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第二章 島
②
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歩は目を見開いたまま言った。
「充電が………電池残量が100%になってる!?……」
葵もスマホを取りだし、三人に見せながら言った。
「そうです因みに、僕のスマホも100%になってます、船に乗った時は80%程だったと思います……当然充電はしてません」
九条の顔つきは少しこわばっている……動揺を隠そうと、表情を作っているつもりだろうが、隠しきれてない。
山村が葵に聞いた。
「どういう事なんですか?」
山村の問に、葵は両手を外に開き答えた。
「これに関しては……さっぱりです……」
こわばった表情の九条が言った。
「とにかく……これからどうするか……だね」
葵が言った。
「もう少しこの島を調べる必要があります……12戸の建物と四方の4つの施設……一つはプールと広場らしきものでしたが……」
九条が言った。
「君達が離れている間に、君達と逆側の施設を山村さんと少し見てみた」
葵が言った。
「何でしたか?」
「この時計台の針時計を基準に考え……十二時の方向の施設は、船で僕達の出会ったパーティールームみたいな所だった」
山村が九条の説明に付け足すように言った。
「そこには厨房と食糧庫があり、新鮮そうな肉や魚、野菜などもありました」
歩が言った。
「食べるには困らないか……もう一つは?」
九条が答えた。
「九時の方向にあったのは……医務室か実験室のような所だったね」
葵が言った。
「その施設は後で有紀さんにも確認してもらいましょう……因みに、六時の方向の施設は先程確認しましたが……空部屋で何もない六畳程の空間でしたね」
歩が言った。
「あとは………俺達を囲っている12戸の建物だね。たぶん、俺達の部屋だね」
葵が建物の一つを指差し言った。
「そうでしょうね……部屋番らしきものが付いてます、01~12番が針時計の並びになっています」
九条が言った。
「数も人数分だしね」
葵が言った。
「部屋番の下に記載されている数字と記号も気になりますが……それは後でまとめましょう、部屋ごとにバラバラですから」
葵の言うように各部屋番号の下に何やら記載されている。
01番の部屋には『↑ 6-6』
02番の部屋には『→ 6-6』
03番の部屋には『↑ 2-6』
など様々で、『↑ 3-7』や『→ 2-11』と、バラバラだ。
「とにかく部屋を調べる必要があります」
葵がそう言うと、歩が提案した。
「じゃあ……俺と葵君に有紀の三人で部屋を調べよう」
九条が歩に言った。
「君の言いたいことは……だいたいわかるよ。皆をパーティールームに集め、僕と山村船長に場を仕切らせ……待機するってとこかい?」
歩は少し落ち着いたのか、ニッコリして言った。
「そういうこと、医務室らしき場所をもっと確認しておきたいから有紀も連れて行くよ」
九条が言った。
「葵君はわかるが……片岡さんは女性だぞ」
歩は九条に笑いながら答えた。
「あいつを普通の女だと思わないほうがいいぜ……俺達よりよっぽど胆がすわってるよ」
葵が歩に賛同するように言った。
「歩さんの言う通りです、有紀さんの知識は必要です。僕も……おそらく歩さんも医療知識は多少有りますが、現役医師の知識は必要不可欠です」
葵と歩の言い分に、九条は納得するしかなかった。
しかたなしに九条は山村と共に、有紀だけ残して、他のメンバーとパーティールームへ向かった。
するとさっそく有紀が歩に言った。
「一体どういう事だ?九条氏は「主催者の余興だ」と言っていたが……これは明らかにおかしいぞ」
歩が有紀に聞いた。
「まぁ……お前ならそう思うと思ったけど……他の皆の様子は?」
「堂島夫婦は少し不信がっていたが……最終的には「しばらく様子をみる」と話しはまとまったが……」
歩は頭をかきながら言った。
