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二章 〜下級魔物使い〜
六十七話 人ならざる者の願い その2
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簡単なあらすじ『アルヴァークはクボタさんに何を頼みたいのでしょう?』
アルヴァークからの頼み事……しかも俺に?
まあとりあえず、俺は話だけでも聞いてみる事にした。
しかし、それは一体どのようなものなんだろうか?
〝魔王城にいる私の息子。あれの事を頼みたいんだ〟
アルヴァークの頼み……それは意外なものであった。
「えっ!?それは、どう言う……?」
俺は驚いて聞き返した。
それはそうだろう。いきなり息子を頼むと言われても、どうしろというのだ。
〝言葉通りだよ。そこにいる私の息子、あれを外へと連れ出して欲しい。
そして、あれに大自然の厳しさを、空の遥かな大きさを……もう少し欲を言えば、『愛してくれる者の温もりを』……教えてやって欲しいんだ。
突然の人ならざる者からの頼み、混乱している事だろう。それに関しては本当にすまないと思っている。だが、どうか、どうかお願いだ。
私がしてやれれば良かったのだが、最早それをしてやるだけの時間すら、もうこの私には残されていないんだ…………〟
アルヴァークは続け様にそう言う。
だが、しかし……
「謝らないで下さい。それは構いませんから。
皆も分かってくれると思いますし、大丈夫ですよ……
でも、一つだけ教えて下さい。
何故僕なんですか?」
俺は彼の頼みを聞き終えた直後から胸に抱いていた疑問を口にした。
ワケが分からなかったからだ。
だって……俺は……
「だって、僕は……あの時何も出来なかったんですよ?
そんな奴になんて預けても、むしろ心配なんじゃ……僕より強くて優秀な魔物使いなんて、いくらでもいると思いますよ」
そう、実際俺は何も出来なかった。やった事なんて自称神様に身体を貸した事くらいだ。
そんな奴に自分の大事な息子を任せるなんて……どうかしてる。
だが、そんな風に悩む俺へとアルヴァークはこう言った。
こう、言ってくれた。
〝私は強さ、優秀さなど求めてはいない……『今の君』にはね。
君はまだ、成長途中じゃあないか。なら、あれと一緒だよ。むしろそれなら丁度良いくらいだ。
私が君に頼んだ理由は他にある。
それは君の優しさに触れたからだ。
私の声を聞いただけで苦しむような状態でありながらも、私を『還そうと』してくれた。
それも、無関係の君がだ……理由なんてこれだけで充分だと、そうは思わないかい?〟
「でも、優しい魔物使いならもっと……それに、あの場面なら誰だって」
〝あのような状況で自分よりも格上の魔物を、それもアンデッドと成り果てた魔物を、誰しもが救おうとすると?
違うな。そんな者など殆どいないさ……
謙遜しなくても良い。私が君の優しさのお陰で救われたのは紛れもない事実なんだから。
考えてもみてくれ?もしもあの時君が逃げ出していれば、『彼』は身体を得る事が出来ず、私は未だに荒野を彷徨っていたはずだ。
それに、彼と君とがどんな関係なのかは知らないが……恐らくあれが、君にその身体を与えたんだろう?ならそれだけでも君は信頼出来、我が息子を任せるに相応しい人物だと言える。
彼は私の大切な友人なんだからね……
そう、これだけでも君は充分、信頼に値する人物だったんだよ。だからこそ君に頼みたかったんだ〟
「……貴方にとってアイツは、親友みたいなものだったんですね」
アルヴァークにそう言われ、心が温かくなったような、そんな気持ちにさせられた。
正直まさか、そこまで俺の事を信頼しての頼みだとは思わなかった……なら改めて、それも喜んで、引き受けさせてもらうとしようか。
貴方の忘れ形見ならば、喜んで。
それを口に出そうとしたが、先に話し始めたのはまたもやアルヴァークの方だった。
〝すまない。少し喋り過ぎてしまったな……時間切れだ〟
「えっ?」
〝私はともかく、『君が』時間切れなんだ。その状態で長くここに留まれば、君は……だから私はもう行くよ。君も早く目覚めると良い。
最後に……ありがとう。
息子をどうか、よろしく頼むよ〟
そう言って、アルヴァークは飛び去って行った。
先程まで大きかった竜は天に飛び立つと、見続けるほどに小さくなり、その姿を空へと溶かしてゆく。
俺は、せめて後悔の無いように生きていこう。
勿論、この世界で…………彼の分まで。
それを見ていると、何故だか強くそう思った。
これは夢であるはずなのに。
俺の脳が作り上げた、出鱈目であるはずなのに。
アルヴァークからの頼み事……しかも俺に?
