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一章 〜雑魚魔物使い〜
21.5話 VS C級キマイラ
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手紙の内容は大体俺の予想通りだった。
……いや待て、勘違いしないで欲しい。
別に悪意があって勝手に読んだとかそう言うワケでは無い。
ほら、だってルーは……字が読めないだろう?
それに、俺が読まなかったらロフターの希望である『どうか心を入れ替えた僕の試合を見に来て下さい。そして優勝した暁には……(これ以降は彼の名誉のためにも省略させてもらう)』と言うのも、知られぬまま彼は自動的に玉砕していたはず。
だからそう、俺は無罪であるのだ。
誰が何と言おうとも。
だがそれにしても、なかなかこまっしゃくれた坊ちゃんだ。俺の目の黒い内は、ルーはやらんぞ?
まあ、もう死んでるけど……
……さて。
俺はそんな風に、「やらんぞ!」とか言っているワケだが。
実の所、しっかり闘技場には到着している。
次はその理由について説明しよう。
それは……こっちも試合があるのだ。
まあ幸いと言うべきか、俺達の試合は午前中でロフターの方は午後に行われる。
なのでまあ仕方無いから、アイツの試合も見るくらいはしてやる予定だ。
……まあ良い。
今は自分達の試合に集中するとしよう。
そんな俺達の、今回の相手はキマイラ……のはずだが、これはキマイラ……で、合ってるんだよな?
そう悩んでしまいそうな程、相手の魔物は予想していたものよりも小さく、また何かごちゃごちゃとした見た目をしていた。
『首だけのメデューサ』……これが一番しっくりくる例えになるかもな。
それも、顔の部分まで覆われている奴を想像すると分かりやす……くもないか。正確に言えば首も顔も無いんだし。
そして今日、こちらが選出したのはまたまたプチ男だ。あと凄くどうでも良いが、コイツが登場したその時は観客が結構沸いていた。
「始め!」
さあ、試合開始だ。
それではどうでも良い事はさておいて、俺はプチ男のセコンドに専念させてもらう。
しかし、試合が始まったと言うのにも関わらず、プチ男は相手と一定の距離を保ったまま動かずにいた。
……が、これは予定通り。
相手がどう攻めて来るのかも全く分からないので、プチ男には距離を詰め過ぎるなと事前に伝えていたのだ。
うーん……改めて対戦相手の魔物を見てみると、全方位に触手のような物が付いているのでなかなか攻撃の指示を出し辛い。
アレはやはり、その全てが自由自在に動かせるようになっていて、それですぐにでも反撃が出来てしまうのだろうか?
それと顔らしき物は見当たらないが、奴の目は見えているのだろうか?
……未知の存在を前にした俺は、未だ的確な指示を出せずにいた。
と、その時。
数本の触手が、目の前の球体へと向けて勢い良く伸びて来た。
だが、それをプチ男は難無く躱す。
……ふぅ、やはり様子見させていて正解だったようだ。
そして、それを皮切りにプチ男はキマイラの周囲を旋回し始める。
なるほど、アイツにしては良い判断だ。
俺もまだ、手を出すべきではないと思う。
しかし、その出方が気に入らなかったのか、今度の敵は狂ったように、先程と同じような攻撃を何度も繰り出して来た。
……当たる可能性は低そうに見えるが、手数が多過ぎる。こちらもそろそろ反撃しなければ、プチ男の体力が心配だ。
「クボタさん、待ってください」
そこで俺は攻撃の指示を出そうとしたが、それよりも早くコルリスが耳元で囁いた。
恐らくは彼女も、俺が今指示を出そうとした事に気付いてそうしたのであろう。
「どうしたの?」
「攻めるのはもう少し待ってみましょ。
ホラ、なんか凄い事になってますし」
コルリスの言葉を聞いた俺が試合に目を戻すと。
「ん……?
…………うわぁ」
ほんの少し目を離した間に、いつの間にかキマイラの攻撃対象がプチ男から審判の男性へと代わっていた。
……え、何で?
旋回しているプチ男の背後に、あの男性が腰を据えてしまったのが原因だとは推測出来るが……それでもやっぱり、意味が分からない。
「あのタイプのキマイラって、あんまり頭が良くないらしいんですよ。
さあ今です、クボタさん!」
納得のいく理由を教えてくれたのはコルリスだった。
ふむ、それなら……
彼女の言うように、今がチャンスと言う事だな!
「よし!プチ男!」
それを知った俺が声を上げると、名を呼ばれたプチ男は。
最後に自身の編み出した技であり、かつ得意技でもある『体を思い切り引き伸ばして飛び出す体当たり』を攻撃手段に選んだ。
確かにプチ男の攻撃の中で、最もスピードと威力があるのはこの技だ……それならば今取れる中で最善の選択をコイツはしたと言えるだろう。
正直、ここまで臨機応変に戦えるようになるとは思わなかった……が。
……とにかく。
これで、勝てるはずだ!!
「…………あっ」
すると……
プチ男は、審判もろともキマイラを薙ぎ倒し。
そして見事、勝利を勝ち取ったのであった。
ちょっと、審判に申し訳ないという気持ちを残す、何処かすっきりとしない、そんな勝星を…………
「……ところで、コルリスちゃん。
何で俺が、攻撃の指示を出そうとしてたのが分かったの?」
「えっ……?
だって、クボタさん分かりやすいんですもん。
良かったですね、相手が私じゃなくて」
「ハハハ、本当にそうだね」
まあ、とにかく。
これで俺達はベスト4進出、残るは後2試合だ。
……ふぅ。緊張が解けたら、急に腹が減ってきた。
ロフターの試合の前に腹ごしらえが必要だな。
……いや待て、勘違いしないで欲しい。
別に悪意があって勝手に読んだとかそう言うワケでは無い。
ほら、だってルーは……字が読めないだろう?
