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一章 〜雑魚魔物使い〜
22.5話 そして巨人は……
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そしてキマイラ戦の時よりも若干多い観客は沸き立ち、中央の二体はゆっくりと動き出す……
先に仕掛けたのはギガントトロールだった。
奴はすぐさま巨大な両手を振り回し、平手打ちを狙う。
「おぉ……」
今の動きだけで分かった、小僧はなかなか成長している。
チャンスでも無いのに乱発される大振りで隙だらけなパンチを止めさせ、代わりの通常攻撃に、アイツの手の大きさを最大限活用出来るビンタを採用したのだから。
ただ一方で、相手はこれを全て躱し、じわじわと前進していた……もしかするとコイツの飼い主は、ルーとギガントトロールとの一戦を見ていたのかも知れない。
どうやらあの時と同じく、相手の懐に潜り込もうとしているようだ。
「~!」
その時、ロフターの声が場内に響いた。
何と言ったのか聞き取れはしなかったが、恐らく指示を出したのだろう。
すると、ギガントトロールは片足を振り上げ、その直後に地響きが起こった。
今のは、踏み付けを狙った……と、言うよりは、相手を引き離すことを目的としたような攻撃だったように思える。
……なるほど、そうか。
今回の大会までに弱点を克服する事は出来なかったが、ならば足元に入れさせなければ良い。
と、そう考えたワケか。やるなロフター。
しかし、相手の魔物もかなりの手練れである事は間違い無いようだ。
何せギガントトロールの起こした地響きを恐れもせず、またそれに怯えもせず、今も尚淡々と攻撃を躱し続けているのだ。
これはいくら体格の面で有利と言えども、決して油断してはならないだろう。
この勝負、どちらが勝つのか分からなくなってきたぞ……
「面白くなってきましたね、クボタさん!」
「うん。他の人の試合を見るのは初めてだけど、結構楽しいもんだね」
「ですよねですよね!
入場料も思ってたより安いですし、また来ましょうよ!」
そんな試合を見たコルリスは、余程興奮しているのだろう。
さっきからプチ男に手にしたおやつを食われ続けているが、それでも彼女は気付かないでいる。
(ちなみに言うとそれは、現在進行形の話だ)
「~!」
その時、またロフターが指示を出すのが聞こえた。
……あ。
そう言えば、名ばかりとは言え彼の応援のためにやって来た事をすっかり忘れていた。
それじゃあ、今からでもしてやるとしよう。
そう思い俺が目を戻すと、今度は踏み付けを避けた敵の魔物に、ギガントトロールが前回のように全力で拳を振り下ろそうとしていた。
えぇ、それはマズいんじゃないか!?
別に相手はまだ、弱っているワケでも無いだろうに……アイツ、思い通りに攻撃が当たらなくて勝負を焦ったな。
すると、それを見た敵の魔物は、すぐさま巨人へと走り出す……やはり、この時を待っていたのだ。
ヤバい、悪い予感が当たった!
「ロフター!読まれてるぞ!」
そこで俺はそう叫んではみたが、声は観客の響きによって掻き消されてしまい、届く事は無かった。
…………そして。
拳を掻い潜った魔物は、前転しながら巨人の股の間を抜け背後へと回り込み。
膝の裏に肘を入れ、体勢の崩れたギガントトロールの顔と共に、顎が自身の前にまでやって来た事を確認すると。
最後に、そこへと向けて全体重を掛けた膝蹴りをお見舞いした。
……一方、それを喰らった巨人はと言うと。
驚くべき事にも、何とギガントトロールは反撃する間も無く陥落してしまったであった……
「…………マ、マジか」
空いた口が塞がらない。
今の俺はまさに、そのような状態だった。
何せルーの戦法をパクったとは言え、Gランクであの体格差を覆せる魔物が今まさにもう一体現れてしまったのだ。
要注意人……もとい、要注意魔物としてよく覚えておこう。せめて、何の魔物なのかだけでも分かれば良いのだが……まあ良い。
それにしても、ロフターはよく頑張ったと思う。
後で声でも掛けてや……いや、落ち込んでるかもしれないし掛けない方が良いかな?