「だよなぁ……流石に少し無理があるか……」
葵が言った。
「いや……混乱を避けれただけで、よしと言えるでしょう……それより調査を続けましょう」
有紀が言った。
「そうだな……葵の言う通りだ。なるべく迅速に情報を集めれるだけ集めたほうがいい……後手に回ると混乱を招きかねない」
歩が言った通り有紀からは、この状況に動揺した様子は感じ取れない、どちらかといえば……葵と同じく興味津々といった感じだ。
葵はズボンのポケットから、船に乗る前に椿から預かった、キーホルダー付きの鍵を取り出した。
「ではまず、僕の部屋から調べましょうか……」
葵が鍵を指でつまみ上げ、プラプラさせながら言うと、歩が言った。
「この流れからいくと、それが部屋の鍵だよねぇ……」
三人は葵が持つ鍵の部屋……『09』番の部屋から調べることにした。
部屋の前に到着すると、葵はドアノブの真上にある鍵穴に鍵をさして、回してみた。
すんなりドアロックは解除された。
葵はドアノブに手をかけて、二人に言った。
「一応……警戒は怠らないで下さい」
歩と有紀は小さく頷き、それを確認した葵はドアノブに力を少しこめた。
「では、開けますよ……」
葵は警戒しながらドアをゆっくり開けた。
少しづつ開いていくドアの隙間から、だんだんと、部屋の全貌が確認できる。
「普通の部屋だね……」
歩は拍子抜けたように言った。
歩の言うように、部屋はいたってシンプルだった。
ホテルの一室のような部屋で、ベッドに小さな冷蔵庫、ノートパソコンがカウンターに1台……それと、ガラス製の丸いテーブルが、入口から確認できる。
ノートパソコンの画面は明るい……既に起動しているようだ。
「一応ドアは開けておこう……」
歩がそう言いと、三人は警戒しながら部屋に入る。
ドアのそばにある、おそらくは照明のスイッチだろうか。
葵がそのスイッチを押すと、部屋に明かりが灯り、部屋は更に鮮明になる。
部屋の奥に扉が二つ……それとおそらくクローゼットとベッドで丸いテーブルを挟む……。
奥の左の扉を歩が、右の扉を葵が開けて確認する。
「バスルームと……洗面所ですね」
右の扉の葵が言った。
「こっちは、洋式トイレだ」
左の扉の歩が言うと、有紀が言った。
「冷蔵庫はミニバーだな……」
葵が言った。
「普通の部屋ですね……とりあえず隅々まで調べますか……」
それから三人は部屋の隅々まで調べてみた。
ベッドやテーブルの下に、空のクローゼット、トイレにバスルーム……一通り調べ終わったところで、葵が言った。
「何点か気になる点があります」
葵は冷蔵庫とノートパソコンを指差し、言った。
「二つともワイヤレスです……それどころかコンセントが何処にもありません……」
人差し指と親指で顎をつまみながら、有紀が言った。
「それは私も感じた……ベッドにある電気スタンドもワイヤレスだ……」
葵が言った。
「おそらく先程のスマホと同じ原理なのでしょう……仕組みはわかりませんが」
歩が言った。
「あとはこれか……」
歩が指差す先にノートパソコンがある。
葵がカウンターにあるノートパソコンの前に立ってマウスを動かした。
カウンターに椅子は備え付けてあったが、あえて座ることはしなかった。
するとマウスに反応し画面が変わる……ホーム画面だ。
葵はまじまじと画面を確認しながら言った。
「アプリケーションがいくつかありますねぇ……エクセルにアクセス、それに……ワードに画像処理に映像処理……うん?……」
葵の異変に歩は反応した。
「どうした?葵君……」
葵は残りのアプリケーションを読み上げた。
「『ストアー』に、A……M……S?『AMS』なんでしょう?」
有紀が言った。
「ストアーはだいたい想像がつくが……『AMS』とはなんだ?」
葵はマウスを操作しながら言った。
「とりあえずストアーを開けてみましょう……」
葵はストアーのアプリケーションを開いて、確認してみた。
横からのぞきこむように画面を見て、歩が言った。