まあとりあえず、俺は話だけでも聞いてみる事にした。
しかし、それは一体どのようなものなんだろうか?
〝魔王城にいる私の息子。あれの事を頼みたいんだ〟
アルヴァークの頼み……それは意外なものであった。
「えっ!?それは、どう言う……?」
俺は驚いて聞き返した。
それはそうだろう。いきなり息子を頼むと言われても、どうしろというのだ。
〝言葉通りだよ。そこにいる私の息子、あれを外へと連れ出して欲しい。
そして、あれに大自然の厳しさを、空の遥かな大きさを……もう少し欲を言えば、『愛してくれる者の温もりを』……教えてやって欲しいんだ。
突然の人ならざる者からの頼み、混乱している事だろう。それに関しては本当にすまないと思っている。だが、どうか、どうかお願いだ。
私がしてやれれば良かったのだが、最早それをしてやるだけの時間すら、もうこの私には残されていないんだ…………〟
アルヴァークは続け様にそう言う。
だが、しかし……
「謝らないで下さい。それは構いませんから。
皆も分かってくれると思いますし、大丈夫ですよ……
でも、一つだけ教えて下さい。
何故僕なんですか?」
俺は彼の頼みを聞き終えた直後から胸に抱いていた疑問を口にした。
ワケが分からなかったからだ。
だって……俺は……
「だって、僕は……あの時何も出来なかったんですよ?
そんな奴になんて預けても、むしろ心配なんじゃ……僕より強くて優秀な魔物使いなんて、いくらでもいると思いますよ」
そう、実際俺は何も出来なかった。やった事なんて自称神様に身体を貸した事くらいだ。
そんな奴に自分の大事な息子を任せるなんて……どうかしてる。
だが、そんな風に悩む俺へとアルヴァークはこう言った。
こう、言ってくれた。
〝私は強さ、優秀さなど求めてはいない……『今の君』にはね。
君はまだ、成長途中じゃあないか。なら、あれと一緒だよ。むしろそれなら丁度良いくらいだ。
私が君に頼んだ理由は他にある。
それは君の優しさに触れたからだ。
私の声を聞いただけで苦しむような状態でありながらも、私を『還そうと』してくれた。
それも、無関係の君がだ……理由なんてこれだけで充分だと、そうは思わないかい?〟
「でも、優しい魔物使いならもっと……それに、あの場面なら誰だって」
〝あのような状況で自分よりも格上の魔物を、それもアンデッドと成り果てた魔物を、誰しもが救おうとすると?
違うな。そんな者など殆どいないさ……
謙遜しなくても良い。私が君の優しさのお陰で救われたのは紛れもない事実なんだから。
考えてもみてくれ?もしもあの時君が逃げ出していれば、『彼』は身体を得る事が出来ず、私は未だに荒野を彷徨っていたはずだ。
それに、彼と君とがどんな関係なのかは知らないが……恐らくあれが、君にその身体を与えたんだろう?ならそれだけでも君は信頼出来、我が息子を任せるに相応しい人物だと言える。
彼は私の大切な友人なんだからね……
そう、これだけでも君は充分、信頼に値する人物だったんだよ。だからこそ君に頼みたかったんだ〟
「……貴方にとってアイツは、親友みたいなものだったんですね」
アルヴァークにそう言われ、心が温かくなったような、そんな気持ちにさせられた。
正直まさか、そこまで俺の事を信頼しての頼みだとは思わなかった……なら改めて、それも喜んで、引き受けさせてもらうとしようか。
貴方の忘れ形見ならば、喜んで。
それを口に出そうとしたが、先に話し始めたのはまたもやアルヴァークの方だった。
〝すまない。少し喋り過ぎてしまったな……時間切れだ〟
「えっ?」
〝私はともかく、『君が』時間切れなんだ。その状態で長くここに留まれば、君は……だから私はもう行くよ。君も早く目覚めると良い。
最後に……ありがとう。
息子をどうか、よろしく頼むよ〟
そう言って、アルヴァークは飛び去って行った。
先程まで大きかった竜は天に飛び立つと、見続けるほどに小さくなり、その姿を空へと溶かしてゆく。
俺は、せめて後悔の無いように生きていこう。
勿論、この世界で…………彼の分まで。
それを見ていると、何故だか強くそう思った。
これは夢であるはずなのに。
俺の脳が作り上げた、出鱈目であるはずなのに。
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