それに、俺が読まなかったらロフターの希望である『どうか心を入れ替えた僕の試合を見に来て下さい。そして優勝した暁には……(これ以降は彼の名誉のためにも省略させてもらう)』と言うのも、知られぬまま彼は自動的に玉砕していたはず。
だからそう、俺は無罪であるのだ。
誰が何と言おうとも。
だがそれにしても、なかなかこまっしゃくれた坊ちゃんだ。俺の目の黒い内は、ルーはやらんぞ?
まあ、もう死んでるけど……
……さて。
俺はそんな風に、「やらんぞ!」とか言っているワケだが。
実の所、しっかり闘技場には到着している。
次はその理由について説明しよう。
それは……こっちも試合があるのだ。
まあ幸いと言うべきか、俺達の試合は午前中でロフターの方は午後に行われる。
なのでまあ仕方無いから、アイツの試合も見るくらいはしてやる予定だ。
……まあ良い。
今は自分達の試合に集中するとしよう。
そんな俺達の、今回の相手はキマイラ……のはずだが、これはキマイラ……で、合ってるんだよな?
そう悩んでしまいそうな程、相手の魔物は予想していたものよりも小さく、また何かごちゃごちゃとした見た目をしていた。
『首だけのメデューサ』……これが一番しっくりくる例えになるかもな。
それも、顔の部分まで覆われている奴を想像すると分かりやす……くもないか。正確に言えば首も顔も無いんだし。
そして今日、こちらが選出したのはまたまたプチ男だ。あと凄くどうでも良いが、コイツが登場したその時は観客が結構沸いていた。
「始め!」
さあ、試合開始だ。
それではどうでも良い事はさておいて、俺はプチ男のセコンドに専念させてもらう。
しかし、試合が始まったと言うのにも関わらず、プチ男は相手と一定の距離を保ったまま動かずにいた。
……が、これは予定通り。
相手がどう攻めて来るのかも全く分からないので、プチ男には距離を詰め過ぎるなと事前に伝えていたのだ。
うーん……改めて対戦相手の魔物を見てみると、全方位に触手のような物が付いているのでなかなか攻撃の指示を出し辛い。
アレはやはり、その全てが自由自在に動かせるようになっていて、それですぐにでも反撃が出来てしまうのだろうか?
それと顔らしき物は見当たらないが、奴の目は見えているのだろうか?
……未知の存在を前にした俺は、未だ的確な指示を出せずにいた。
と、その時。
数本の触手が、目の前の球体へと向けて勢い良く伸びて来た。
だが、それをプチ男は難無く躱す。
……ふぅ、やはり様子見させていて正解だったようだ。
そして、それを皮切りにプチ男はキマイラの周囲を旋回し始める。
なるほど、アイツにしては良い判断だ。
俺もまだ、手を出すべきではないと思う。
しかし、その出方が気に入らなかったのか、今度の敵は狂ったように、先程と同じような攻撃を何度も繰り出して来た。
……当たる可能性は低そうに見えるが、手数が多過ぎる。こちらもそろそろ反撃しなければ、プチ男の体力が心配だ。
「クボタさん、待ってください」
そこで俺は攻撃の指示を出そうとしたが、それよりも早くコルリスが耳元で囁いた。
恐らくは彼女も、俺が今指示を出そうとした事に気付いてそうしたのであろう。
「どうしたの?」
「攻めるのはもう少し待ってみましょ。
ホラ、なんか凄い事になってますし」
コルリスの言葉を聞いた俺が試合に目を戻すと。
「ん……?
…………うわぁ」
ほんの少し目を離した間に、いつの間にかキマイラの攻撃対象がプチ男から審判の男性へと代わっていた。
……え、何で?
旋回しているプチ男の背後に、あの男性が腰を据えてしまったのが原因だとは推測出来るが……それでもやっぱり、意味が分からない。
「あのタイプのキマイラって、あんまり頭が良くないらしいんですよ。
さあ今です、クボタさん!」
納得のいく理由を教えてくれたのはコルリスだった。
ふむ、それなら……
彼女の言うように、今がチャンスと言う事だな!
「よし!プチ男!」
それを知った俺が声を上げると、名を呼ばれたプチ男は。
最後に自身の編み出した技であり、かつ得意技でもある『体を思い切り引き伸ばして飛び出す体当たり』を攻撃手段に選んだ。
確かにプチ男の攻撃の中で、最もスピードと威力があるのはこの技だ……それならば今取れる中で最善の選択をコイツはしたと言えるだろう。
正直、ここまで臨機応変に戦えるようになるとは思わなかった……が。
……とにかく。
これで、勝てるはずだ!!
「…………あっ」
すると……
プチ男は、審判もろともキマイラを薙ぎ倒し。
そして見事、勝利を勝ち取ったのであった。
ちょっと、審判に申し訳ないという気持ちを残す、何処かすっきりとしない、そんな勝星を…………
「……ところで、コルリスちゃん。
何で俺が、攻撃の指示を出そうとしてたのが分かったの?」
「えっ……?
だって、クボタさん分かりやすいんですもん。
良かったですね、相手が私じゃなくて」
「ハハハ、本当にそうだね」
まあ、とにかく。
これで俺達はベスト4進出、残るは後2試合だ。
……ふぅ。緊張が解けたら、急に腹が減ってきた。
ロフターの試合の前に腹ごしらえが必要だな。
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