「オンラインショップみたいな感じたねぇ……」
歩の言うようにトップページに、洋服や日用品などの画像が掲載されていて、ページが下がるにつれ、様々なカテゴリーが出てくる。
有紀も画面を見て言った。
「しかし……値段が無いぞ……」
マウスを操作しながら葵が言った。
「試してみましょう……」
歩が葵に聞いた。
「試すって?なにか買うのかい?」
「買うという表現は少し違うと思いますが……カテゴリーを確認してる限りは……危険物は無さそうです」
葵が歩に答えると、歩は心配そうに言った。
「そういう意味じゃ無くて……詐欺の可能性もあるよ」
葵は歩の心配を気にすることなく、操作を進めて言った。
「その心配は無さそうです……クレジットカードや口座番号の登録義務は無さそうです」
有紀が言った。
「とりあえず試してみないとわからないな……」
歩は仕方ないといった表情で言った。
「やれやれ……わかったよ、当たり障りの無い物にしよう」
「わかりました、では…このデジカメにしましょう」
そう言うと葵は、デジタルカメラの欄をクリックした。
するとページが次に移り、『転送』をクリックした。
画面には、横向きのゲージと『ダウンロード中』と、文字が出ている。
ゲージがたまると、『ダウンロード完了』と、文字が出て、画面が前の商品選択画面に戻った。
三人はしばし沈黙した。
すると歩が呟いた。
「どうなったんだ?」
有紀が言った。
「さぁ?変化はなさそうだが……」
すると葵が何かに気付いたように、ニヤリとした。
「成程……だんだんと、わかったきましたよ……。この島のルールが……ふふ……実に面白い……」
有紀が葵に聞いた。
「どういう事だ?葵……」
「では、デジカメのある場所へ行きましょう……ついてきて下さい」
そう言うと葵は部屋を出て行ってしまった。
「ちょっと葵君!……もう一つのアプリは?……」
歩の呼び掛けは虚しく部屋に響く。
「やれやれ……あいつは何か閃くとじっとしてられないようだな」
「呆れてる場合か!早く追いかけるぞ!有紀……」
そう言うと歩は有紀を連れて葵を追った。
「充電が………電池残量が100%になってる!?……」
葵もスマホを取りだし、三人に見せながら言った。
「そうです因みに、僕のスマホも100%になってます、船に乗った時は80%程だったと思います……当然充電はしてません」
九条の顔つきは少しこわばっている……動揺を隠そうと、表情を作っているつもりだろうが、隠しきれてない。
山村が葵に聞いた。
「どういう事なんですか?」
山村の問に、葵は両手を外に開き答えた。
「これに関しては……さっぱりです……」
こわばった表情の九条が言った。
「とにかく……これからどうするか……だね」
葵が言った。
「もう少しこの島を調べる必要があります……12戸の建物と四方の4つの施設……一つはプールと広場らしきものでしたが……」
九条が言った。
「君達が離れている間に、君達と逆側の施設を山村さんと少し見てみた」
葵が言った。
「何でしたか?」
「この時計台の針時計を基準に考え……十二時の方向の施設は、船で僕達の出会ったパーティールームみたいな所だった」
山村が九条の説明に付け足すように言った。
「そこには厨房と食糧庫があり、新鮮そうな肉や魚、野菜などもありました」
歩が言った。
「食べるには困らないか……もう一つは?」
九条が答えた。
「九時の方向にあったのは……医務室か実験室のような所だったね」
葵が言った。
「その施設は後で有紀さんにも確認してもらいましょう……因みに、六時の方向の施設は先程確認しましたが……空部屋で何もない六畳程の空間でしたね」
歩が言った。
「あとは………俺達を囲っている12戸の建物だね。たぶん、俺達の部屋だね」
葵が建物の一つを指差し言った。
「そうでしょうね……部屋番らしきものが付いてます、01~12番が針時計の並びになっています」
九条が言った。
「数も人数分だしね」
葵が言った。
