白衣の下 第一章 悪魔的破天荒な医者と超真面目な女子大生の愛情物語り。先生無茶振りはやめてください‼️

高野マキ

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アルバイト⁈

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「おい、今からプリントアウトするから校正してみてくれ!雑に書いてるからな…終わったら、言ってくれっ…くれぐれも主旨を外すなよっ 最後、見直しするからな!」


「はぁ~~~っ」  私は、不満を口にした。
人使いが荒すぎる。

「なんだっ 文句あんのか!バカ娘」


(バカって… 何回言った⁈  ムカッ)



扉がノックされた。

  (ドキッ誰か来たよ!)
私はとっさに隠れ場所をキョロキョロ探す。


「黒崎ぃ 私よっ、入るわよ」

  (女性だ…)


ドアがそっと開き廊下のひんやりした空気が流れ込む。 

「おうっ 入れ、 入れ―わりぃなぁ」
先生の声に促され白衣の女性が姿を現した。

(スタ*で親切にしてくれた女医さん?)

「黒崎ぃ あんたねぇ…私が当直なのをいいことに、自分の彼女の薬持ってこいなんて、よくも 言えたものねっ!」

女医さんは 私にウインクして見せた。


「かっ、彼女では、 ありませんっ…誤解しないで欲しいですぅ…こんなオヤジ…全く視界に入ってませんから…」

普段なら倍ほど 毒舌返しが 来るはずだけど、 今日に限って
仕事に打ち込んでいる。   私は無視され…女医さんの方には 見向きもしない。 
先生はモニターを見つめつつ

「薬 置いといてくれ…ありがとな」


「はいよっ」

女医さんは薬を机に置くと、ついでとばかりに私のノートパソコンのモニターを覗き見た…


「ちょっとぉ― 何ぃぃっこのグロい画像はっ!」

女医さんは私のレポートの原稿にくぎ付けだ!

(ちょっと自慢しちゃおうかな…)

女医さんに説明しようと、立ち上がりかけたら…

「早く やること終わらせろっよっ」
腕を掴まれ座らされた。


「ねぇ、黒崎ぃ凄いじゃんっ…  彼女…あどけない顔してさぁ、殺人現場のリポート書いて、いったい この子 何者?…事件リポーターとか…有り得ないか…クス」


女医さんは私を穴の開くほどジロジロと観察しだす。

「っくう…鬱陶しい やつだなっ、何者でも、お前には関係ないだろ」

黒崎先生はモニターから視線を女医さんに移した。
その顔…明らかに 爆発寸前だった。


「関係無くもないよぉ~だってさ、処方箋は貧血改善薬だしぃ、専門は血液内科よ」

「おまえの患者じゃ無いんだよ!いちいち他人を詮索するんじゃねぇ 
目障りだから、出ていけっ!」

女医さんは、全く動じることなく、先生を無視するように私に


「あなた 何者?」  直球を投げてきた。


「私ですかぁ?」

私が答えた瞬間  机を烈しく叩く音。
先生は鬼の形相で女医さんの所まで行くと、彼女の二の腕を鷲掴んで出口まで引っ張って行った。

「さっきから しつこいんだよっ!おまえに関係ねぇつってんだからいちいち人のプライバシーに首突っ込むな!」

先生は、女医さんの二の腕を捻り上げる。

「放しなさい―ッ 先生っ!今の犯罪だからっ、先生の腕に怪我でもさせたら、訴えられても仕方がないから!…止めなさいっ!    この乱暴者!」

私は先生を突き飛ばす勢いだったけれど…力不足、
かろうじて女医さんと先生の間に割って入った。

女医さんは私のS女っぷりにたじろぎ

「まあ…まあ… 私、全然気にしてないし―黒崎先生とは喧嘩仲間みたいなものだからさ、訴えるなんて事は 間違っても無いから…彼女ぉ…安心して!」

部屋を逃げるように出ていく女医さんを見送った。

(んな、凶暴なオヤジと友達なんて酔狂なとしか言えない)

心底そう思った。

(いやいや、狂気に魅せられている私も、同類。)