……では、今は帰るとしよう。
「コルリスちゃん、帰ろっか。
また見に来よう、〝アイツ〟の試合の時にね」
「はい!もちろんお供しますよ!」
そうして俺は、席を立つと共に。
打倒人型魔物に向けた、結構含みのある言い方 (カッコつけたとも言う) をした……はずなのだが。
コルリスの返事は喜びに弾んでいた、ような気がした。
……よっぽど楽しかったんだな、コルリスちゃん。
そんでもってこの子、俺と一緒でロフターの応援に来た事完全に忘れてるな。
先に仕掛けたのはギガントトロールだった。
奴はすぐさま巨大な両手を振り回し、平手打ちを狙う。
「おぉ……」
今の動きだけで分かった、小僧はなかなか成長している。
チャンスでも無いのに乱発される大振りで隙だらけなパンチを止めさせ、代わりの通常攻撃に、アイツの手の大きさを最大限活用出来るビンタを採用したのだから。
ただ一方で、相手はこれを全て躱し、じわじわと前進していた……もしかするとコイツの飼い主は、ルーとギガントトロールとの一戦を見ていたのかも知れない。
どうやらあの時と同じく、相手の懐に潜り込もうとしているようだ。
「~!」
その時、ロフターの声が場内に響いた。
何と言ったのか聞き取れはしなかったが、恐らく指示を出したのだろう。
すると、ギガントトロールは片足を振り上げ、その直後に地響きが起こった。
今のは、踏み付けを狙った……と、言うよりは、相手を引き離すことを目的としたような攻撃だったように思える。
……なるほど、そうか。
今回の大会までに弱点を克服する事は出来なかったが、ならば足元に入れさせなければ良い。
と、そう考えたワケか。やるなロフター。
しかし、相手の魔物もかなりの手練れである事は間違い無いようだ。
何せギガントトロールの起こした地響きを恐れもせず、またそれに怯えもせず、今も尚淡々と攻撃を躱し続けているのだ。
これはいくら体格の面で有利と言えども、決して油断してはならないだろう。
この勝負、どちらが勝つのか分からなくなってきたぞ……
「面白くなってきましたね、クボタさん!」
「うん。他の人の試合を見るのは初めてだけど、結構楽しいもんだね」
「ですよねですよね!
入場料も思ってたより安いですし、また来ましょうよ!」
そんな試合を見たコルリスは、余程興奮しているのだろう。
さっきからプチ男に手にしたおやつを食われ続けているが、それでも彼女は気付かないでいる。
(ちなみに言うとそれは、現在進行形の話だ)
「~!」
その時、またロフターが指示を出すのが聞こえた。
……あ。
そう言えば、名ばかりとは言え彼の応援のためにやって来た事をすっかり忘れていた。
それじゃあ、今からでもしてやるとしよう。
そう思い俺が目を戻すと、今度は踏み付けを避けた敵の魔物に、ギガントトロールが前回のように全力で拳を振り下ろそうとしていた。
えぇ、それはマズいんじゃないか!?
別に相手はまだ、弱っているワケでも無いだろうに……アイツ、思い通りに攻撃が当たらなくて勝負を焦ったな。
すると、それを見た敵の魔物は、すぐさま巨人へと走り出す……やはり、この時を待っていたのだ。
ヤバい、悪い予感が当たった!
「ロフター!読まれてるぞ!」
そこで俺はそう叫んではみたが、声は観客の響きによって掻き消されてしまい、届く事は無かった。
…………そして。
拳を掻い潜った魔物は、前転しながら巨人の股の間を抜け背後へと回り込み。
膝の裏に肘を入れ、体勢の崩れたギガントトロールの顔と共に、顎が自身の前にまでやって来た事を確認すると。
最後に、そこへと向けて全体重を掛けた膝蹴りをお見舞いした。
……一方、それを喰らった巨人はと言うと。
驚くべき事にも、何とギガントトロールは反撃する間も無く陥落してしまったであった……
「…………マ、マジか」
空いた口が塞がらない。
今の俺はまさに、そのような状態だった。
何せルーの戦法をパクったとは言え、Gランクであの体格差を覆せる魔物が今まさにもう一体現れてしまったのだ。
要注意人……もとい、要注意魔物としてよく覚えておこう。せめて、何の魔物なのかだけでも分かれば良いのだが……まあ良い。
それにしても、ロフターはよく頑張ったと思う。
後で声でも掛けてや……いや、落ち込んでるかもしれないし掛けない方が良いかな?
……では、今は帰るとしよう。
「コルリスちゃん、帰ろっか。
また見に来よう、〝アイツ〟の試合の時にね」
「はい!もちろんお供しますよ!」
そうして俺は、席を立つと共に。
打倒人型魔物に向けた、結構含みのある言い方 (カッコつけたとも言う) をした……はずなのだが。
コルリスの返事は喜びに弾んでいた、ような気がした。
……よっぽど楽しかったんだな、コルリスちゃん。
そんでもってこの子、俺と一緒でロフターの応援に来た事完全に忘れてるな。
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