「部屋番の下に記載されている数字と記号も気になりますが……それは後でまとめましょう、部屋ごとにバラバラですから」
葵の言うように各部屋番号の下に何やら記載されている。
01番の部屋には『↑ 6-6』
02番の部屋には『→ 6-6』
03番の部屋には『↑ 2-6』
など様々で、『↑ 3-7』や『→ 2-11』と、バラバラだ。
「とにかく部屋を調べる必要があります」
葵がそう言うと、歩が提案した。
「じゃあ……俺と葵君に有紀の三人で部屋を調べよう」
九条が歩に言った。
「君の言いたいことは……だいたいわかるよ。皆をパーティールームに集め、僕と山村船長に場を仕切らせ……待機するってとこかい?」
歩は少し落ち着いたのか、ニッコリして言った。
「そういうこと、医務室らしき場所をもっと確認しておきたいから有紀も連れて行くよ」
九条が言った。
「葵君はわかるが……片岡さんは女性だぞ」
歩は九条に笑いながら答えた。
「あいつを普通の女だと思わないほうがいいぜ……俺達よりよっぽど胆がすわってるよ」
葵が歩に賛同するように言った。
「歩さんの言う通りです、有紀さんの知識は必要です。僕も……おそらく歩さんも医療知識は多少有りますが、現役医師の知識は必要不可欠です」
葵と歩の言い分に、九条は納得するしかなかった。
しかたなしに九条は山村と共に、有紀だけ残して、他のメンバーとパーティールームへ向かった。
するとさっそく有紀が歩に言った。
「一体どういう事だ?九条氏は「主催者の余興だ」と言っていたが……これは明らかにおかしいぞ」
歩が有紀に聞いた。
「まぁ……お前ならそう思うと思ったけど……他の皆の様子は?」
「堂島夫婦は少し不信がっていたが……最終的には「しばらく様子をみる」と話しはまとまったが……」
歩は頭をかきながら言った。
「だよなぁ……流石に少し無理があるか……」
葵が言った。
「いや……混乱を避けれただけで、よしと言えるでしょう……それより調査を続けましょう」
有紀が言った。
「そうだな……葵の言う通りだ。なるべく迅速に情報を集めれるだけ集めたほうがいい……後手に回ると混乱を招きかねない」
歩が言った通り有紀からは、この状況に動揺した様子は感じ取れない、どちらかといえば……葵と同じく興味津々といった感じだ。
葵はズボンのポケットから、船に乗る前に椿から預かった、キーホルダー付きの鍵を取り出した。
「ではまず、僕の部屋から調べましょうか……」
葵が鍵を指でつまみ上げ、プラプラさせながら言うと、歩が言った。
「この流れからいくと、それが部屋の鍵だよねぇ……」
三人は葵が持つ鍵の部屋……『09』番の部屋から調べることにした。
部屋の前に到着すると、葵はドアノブの真上にある鍵穴に鍵をさして、回してみた。
すんなりドアロックは解除された。
葵はドアノブに手をかけて、二人に言った。
「一応……警戒は怠らないで下さい」
歩と有紀は小さく頷き、それを確認した葵はドアノブに力を少しこめた。
「では、開けますよ……」
葵は警戒しながらドアをゆっくり開けた。
少しづつ開いていくドアの隙間から、だんだんと、部屋の全貌が確認できる。
「普通の部屋だね……」
歩は拍子抜けたように言った。
歩の言うように、部屋はいたってシンプルだった。
ホテルの一室のような部屋で、ベッドに小さな冷蔵庫、ノートパソコンがカウンターに1台……それと、ガラス製の丸いテーブルが、入口から確認できる。
ノートパソコンの画面は明るい……既に起動しているようだ。
「一応ドアは開けておこう……」
歩がそう言いと、三人は警戒しながら部屋に入る。
ドアのそばにある、おそらくは照明のスイッチだろうか。
葵がそのスイッチを押すと、部屋に明かりが灯り、部屋は更に鮮明になる。
部屋の奥に扉が二つ……それとおそらくクローゼットとベッドで丸いテーブルを挟む……。
奥の左の扉を歩が、右の扉を葵が開けて確認する。
「バスルームと……洗面所ですね」
右の扉の葵が言った。
「こっちは、洋式トイレだ」