この騒ぎの張本人は、涼しい顔で椅子の背もたれに踏ん反り返り 両腕を後頭部で組んで視線をパソコンのモニターに落としている。
私は、先生を無視して封書の仕分けを終わらせ、原稿の校正に取り掛かった。

本人が告白する通り、誤解 脱字 文法の誤りがテンコ盛りだった。
赤鉛筆で 真っ赤。

「おい、英訳出来るか?」

(またぁ…いい加減にしろっつうの)


「はっ? ハァ~?」

私は呆れて、バカらしくなってきた。

「んなこと、出来るわけないじゃんっ、専門知識も無けりゃ 専門用語すら わかりません!」


( ふざけるな! 私には私の勉強があるの!  叫べ 怒れ 心の中のわ・た・し!)


「自己中すぎっセンセイは!」

私は横でモニターと睨めっこして勝手に仕事を押し付けてくる男の膝を抓った。


「っデ! おまえの個人情報を守ってやったのに  この恩知らずが」

「どっちが恩知らずよっラーメンの代金返してよっ、返さないんなら、 仕分けも、校正も 英訳だって、 全てバイト代金請求しますからっ」


「おっ、おお 、バイト代はずむ!、英訳してくれるなっ!!!!」

先生の顔が気色ばんだ。


(……しまった………)

無理…医学論文の英訳なんて出来ない。

「アノ~むり…無理ですからね」
私は小声で答えた。

急に向きを変えた先生は、何を思ったのかいきなり私の顔を両手で挟み 長い親指で下の瞼 を引っ張った!

「アッカンベ~ 」
私の顔に寸止め接近し、 んな…トホホな悪戯を仕掛ける。


(はい、どうぞ  どうぞ、 私の貧相顔で貴方のストレスが和らぐならば 私は進んでこの顔を差し出しますよ)

  パチンッ!   (っつぅ! 痛い!)

「なっ、 何すんのォ いきなりぃデコピンってぇ  痛いじゃんよぉ」

私はおでこを大袈裟に撫でた。


「おまえさ…ちゃんとメシ食ってるだろうな」


真面ギレの怖い顔だった。

   (怖っ )


「どっ、どうかしたんですかぁ… その顔怖いです」

私は上目遣いに 先生に媚びる。


「薬を先に飲め… ったくぅ よくぶっ倒れないもんだなまた貧血してるぞ!」
先生は部屋の冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して私に手渡してくれた。


「はあ…一応食べてますが、 何せ 忙しい学生でして…」


女医さんの持ってきた薬を服用する。

「よっしゃあ もう元気ですっ」

私は思い切り背伸びして頑丈さをアピールした。

「さあ 校正しますよっ、 束で ドンっと…」


――――!


急に抱きしめられた。

(先生 苦しいよう…)

先生は私の頭に頬を密着させて すぅっと息を吸い込む。

「おまえっ危なっかしいんだよな…
無鉄砲過ぎるぞ手間かけさせるなよ」

先生は腕の力を解いてくれない。

「先生…大丈夫だって! ただの貧血だし、大袈裟だよ」

私は先生の背中に腕を回し 

「ちょっと力ゆるめて…よ」

先生は腕の力を緩めて私の顔を覗き込んだ。
私は顔を上げチュをせがむ。先生は私の唇を無視すると

「おまえっ 最近、俺を避けてたな?」


ニヤつく厭らしい顔…

「こっ、講義が 詰まってたし…就活と…」

( セフレとか不倫とか有り得ないしー)

「ふんっ、 まあいいさ…だが、さっきのバイトの契約は成立したぜ」

「なにっ ?んなわけないでしょうよっ !口約束なんだから…」

パソコンからメールが届いた電子音
「きたの?」     私は先生を見上げた。

二人で抱きあった体勢はそのまま 先生は片手でボックスを開いた。


「よしっヒット!」

先生の私を抱く片手がギュッと力強くなる。
私は先生の腰に回した腕をぐっと引き寄せ胸に顔を埋めてきた。

(時々 子供っぽい‥)

「良かっねぇ~せんせっ~」

先生はモニターの長文を読むと 返信アイコンをクリックしパソコンを閉じた。




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