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一章 〜雑魚魔物使い〜
十九話 動く水晶
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「マジでいた……」
UMA的扱いである、全身が水晶のようなカエル。
これは実在する生物だったようだ。
目の前にいる、それとしか思えない奴が何よりの証拠である。
体は半透明で思っていたよりも大きい。プチ男と似たようなサイズだろう。
そしてこのカエルもまた、プチ男に向けて威嚇をしているようだ。背中に生えた突起物が激しく伸縮しているのが見える。
UMAに常識が通用するとは思えないが……それでも言わせてもらおう。
コイツの体の構造は、一体どうなっているんだろうか??
バチン!
どうやら俺の頼れる相棒はゆっくり観察もさせてくれないらしい。
いきなりプチ男がカエルへと体当たりを繰り出したかと思うと、二匹は縺れながら奥の林へと転がって行った。
「お、おい!いきなり何やってんだよ!」
そこで俺も仕方無く、草木を掻き分けプチ男の元へと急いだ。
争っている二匹の姿はすぐに見つかった。
また、カエルはプチ男と同じで伸び縮みする肉体を武器にする戦闘スタイルらしく、目の前の全てがうねうねしていてイマイチ戦況が分からない。
……が、どちらかと言えばプチ男が優勢のようだ。
すると、自分が不利と察したのかカエルはプチ男を蹴り飛ばし、次にその反動で自らを宙に浮かび上がらせ、一本の木に張り付いた。
それで、第一ラウンド終了と言った所なのだろう。そこからはまた威嚇の応酬が始まった。
「なあ、何でお前らそんなに殺意剥き出しなんだ?
別に宿敵ってワケでも無いだろうに……」
詳しい説明が返って来ない事など充分に理解している。しかしコイツらを見ていると、俺はそう問い掛けずにはいられなかった。
プチ男は結構早くから臨戦態勢だったし。
カエルもカエルで、予想外に攻撃的だし。
一体、何が彼等をここまで突き動かしているのかが、全然分からないのだ。
……と、ここで唐突にも威嚇合戦が幕を閉じ。
何とカエルが、俺の胸に飛び込んで来た。
「え、え!?
な、何で!?どうして!?」
さっきまでの威勢は何処へやら、俺にしがみ付いたカエルは縮こまっている。
更に、プチ男までもがいつの間にやら似たような感じとなっていた。
……とにかく。
この様子では両者共に、これ以上争う気は無いと見える。
「よく分からないけど、とりあえず終わったんだな」
そう思いほっとしたのも束の間。
漸く、俺は目の前で発生していたらしい異変に気付いた。
……そりゃそうだ。
誰だって、自分が張り付いてた木の陰から突然、ギガントトロールが現れたら。
それが例え敵だった相手だろうと、飛び付きたくもなるだろうさ。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
俺はプチ男とカエルを抱えて木々の中を力の限り走っていた。巨人から逃げるために。
ギガントトロールは以前戦った奴よりも小柄ではあるが、俺達にとって脅威には全く変わりがない。
遭遇したのが雑木林の近くで本当に助かった。こちらからしてみれば一直線の獣道でも、巨人にとっては障害物競争をしているようなものだ。これならどうにか、逃げ切れるかもしれない。
その上、俺の両脇に挟み込まれている二匹は自走こそしてくれないものの意外と役に立っている。
コイツらが緊張して硬くなったり、反対に柔らかくなったりする度合いで、背後を振り返らずとも何となくギガントトロールとの距離が把握出来るのだ。
……まあ、正直に言えば。
センサーなんてやらなくて良いから、降りてもらいたいのだが……俺がコケたら全滅するぞ。
「あの~、クボタさん。
こんな所で何やってるんですか?
まあとりあえず、アレから逃げてるって事は間違い無いと思いますが」
すると突然、不意に声を掛けられ一瞬思考が停止した。別に、何と答えようかと悩んで停止したワケではない。
それは居もしないはずの、男の声であったのだ。
そこから推察するに、コルリスとジェリアが俺の叫びを聞いて助けに来てくれた、という可能性は無くなる……それなら。
俺を知っていて、かつ男性で。
それも、こんな所まで来れるような奴は……多分。
一人しかいない、自称神様だ。
……あーあ、ガッカリ。
「ハァ、ハァ、ハァ……
何だ、お前か……ハァ、ハァ」
「な!?何でちょっと嫌そうなんですか!?」
当たり前だ。
お前は似たような事があった時、安全圏から呑気に話してただけだったじゃないか。だから今現れても、これっぽっちも嬉しくない。
「……まさか、前の事を思い出して『こんな奴いてもしょうがない』とか、思ってたりしませんよね!?」
次に自称神様はそう言う。
すまん、大正解だ。
返事してる場合ではないから本人には言わないけど。
「でも、今回は助けになれると思いますよ!
さあ!僕についてきて下さい!」
「ハァ、ハァ……マジ?」
「マジです!!」
そう言い終えると共に自称神様は速度を上げ、まるで信号のようにチカチカと瞬きながら俺の誘導を開始した。
……が。
誘導灯と化したそれは、木々の間を縫うように進むのでこちら側としてはどうにも走り辛い。絶対コイツ、俺が二足歩行だって事を考慮してないだろ。
センサー達も硬くなってきた……そしてそれは、ギガントトロールに距離を縮められてしまっていると言う事と同義。
ちょっとヤバいかも……
「ここまで来れば大丈夫ですよ!
