異世界魔物大図鑑 転生したら魔物使いとかいう職業になった俺は、とりあえず魔物を育てながら図鑑的なモノを作る事にしました

おーるぼん

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一章 〜雑魚魔物使い〜

二十二話 青二才の奮闘

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午後からも、引き続きカムラ杯の試合が行われるらしい。

しかも、今日はそれだけ……
つまり、ロフターは俺達と同じ大会に出場していやがったのだ。

恋する少年よ、優勝したらどうたらと手紙に書いていたが、これだとルーを倒す前提の話になるけどそれで良いのか?あれはラブレターの皮を被った、遠回しの挑発だったという事か?

とそのように、色々と悪い方向に想像を膨らませていたせいか。いつしか俺の表情は険しいものとなってしまっていた。

「どうしたんですかクボタさん?そんな難しい顔して。はい、おやつ買ってきましたよ」

「あ……ありがとうコルリスちゃん」

一方で、コルリスはあんまり気にしていないようだ。

……なら俺もそうするか。
いやむしろ、ポジティブに行こうじゃないか。

そうだ、戦う可能性があるのだから、この際がっつりと彼の試合を見て情報収集させてもらうとしよう。

「ねえ、コルリスちゃんはこの試合どっちが勝つと思う?」

「そうですねぇ、相手にもよりますけど……でも、ロフター君の勝ちは決まってるようなものだとは思いますよ。

単純な力だけでも、ギガントトロールに勝てる魔物なんてそうそういませんからね」

「なるほど……でもアイツ。
あのサイズだと殆どの対戦相手が自分より小さいでしょ?それなのに、小柄な魔物がちょっと苦手みたいなんだ。

だから、力の差があったとしても勝つのは難しいかも知れないよ?いや、むしろいつ負けてもおかしくはないんじゃないかな」

「え?……あぁ、そう言う事ですか。
クボタさんルーちゃん基準で考えてますね?

良いですか?これはGランクの大会なんですよ?
あんな体格差を実力だけで覆せる魔物なんて、なかなかいませんよ?」

「…………あ~、それもそうだね」

「まあ、そう思っちゃうのも仕方無いです。
そもそも私達の回りがおかしいんですもん。

ロフター君もそうですし、ジェリアちゃんが連れてるミドルスライムだって、Gランクでは滅多に見かけない充分強力な魔物です……それと、ルーちゃんもですが」

「じゃあ『俺達の回りがおかしい』って言うのには、俺達も含まれてるって事だね」

「フフッ、そうなっちゃいますね。
……あ、そろそろ試合、始まるみたいですよ!」

コルリスにそう言われ、俺はおやつ欲しさに纏わり付いていたプチ男を彼女の膝上へと置き、次に左隣にいるルーに正面を見るよう促してから。

漸く、闘技場の中央に視線を移した……が。
安い席にしてしまったせいか遠くて色々と分かり辛い。

でもまあ、俺の方から見て右側がロフターの陣営なはずだ。いや、ギガントトロールと言う名の馬鹿デカい目印もあるし間違いない。

となると、逆側がロフターの対戦相手か……俺はそちらへと目を向けた。

そちら側の魔物はこれもまた緑色で、しかも人型をしていた……トロール、だろうか?

それか見た事が無いので断定は出来ないが、オークかゴブリンと言う可能性もある。

ただ何にせよ、ルーよりかは上背があるので、少なくとも彼女よりは小回りの利くタイプでは無いと見た。

そして、そうとなると、あの魔物は。
消去法で正面から殴り合う戦法こそが最善策となってしまうだろう。

これは、ロフターの勝ちだな。

クイッ、クイッ

不意に服の袖を引かれた俺が振り向いて見ると、そこでは『見て見て!』とでも言いたげな顔をしたルーが中央に向けて指を差していた。

「ん……?ああ、試合だね。
終わるまで大人しくしてるんだぞ?」

全然意味が分からないが、とにかく可愛い。
まるでイルカショーではしゃぐ子供のようだ。

…………ハッ!

いや、もしかしたら彼女は単にはしゃいでいるのでは無くて……あそこにいるロフターを気に入ったからそうしているのか!?

だとすると……呑気な事を言っている場合ではないな。絶対に、絶対にアイツの優勝だけは阻止しなければ……俺はそう心に誓った。

「クボタさん……難しい顔の次は怖い顔して、何を考えてるんですか?

ほら、試合始まりましたよ?」

「あっ、ホント?」

色々と考え込んでいたせいだろうか。
いつしか知らぬ間に、試合が始まっていたようだ。
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