左の扉の歩が言うと、有紀が言った。
「冷蔵庫はミニバーだな……」
葵が言った。
「普通の部屋ですね……とりあえず隅々まで調べますか……」
それから三人は部屋の隅々まで調べてみた。
ベッドやテーブルの下に、空のクローゼット、トイレにバスルーム……一通り調べ終わったところで、葵が言った。
「何点か気になる点があります」
葵は冷蔵庫とノートパソコンを指差し、言った。
「二つともワイヤレスです……それどころかコンセントが何処にもありません……」
人差し指と親指で顎をつまみながら、有紀が言った。
「それは私も感じた……ベッドにある電気スタンドもワイヤレスだ……」
葵が言った。
「おそらく先程のスマホと同じ原理なのでしょう……仕組みはわかりませんが」
歩が言った。
「あとはこれか……」
歩が指差す先にノートパソコンがある。
葵がカウンターにあるノートパソコンの前に立ってマウスを動かした。
カウンターに椅子は備え付けてあったが、あえて座ることはしなかった。
するとマウスに反応し画面が変わる……ホーム画面だ。
葵はまじまじと画面を確認しながら言った。
「アプリケーションがいくつかありますねぇ……エクセルにアクセス、それに……ワードに画像処理に映像処理……うん?……」
葵の異変に歩は反応した。
「どうした?葵君……」
葵は残りのアプリケーションを読み上げた。
「『ストアー』に、A……M……S?『AMS』なんでしょう?」
有紀が言った。
「ストアーはだいたい想像がつくが……『AMS』とはなんだ?」
葵はマウスを操作しながら言った。
「とりあえずストアーを開けてみましょう……」
葵はストアーのアプリケーションを開いて、確認してみた。
横からのぞきこむように画面を見て、歩が言った。
「オンラインショップみたいな感じたねぇ……」
歩の言うようにトップページに、洋服や日用品などの画像が掲載されていて、ページが下がるにつれ、様々なカテゴリーが出てくる。
有紀も画面を見て言った。
「しかし……値段が無いぞ……」
マウスを操作しながら葵が言った。
「試してみましょう……」
歩が葵に聞いた。
「試すって?なにか買うのかい?」
「買うという表現は少し違うと思いますが……カテゴリーを確認してる限りは……危険物は無さそうです」
葵が歩に答えると、歩は心配そうに言った。
「そういう意味じゃ無くて……詐欺の可能性もあるよ」
葵は歩の心配を気にすることなく、操作を進めて言った。
「その心配は無さそうです……クレジットカードや口座番号の登録義務は無さそうです」
有紀が言った。
「とりあえず試してみないとわからないな……」
歩は仕方ないといった表情で言った。
「やれやれ……わかったよ、当たり障りの無い物にしよう」
「わかりました、では…このデジカメにしましょう」
そう言うと葵は、デジタルカメラの欄をクリックした。
するとページが次に移り、『転送』をクリックした。
画面には、横向きのゲージと『ダウンロード中』と、文字が出ている。
ゲージがたまると、『ダウンロード完了』と、文字が出て、画面が前の商品選択画面に戻った。
三人はしばし沈黙した。
すると歩が呟いた。
「どうなったんだ?」
有紀が言った。
「さぁ?変化はなさそうだが……」
すると葵が何かに気付いたように、ニヤリとした。
「成程……だんだんと、わかったきましたよ……。この島のルールが……ふふ……実に面白い……」
有紀が葵に聞いた。
「どういう事だ?葵……」
「では、デジカメのある場所へ行きましょう……ついてきて下さい」
そう言うと葵は部屋を出て行ってしまった。
「ちょっと葵君!……もう一つのアプリは?……」
歩の呼び掛けは虚しく部屋に響く。
「やれやれ……あいつは何か閃くとじっとしてられないようだな」
「呆れてる場合か!早く追いかけるぞ!有紀……」
そう言うと歩は有紀を連れて葵を追った。
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