クボタさん早く早く!」
と、そこで自称神様がそのような事を言い始めたのを聞き。
「……よし」
俺は、最後の力を振り絞った。
UMA的扱いである、全身が水晶のようなカエル。
これは実在する生物だったようだ。
目の前にいる、それとしか思えない奴が何よりの証拠である。
体は半透明で思っていたよりも大きい。プチ男と似たようなサイズだろう。
そしてこのカエルもまた、プチ男に向けて威嚇をしているようだ。背中に生えた突起物が激しく伸縮しているのが見える。
UMAに常識が通用するとは思えないが……それでも言わせてもらおう。
コイツの体の構造は、一体どうなっているんだろうか??
バチン!
どうやら俺の頼れる相棒はゆっくり観察もさせてくれないらしい。
いきなりプチ男がカエルへと体当たりを繰り出したかと思うと、二匹は縺れながら奥の林へと転がって行った。
「お、おい!いきなり何やってんだよ!」
そこで俺も仕方無く、草木を掻き分けプチ男の元へと急いだ。
争っている二匹の姿はすぐに見つかった。
また、カエルはプチ男と同じで伸び縮みする肉体を武器にする戦闘スタイルらしく、目の前の全てがうねうねしていてイマイチ戦況が分からない。
……が、どちらかと言えばプチ男が優勢のようだ。
すると、自分が不利と察したのかカエルはプチ男を蹴り飛ばし、次にその反動で自らを宙に浮かび上がらせ、一本の木に張り付いた。
それで、第一ラウンド終了と言った所なのだろう。そこからはまた威嚇の応酬が始まった。
「なあ、何でお前らそんなに殺意剥き出しなんだ?
別に宿敵ってワケでも無いだろうに……」
詳しい説明が返って来ない事など充分に理解している。しかしコイツらを見ていると、俺はそう問い掛けずにはいられなかった。
プチ男は結構早くから臨戦態勢だったし。
カエルもカエルで、予想外に攻撃的だし。
一体、何が彼等をここまで突き動かしているのかが、全然分からないのだ。
……と、ここで唐突にも威嚇合戦が幕を閉じ。
何とカエルが、俺の胸に飛び込んで来た。
「え、え!?
な、何で!?どうして!?」
さっきまでの威勢は何処へやら、俺にしがみ付いたカエルは縮こまっている。
更に、プチ男までもがいつの間にやら似たような感じとなっていた。
……とにかく。
この様子では両者共に、これ以上争う気は無いと見える。
「よく分からないけど、とりあえず終わったんだな」
そう思いほっとしたのも束の間。
漸く、俺は目の前で発生していたらしい異変に気付いた。
……そりゃそうだ。
誰だって、自分が張り付いてた木の陰から突然、ギガントトロールが現れたら。
それが例え敵だった相手だろうと、飛び付きたくもなるだろうさ。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
俺はプチ男とカエルを抱えて木々の中を力の限り走っていた。巨人から逃げるために。
ギガントトロールは以前戦った奴よりも小柄ではあるが、俺達にとって脅威には全く変わりがない。
遭遇したのが雑木林の近くで本当に助かった。こちらからしてみれば一直線の獣道でも、巨人にとっては障害物競争をしているようなものだ。これならどうにか、逃げ切れるかもしれない。
その上、俺の両脇に挟み込まれている二匹は自走こそしてくれないものの意外と役に立っている。
コイツらが緊張して硬くなったり、反対に柔らかくなったりする度合いで、背後を振り返らずとも何となくギガントトロールとの距離が把握出来るのだ。
……まあ、正直に言えば。
センサーなんてやらなくて良いから、降りてもらいたいのだが……俺がコケたら全滅するぞ。
「あの~、クボタさん。
こんな所で何やってるんですか?
まあとりあえず、アレから逃げてるって事は間違い無いと思いますが」
すると突然、不意に声を掛けられ一瞬思考が停止した。別に、何と答えようかと悩んで停止したワケではない。
それは居もしないはずの、男の声であったのだ。
そこから推察するに、コルリスとジェリアが俺の叫びを聞いて助けに来てくれた、という可能性は無くなる……それなら。
俺を知っていて、かつ男性で。
それも、こんな所まで来れるような奴は……多分。
一人しかいない、自称神様だ。
……あーあ、ガッカリ。
「ハァ、ハァ、ハァ……
何だ、お前か……ハァ、ハァ」
「な!?何でちょっと嫌そうなんですか!?」
当たり前だ。
お前は似たような事があった時、安全圏から呑気に話してただけだったじゃないか。だから今現れても、これっぽっちも嬉しくない。
「……まさか、前の事を思い出して『こんな奴いてもしょうがない』とか、思ってたりしませんよね!?」
次に自称神様はそう言う。
すまん、大正解だ。
返事してる場合ではないから本人には言わないけど。
「でも、今回は助けになれると思いますよ!
さあ!僕についてきて下さい!」
「ハァ、ハァ……マジ?」
「マジです!!」
そう言い終えると共に自称神様は速度を上げ、まるで信号のようにチカチカと瞬きながら俺の誘導を開始した。
……が。
誘導灯と化したそれは、木々の間を縫うように進むのでこちら側としてはどうにも走り辛い。絶対コイツ、俺が二足歩行だって事を考慮してないだろ。
センサー達も硬くなってきた……そしてそれは、ギガントトロールに距離を縮められてしまっていると言う事と同義。
ちょっとヤバいかも……
「ここまで来れば大丈夫ですよ!
クボタさん早く早く!」
と、そこで自称神様がそのような事を言い始めたのを聞き。
「……よし」
俺は、最後の力を振り絞った。
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