ができねえんだよ。嬢ちゃんも知っとるだろ、いろんな人や物が突然現れたり、いなくなったりしたの。本当は仕事したいもんだけどね。」
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